JPH0556301B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0556301B2
JPH0556301B2 JP60188503A JP18850385A JPH0556301B2 JP H0556301 B2 JPH0556301 B2 JP H0556301B2 JP 60188503 A JP60188503 A JP 60188503A JP 18850385 A JP18850385 A JP 18850385A JP H0556301 B2 JPH0556301 B2 JP H0556301B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
group
hydrogen atom
molding
slurry
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60188503A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6252162A (ja
Inventor
Tsugio Honda
Osamu Matsumoto
Makoto Nakano
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP60188503A priority Critical patent/JPS6252162A/ja
Priority to GB08524867A priority patent/GB2167741B/en
Priority to DE19853536428 priority patent/DE3536428A1/de
Priority to FR858515339A priority patent/FR2571716B1/fr
Priority to KR1019850007631A priority patent/KR900009021B1/ko
Publication of JPS6252162A publication Critical patent/JPS6252162A/ja
Priority to KR1019900015213A priority patent/KR910001349B1/ko
Publication of JPH0556301B2 publication Critical patent/JPH0556301B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明はセラミツクス成形用組成物およびそれ
を用いるセラミツクスの成形方法に関するもの
で、詳しくは陶磁器用素地土またはセラミツクス
用素地土に特定の水性樹脂エマルジヨンを添加す
ることを特徴とするセラミツクス成形用組成物お
よびそれを用いるセラミツクスの成形方法に関す
るものである。 〔従来の技術〕 従来、セラミツクス成形における泥漿鋳込成形
では、素地土に水、分散剤などを適当量添加して
泥漿を調製し、この泥漿を吸水性のある石膏型な
どの鋳型に流し込んで鋳型の吸水により鋳型面に
沿つて泥漿を着肉させ、着肉後、脱型することに
より鋳込成形体を形成して来た。この成形体は、
その後乾燥、素焼、施釉、焼成などの工程を経て
セラミツクス製品となるが、この方法による場合
脱型性、すなわち石膏型などから脱型するときに
脱型しやすいかどうかおよび脱型時に切れや変形
などが生じないかどうかが鋳込成形の成否を左右
する重要な性質である。 脱型性が良好であるためには、型と鋳込成形体
との付着強度が弱いこと、鋳込成形体の脱型時の
強度すなわち湿潤時強度が充分大きいことおよび
脱型乾燥後の仕上げ加工、運搬等の取扱いに充分
耐える程度の乾燥時強度をもつていることが必要
とされている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 従来、陶磁器用素地土は、蛙目粘土、木節粘土
などを含有させることにより、作業上必要な機械
的強度を与える工夫がなされて来たが、それでも
このような素地土を成形した鋳込成形体は素焼を
行うことによつて充分な機械的強度を賦与するこ
とが必要であつたし、また、粘土の使用は、白磁
様の透明感のある高級磁器の製造を困難にし、良
質な粘土資源の枯渇により、更に難かしい局面に
直面している。このような事情から粘土を多量に
用いることなく、鋳込成形体に充分な機械的強度
を賦与できる強度向上剤の開発が強く望まれてき
た。 セラミツクス用素地土についても、鋳込成形法
を適用することができれば、複雑な形状の製品を
容易かつ安価に成形することが可能となるが、粘
土質を含まない素地土だけでは、充分な強度の鋳
込成形体を形成することができず、仕上げ加工、
運搬など取扱いに充分な機械的強度を鋳込成形体
に賦与する強度向上剤の開発が強く望まれてき
た。 一方、鋳込成形においては前述の通り脱型性が
その成否を左右する重要な性質となるが、この性
質には次の2つの要因が関係している。第1は鋳
込成形体の強度で、第2は型一素地土界面の付着
強度すなわち型面から鋳込成形体を引き離すのに
必要な力(以下これを脱型強度と称す)である。
この脱型強度は素地土に添加する分散剤の種類お
よび添加量により大きく変化することが知られて
おり、また脱型性が良い泥漿を用いる程脱型時の
石膏型の型厚の減少、すなわち石膏型の劣化が大
きいことが知られている。。換言すれば脱型性の
良い泥漿を用いる程石膏型の寿命は短くなる。こ
れは泥漿中の分散剤成分が石膏型との界面におい
て反応して、その反応生成物が界面間の結合を弱
めるが、一方そのために石膏型の表面層が破壊さ
れることに起因すると考えられている。 上記の問題解決のために、素地土にワツクス系
エマルジヨンを添加することなどが提案されてい
るが、問題の解決手段としては尚不充分である。 一方、鋳込成形体の強度を改良する手段として
は素地土にアラビアゴム、アルギン酸ソーダなど
の天然水溶性高分子、メチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロースなど
の半合成水溶性高分子及びポリビニルアルコー
ル、水溶性アクリルポリマーなどの合成水溶性高
分子など、水溶性高分子を添加することも種々検
討されているが、水溶性高分子は本質的に、水の
移動に伴なつて水溶性高分子自体も移動するの
で、鋳込成形時には石膏型表面層へ水溶性高分子
が水とともに移動し、型の表面を劣化されたり、
型表面の微細な多孔質組織の目づまりを引き起こ
し、そのため型の寿命を短かくしてしまう。 また、鋳込成形時および成形体の乾燥工程中に
成形体表面へ水の移動が起り、該表面に於いて鋳
込成形時には石膏型による水の吸収、乾燥工程で
は水の気化蒸発が行なわれるが、上記したように
水溶性高分子は水とともに移動するので、得られ
る成形体の表面附近に水溶性高分子が局在し、そ
の中心附近には水溶性高分子が殆んどなくなり、
その結果成形体の表面附近のみが堅くなり、強度
の不均一化のため焼成後のセラミツクス製品に歪
が生じ、反りやクラツクが起る可能性があつた。 上記したように、脱型性に優れ、成型に用いる
石膏型の劣化を防止してその寿命を長くすること
ができ、かつ焼成後に歪がでないような優れたセ
ラミツクス成形体を得るという課題は、いまだ解
決し得ていない。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、この様な課題を解決する為に研
究を重ねた結果、強度向上剤として特定の水性樹
脂エマルジヨンを用いることにより鋳込成形体の
機械的強度を向上させることができるのみならず
おどろくべきことにその脱型性にすぐれ、且つ石
膏型の寿命を長くすることができることを発見
し、本発明を完成するにいたつた。 すなわち、本発明は陶磁器用素地土またはセラ
ミツクス用素地土を主成分とする泥漿に、 A カルボキシル基含有単量体単位0.1〜15重量
%および/または B 一般式 〔式中、R1及びR2は水素原子又はメチル基を
表わし、これらは同じでも異なつていてもよ
く、R3は水素原子又は炭素原子数が1〜4個
のアルキル基もしくは一般式CH2OR4(式中R4
は水素原子または炭素原子数が1〜4個のアル
キル基を表わす)で示されるヒドロキシメチレ
ン基もしくはアルコキシメチレン基を表わす〕 で表わされる酸アミド基含有単量体単位0.1〜
5重量%、および C 上記Aおよび/またはB項記載の単量体と共
重合可能な1種又は2種以上の他の単量体単位
85〜99.9重量% よりなる共重合体の水性エマルジヨンを配合して
なるセラミツクス成形用組成物;および上記組成
物を鋳型に鋳込成形することを特徴とするセラミ
ツクスの成形方法である。 本発明で用いる共重合体の構成単位モノマーの
うち、カルボキシル基含有単量体(以下単量体A
と記す)として好ましいものを例示すると、アク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、フマール酸、マレイン酸及びイタコン酸、マ
レイン酸のモノアルキルエステル等であり、共重
合体の構成単位中、このモノマーの占める割合は
0.1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%である。
15重量%を越えると、泥漿に水性エマルジヨンを
添加した場合、泥漿の粘度が高くなりすぎ、流動
性が悪化し、良好な鋳込成形体を形成出来なくな
り、0.1重量%未満では充分な強度をもつ鋳込成
形体を形成することができない。 本発明で用いる共重合体の構成単位モノマーの
うち、酸アミド基含有単量体(以下単量体Bと記
す)として好ましいものを例示すると、アクリル
アミド、メタアクリルアミド、ジメチル(メタ)
アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリ
ルアミド、メトキシメチロール(メタ)アクリル
アミド、ブトキシメチロール(メタ)アクリルア
ミド等であり、共重合体の構成単位中、このモノ
マーの占める割合は0.1〜5重量%、好ましくは
0.5〜4重量%である。5重量%を越えると、泥
漿に水性エマルジヨンを添加した場合、泥漿の粘
度が高くなり、かつ時間の経過とともにその粘度
は更に増大して流動性が悪化する現象を呈するの
で、良好な鋳込成形体を安定して形成することが
出来ず、0.1重量%未満では充分な強度をもつ鋳
込成形体を形成することができない。 共重合体の構成単位モノマーとして単量体Aと
単量体Bとを併用する場合は、共重合体の構成単
位中、この2種のモノマーの合計の占める割合
は、0.1〜15重量%、であつて且つそれぞれのモ
ノマーの占める割合は前述の限定範囲内である必
要がある。 単量体Aおよび/またはBと共重合可能な単量
体(以下単量体Cと記す)として、ヒドロキシル
基含有単量体を用いることができる。たとえば2
−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタアクリレート、ヒドロキシプロピル
メタアクリレート等である。このような単量体を
共重合体中の構成単位として0.2〜10重量%用い
ると泥漿に水性エマルジヨンを添加した場合、泥
漿の粘度を下げ、その良好な流動性と経時粘度安
定性(時間が経過しても粘度が増大してゆかな
い)が得られる。しかし、10重量%を越えて用い
ると鋳込成形時の脱型性を低下せしめ、且つ石膏
型の目づめを起こすようになり、石膏型の寿命を
短かくしてしまうので好ましくない。 単量体Cとしては、上記以外に、たとえばアク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n
−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アク
リル酸オクチル、アクリル酸メトキシエチル、ア
クリル酸ブトキシエチル、アクリル酸シクロヘキ
シル、アクリル酸フルフリル等のアクリル酸エス
テル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸メトキシ
エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸メト
キシエチル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリ
ル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレ
ン、パラメチルスチレンの如き芳香族ビニル単量
体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルの如きビニ
ルエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニ
トリルの如きニトリル類;その他塩化ビニル、エ
チレン、ブタジエンなどが用いられる。 本発明に用いる水性エマルジヨンは、公知の乳
化重合法によつて製造される。すなわち水または
水とアルコールやアセトンなどの水に可溶な有機
溶剤との混合溶液を媒体とし、所望により界面活
性剤を加えて単量体を媒体中に均一に分散させ
つゝ水溶性ラジカル重合開始剤の存在下に、更に
所望により分子量調節剤、その他の薬剤の存在下
に乳化重合させて製造される。 重合開始剤としては過酸化物、レドツクス系触
媒、過硫酸塩及びアゾ系化合物のような通常のラ
ジカル開始剤を用いることができる。 界面活性剤を使用する場合は、それはアニオン
系、カチオン系、ノニオン系、両性の界面活性剤
のいずれでも、またそれらの任意の混合物を用い
ることができる。 分子量調節剤としては第3級ドデシルメルカプ
タン、ノルマルドデシルメルカプタンなどのメル
カプタン類、四塩化炭素、イソプロピルアルコー
ルなどが使用できる。 重合は通常40〜90℃の温度において酸素を除去
した反応器中で行なわれる。単量体、界面活性
剤、分子量調節剤、重合開始剤およびその他の所
望添加薬剤は反応媒体中に反応開始前に全量添加
しても、反応開始後その一部または全部を分割添
加しても良い。また反応途中で温度、撹拌条件な
どの操作条件を任意に変更することもできる。ま
た、重合反応は連続式または回分式のいずれの方
式で行つてもよい。 本発明に用いる水性エマルジヨンは、前述の如
く単量体Cをその主構成単位とする共重合体のエ
マルジヨンであるが、単量体Cとして特にアクリ
ル酸エステル、スチレン−アクリル酸エステル、
スチレン−ブタジエン、メタクリル酸メチル−ブ
タジエン、スチレン−メタクリル酸メチル−プタ
ジエン系のものを用いて共重合させて得られる水
性エマルジヨンが好ましい。 本発明に用いる水性エマルジヨン中に界面活性
剤が含まれる場合は、その量は単量体の総重量に
対して1.0重量%以下であることが好ましく、エ
マルジヨンの粒子径は0.05〜0.6μm、特に0.1〜
0.25μmの範囲であることが好ましい。界面活性
剤の量が1重量%を越えた場合又はエマルジヨン
の粒子径が0.6μmを越える場合は、該水性エマル
ジヨンを泥漿に添加した場合、泥漿の粘性は低く
なるが、鋳込成形体の優れた脱型性及び石膏型の
寿命を長くするという本発明の効果が不充分にな
る場合がある。一方、エマルジヨンの粒子径が
0.05μm未満の場合、これを添加して成る泥漿は
増粘し、流動性が悪化してしまう場合がある。 本発明における淘磁器用素地土とは、長石、珪
石、陶石、カオリン、粘土などをその主成分とす
る陶磁器用素地土として従来より一般に使用され
ているものを云う。 また、セラミツクス用素地土とは、アルミナ、
ジルコニア、フエライト、シリカ、ベリリア、マ
グネシア、チタニア、カルシア、酸化亜鉛などの
金属酸化物;炭化ケイ素、ボロンカーバイトなど
の炭化物;窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化
ホウ素などの窒化物;ホウ化アルミニウムなどの
硼化物;及び、各種金属のケイ酸塩、アルミン酸
塩、ジルコン酸塩;及びチタン酸バリウム、チタ
ン酸ストロンチウムなどのチタン酸塩;また、サ
イアロンなどの固溶体類;及びこれらの混合物な
どのセラミツク原料を云う。 陶磁器用素地土またはセラミツクス用素地土に
対する水性エマルジヨンの添加量は、素地土の種
類、その粒子径およびその分布、水性エマルジヨ
ンの種類、製造されるセラミツクス成形物の種類
などによつて変動し、画一的に決められるもので
はないが、通常は乾燥素地土100重量部に対して、
エマルジヨン中の固形分として0.1〜20重量部く
らいが妥当な量である。 本発明のセラミツクス成形用組成物に用いる陶
磁器用素地土またはセラミツクス用素地土を主成
分とする泥漿には、上記素地土以外に分散剤、焼
結助剤、上記以外のセラミツクス原料、添加剤な
どを所望により含有せしめることができる。 分散剤としては水ガラス、炭酸ソーダ、リン酸
ナトリウム、トリポリリン酸ソーダなどのリン酸
塩類などの無機分散剤及びポリアクリル酸ソー
ダ、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、リ
グニンスルホン酸ソーダなどの有機分散剤などで
ありその含有量は通常、乾燥素地土100重量部に
対して固形分として0.02〜2.0重量部である。 焼結助剤としてはマグネシア、イツトリア、ホ
ウ素、ランタンなどの希土類の金属酸化物、など
であり、その含有量は乾燥素地土100重量部に対
して0.01〜5.0重量部である。 上記以外の添加剤としてはステアリン酸カルシ
ウム、ステアリン酸亜鉛、ワツクスエマルジヨン
などの離型剤、アンモニア、トリエタノールアミ
ンなどの有機アミン類、しゆう酸、ギ酸など有機
酸類などを含むPH調整剤、シリコン系、ポリエー
テル系などの消泡剤であり、その含有量は乾燥素
地土100重量部に対して固形分で0.01〜10重量部
である。その他、要すれば湿潤剤、キレート剤な
どのイオン封鎖剤、可塑剤なども使用することが
できる。 また、本発明のセラミツクス成形用組成物中の
陶磁器用素地土またはセラミツクス用素地土の占
める割合は、セラミツクス成形用組成物100重量
部に対して固形分として40〜85重量部である。 陶磁器用素地土またはセラミツクス用素地土を
主成分とする泥漿に水性エマルジヨンを添加して
調製される本発明のセラミツクス成形用組成物は
極めて安定であり、しかも粘性が低くて流動性が
良く成形性の優れたもので、これによる成形体は
機械的強度が優れているのみならず、本発明の組
成物を泥漿として用いると、鋳込成形の際の脱型
性が特に向上し、且つ鋳込成形用の石膏型の寿命
を著るしく長くすることができる。 本発明の組成物を鋳込成形して得られる成形体
は、その後の素焼工程を行わなくても、そのまま
で取扱いあるいは後加工に充分耐える強度を有す
るものである。従つて、そのまま素焼工程を省略
して施釉、焼成を行つてセラミツクス成形体とし
てもよいし、必要ならば、鋳込成形体に着色、絵
付けを行つてから、施釉、焼成を行つてもよい。
また本発明の組成物は、鋳込成形法だけでなく、
押出成形法、ろくろ成形法などに使用しても、優
れた成果が得られる。 本発明の組成物がこのような優れた効果を示す
のは、本発明の組成物中において、陶磁器用素地
土またはセラミツクス用素地土の無機粒子と、本
発明で用いる特定の水性エマルジヨンの共重合体
粒子との間に何らかの相互作用が生じ、その結果
共重合体粒子が無機粒子に吸着されている為と考
えられる。このことは下記の2つの現象によつて
示唆される。 第1の現象は、本発明の組成物すなわち泥漿に
水を加えて、その固形物濃度が約50〜70%相当に
なるまで希釈し、その希釈泥漿を3日から1週間
静置しておいたところ、上層として無色透明な水
層が生じ、該水層中には共重合体エマルジヨン粒
子がほとんど含有されておらず、共重合体エマル
ジヨン粒子は、無機粒子に吸着して、無機粒子と
いつしよに沈降したと推定される。一定、本発明
で用いる水性エマルジヨン以外の水性(共)重合
体エマルジヨン、すなわち単量体Aおよび/また
はBをその構成単位モノマーとして含有しないホ
モまたはコポリマーの水性エマルジヨンを用いて
同様な泥漿をつくり、その泥漿につき上記と同様
な試験を行つたところ、静置により生じる上層の
水層は白濁不透明で、そのなかに尚かなりの量の
(共)重合体エマルジヨン粒子を含有していた。 第2の現象は、本発明の組成物をフイルタープ
レスで圧搾したところ、ほゞ無色透明の水がしぼ
り出されてきて、該搾出水中には共重合体エマル
ジヨン粒子は含まれてていなかつたが、一方、単
量体Aおよび/またはBをその構成単位モノマー
として含有しないホモまたはコポリマーの水性エ
マルジヨンを用いて同様な泥漿をつくり、その泥
漿組成物をフイルタープレスで圧搾した場合は、
かなりの量の(共)重合体エマルジヨン粒子を含
有する白濁不透明の水がしぼり出された。 上述の現象によつて示唆されるような陶磁器用
素地土またはセラミツクス用素地土の無機粒子
と、本発明で用いる特定の水性エマルジヨンの共
重合体粒子との間に起る相互作用がどの様な機構
に基くのかは必ずしも明確ではないが、共重合体
粒子中のカルボキシル基および/またはアルコキ
シメチレン基が、共重合体粒子の無機粒子への吸
着現象の原因になつていることもあり得る。 〔実施例〕 以下、実施例により本発明を具体的に説明する
が、これらの実施例は本発明のごく一部に過ぎな
いものであることは云うまでもない。猶、実施例
中の%は5重量%を示すものとする。 実施例 1 陶磁器素地土として低粘土素地土〔マルイ陶料
株式会社品、特級土〕に水ガラス1号を素地土乾
燥固形分に対し0.41%添加し、更に加水して、混
合撹拌し固形分68.4%の泥漿を得た。この泥漿に
対し第1表−1〜−3に記載の組成割合の単量体
をその構成単位とする共重合体の水性エマルジヨ
ンを絶乾素地土に対するエマルジヨン中の固形分
の割合が3%になる量をそれぞれ添加し、混合撹
拌を行つて均一な泥漿物を得た。 この泥漿物を長さ20mm、幅90mm、厚さ5mmの石
膏型に流し込み放置して着肉させた後脱型し、脱
型する際の成形体の脱型性の良否、脱型後の成形
体につきその保形性の良否(成形体に切れや変形
が生じていないか否か)を調べ、次いで常温で放
置乾燥後その強度を測定した。強度の測定には東
洋ボールドウイン社製テンシロンUTM−−
500を用いて曲げ強度を測定した。また、得られ
た成形体を焼成してセラミツクス製品を得たが、
第1表に記載の単量体組成割合が、本発明で規定
する量的関係になつている共重合体の水性エマル
ジヨンを添加して得た組成物による鋳込成形体か
ら得られたセラミツクス製品の場合は、いずれも
優れた製品であつた。 石膏型の寿命の評価方法としてはそれぞれの泥
漿によつて可能な鋳込み回数の限界値をもつて、
下記五段階で判定した。 優:100回以上 不可 20回未満 良: 70回〜100回 可: 70〜40回 不良:40〜20回 但し、鋳込回数の限界は、脱型時における成形
体の離型性、脱型後の成形体の保型性および脱型
後の石膏型の表面の荒れ具合の総合的考慮に基づ
いて判定した。また、保形性については、脱型時
において成形体に生ずる切れ及び変形などの有無
により、目視判定した。 評価結果を第2表−1〜−3に記載した。尚、
第1および2表において、Aが本発明の実施例で
あり、Bは本発明で規定する量的関係を満足しな
い共重合体の水性エマルジヨンを添加して得た組
成物についての比較例である。また、第1表には
泥漿に添加した水性エマルジヨン中に含有される
界面活性剤の重量を、共重合体を得るために用い
た単量体の量の合計量の100重量部当りで表示し、
更に各エマルジヨンの平均粒子径を併記してあ
る。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 なお、本実施例において第1表−3中の本発明
の水性エマルジヨンの作成にあたつては、アニオ
ン界面活性剤を用いて通常の乳化重合処方に従つ
て乳化重合を行なつた。エマルジヨンの粒子径の
制御は常法により、重合反応開始時の界面活性剤
の濃度により行なつた。 実施例 2 陶磁器用素地土として、マルイ陶料株式会社製
22号坏土、30号坏土及びヤマカ陶料株式会社製ニ
ユーボーン57号坏土、60号坏土をそれぞれ用い、
これに水ガラス1号を素地土乾燥固形分に対して
0.26%添加し、更に加水して混合撹拌し、固形分
69.1%の泥漿を得た。この泥漿に対し、実施例1
において第1表−1の(5)に挙げた組成の水性エマ
ルジヨンを絶乾素地土に対して3%添加し、実施
例1と同様の操作で鋳込成形体を得実施例1に準
じて評価した。結果を第3表に示す。
【表】
【表】 実施例 3 ALCOA社製アルミナ粉体〔A−16SG〕5Kg
及び日本軽金属(株)製アルミナ粉体〔A−32〕5Kg
を測り取り、アルミナ粉体混合物10Kgとしこれに
分散剤〔中京油脂(株)、セルナーD−305〕60g及
び水を加え混合分散し、固形分81.4%の泥漿を得
た。この泥漿に対し実施例1の(1)乃至(48)に挙げ
た組成の水性エマルジヨンを絶乾アルミナ粉体混
合物に対して3%添加し、実施例1と同様の操作
で鋳込成形を行ない、実施例1に準じた方法で評
価した。但し、本実施例においては110℃乾燥後、
セラミツクス成形体の強度を測定し、乾燥強度と
して表示した。結果は下記第4表−1乃至−3に
示す通りである。この表の場合もAが本発明の実
施例、Bは比較例である。
【表】
【表】
【表】
【表】 実施例 4 セラミツクス用素地土としてシリカ(中国産珪
石)、ジルコニア〔東洋ソーダ(株)社品、TZ−3Y)
β型炭化珪素(イビデン株式会社品、商品名ベー
タランダム ウルトラフアイン)を用いて下記の
方法で鋳込成形用泥漿をそれぞれ作成した。作成
した各泥漿に、実施例1の(5)に挙げた組成の水性
エマルジヨンをセラミツクス素地土用乾粉に対し
て3%添加し、実施例3と同様の操作で鋳込成形
を行ない、実施例3に準じて評価した結果は下記
第5表に示す通りである。 鋳込成形用泥漿の作成方法: (イ) シリカ(中国産珪石) シリカ(中国産珪石)に分散剤〔中京油脂
(株)、商品名・セルナ−D−305〕を素地土乾燥
固形分に対し0.6%添加し、更に加水して混合
し、固形分68.9%の泥漿を得た。 (ロ) ジルコニア ジルコニア(東洋ソーダ株式会社品、TZ−
3Y)10Kgに分散剤〔中京油脂(株)、商品名(セ
ルナ−D−305)〕を200g及び水も加え混合し、
固形分71.4%の泥漿を得た。 (ハ) β型炭化珪素 β型炭化珪素〔イビデン株式会社品、商品
名・ベータランダム ウルトラフアイン〕1000
gにホウ素〔三津和化学(株)品〕3g、分散剤
〔サンノプコ(株)品、商品名・SNデイスパーサン
ト5045〕5g、10%モノエチルアミン水溶液
〔キシダ化学(株)品〕10g及び水を加え混合し、
固形分65%の泥漿を得た。
〔発明の効果〕
上記したように、本発明で特定した水性エマル
ジヨンを添加した泥漿組成物を使用し、鋳込成形
を行なえば、セラミツクス成形体の乾燥強度が向
上するのみならず、脱型時において、脱型性、保
形性に優れ、従がつて成形体の歩止りが著るしく
向上し、且つ石膏型の寿命を長くすることができ
る。従つて本発明の成形方法により鋳込成形をす
ることによつて優れた成形体の効率良い生産が可
能である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 陶磁器用素地土またはセラミツクス用素地土
    を主成分とする泥漿に、 A カルボキシル基含有単量体単位0.1〜15重量
    %および/または B 一般式 〔式中、R1およびR2は水素原子またはメチル
    基を表わし、これらは同じでも異なつていても
    よく、R3は水素原子または炭素原子数が1〜
    4個のアルキル基もしくは一般式CH2OR4(式
    中R4は水素原子または炭素原子数が1〜4個
    のアルキル基を表わす)で示されるヒドロキシ
    メチレン基もしくはアルコキシメチレン基を表
    わす〕 で表わされる酸アミド基含有単量体単位0.1〜
    5重量%、および C 上記Aおよび/またはB項記載の単量体と共
    重合可能な1種または2種以上の他の単量体単
    位85〜99.9重量% よりなる共重合体の水性エマルジヨンを配合して
    なるセラミツクス成形用組成物。 2 前記C項記載の他の単量体の少くとも1種が
    ヒドロキシル基含有単量体である特許請求の範囲
    第1項記載の組成物。 3 前記水性エマルジヨンの平均粒子径が0.05〜
    0.6μmである特許請求の範囲第1項記載の組成
    物。 4 陶磁器用素地土またはセラミツクス用素地土
    を主成分とする泥漿に、 A カルボキシル基含有単量体単位0.1〜15重量
    %および/または B 一般式 〔式中、R1およびR2は水素原子またはメチル
    基を表わし、これらは同じでも異なつていても
    よく、R3は水素原子または炭素原子数が1〜
    4個のアルキル基もしくは一般式CH2OR4(式
    中R4は水素原子または炭素原子数が1〜4個
    のアルキル基を表わす)で示されるヒドロキシ
    メチレン基もしくはアルコキシメチレン基を表
    わす〕 で表わされる酸アミド基含有単量体単位0.1〜
    5重量%、および C 上記Aおよび/またはB項記載の単量体と共
    重合可能な1種または2種以上の他の単量体単
    位85〜99.9重量% よりなる共重合体の水性エマルジヨンを配合して
    なるセラミツクス成形用組成物を用いて鋳込成形
    することを特徴とするセラミツクスの成形方法。 5 陶磁器用素地土またはセラミツクス用素地土
    を主成分とする泥漿に、 A カルボキシル基含有単量体単位0.1〜15重量
    %および/または B 一般式 〔式中、R1およびR2は水素原子またはメチル
    基を表わし、これらは同じでも異なつていても
    よく、R3は水素原子または炭素原子数が1〜
    4個のアルキル基もしくは一般式CH2OR4(式
    中R4は水素原子または炭素原子数が1〜4個
    のアルキル基を表わす)で示されるヒドロキシ
    メチレン基もしくはアルコキシメチレン基を表
    わす〕 で表わされる酸アミド基含有単量体単位0.1〜
    5重量%、および C 上記Aおよび/またはB項記載の単量体と共
    重合可能な1種または2種以上の他の単量体単
    位85〜99.9重量% よりなる共重合体の水性エマルジヨンを配合して
    なるセラミツクス成形用組成物を用いてろくろ成
    形することを特徴とするセラミツクスの成形方
    法。
JP60188503A 1984-10-16 1985-08-29 セラミツクス成形用組成物およびそれを用いるセラミツクスの成形方法 Granted JPS6252162A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60188503A JPS6252162A (ja) 1985-08-29 1985-08-29 セラミツクス成形用組成物およびそれを用いるセラミツクスの成形方法
GB08524867A GB2167741B (en) 1984-10-16 1985-10-09 Process for forming ceramics
DE19853536428 DE3536428A1 (de) 1984-10-16 1985-10-12 Keramik-formgebungszusammensetzung und verfahren zum ausformen von keramik aus der zusammensetzung und weiterverarbeiten der entstehenden ausgeformten produkte
FR858515339A FR2571716B1 (fr) 1984-10-16 1985-10-16 Composition pour former des produits ceramiques, procede d'obtention de produits ceramiques a partir de cette composition et traitement des produits formes obtenus
KR1019850007631A KR900009021B1 (ko) 1984-10-16 1985-10-16 세라믹 성형용 조성물, 이 조성물로부터 세라믹을 성형하는 방법 및 성형체의 가공방법
KR1019900015213A KR910001349B1 (ko) 1984-10-16 1990-09-25 주조세라믹제품의 제조방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60188503A JPS6252162A (ja) 1985-08-29 1985-08-29 セラミツクス成形用組成物およびそれを用いるセラミツクスの成形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6252162A JPS6252162A (ja) 1987-03-06
JPH0556301B2 true JPH0556301B2 (ja) 1993-08-19

Family

ID=16224863

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60188503A Granted JPS6252162A (ja) 1984-10-16 1985-08-29 セラミツクス成形用組成物およびそれを用いるセラミツクスの成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6252162A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0625030B2 (ja) * 1989-04-07 1994-04-06 日本碍子株式会社 グリーンシートの製造方法
JP4898093B2 (ja) * 2004-01-27 2012-03-14 ニッタ株式会社 セラミックス成形用バインダー、グリーン体、セラミックス成形体及びセラミックス接着法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3988405A (en) * 1971-04-07 1976-10-26 Smith Robert D Process for forming thin walled articles or thin sheets
US4010133A (en) * 1971-05-26 1977-03-01 E. I. Du Pont De Nemours And Company Low-fire green ceramic articles and slip compositions for producing same
JPS5357213A (en) * 1976-11-04 1978-05-24 Nagoya Yukagaku Kogyo Kk Ceramic based mud
JPS61151060A (ja) * 1984-12-24 1986-07-09 日本ゼオン株式会社 セラミックグリ−ンシ−ト用水性泥漿組成物

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3988405A (en) * 1971-04-07 1976-10-26 Smith Robert D Process for forming thin walled articles or thin sheets
US4010133A (en) * 1971-05-26 1977-03-01 E. I. Du Pont De Nemours And Company Low-fire green ceramic articles and slip compositions for producing same
JPS5357213A (en) * 1976-11-04 1978-05-24 Nagoya Yukagaku Kogyo Kk Ceramic based mud
JPS61151060A (ja) * 1984-12-24 1986-07-09 日本ゼオン株式会社 セラミックグリ−ンシ−ト用水性泥漿組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6252162A (ja) 1987-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5900201A (en) Binder coagulation casting
US5656562A (en) Process for preparing ceramic products
JP3179022B2 (ja) セメント分散剤およびその製造方法ならびにそれを用いたセメント組成物
JP3423853B2 (ja) セメント混和剤およびセメント組成物
JPH0211542B2 (ja)
EP1090890B1 (en) Method for preparing ceramic compositions
JPH0556301B2 (ja)
KR900009021B1 (ko) 세라믹 성형용 조성물, 이 조성물로부터 세라믹을 성형하는 방법 및 성형체의 가공방법
CN102066284A (zh) 用于陶瓷挤出的包含纤维素醚的添加剂
JPS641426B2 (ja)
TW200837115A (en) Additives comprising cellulose ethers for ceramics extrusion
JPH1143374A (ja) セラミックス成形用バインダー及びセラミックス成形用組成物
KR101647658B1 (ko) 콘크리트 혼화제용 폴리카르복실산 중합체 조성물 및 이를 포함하는 콘크리트 조성물
KR910001349B1 (ko) 주조세라믹제품의 제조방법
JPS61175004A (ja) セラミツクスの成形加工方法
KR100349499B1 (ko) 커플링제를 함유하는 성형용 슬러리 조성물과 이를 이용한 성형방법
JPS641425B2 (ja)
EP0758630B1 (en) Slurry compositions for plastic molding purposes and products obtained thereof
JP5109218B2 (ja) 共重合体の製造方法
JPH02116662A (ja) 陶磁器用組成物
JPH0579620B2 (ja)
JP2795805B2 (ja) 取鍋れんが
JP4597313B2 (ja) 無機質成形体表面用凝結遅延剤および無機質成形体の製法
JP2855451B2 (ja) 陶磁器の製造方法
JPH05104509A (ja) セラミツクスの鋳込成形方法