JP4597313B2 - 無機質成形体表面用凝結遅延剤および無機質成形体の製法 - Google Patents

無機質成形体表面用凝結遅延剤および無機質成形体の製法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セメント、モルタル、コンクリート等のセメント系組成物を硬化させる際に、セメント系組成物と組み合わされる型枠面に付着したセメント系組成物の硬化を遅延させるのに用いられる凝結遅延剤、あるいはセメント系組成物の敷設面に直接適用して骨材の洗い出しあるいは模様の形成を容易とし得る凝結遅延剤、およびそれを用いた無機質成形体の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンクリート製品表面に模様を形成する一般的な方法としては、特開昭48−71412、特開昭52−98725、特開昭54−119522、特開昭61−22904、特開昭63−216703などで開示されている、(1)模様を施したゴムマットをコンクリート打設用型枠内面の所定部位に接着する方法、(2)のみ等を用いてコンクリート製品表面に彫刻する方法、(3)コンクリートが未硬化のうちに、のこ刃、金櫛などの工具により該コンクリート製品表面に模様を形成する方法等が挙げられる。しかし、(1)の方法は、その都度高価なゴムマットを用いねばならずコスト高になる。また(2)の方法は、彫刻を施すために熟練した専門家が必要であるとともに、彫刻の際に粉塵等が発生する。(3)の方法は型枠より脱型する製品においては実施が不可能である等の欠点があった。
このような問題点を解決するため、特開昭53−9809、特開平5−50413、特開平4−163104、特開平7−279413、特開平11−262908等の開示があるが、シートを用いる方法では前述と同じく手間がかかりコストアップが避けられず、遅延剤を用いる場合においても洗い出し性に劣るといった欠点を完全に克服できておらず、改善が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、取り扱い性にすぐれ、効果的にセメント系組成物などの無機質成形体の表面の硬化を遅延させうる凝結遅延剤およびそれを用いた無機質成形体の製法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の好ましい性質を有する凝結遅延剤を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、水溶性高分子あるいは水性エマルジョンからなる無機質成形体表面用凝結遅延剤が上記目的を満足するものであることを見出した。また、本発明者らは、前記遅延剤をセメント系組成物等の無機質成形体の型枠面または敷設面に塗布する無機質成形体の製法が上記目的を満足するものであることを見出した。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる水溶性高分子としてはポリビニルアルコール挙げられる。
【0006】
ポリビニルアルコールを用いた場合に特に凝結遅延効果の好ましい凝結遅延剤が得られる。ポリビニルアルコールの製造方法としては特に制限はなく、公知の方法によりビニルエステル系重合体をけん化することにより得ることができる。
【0007】
また、ここで、ビニルエステルとしては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられるが、一般に酢酸ビニルが好ましく用いられる。
【0008】
また、該ポリビニルアルコールは本発明の効果を損なわない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合したものでも良い。このようなエチレン性不飽和単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、N−ビニルピロリドン、 N−ビニルホルムアミド、 N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類が挙げられる。
また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸などのチオール化合物の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体を重合するか、またはビニルエステル系単量体と上記エチレン性不飽和単量体とを共重合し、それをけん化することによって得られる末端変性物も用いることができる。
【0009】
本発明に用いるポリビニルアルコール系重合体のけん化度は、特に制限されないが、通常50モル%以上、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上のものが用いられる。けん化度が50モル%未満の場合には、ポリビニルアルコール本来の性質である水溶性が低下する懸念が生じる。該ポリビニルアルコールの重合度も特に制限されないが、通常100〜8000の範囲のものが用いられ、300〜3000がより好ましく用いられる。また、ポリビニルアルコールは水溶液として好ましく用いられるが、通常、0.1〜40%の濃度、好ましくは0.3〜30%の濃度に調整して用いられる。濃度が0.1%未満の場合、スプレー等で塗布した際にタレが生じる恐れがある。また、40%を越える濃度の場合、水溶液粘度が高くなりすぎ、作業性に乏しくなる懸念が生じる。
【0010】
本発明に用いられる水性エマルジョンとしては保護コロイドとして各種ポリビニルアルコール単独あるいは二種以上含む水溶液中で、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和単量体、ジエン系単量体あるいは多官能性単量体を乳化重合して得られる乳化重合型の水性エマルジョン単独あるいは二種以上併用される。なかでも特に、ポリビニルアルコールを保護コロイドとして乳化重合して得られた水性エマルジョンが凝結遅延効果に優れ好ましい。また水性エマルジョンとしては、ポリ酢酸ビニル系水性エマルジョン、エチレン-酢酸ビニル系共重合体水性エマルジョン、アクリル酸エステル系樹脂水性エマルジョン等が好適に用いられる。
【0011】
本発明の乳化重合型水性エマルジョン分散質を構成するエチレン性不飽和単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブテン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン類、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩のアクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロライド、3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類、酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物、スチレン、α−メチルスチレン、P−メチルスチレンスルホン酸およびそのナトリウム、カリウム塩等のスチレン系単量体類、その他N−ビニルピロリドン等が挙げられ、またジエン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。さらに、多官能性単量体としては、ジビニルベンゼン、テトラアリロキシエタン、N,N'−メチレンビス−アクリルアミド、2,2'−ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、 1,3−ブチレングリコールジアクリレート、 1,5−ペンタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6 −ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、アリルメタクリレート、 1,4−ブタンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3 −ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6 −ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2 −ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、N,N'−m−フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルクロレンデート、エチレングリコールジグリシジルエーテルアクリレート等が挙げられる。これらの単量体は一種または二種以上が用いられる。
【0012】
本発明に用いる水性エマルジョンを得るための乳化重合を実施するにあたっては、水、上記の分散剤および/または保護コロイド、および重合開始剤の存在下に、上記単量体を一時または連続的に添加して、加熱、撹拌するような通常の乳化重合法が実施しうるし、また、単量体を予め分散剤および/または保護コロイド水溶液と混合乳化したものを連続的に添加する方法も実施し得る。
【0013】
本発明に用いる水性エマルジョンの分散剤および/または保護コロイドの使用量としては、特に制限はないが、通常単量体100重量部に対して0.2〜50重量部、好ましくは0.5〜20重量部である。0.2重量部より少ない場合は、重合安定性が低下し、50部を越える場合には粘度が高くなりすぎる懸念がある。また、水性エマルジョンの濃度にも特に制限はないが、通常、1〜65%の濃度、好ましくは2〜60%の濃度に調整して用いられる。濃度が1%未満の場合、スプレー等で敷設面、または型枠面に塗布した際にタレが生じる恐れがある。また、65%を越える濃度の場合、水性エマルジョン粘度が高くなりすぎ、作業性に乏しくなる懸念が生じる。
【0014】
重合開始剤としては、特に制限されるものではなく、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、2、2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、イソプロピルベンゼンパーオキサイド等が単独あるいは重亜硫酸ナトリウム、酒石酸、L−アスコルビン酸、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、硫酸第一鉄等の還元剤と併用したレドックス系等が用いられる。
【0015】
また、水性エマルジョンには、本発明において使用する水溶性高分子を後添加しても構わない。この場合の配合比率に特に制限はない。
【0017】
凝結遅延剤を無機質成形体表面の凝結遅延剤として使用する方法としては、無機質成形体製造時に敷設面あるいは型枠面等に付着させる方法が代表例としてあげられる。付着させる方法としては特に制限はなく、刷毛、ローラー、ゴムべら等を用いて塗布する方法、またはスプレー等により散布する方法等を採用することができる。そして、凝結遅延剤の付着量を調節することにより、得られる無機質成形体製品の洗い出し深さを適当に調整することができる。通常の場合、凝結遅延剤の付着量(固形分)は3〜300g/m2程度とするのが好ましい。
本発明において無機質成形体を製造する方法としては、凝結遅延剤を型枠面等に付着させた後、セメント、モルタル又はコンクリート等のセメント系組成物で代表される水硬化性無機質成形材料を打ち込む方法がまず挙げられる。水硬化性無機質成形材料を打ち込んだ後は、所要の養生を行なう。養生方法としても特に制限はなく、蒸気養生、オートクレープ養生等の促進養生を行なうことができるが、気中養生でも良いことはいうまでもない。養生後は、凝結遅延剤を型枠面に付着させているため、無機質成形体は容易に脱型し、適当な時期に高圧水又はブラシなどを用い、常法に従って洗い出しを行なうことができる。この洗い出しは、脱型後直ちに行なう必要はなく、促進養生を行なった場合でも、脱型後、数日経過した後に行なうことができる。この洗い出し条件、即ち高圧水の圧力や洗い出し時期等によっても、洗い出し深さを調節することができる。なお、本発明において型枠に打設するセメント、モルタル又はコンクリート等のセメント系組成物の配合組成には特に制限はなく、従来一般的に採用されているセメント系組成物の配合成分で良い。
また、本発明において無機質成形体を製造する方法としては、凝結遅延剤を無機質成形体製造時の敷設面に付着させる方法も挙げられ、この方法によっても、均一な洗い出しを行うことができる。
【0018】
本発明においては、凝結遅延剤として水溶性高分子あるいは水性エマルジョンを用いるため、その優れた凝結遅延効果により、促進養生後においても、任意の時期に、例えば、作業員の手があいた時に洗い出しを行なうことが可能となる。しかも、水溶性高分子あるいは水性エマルジョンの濃度を調整することにより、各種のスプレー等での塗布が可能であり、型枠面等に均一に付着させることが可能である。このような特長により、コンクリート打設時に型枠面への塗布、あるいはセメント系硬化物を作成する際の表面造飾成型法などとして広く用いられる。
【0019】
次に、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明する。ここで、本発明の実施例は、実施例1〜3、7〜11、15および16であり、実施例4〜6および12〜14は参考例である。なお、以下の実施例および比較例において「部」および「%」は、特に断らない限り重量基準を意味する。
【0020】
実施例1
凝結遅延剤の水溶性高分子としてポリビニルアルコール(PVA-1;重合度1700、けん化度98.5モル%;(株)クラレ製PVA-117)の10%水溶液を用い、スプレーによりコンクリート型枠面へ10g/m2(固形分)塗布し、20℃において十分乾燥させた。このときの塗布作業性を下記基準により判定した。
○非常に良好、△ややムラあり、×たれが生じた
次に、上述の型枠を用い、下記配合の化粧モルタルを打ち込んだ。
セメント:1、細骨材:1.5、種石:2.5
その後、蒸気養生を24時間行った後、脱型し、定法により洗い出しを行った。
得られた製品の仕上げ面を観察し、下記基準により判定を行った。
○ほぼ均一、△ややムラあり、×硬化し洗い出し不可
結果を表1に示す。
【0021】
実施例2
実施例1で用いたPVA-1を用いる代わりにポリビニルアルコール(PVA-2;重合度1700、けん化度88モル%;(株)クラレ製PVA-217)の10%水溶液を用いた他は実施例1と同様に試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0022】
実施例3
実施例1で用いたPVA-1を用いる代わりにポリビニルアルコール(PVA-3;重合度2400、けん化度88モル%;(株)クラレ製PVA-224)の5%水溶液を用いた他は実施例1と同様に試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0023】
実施例4
実施例1で用いたPVA-1を用いる代わりにヒドロキシエチルセルロース(HEC SP600;ダイセル化学工業(株)製)の2%水溶液を用いた他は実施例1と同様に試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0024】
実施例5
実施例1で用いたPVA-1を用いる代わりにカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC 1180;ダイセル化学工業(株)製)の2%水溶液を用いた他は実施例1と同様に試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0025】
実施例6
実施例1で用いたPVA-1を用いる代わりにメチルセルロース(MC)(60SH−4000;信越化学工業(株)製)の3%水溶液を用いた他は実施例1と同様に試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0026】
実施例7
実施例1で用いたPVA-1を用いる代わりにエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン((株)クラレ製OM-4200、濃度55%、保護コロイドとしてポリビニルアルコール含有)を10%濃度に希釈して用いた他は、実施例1と同様に試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0027】
実施例8
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口、撹拌機を備えたガラス製容器に、ポリビニルアルコール(PVA-4、重合度500、けん化度88モル%、メルカプト基含有;(株)クラレ製M-205)60g、イオン交換水540gを仕込み、95℃で完全溶解させた。次いで、希硫酸によりpH=4とした後、150rpmで撹拌しながらメチルメタクリレート60部、n−ブチルアクリレート60部、n−ドデシルメルカプタン0.6部を添加し、窒素置換後70℃まで昇温した。1%過硫酸カリウム30部を添加し重合を開始し、さらに2時間かけてメチルメタクリレート240部、n−ブチルアクリレート240部、n−ドデシルメルカプタン2.4部を混合したものを連続的に添加した。重合開始3時間後、転化率99.4%となり重合を終了した。固形分濃度51.7%の安定なメチルアクリレート/n−ブチルアクリレート共重合体エマルジョンを得た。
実施例1で用いたPVA-1を用いる代わりに、上述のメチルアクリレート/n−ブチルアクリレート共重合体エマルジョンを10%に希釈して用いた他は実施例1と同様に試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0028】
比較例1
実施例1で用いたPVA-1を用いる代わりにクエン酸の5%水溶液を用いた他は実施例1と同様に試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0029】
比較例2
実施例1で用いたPVA-1を用いる代わりに市販凝結遅延剤ルカゾールF(日本シーカ(株))を用いた他は実施例1と同様に試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0030】
比較例3
実施例1で用いたPVA-1を用いる代わりにアミノトリ(メチレンホスホン酸)の5%水溶液を用いた他は実施例1と同様に試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0031】
実施例9
無機質成形体配合;セメント:1、細骨材:1.5、種石:2.5
上記配合の無機質成形体組成物を打ち、その直後、凝結遅延効果を有する水溶性高分子としてポリビニルアルコール(PVA-1;重合度1700、けん化度98.5モル%;(株)クラレ製PVA-117)の10%水溶液をスプレーにより無機質成形体組成物の上面に10g/m2(固形分)塗布した。このときの塗布作業性を下記基準により判定した。
○非常に良好、△ややムラあり、×たれが生じた
3日間気中養生後、定法により洗い出しを行い、成形体上部の仕上げ面を観察し、下記基準により判定した。
○ほぼ均一、△ややムラあり、×硬化し洗い出し不可
結果を表2に示す。
【0032】
実施例10
実施例9で用いたPVA-1を用いる代わりにポリビニルアルコール(PVA-2;重合度1700、けん化度88モル%;(株)クラレ製PVA-217)の10%水溶液を用いた他は実施例9と同様に試験を行った。結果を併せて表2に示す。
【0033】
実施例11
実施例9で用いたPVA-1を用いる代わりにポリビニルアルコール(PVA-3;重合度2400、けん化度88モル%;(株)クラレ製PVA-224)の5%水溶液を用いた他は実施例9と同様に試験を行った。結果を併せて表2に示す。
【0034】
実施例12
実施例9で用いたPVA-1を用いる代わりにヒドロキシエチルセルロース(HEC SP600;ダイセル化学工業(株)製)の2%水溶液を用いた他は実施例9と同様に試験を行った。結果を併せて表2に示す。
【0035】
実施例13
実施例9で用いたPVA-1を用いる代わりにカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC 1180;ダイセル化学工業(株)製)の2%水溶液を用いた他は実施例9と同様に試験を行った。結果を併せて表2に示す。
【0036】
実施例14
実施例9で用いたPVA-1を用いる代わりにメチルセルロース(MC)(60SH−4000;信越化学工業(株)製)の3%水溶液を用いた他は実施例9と同様に試験を行った。結果を併せて表2に示す。
【0037】
実施例15
実施例9で用いたPVA-1を用いる代わりにエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン((株)クラレ製OM-4200、濃度55%、保護コロイドとしてポリビニルアルコール含有)を10%濃度に希釈して用いた他は、実施例9と同様に試験を行った。結果を併せて表2に示す。
【0038】
実施例16
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口、撹拌機を備えたガラス製容器に、ポリビニルアルコール(PVA-4、重合度500、けん化度88モル%、メルカプト基含有;(株)クラレ製M-205)60g、イオン交換水540gを仕込み、95℃で完全溶解させた。次いで、希硫酸によりpH=4とした後、150rpmで撹拌しながらメチルメタクリレート60部、n−ブチルアクリレート60部、n−ドデシルメルカプタン0.6部を添加し、窒素置換後70℃まで昇温した。1%過硫酸カリウム30部を添加し重合を開始し、さらに2時間かけてメチルメタクリレート240部、n−ブチルアクリレート240部、n−ドデシルメルカプタン2.4部を混合したものを連続的に添加した。重合開始3時間後、転化率99.4%となり重合を終了した。固形分濃度51.7%の安定なメチルアクリレート/n−ブチルアクリレート共重合体エマルジョンを得た。
実施例9で用いたPVA-1を用いる代わりに、上述のメチルアクリレート/n−ブチルアクリレート共重合体エマルジョンを10%に希釈して用いた他は実施例9と同様に試験を行った。結果を併せて表2に示す。
【0039】
比較例4
実施例9で用いたPVA-1を用いる代わりにクエン酸の5%水溶液を用いた他は実施例9と同様に試験を行った。結果を併せて表2に示す。
【0040】
比較例5
実施例9で用いたPVA-1を用いる代わりに市販凝結遅延剤ルカゾールF(日本シーカ(株))を用いた他は実施例9と同様に試験を行った。結果を併せて表2に示す。
【0041】
比較例6
実施例9で用いたPVA-1を用いる代わりにアミノトリ(メチレンホスホン酸)の5%水溶液を用いた他は実施例9と同様に試験を行った。結果を併せて表2に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0004597313
【0043】
【表2】
Figure 0004597313
【0044】
【発明の効果】
本発明の無機質成形体表面用凝結遅延剤は、優れた凝結遅延効果により、促進養生後においても、任意の時期に、例えば、作業員の手があいた時に洗い出しを行なうことが可能となるし、また洗い出し面は均一でムラがない。しかも、水溶性高分子あるいは水性エマルジョンの濃度を調整することにより、各種のスプレー等での塗布が可能であり、型枠面または敷設面等に均一に付着させることが可能で塗布作業性が優れている。このような特長により、コンクリート打設時に型枠面への塗布、あるいはセメント系硬化物を作成する際の表面造飾成型法などとして広く用いることが可能となる。また、型枠面へ塗布することにより、コンクリートなどの無機質成形体の脱型が極めて容易となる。

Claims (4)

  1. 水溶性高分子からなる無機質成形体表面用凝結遅延剤であって、該水溶性高分子がポリビニルアルコールであることを特徴とする無機質成形体表面用凝結遅延剤
  2. 水性エマルジョンからなる無機質成形体表面用凝結遅延剤であって、該水性エマルジョンがポリビニルアルコールを保護コロイドとする水性エマルジョンであることを特徴とする無機質成形体表面用凝結遅延剤。
  3. 無機質成形体が、セメント、モルタルまたはコンクリート成形体である請求項1または2に記載の無機質成形体表面用凝結遅延剤。
  4. 請求項1または2に記載の無機質成形体表面用凝結遅延剤を、無機質成形体製造時に型枠面または敷設面に塗布することを特徴とする無機質成形体の製法。
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