JPH0557248A - 石抜き選穀装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 消費電力を大幅に低下させるとともに、騒音
も大幅に低下させる。 【構成】 複数配設した石抜き機２の各選別板４のそれ
ぞれに断続的に風を供給する空気断続供給装置３３を、
１個の送風用ファン７に連絡する。

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、米麦等の穀粒中に混入
する石等の異物を除去する複数台の石抜き選穀機を、一
体的に形成した石抜き選穀装置に関する。

【０００１】

【産業上の利用分野】

【０００２】

【従来の技術】石抜き選穀機は、一方向に傾斜した多孔
の選別板の下方からファンにより送風するとともに、選
別板を揺動機構により揺動させることにより、比重差に
よって穀物の下方に沈む傾向のある石等の異物を、選別
板の傾斜上位側へ偏流させて選別を行っている。

【０００３】そして、大型精米工場においては、複数台
の石抜き選穀機を精米工程の前工程に配設して、玄米中
に混入する石等の異物を選別除去して、精米機の金網の
破損防止及び精品中への石等の混入を防止している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来の
石抜き選穀機においては、各石抜き選穀機にファンが取
付けてあるため、ファンと揺動機構とを同時に駆動する
モータの消費電力が増大し、石抜き選穀機の台数が多い
ほど運転経費が増大するという欠点があった。また、各
石抜き選穀機にファンが取付けてあるため、複数台の石
抜き選穀機を同時に稼動させると、ファンにより発生す
る騒音が大きく騒音公害の原因になるという欠点があっ
た。

【０００５】本発明は、一個のファンで複数の選別風を
給風することにより、消費電力を大幅に低下させるとと
もに、騒音も大幅に低下させることのできる石抜き選穀
装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】一方向に傾斜し、上方に
原料供給口を臨ませた多孔の揺動選別板の傾斜上位側に
石取出口を、同傾斜下位側に精品排出口を各々形成した
石抜き選穀機を複数配設した石抜き選穀装置において、
前記各選別板のそれぞれに断続的に風を供給する空気断
続供給装置を設けると共に、複数個の前記空気継続供給
装置を、１個の送風用ファンに連絡する。

【０００７】

【作用】選別板に供給される小石混じりの穀粒は、揺動
により選別板全体にほぼ一定厚の層をなして広がる。こ
の際、空気断続供給装置によって断続的に供給されるフ
ァンからの風が、選別板の多数の孔から脈動風となって
噴出し、穀粒層をわずかに上下動させる。これにより、
穀粒より比重の大きい小石は穀粒層の下層に沈み込み、
選別板の表面に接して傾斜上位側へ移動して石排出口か
ら落下し、選別板の搬送作用を受けにくい穀粒は傾斜下
側へ流下し、精品排出口から排出される。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の好適な一実施例を図面に基づ
いて説明する（図１、図２参照）。石抜き選穀装置１は
２台の石抜き選穀機２Ａ，２Ｂを並設している。石抜き
選穀機２において、横方向に長く、ほぼ密閉状の箱形の
カバー壁３内の上部寄りに、一方向に傾斜した選別板４
を複数の板ばね５…等により振動可能に設ける。そし
て、選別板４のほぼ中央部の上方に、カバー壁３の上面
壁に固定して供給ホッパ６を設ける一方、選別板４の下
方にファン７を配設する。本実施例においては、横長の
カバー壁３内に前記選別板４、供給ホッパ６及びファン
７を２つずつ並列してあり、以下、共通する部材につい
ては重複説明を省略する。

【０００９】前記選別板４は、傾斜上位付近を漸次狭小
となして傾斜上位端を石排出口８に、傾斜下位端を精品
排出口９にそれぞれ形成し、この石排出口８と精品排出
口９とを除き、選別板４の両側辺に沿って穀粒落下防止
用の側壁１０を設ける。また、選別板４全面にわたっ
て、選別板４の傾斜上位側に向く噴風孔１１（エンボス
スリット）及び該噴風孔１１を加工する際に生じる突起
１２を多数形成するとともに、選別板４の裏面には立下
がり壁１３によって送風室１４を設け、前記石排出口８
に連絡する石取出し樋１５と、精品排出口９に連絡する
精品排出樋１６とを各々カバー壁３外へ突出させて設け
る。前記立下がり壁１３はクランクアーム１７により、
カバー壁３を貫通するクランク軸１８に連動・連結さ
れ、クランク軸１８は該軸１８に軸着したプーリ１９と
ベルト２０とによってモータプーリ２１に連結すること
により、選別板４が図中矢印Ｗで示すように傾斜上位側
に向けて斜め上下方向に８〜９mmのストロークで振動す
る。

【００１０】他方、前記各ファン７は、カバー壁３内下
部を水平方向に貫通するファン軸２２に軸着され、ファ
ン軸２２に軸着したファンプーリ２３と、モータ２４の
モータプーリ２１とをファンベルト２５によって連結す
ることにより、各ファン７が一斉に駆動するよう形成さ
れる。また、各ファン７のファンケース２６には空気取
入れ口２７を設けるとともに、このファンケース２６の
吐出口２８と、前記選別板４裏面の送風室１４内に臨ま
せた空気調整室２９とを送風管３０によって連結する。
前記空気調整室２９は上方を開口させたホッパ状とな
し、振動する選別板４に接触しないように送風室１４よ
りやや小さく形成され、空気調整室２９と立下がり壁１
３との間には空気漏れを防ぐため、帆布３１等をだぶつ
いた状態で周設する。更に、空気調整室２９内には選別
板４裏面に均一に送風するための整流板３２…が適宜に
設けられ、送風管３０には空気断続供給装置３３の回転
弁３４を、カバー壁３を貫通する弁軸３５によって回転
自在に設け、弁軸３５に軸着したプーリ３６はベルト３
７によってファンプーリ２３に連結する。回転弁３４に
選別風の通風路３８を設け、送風管３０に連結した給風
管３９を石抜き選穀機２Ｂの空気調整室（図示せず）に
連絡する。

【００１１】次に、上記実施例における具体的作動につ
いて説明する。供給ホッパ６に投入される穀物、例えば
米粒は、毎分４００〜５００回揺動する選別板４のほぼ
中央付近に供給されて一定の厚さで拡散される。このと
き、石抜き選穀機２Ａの送風室１４にはファン７により
起風された風が、毎分１００〜１５０回転する回転弁３
４により脈動風となって給風され、噴風孔１１から断続
的に噴き上げる。この風量は連続風の場合に比べ、約１
／３となる。これにより、選別板４上の米粒は断続的に
上方へ浮上して落下するが、米粒中に混在する小石は米
粒よりも比重が大きいので噴風によっても噴き上げられ
る高さが小さく、小石はしだいに米粒層の下層に沈み込
むことになる。米粒層の下層に沈んだ小石は、噴風孔１
１から斜め上方に噴き上げる噴風によってより傾斜上位
側へ移動するとともに、噴風孔１１を形成する突起１２
によって押し上げられ、徐々に傾斜上位側へ搬送され、
ほとんど石だけの状態に濃縮された状態で石排出口から
石取出樋１５内に落下する。一方、選別板４面に接して
いない米粒は、前記突起１２の影響を受けにくいので傾
斜下位側へ流下し、精品排出口９から精品排出樋１６内
に落下して回収される。

【００１２】空気断続供給装置３３の回転弁３４が図１
の矢印方向に回転するに伴い、石抜き選穀機２Ａの選別
板４への選別風の供給が次第に減少され、選別板４への
供給が停止される前に、通風路３８から給風管３９を介
して石抜き選穀機２Ｂの選別板（図示せず）へ選別風が
供給され始める。石抜き選穀機２Ｂの選別板への選別風
の供給が停止される前に、再び石抜き選穀機２Ａへ供給
され始める。このように、空気断続供給装置３３の作動
により、石抜き選穀機２Ａと石抜機き選穀機２Ｂとの選
別板への選別風の供給は交互に行われる。そのため、選
別風は位相を異ならして各選別板へ供給されることにな
り、ファン７で起風される選別風の風量の変動は小さく
なって安定化される。

【００１３】次に本発明の他の実施例を、図３〜図７を
参照して説明する。石抜き選穀機２Ａ〜２Ｃを立設して
石抜き選穀装置１を形成し、各石抜き選穀機２Ａ〜２Ｃ
には選別板４Ａ〜４Ｃと空気調整室２９Ａ〜２９Ｃとを
設ける。各空気調整室２９Ａ〜２９Ｃは給風管４０Ａ〜
４０Ｃを介して給風ダクト４１に連絡し、給風ダクト４
１は送風管４２を介してモータ４３で駆動されるファン
４４に連絡する。給風管４０Ａ〜４０Ｃには給風口４５
Ａ〜４５Ｃが設けられており、給風管４０Ａ〜４０Ｃ内
には空気断続供給装置３３Ａ〜３３Ｃの回転弁３４Ａ〜
３４Ｃが回転自在に装着され、回転弁３４Ａ〜３４Ｃに
は開口４６Ａ〜４６Ｃが設けられている。各回転弁３４
Ａ〜３４Ｃにホイール４７Ａ〜４７Ｃを取付け、ホイー
ル４７Ａとホイール４７Ｂとにタイミングベルト４８Ａ
を、ホイール４７Ｂとホイール４７Ｃとにタイミングベ
ルト４８Ｂをそれぞれ巻回し、ホイール４７Ｃとモータ
４９のプーリ５０とにベルト５１を巻回する。

【００１４】次に上記構成における作用を説明する。フ
ァン４４により発生する風は送風管４２から送風ダクト
４１へ送られ、送風ダクト４１から各給風管４０Ａ〜４
０Ｃへ送られる。選別風は先ず回転弁３４Ａの開口４６
Ａから給風口４５Ａを経て空気調整室２９Ａへ供給され
（図４参照）、選別板４Ａ上の米粒層に給風される。そ
のとき、回転弁３４Ｂと回転弁３４Ｃとは給風口４５Ｂ
及び給風口４５Ｃとを閉鎖させる位置にあり、空気調整
室２９Ｂ及び空気調整室２９Ｃには選別風は供給されて
いない。次に回転弁３４Ａ〜３４Ｃが矢印方向に回転す
ると、給風口４５Ａは次第に閉鎖されていき、それに伴
い選別風の供給が減少される。それとは逆に給風口４５
Ｃは次第に開放されていき、それに伴い選別風が空気調
整室２９Ｃに供給され始め、また、給風口４５Ｂは閉鎖
状態のままであり、選別風の供給は停止されている。さ
らに回転弁３４Ａ〜３４Ｃが回転すると、給風口４５Ｂ
が次第に開放されて空気調整室２９Ｂに選別風が供給さ
れ始め、それに伴い給風口４５Ｃは次第に閉鎖されてい
き、また給風口４５Ａは閉鎖状態である。

【００１５】図７は各石抜き選穀機２Ａ〜２Ｃへ選別風
の風量と時間との関係を示した図であり、各石抜き選穀
機２Ａ〜２Ｃの風量曲線は、それぞれ５２Ａ〜５２Ｃで
示してある。各選別風はそれぞれ位相をずらして移行し
ており、また、風量曲線５２Ａと５２Ｃ、風量曲線５２
Ｃと５２Ｂ、風量曲線５２Ｂと５２Ａはそれぞれ重複す
る部分を生じる。その重複部分を生じるために全体の風
量は５２Ｄのようになり、風量は常に安定化して、風量
変動によるファン等の疲労による早期破損が防止され
る。

【００１６】本発明の他の実施例を図８により説明す
る。石抜き選穀装置１は石抜き選穀機２Ａ〜２Ｄからな
り、回転弁３４Ａと３４Ｄとは回転軸（図示せず）によ
りホイール４７Ａに連絡され、回転弁３４Ｂと３４Ｃと
は回転軸（図示せず）によりホイール４７Ｂに連絡され
ている。各回転弁３４Ａ〜３４Ｄには開口４６Ａ〜４６
Ｄが設けてあり、回転弁３４Ａ〜３４Ｄは給風管４０Ａ
〜４０Ｄを介して送風ダクト４１に連絡し、送風ダクト
４１は送風管４２を介してファン（図示せず）に連絡し
ている。

【００１７】次に、その作用を述べる。ファンで発生し
た風は送風管４２から送風ダクト、給風管４０Ａ〜４０
Ｄを介して各回転弁３４Ａ〜３４Ｄに供給されるが、各
石抜き選穀機２Ａ〜２Ｄの選別板（図示せず）への選別
風の供給が４回に分割されているため、ファンで発生す
る選別風の風量はより安定化される。

【００１８】本発明の他の実施例を図９〜図１２により
説明する。石抜き選穀装置１は石抜き選穀機２Ａ〜２Ｃ
とからなり、各石抜き選穀機２Ａ〜２Ｃ内には選別板４
と空気調整室２９とが設けられている。空気調整室２９
の上方に、空気断続供給装置３３を構成するる固定板５
３と可動板５４とには開口５５と開口５６とをそれぞれ
穿設し、５７は可動板を前後に往復動させるクランク装
置である。空気調整室２９は給風管４０を介して送風ダ
クト４１に連絡し、送風ダクト４１は送風管４２を介し
てファン４４に連絡している。

【００１９】次にその作用を述べる。ファン４４で発生
する風は送風管４２、送風ダクト４１、給風管４０を介
して、石抜き選穀機２Ａ〜２Ｃの各空気調整室２９に供
給される。クランク装置５７により可動板５４が前後に
往復動されることにより、固定板５３の開口５５は連続
的に開閉運動が行われる（図１０、図１１参照）。それ
に伴い選別風は脈動風となって選別板４へ給風され、選
別板４上の米粒から石等の異物が除去される。

【００２０】なお、本発明における空気断続装置は実施
例に限られず、シャッターを機械的に同期させて開閉
し、脈動風を生じさせてもよく、ロータリーシリンダー
等を使用して電気的に同期させて開閉し、脈動風を生じ
させてもよい。

【００２１】

【発明の効果】本発明に置ける石抜き選穀装置によれ
ば、各選別板のそれぞれに断続的に風を供給する空気断
続供給装置を、１個の送風用ファンに連絡する構成によ
り、従来のように複数のファンを駆動する必要がないた
め、モータの消費電力を大幅に低下させて運転経費を削
減できるとともに、複数のファンによる騒音の発生を低
減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の石抜き選穀装置の縦断面図
である。

【図２】同上の一部破断の正面図である。

【図３】他の実施例の石抜き選穀装置の側面図である。

【図４】空気断続供給装置の部分側断面図である。

【図５】空気断続供給装置の部分側断面図である。

【図６】空気断続供給装置の部分側断面図である。

【図７】風量曲線を示す図である。

【図８】他の実施例の石抜き選穀装置の斜視図である。

【図９】空気断続供給装置の斜視図である。

【図１０】空気断続供給装置の断面図である。

【図１１】空気断続供給装置の側断面図である。

【図１２】他の実施例の石抜き選穀装置の斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 石抜き選穀装置 ２ 石抜き選穀機 ３ カバー壁 ４ 選別板 ５ 板ばね ６ 供給ホッパ ７ ファン ８ 石排出口 ９ 精品排出口 １０ 側壁 １１ 噴風口 １２ 突起 １３ 立下がり壁 １４ 送風室 １５ 石取出し樋 １６ 精品排出樋 １７ クランクアーム １８ クランク軸 １９ プーリ ２０ ベルト ２１ モータプーリ ２２ ファン軸 ２３ ファンプーリ ２４ モータ ２５ ファンベルト ２６ ファンケース ２７ 空気取入れ口 ２８ 吐出口 ２９ 空気調整室 ３０ 送風管 ３１ 帆布 ３２ 整流板 ３３ 通風路 ３４ 回転弁 ３５ 弁軸 ３６ プーリ ３７ ベルト ３８ 通風路 ３９ 給風管 ４０ 給風管 ４１ 給風ダクト ４２ 送風管 ４３ モータ ４４ ファン ４５ 給風口 ４６ 開口 ４７ ホイール ４８ タイミングベルト ４９ モータ ５０ プーリ ５１ ベルト ５２ 風量曲線 ５３ 固定板 ５４ 可動板 ５５ 開口 ５６ 開口 ５７ クランク装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方向に傾斜し、上方に原料供給口を臨
   ませた多孔の揺動選別板の傾斜上位側に石取出口を、同
   傾斜下位側に精品排出口を各々形成した石抜き選穀機を
   複数配設した石抜き選穀装置において、前記各選別板の
   それぞれに断続的に風を供給する空気断続供給装置を設
   けると共に、複数個の前記空気継続供給装置を、１個の
   送風用ファンに連絡したことを特徴とする石抜き選穀装
   置。