JPH0557923B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〓産業上の利用分野〓 本発明は、自動車に開設される窓開口縁部と、
これに嵌め込まれ接着剤で固着される窓ガラスの
周縁部との間に出来る間隙を被い隠すためこの両
者の間に沿つて装着される装飾用の周縁モールに
関するものである。

〓従来の技術〓 自動車の上述する窓ガラス用周縁モールに関し
ては例えば実公昭58−49847号公報で知られてい
る。

この周縁モールは自動車の窓の開口縁部に沿つ
て設けられる装着窪み（窓開口フランジ）と、こ
の装着窪みに嵌め入れられる窓ガラスの周縁部と
の間隙を埋めるものとして使われるもので、上記
公報に開示されるように帯板状をなすモール主体
の頭部片（装飾部）と、この頭部片の下面から垂
下される脚部片とで略断面Ｔ字形にして脚部の両
側面から係止片（リツプ）を各延設してなり、使
用に当つては上記主体の頭部片を装着窪みの上縁
と窓ガラスの周縁との間に渡すようにしてこの両
者間の間隙を被うと共に、脚部片をこの間隙を通
して突き入れ窓ガラスを固着するため充填してお
く接着剤中に押入れて接着させ、併せてこの脚部
片から延設した前記係止片を窓ガラスの縁部と装
着窪みの起上り壁部に係止して上記接着剤中に押
入れた脚部片が固着されるまで保持するものとし
てある。

この周縁モールにおいて脚部片から延設する係
止片はこの脚部片が接着剤によつてしつかり固定
されるまで装着状態を保持する手段となつてお
り、前記従来の周縁モールでは脚部片から延設し
た係止片の各先端に更に突起を派生させて、係止
片先端とこの突起の両者若しくはいずれかを窓ガ
ラスと装着窪みの壁部に係止させてモールの浮き
上りを防止する試みがなされている。

〓発明が解決しようとする問題点〓 この様に窓ガラス用周縁モールは脚部片が接着
剤によつて固定されるまで装着状態を保持するた
め係止片は重要な働きをしているが、従来の係止
片は未だ窓ガラス並びに装着窪みに対する係止が
不安定で、モール全体を一定の深さ位置に止め付
け苦くい問題があつた。

特に前述従来の周縁モールにおける係止片（リ
ツプ）は窓ガラスと装着窪みの壁部に向けてそれ
ぞれ腕を長く伸したもので、先端の係止が得られ
ても腕の撓みによつて浮き上る危険があり、全て
において均一な深さ位置に脚部片を止めておけな
い問題があつた。

また、この従来の周縁モールは脚部片の両側面
から延設する係止片（リツプ）が略対称状をなし
等しい力で係止する構造となつていることから、
窓ガラスと装着窪みの起上り壁との空間の中央部
に脚部片を位置させる結果、この空間、つまり間
隙幅が変るとモールの位置が変り自動車のそれぞ
れにおいて個々にバラ付きを生ずる不具合があつ
た。

〓発明が解決しようとする問題点〓 本発明はこれら従来の欠陥に鑑み、これを解消
すべく研究開発されたもので、特に本発明におい
ては装着時における係止片の係止機能を高めて装
着窪みに突き入れた脚部片の浮き上りを完全に防
止する一方、更にはこの係止片の係止に当つて常
に窓ガラスの縁部を基準に係止位置を確定し、窓
ガラスと装着窪みの壁部との間隙の変化に影響さ
れずに窓ガラスの周縁部に対して常に一定の重り
割合で主体の頭部片を被せ、これによつて装着姿
の均一化を図るようにした自動車の窓ガラス用周
縁モールを提供することにある。

〓問題点を解決するための手段〓 本発明は上述目的に基づき発明されたもので、
その特徴とするところは帯板状となす頭部片とこ
の頭部片の下面から垂下する脚部片と脚部片の下
端から両側方に延設するガラス係止片及び固定係
止片を備えたモール主体と、このモール主体を窓
の開口部に固定する固定基板とを以て構成し、上
記固定基板を接着剤により窓の開口縁に沿つて設
ける装着窪みの起上り壁部に固着し、この固定基
板の表面部に設ける係止爪部に前記モール主体の
固定係止片を掛止め、これによつて装着時におけ
るモール主体の浮上りを有効に防止すると共に、
この固定係止片の係止時モール主体の脚部片を窓
ガラスの縁部に押付けて頭部片の窓ガラス上面へ
の重り幅を一定にして周縁全周に亘る均一な係合
状態を容易に得られるようにしたことにある。

以下、この発明を図示する実施例につき説明
し、その特徴とするところを詳述する。

〓実施例〓 図面第１図は本発明に係るモール主体の斜面図
で、第２図はモール主体を止め付けた使用状態を
示す要部の断面図である。

図中における符号１は自動車の窓の開口部２に
沿つて設けた装着窪みで、３はこの装着窪みのフ
ランジ部４に周縁部下面が対面するように嵌め入
れた窓ガラス、５は窓ガラスをフランジ部４に装
着するための接着剤で、６は接着剤の流れを止め
るダムラバー、７は本発明に係るモール主体で、
８はモール主体を装着窪み１の一定位置に掛止め
るための固定基板である。

モール主体７は窓ガラスの周縁部上面に一側を
重ね他側縁を装着窪み１の起上がり壁部９の上縁
部に掛止めこの窓ガラスと起上がり壁部９との空
隙１ａを被う頭部片７ａと、頭部片の下面略中央
部から垂設される脚部片７ｂと、全体的に肉厚に
する一方、脚部片７ｂの下端から一側方に肉薄の
ヒンジ部１０を介して延設され、先端を頭部片７
ａの下面に向けて突き出すガラス係止片７ｃと、
このガラス係止片７ｃとは反対の側方に向けて脚
部片７ｂに対し略直角状に延設される固定係止片
７ｄを一体に有してなり、他方固定基板８は装着
窪みの起上がり壁部９の高さに略等しい幅の帯板
状にしてその一面に長さ方向に沿つて係止爪部８
ａを備えてなる。

このモール主体７及び固定基板８は可撓性を有
するポリ塩化ビニルの如く熱可塑性の合成樹脂を
材料にそれぞれ押出し成形によつて長尺材として
形成されるもので、モール主体７を更に詳述する
と、その頭部片７ａは中央部を肉厚に形成し、両
側縁部を徐々に肉薄にして柔軟性を高めてある。

そして、脚部片７ｂは長さの途中を屈曲させて
一側面側にガラス係止片７ｃを受け入れる凹部１
１を設けている。

ガラス係止片７ｃは全体を肉厚に形成して所要
の剛性を付与してあり、基端の肉薄に形成するヒ
ンジ部１０を基点に折り返すように延設され、揺
動する先端部には窓ガラス３の周縁部の下面に係
合する段部１２を備える。

このガラス係止片７ｃとは反対向きに脚部片の
下端から延設される固定係止片７ｄは肉厚の板状
にして僅かに先端が下向きに傾斜するようにして
ある。

一方、固定基板８は肉薄の帯板状片にして撓み
性をもたせてあり、その一面に形成される係止爪
部８ａは突出しの上面側を緩い傾斜面に形成し、
下面側は上に向けて窪ませ凹部を設けるようにし
てある。

本発明に係る周縁モールは上述のモール主体７
と固定基板８の組合せからなり、その実際の使用
は、モール主体７の装着に先立ち、先ず固定基板
８の背面側に接着剤を塗布するか、若しくは図示
するように両面粘着テープ１３を貼付け、このテ
ープを介して装着窪み１の起上がり壁部９に予じ
め固定し、次に装着窪みに嵌め込む窓ガラス３を
フランジ部４との間に充填する接着剤５で止め付
ける。

この様にして接着剤５でガラス３を押えると同
時に、接着剤が固化しない間に窓ガラス３の縁部
と固定基板８を貼付けた起上がり壁部９との空隙
１ａを通してモール主体７の脚部片７ｂを挿入
し、その脚端を上記接着剤５中に埋入させる。

モール主体７は脚部片７ｂを押込まれると、先
ず開き加減に延設されたガラス係止片７ｃが凹部
１１に入り込むように撓んで窓ガラス３の縁部に
沿つてその下方に抜け出し、この抜け出した時点
で段部１２をガラスの縁部下面に係合させること
になる。

一方、逆方向に突き出た固定係止片７ｄは固定
基板８の表面を滑つて高さの途中に設けた係止爪
片８ａを乗り越え、これの下面側の凹部に係合す
ることになる。同時にこの係止爪部８ａに係合し
た固定係止片７ｄは肉厚にして反発力を高めてあ
ることから復元力によつてモール主体の脚部片７
ｂを窓ガラス側に押付け、これの一側面を縁部に
接面させ、併せて前記係止片７ｃの段部１２の係
合を補助することになる。

本発明周縁モールは上述した如く構成され使用
されるもので、窓ガラス３の縁部下面にガラス係
止片７ｃを係止させ、また固定基板８の係止爪部
８ａに固定係止片７ｄを係止させたモール主体は
この装着後接着剤５の硬化によつて固着されその
頭部片７ａで空隙１ａを被うことになる。

〓発明の効果〓 以上本発明を図示する実施例につき説明した
が、本発明周縁モールはモール主体７を装着する
に当つて予じめ起上がり壁部９に固着しておく固
定基板８の係止爪部８ａに固定係止片７ｄを掛止
めて装着状態を維持し、窓ガラス接着用接着剤５
の硬化をまつようにしたことから、この接着剤５
中に無理に押込むようにするにもかゝわらず、接
着剤の反発を受けて押圧されることがなく、その
頭部片７ａが窓ガラス面から浮き上ることがな
い。

また、本発明周縁モールは固定基板の係止爪部
８ａと固定係止片７ｄの係合位置が常に一定する
ことから、モール主体７の装着位置が一定し、窓
の開口部全周に亘つて均一に止着されることにな
り装飾上極めて好ましい結果が得られる。そして
更に、上記モール主体は固定係止片７ｄの押出し
で窓ガラス３の縁部下面に段部１２を係合させた
ガラス係止片７ｃをガラスの下方に潜り込ませ段
１２の係合を確実にすると同時に、脚部片７ｂの
一側面をガラスの縁部に当接させ当該ガラスの周
縁部とモール主体の位置を一定にすることから頭
部片７ａの窓ガラス３に対する被り幅が一定に揃
えられるため窓ガラスの外形を基準にして美麗に
収まることになる。

勿論本発明モールはモール主体の装着に当つて
はその脚部片７ｂを単に空隙１ａ内に押込めば係
止片７ｃ，７ｄがそれぞれ窓ガラスの縁部と固定
基板の係止爪部８ａに自動的に係合することから
迅速な作業が可能であり、また接着剤の硬化する
まで押付け状態を保持する必要もないので生産性
に優れる利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示したもので、第１
図はモール主体の斜視図、第２図は使用状態を示
す縦断面図である。 １……窓の装着窪み、１ａ……空隙、２……窓
の開口部、３……窓ガラス、４……フランジ部、
５……接着剤、７……モール主体、７ａ……頭部
片、７ｂ……脚部片、７ｃ……ガラス係止片、７
ｄ……固定係止片、８……固定基板、８ａ……係
止爪部、９……起上り壁部、１０……ヒンジ部、
１３……接着剤を代用する両面粘着テープ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 窓ガラス３の周縁部に沿つて装着されるモー
   ル主体７と、該モール主体を窓の開口部２に沿つ
   て設ける装着窪み１の起上り壁部９に固定する固
   定基板８とからなり、 前記モール主体７は帯板状をなすやゝ肉厚な頭
   部片７ａと、頭部片の下面から垂設される脚部片
   ７ａと、脚部片の下端から肉薄に形成するヒンジ
   部１０を介して脚部片の一側面側に沿つて折り返
   し状に延設され、先端部に段部１２を有する全体
   を肉厚に形成するガラス係止片７ｃと、同じく下
   端から上記ガラス係止片とは逆の他側方に向けて
   略直角状に延設される所要剛性を付与した肉厚の
   板状をなす固定係止片７ｄとを備え、他方前記固
   定基板８は帯板状の長尺体にして一面の長さ方向
   に沿つて係止爪８ａを備えてなり、該固定基板８
   は他面を接着剤を介して前記装着窪み１の起上り
   壁部９に固着し、他方前記モール主体７は脚部片
   ７ｂを窓ガラス３の周縁部と起上り壁部９との空
   隙１ａに前記ガラス係止片７ｃと固定係止片７ｄ
   を撓めながら突入れ、ガラス係止片７ｃの段部１
   ２を窓ガラスの縁部下面に下方から係止せしめる
   と共に、固定係止片７ｄの先端を上記固定基板８
   の係止爪部８ａに係止せしめ、同時にその復元力
   でガラス係止片７ｃをガラスの下方に潜り込ませ
   ると共に前記脚部片７ｂの一側面を窓ガラス周縁
   部に当接させて装着するようにしてなる自動車の
   窓ガラス用周縁モール。