JPH0557506U - 自動車用シフトレバーノブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シフトレバーノブのグリップに押ボタンを組
み付ける際の組付性を改良し、かつ組み付け時に於いて
開口部の表面に傷が付くといった外観不具合を解消す
る。 【構成】 自動車用シフトレバーノブは、グリップ１と
押ボタン２とを備える。グリップ１は、コア１３と外層
部１４とで成る。コア１３は、ポリアセタール樹脂等の
硬質材料で成型しかつ中空部１１を有する。外層部１４
は、コア１３の外側を塩化ビニール樹脂等の軟質材料で
被覆成型しかつ中空部１１に接続した開口部１２を有す
る。押ボタン２は、開口部１２から組み込んで中空部１
１に摺動可能に支持している。開口部１２の内側面１５
ａを中空部１１の内側面１３ａより拡開する凹部１５，
１５を開口部１２の内側に形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両のシフトレバーノブの改良に関し、特にグリップに押ボタンを 組み付ける際の組付性を改良した技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図６及び図７は従来技術を示した図面であって、ａは、コアｂと外層部ｃとで 成るグリップである。コアｂは、硬質材料で成型しかつ中空部ｄを有する。また 外層部ｃは、該コアｂの外側を軟質材料で被覆成型しかつ前記中空部ｄに接続し た開口部ｅを有する。 またｆは、前記開口部ｅから組み込んで前記中空部ｄに摺動可能に支持した押 ボタンである。 押ボタンｆは、その外側面ｇより外方に突出したガタ防止片ｈを一体的に有し ており、該ガタ防止片ｈをコアｂの内側面に設けた溝ｉに嵌合して押ボタンｆと コアｂとの間に発生するガタ付きを防止している。

【０００３】 そして、図７に示すごとく、押ボタンｆを矢印Ｘ方向からグリップａの中空部 ｄに組み込む場合、先ず外層部ｃの開口部ｅを矢印Ｙ，Ｚ方向に広げ、しかる後 ガタ防止片ｈを開口部ｅから内部に押し込む。 押ボタンｆを中空部ｄに組み込んだ後、外層部ｃの開口部ｅは元の形に自己復 帰して押ボタンｆとの間の隙間を閉じる。 尚、この種シフトレバーノブは実開平２―１４００６５号公報に開示している 。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記した従来技術の場合、押ボタンｆの組み込み時に於いて開 口部ｅを矢印Ｙ，Ｚ方向に広げる際に強い力を要し、作業性が悪いものであった 。また開口部ｅに無理な力が加るとか、ガタ防止片ｈを押し込む際にガタ防止片 ｈが開口部ｅを内側に巻き込んでしまうため、開口部ｅの表面に傷が付くといっ た不具合を生じていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、シフトレバーノブのグリップに押ボタンを組み付ける際の組付性を 改良し、かつ組み付け時に於いて開口部の表面に傷が付くといった外観不具合を 解消することを目的とする。

【０００６】 該目的達成の為に、本考案は、硬質材料で成型しかつ中空部を有するコア、及 び該コアの外側を軟質材料で被覆成型しかつ前記中空部に接続した開口部を有す る外層部とで成るグリップと、前記開口部から組み込んで前記中空部に摺動可能 に支持した押ボタンと、を備える自動車用シフトレバーノブに於いて、前記開口 部の内側面を前記中空部の内側面より拡開する凹部を開口部に形成したことを特 徴とする自動車用シフトレバーノブを提供する。

【０００７】

【実施例】

図１ないし図５は、本考案の好適な実施例を示した図面である。 当該実施例は、グリップ１と押ボタン２とを備えている。 グリップ１はポリアセタール樹脂等の硬質材料で成型しかつ中空部１１を有す るコア１３、及び該コア１３の外側を塩化ビニール樹脂等の軟質材料で被覆成型 しかつ前記中空部１１に接続した開口部１２を有する外層部１４とで構成してい る。また押ボタン２は、前記開口部１２から組み込んで前記中空部１１に摺動可 能に支持している。

【０００８】 そして前記開口部１２の内側面１５ａを前記中空部１１の内側面１３ａより拡 開する凹部１５，１５を図４に示すごとく開口部１２の内側に形成している。 該凹部１５，１５は、外層部１４を射出成型した金型を強制抜きすることによ って形成したものであり、前記内側面１３ａの溝に対して図４に示すごとく幅Ｗ も深さＨも大きく設定してある。

【０００９】 前記コア１３の内側面１３ａに形成した溝は、押ボタン２の外側面２２より外 方に突出したガタ防止片２１を嵌合しており、この嵌合によって押ボタン２とコ ア１３との間に発生するガタ付きを防止している。 また、３は、グリップ１と一体のシフトレバーである。該シフトレバー３は、 下端にスイッチ４と電気的に接続した端子５を設けている。

【００１０】 上記構成に於いて、押ボタン２は次の手順で中空部１１内に組み込む。先ず、 図５に示すごとく外層部１４の開口部１２を矢印Ｙ，Ｚ方向に広げる。次に押ボ タン２を矢印Ｘ方向から中空部１１内に向けて挿入し、ガタ防止片２１を開口部 １２から内部に押し込む。上記外層部１４の開口部１２は、前記したように軟質 材料で形成している為、矢印Ｙ，Ｚ方向に加えていた力を止めれば元の形に自己 復帰する。したがって、図１に示すごとく押ボタン２を中空部１１に組み込んだ 後、開口部１２は元の形に復帰してグリップ１に密着し、内部のガタ防止片２１ 等を隠蔽する。

【００１１】

【考案の効果】

以上詳細に説明したごとく、本考案の自動車用シフトレバーは、開口部の内側 面を中空部の内側面より拡開する凹部を開口部に形成したことに特徴が有り、そ の為、押ボタンの組み込み時に於いて開口部を広げる力が上記凹部によって拡散 することができ、組付性が良く成る。また開口部に無理な力が加わることがなく 、更にまたガタ防止片を押し込む際にガタ防止片が開口部を内側に巻き込んでも 、開口部が凹部によって無理なく自由に変形する為、ガタ防止片が開口部の表面 に強く圧接することがなく、したがって組み付け時にガタ防止片が開口部の表面 を傷付けることがないといった多くの効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の好適な実施例を示す一部切欠した正面
図である。

【図２】図１に示すグリップの一部切欠した上面図であ
る。

【図３】図１に示すグリップの一部切欠した右側面図で
ある。

【図４】図１に示す凹部の斜視図である。

【図５】図１に示す押ボタンをグリップの開口部から組
み込む状態を示した一部切欠した正面図である。

【図６】従来技術を示す一部切欠した正面図である。

【図７】図６に示すものの組み込み状態を示した一部切
欠した正面図である。

【符号の説明】

１ グリップ １１ 中空部 １２ 開口部 １３ コア １３ａ 内側面 １４ 外層部 １５ 凹部 １５ａ 内側面 ２ 押ボタン ２１ ガタ防止片 ２２ 外側面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 硬質材料で成型しかつ中空部（１１）を
   有するコア（１３）、及び該コア（１３）の外側を軟質
   材料で被覆成型しかつ前記中空部（１１）に接続した開
   口部（１２）を有する外層部（１４）とで成るグリップ
   （１）と、 前記開口部（１２）から組み込んで前記中空部（１１）
   に摺動可能に支持した押ボタン（２）と、 を備える自動車用シフトレバーノブに於いて、 前記開口部（１２）の内側面（１５ａ）を前記中空部
   （１１）の内側面（１３ａ）より拡開する凹部（１５，
   １５）を開口部（１２）に形成したことを特徴とする自
   動車用シフトレバーノブ。