JPH0557936A - サーマルヘツドおよびその製造方法 - Google Patents
サーマルヘツドおよびその製造方法Info
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- JPH0557936A JPH0557936A JP3220496A JP22049691A JPH0557936A JP H0557936 A JPH0557936 A JP H0557936A JP 3220496 A JP3220496 A JP 3220496A JP 22049691 A JP22049691 A JP 22049691A JP H0557936 A JPH0557936 A JP H0557936A
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Abstract
りが格段に向上するサーマルヘッドおよびその製造方法
を提供することである。 【構成】 金属材料から成る支持体12の表面をアルゴ
ンガスイオンでエッチングしてその表面の不純物層や酸
化物層を除去する。この表面に酸化シリコンSiO2 を
スパッタリングで成膜して接着層13を形成すると、接
着層13の酸素が支持体12の金属と結合し、両者の界
面に酸化物層が形成され、これにより接着層13は支持
体12に強固に固着される。すなわち樹脂層14は、接
着層13を介して支持体12に強固に固着され、これ以
降の製造工程における加熱処理などにおいて剥離が生じ
る事態が防止されている。
Description
その製造方法に関する。
ナンスフリー、低ランニングコストなどの利点が着目さ
れ、ファクシミリ装置、ワードプロセッサのプリンタな
どの各種記録装置に多用されるようになってきている。
一方、これらの情報機器は小形化、低価格化、低電力化
が要求されており、このため用いられるサーマルヘッド
にも小形かつ高効率のものが望まれている。このような
サーマルヘッドとしては、アルミナAl2O3純度が95
%以上のアルミナ系セラミックを厚さ0.5〜1.0m
m程度に形成して成るセラミックス支持体上に、厚さ5
0〜80μm程度のガラスグレーズ層を形成し、その上
に多数の発熱抵抗体とこの発熱抵抗体に接続される共通
電極および個別電極から成る導電体層とを形成してい
る。この構成では、前記ガラスグレーズ層が各発熱抵抗
体から発生する熱の放散および蓄熱を制御する。
た場合、熱応答性に限界があることが知られている。こ
のため、印字性能を満足しつつ、印字効率を上げるため
にはガラスグレーズ層よりも熱伝導率の小さな樹脂を用
いればよいことが知られている。
ド1の断面図である。サーマルヘッド1は、金属材料か
ら成る支持体2上に前記ガラスグレーズ層を構成するホ
ウケイ酸ガラスよりも熱伝導率の小さな合成樹脂材料、
たとえば芳香族ポリイミド樹脂やエポキシ樹脂から成る
樹脂層3を形成する。樹脂層3上には樹脂保護層4が形
成され、その上には発熱抵抗体5が成膜される。発熱抵
抗体5上には共通電極6および個別電極7が形成され、
図4の紙面と垂直方向に複数配列される発熱素子8が構
成される。この、共通電極6および個別電極7などが保
護膜9で被覆され、サーマルヘッド1が構成される。
な芳香族ポリイミド樹脂やエポキシ樹脂は金属との密着
力は弱いため、サーマルヘッド1を製造する途中でエッ
チングによる各種パターンニングを行う際に用いられる
ホトレジストのポストベーク時(約130℃)に剥離が
生じており、製造上の歩留まりが低いという課題を有し
ている。
し、熱効率を向上するとともに製造上の歩留まりを向上
することができるサーマルヘッドおよびその製造方法を
提供することである。
部材上に耐熱性樹脂層を形成するとともに、該耐熱性樹
脂層上に複数の発熱抵抗体層と電極層とを備えてなるサ
ーマルヘッドにおいて、前記支持部材と耐熱性樹脂層と
の間にSiO2 主成分とする無機材料から成る接着層を
介装したことを特徴とするサーマルヘッドである。
に不活性ガスを用いてエッチングを施す工程と、エッチ
ング後の支持部材の耐熱性樹脂層が形成される面にSi
O2 を主成分とする無機材料から成る接着層を成膜する
工程と、接着層上に耐熱樹脂層を形成する工程と、耐熱
樹脂層上に発熱抵抗体層と電極層とを形成する工程とを
含むことを特徴とするサーマルヘッドの製造方法であ
る。
金属製の支持部材を準備し、その一主面に不活性ガスを
用いてエッチングを施し、上記主面上の不純物層や酸化
膜層を除去する。この後、上記主面上に無機材料から成
る接着層を成膜する。このとき、前記接着層に含まれる
酸素と支持体の金属等が結合し、酸化物層を界面で形成
するため接着層は支持体に強固に密着する。この接着層
上に耐熱樹脂層を形成し、さらに発熱抵抗体層と電極層
とを形成する。
持体に強固に固着され、両者の剥離が生じる事態が防止
され、製造上の歩留まりが大幅に改善される。またサー
マルヘッドとして従来用いられてるガラスグレーズ層に
代えて耐熱樹脂層を形成する。これにより、感熱印画時
には当該耐熱樹脂層によって蓄熱が行われるため、温度
の立上りが急峻になり、印加電力に対する温度上昇の程
度すなわち印字効率が改善される。一方、印画動作後は
金属製の支持体を介して速やかに放熱されるため高速印
字が可能となり、かつ印画品質が向上される。
1の一部分の断面図であり、図2はサーマルヘッド11
の全体の断面図である。本実施例のサーマルヘッド11
は、たとえばFe−Cr−Ni−Ti合金から、例とし
て長さ290m幅15mm厚さ0.5mmの矩形板状に
支持体12を形成し、この上に後述するようにして接着
層13、樹脂層14、樹脂保護層15および発熱抵抗体
層16を積層する。発熱抵抗体16上には共通電極17
および個別電極18が形成され、図2の紙面と垂直方向
に配列される複数の発熱素子23を構成する。
て被覆され、また発熱抵抗体層16上には、外部からサ
ーマルヘッド11を駆動制御するための信号などが供給
される信号ライン20が形成される。信号ライン20と
個別電極18とにたとえば集積回路素子などとして実現
される駆動回路素子21がたとえば半田バンプを用いる
フェースダウンボンディング法などにより接続され、こ
のような駆動回路素子21は電気絶縁性と硬度とを有す
る被覆層22によって被覆される。このようなサーマル
ヘッド11は、プラテンローラ24との間で感熱記録紙
25を挟圧して感熱印画を行う。
製造する製造工程を説明する工程図である。工程a1で
は、前記金属製の支持体12を洗浄する。工程a2で
は、洗浄された支持体12をスパッタリング装置に投入
し、7×10-5torrに減圧し、アルゴンArガスを
導入し、5×10-3torrとする。次に支持体12側
が負極となる高周波電力を印加すると、ターゲットと支
持体12との間でプラズマ放電が開始され、プラズマ放
電によって生成されたアルゴンイオンAr+は支持体1
2表面に衝突する。これにより、支持体12表面の不純
物層や酸化膜層を除去するエッチングが施される。この
ようなエッチングを電力密度2W/cm2で30分間行
った後、放電を終了させる。次に工程a3では、スパッ
タリング装置内を再び真空引きを行い、2×10−5t
orrになった時点で再びアルゴンガスを導入し、5×
10-3torrとする。次にターゲット側が負極になる
ような高周波電力を印加し、酸化シリコンSiO2から
成るターゲットをスパッタリングし、接着層13を膜厚
t1(例として1μm)成膜する。
ナ装置によって塗布し乾燥する。これを2回繰り返し焼
成を行い、膜厚t2(例として約20μm)の樹脂層1
4を得る。次に工程a5では、支持体12を再びスパッ
タリング装置内に格納し、酸化シリコンSiO2 をター
ゲットとし、スパッタリングにより膜厚t3(例として
4μm)まで成膜を行い、樹脂保護層15を得る。工程
a6では、樹脂保護層15上に再びスパッタリングによ
りTaSiO2 などから成る発熱抵抗体層16を成膜
し、工程a7ではアルミニウムを成膜した後、共通電極
17、個別電極18および信号ライン20をパタンニン
グする。工程a8では、たとえば五酸化タンタルTa2
O5を成膜して保護層19を形成する。この後、前述し
たような駆動回路素子21をフェースダウンボンディン
グ法により個別電極18および信号ライン20に接続し
た後、被覆層22で駆動回路素子21付近を被覆する。
1において支持体12の主面をアルゴンガスイオンでエ
ッチングし、表面の不純物層や酸化物層を除去した後
に、酸化シリコンSiO2 をスパッタリングしている。
このとき接着層13の酸素と支持体12の金属とが結合
し、両者の界面に酸化物層が形成され、これを介して接
着層13は支持体12に強固に付着する。すなわち、接
着層13上に形成される樹脂層14は接着層13に強く
固着する。したがって、樹脂層14は支持体12に強固
に固着されることになる。
7,18および信号ライン20などをパタンニングする
際に必要なホトレジストをたとえば130℃の温度でポ
ストベークする際、従来発生していた剥離を解消するこ
とができた。これにより製造上の歩留まりが大幅に向上
し、低コストで高信頼性のサーマルヘッド11を提供す
ることができる。
ウケイ酸ガラスでは、熱伝導率k=2.9×10-4cal/
mm℃秒であるのに対し、これよりも熱伝導率が格段に小
さくk=0.7×10-4cal/mm℃秒であるポリイミド樹
脂を用いており、発熱素子23の発熱駆動時には樹脂層
14により蓄熱が行われて、比較的速やかに昇温するの
で熱応答性が良好である。また、通電遮断時には発生し
た熱は、樹脂層14、接着層13を介して金属である支
持体12に速やかに放熱が行われるため、この点におい
ても熱応答性が良好である。すなわち、本実施例のサー
マルヘッド11では、印画動作を格段に高速化すること
ができる。
て支持体12と樹脂層14とを強固に固着した。これに
より、駆動回路素子21を半田バンプを用いるフェース
ダウンボンディング法により接続する際に、半田バンプ
のリフロー温度が約230℃程度であり、このような温
度によっても樹脂層14の支持体12からの剥離が生じ
ないことが確認されている。これにより駆動回路素子2
1を半田リフローによるフェースダウンボンディングが
可能となり、製造工程が格段に簡略化される。
合には150℃程度に加熱して固化させ、シリコン樹脂
を用いる場合には、130℃〜120℃の温度で固化を
行う。このような温度環境下でも、上述したような樹脂
層14の剥離が生じないためサーマルヘッド11の信頼
性が格段に向上する。
支持部材を準備し、その一主面に不活性ガスを用いてエ
ッチングを施し、上記主面上の不純物層や酸化膜層を除
去する。この後、上記主面上にSiO2 を主成分とする
無機材料から成る接着層を成膜する。このとき、前記接
着層に含まれる酸素と支持体の金属等が結合し、酸化物
層を界面で形成するため接着層は支持体に強固に密着す
る。この接着層上に耐熱樹脂層を形成し、さらに発熱抵
抗体層と電極層とを形成する。
持体に強固に固着され、両者の剥離が生じる事態が防止
され、製造上の歩留まりが大幅に改善される。またサー
マルヘッドとして従来用いられてるガラスグレーズ層に
代えて耐熱樹脂層を形成する。これにより、感熱印画時
には当該耐熱樹脂層によって蓄熱が行われるため、温度
の立上りが急峻になり、印加電力に対する温度上昇の程
度すなわち印字効率が改善される。一方、印画動作後は
金属製の支持体を介して速やかに放熱されるため高速印
字が可能となり、かつ印画品質が向上される。
分の断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 金属製の支持部材上に耐熱性樹脂層を形
成するとともに、該耐熱性樹脂層上に複数の発熱抵抗体
層と電極層とを備えてなるサーマルヘッドにおいて、 前記支持部材と耐熱性樹脂層との間にSiO2 主成分と
する無機材料から成る接着層を介装したことを特徴とす
るサーマルヘッド。 - 【請求項2】 金属製の支持部材の一主面に不活性ガス
を用いてエッチングを施す工程と、 エッチング後の支持部材の耐熱性樹脂層が形成される面
にSiO2 を主成分とする無機材料から成る接着層を成
膜する工程と、 接着層上に耐熱樹脂層を形成する工程と、 耐熱樹脂層上に発熱抵抗体層と電極層とを形成する工程
とを含むことを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3220496A JPH0557936A (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | サーマルヘツドおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3220496A JPH0557936A (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | サーマルヘツドおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0557936A true JPH0557936A (ja) | 1993-03-09 |
Family
ID=16751966
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3220496A Pending JPH0557936A (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | サーマルヘツドおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0557936A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100726426B1 (ko) * | 2006-03-22 | 2007-06-11 | 삼성전자주식회사 | 잉크카트리지 및 그 제조방법 |
-
1991
- 1991-08-30 JP JP3220496A patent/JPH0557936A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100726426B1 (ko) * | 2006-03-22 | 2007-06-11 | 삼성전자주식회사 | 잉크카트리지 및 그 제조방법 |
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