JPH055479B2 - - Google Patents

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JPH055479B2
JPH055479B2 JP59277235A JP27723584A JPH055479B2 JP H055479 B2 JPH055479 B2 JP H055479B2 JP 59277235 A JP59277235 A JP 59277235A JP 27723584 A JP27723584 A JP 27723584A JP H055479 B2 JPH055479 B2 JP H055479B2
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JP
Japan
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tryptophan
dna
coryneform
producing
plasmid
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JP59277235A
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Kazuhiko Matsui
Kyoshi Miwa
Takanosuke Sano
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Ajinomoto Co Inc
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Ajinomoto Co Inc
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/11DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
    • C12N15/52Genes encoding for enzymes or proenzymes

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  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
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  • Biochemistry (AREA)
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  • Biophysics (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、組換えDNAを有するコリネ型細
菌及びそれを用いるL−トリプトフアンの製造法
に関する。 従来の技術 L−トリプトフアンは、アンスラニル酸がアン
スラニル酸ホスホリボシルトランスフエラーゼ、
N−(5′−ホスホリボシル)アンスラニル酸イソ
メラーゼ、インドール−3−グリセロールリン酸
シンターゼ、トリプトフアンシンターゼの順に各
酵素の作用を受け、生産される。 以下アンスラニル酸ホスホリボシルトランスフ
エラーゼをPRT、N−(5′−ホスホリボシル)ア
ンスラニル酸イソメラーゼをPRAI、インドール
−3−グリセロールリン酸シンターゼをInGPト
リプトフアンシンターゼをTSと記す。 一方、組換えDNA法を用いて、コリネ型細菌
におけるL−トリプトフアン生産菌を育種するこ
とは、特開昭59−156292で報告されているが、
PRT、PRAI、InGP、TSをコードする遺伝子
(以下各々PRT遺伝子、PRAI遺伝子、InGP遺伝
子、TS遺伝子と記す)が組込まれたものではな
い。 発明が解決しようとする問題点 この発明は、L−トリプトフアンの生産性がよ
り高い微生物を得ること、及びそれによつてL−
トリプトフアンのより効率のよい製造法を見い出
すことにある。 問題点を解決するための手段 本発明者等は、叙上の問題点を解決するため研
究の結果、コリネ型細菌細胞内で発現しPRT、
PRAI、InGP及びTSをコードする遺伝子がコリ
ネ型細菌細胞内で増殖しうるプラスミドベクター
に接続されている組換えDNAを有するコリネ型
細菌を分離することに成功し、得られたコリネ型
細菌がL−トリプトフアンの高い生産性を有する
ことを見い出した。 即ち本願発明は、コリネホルム・グルタミン酸
生産菌に属するDNA供与菌より得られ、少なく
ともアンスラニル酸ホスホリボシルトランスフエ
ラーゼ、N−(5′−ホスホリボシル)アンスラニ
ル酸イソメラーゼ、インドール−3−グリセロー
ルリン酸シンターゼ及びトリプトフアンシンター
ゼをコードするDNA断片が、コリネホルム・グ
ルタミン酸生産菌の菌体内で自律複製できるベク
タープラスミドに接続されて、コリネホルム・グ
ルタミン酸生産菌に属しm−フルオロフエニルア
ラニン及び5−フルオロトリプトフアンに耐性を
示すDNA受容菌に導入されて得られるL−トリ
プトフアン生産能を有する微生物を培養し、培養
液中に蓄積されたL−トリプトフアンを採取する
ことを特徴とするL−トリプトフアンの製造法で
ある。 本発明にいうコリネ型細菌
(Coryneformbacteria)は、バージース・マニユ
アル・オブ・デターミネイテイブ・バクテリオロ
ジー(BargeysManual of Determinative
Bacteriology)第8版599頁(1974)に定義され
ている一群の微生物であり、好気性、グラム陽
性、非抗酸性、胞子形成能を有しない稈菌であ
る。このようなコリネ型細菌のうち特に以下に述
べるようなコリネ型グルタミン酸生産性細菌が本
発明においては、最も好ましいものである。 コリネ型グルタミン酸生産性細菌の野性株の例
としては次のようなものがあげられる。 【表】 リオフイルム
【表】 ニアフイラム
本発明のコリネ型グルタミン酸生産性細菌には
上記のようなグルタミン酸生産性を有する野性株
のほかにグルタミン酸生産性を有するまたはグル
タミン酸生産性を失つた変異株も含まれる。 PRT、PRAI、InGP、TS各遺伝子を単離する
方法は、コリネ型細菌のPRT、PRAI、InGP、
TS各遺伝子を有している株より、まず染色体遺
伝子を抽出し(例えばH.Saito and K.Miura
Biochem.Biophys.Acta72,619,(1963)の方法
が使用できる。)、これを適当な制限酵素で切断す
る。ついで、コリネ型細菌細胞内で増殖し得るプ
ラスミドベクターに接続し、得られた組換え
DNAを用いてコリネ型細菌のPRT、PRAI、
InGP、TS各遺伝子の欠損変異株を形質転換せし
め、PRT、PRAI、InGP、TS生成活性を保有す
るにいたつた菌株を単離し、これよりPRT、
PRAI、InGP、TS各遺伝子を分離できる。 染色体遺伝子を切断するために、切断反応時間
等を調節して切断の程度を調節すれば、巾広い種
類の制限酵素が使用できる。 本発明にて使用されるプラスミドベクターは、
コリネ型細菌細胞内において増殖し得るものであ
ればどのようなものでも良い。具体的に例示すれ
ば、以下のものがあげられる。 (1) pAM 330 特開昭58−67699参照 (2) pHM 1519 特開昭58−77895参照 (3) pAJ 655 特開昭58−192900参照 (4) pAJ 611 同 上 (5) pAJ 1844 同 上 (6) pCG 1 特開昭57−134500参照 (7) pCG 2 特開昭58−35197参照 (8) pCG 4 特開昭57−183799参照 (9) pCG 11 同 上 プラスミドベクターDNAの開裂は、当該DNA
を一箇所で切断する制限酵素を用いて切断する
か、複数部位を切断する制限酵素を用いて部分的
に切断することにより行う。 ベクターDNAは染色体遺伝子を切断した際に、
用いられた制限酵素により切断され、または染色
体DNA切断フラグメント及び切断されたベクタ
ーDNAのそれぞれの両端に相補的な塩基配列を
有するオリゴヌクレオチドを接続せしめて、つい
でプラスミドベクターと染色体DNAフラグメン
トとのライゲーシヨン反応に付される。 このようにして得られた、染色体DNAとベク
タープラスミドとの組換えDNAをコリネ型細菌
に属する受容菌へ導入するには、エシエリヒア・
コリK−12について報告されている様な
(Mandel,M.and Higa,A.,J.Mol.,Biol.,
53,159(1970)受容菌細胞を塩化カルシウムで処
理してDNAの透過性を増す方法、またはバチル
ス・ズブチリスについて報告されている様に
(Duncan,C.H.,Wilson,G.A.and Young,F.
E.,Gene,,153(1977))細胞がDNAを取り
込み得る様になる増殖段階(いわゆるコンビテン
トセル)に導入する方法により可能である。ある
いは、バチルス・ズブチリス、放線菌類および酵
母について知られている様に(Chang,S.and
Choen,S.N.,Molec.Gen.,Genet.,168,111
(1979);Bibb,M.J.,Ward,J.M.and
Hopwood,O.A.,Nature,274,398(1978);
Hinnen,A.,Hicks,J.B.and Fink,G.R.,
Proc.Natl.Acad.Sci.USA,75,1929(1978))、
DNA受容菌を、プラスミドDNAを容易に取り込
むプロトプラストまたはスフエロプラストにして
プラスミドをDNA受容菌に導入することも可能
である。 プロトプラスト法では上記のバチルス・ズブチ
リスにおいて使用されている方法でも充分高い頻
度を得ることができるし、特開昭57−183799に記
載されたコリネバクテリウム属またはブレビバク
テリウム属のプロトプラストにポリエチレングリ
コールまたはポリビニルアルコールと二価金属イ
オンとの存在下にDNAをとり込ませる方法も当
然利用できる。ポリエチレングリコールまたはポ
リビニルアルコールの代りに、カルボキシメチル
セルロース、デキストラン、フイコール、ブルロ
ニツクF68(セルバ社)などの添加によつてDNA
のとり込みを促進させる方法でも同等の結果が得
られる。 L−トリプトフアン生産菌として、PRT、
PRAI、InGP、TS各欠損株を宿主として形質転
換した株を用いることができるが、以下に示すよ
うな宿主を用いればよりL−トリプトフアンの生
産性が高い菌株が得られることがある。 即ち、ブレビバクテリウム属のフエニルアラニ
ン、チロシンを要求し、5−メチルトリプトフア
ンに耐性を有する変異株(I.Shiio,H.Sato,M.
Nakagawa.,Agric.Biol.Chem.36,2315
(1972))、ブレビバクテリウム属のフエニルアラ
ニンを要求し、m−フルオロフエニルアラニン、
5−フルオロトリプトフアンに耐性を有する変異
株(I.Shiio,S.Sugimoto,M.Nakagawa.,
Agric.Biol.Chem.39,627(1975))、ブレビバクテ
リウム属のチロシンを要求し、5−フルオロトリ
プトフアン、アザセリンに耐性を有する変異体、
コリネバクテリウム属のフエニルアラニン、チロ
シンを要求し、5−メチルトリプトフアン、4−
メチルトリプトフアン、6−フルオロトリプトフ
アン、トリプトフアンヒドロキサメート、p−フ
ルオロフエニルアラニン、チロシンヒドロキサメ
ート、フエニルアラニンヒドロキサメートに耐性
を有する変異株(H.Hagino,K.Nakayama.,
Agric.Biol.Chem.39,345(1975))等がある。最
も好ましいものは、コリネホルム・グルタミン酸
生産菌に属しm−フルオロフエニルアラニン及び
5−フルオロトリプトフアンに耐性を示す変異株
である。 このようにして得られたL−トリプトフアン生
産能を有するコリネ型細菌を培養してL−トリプ
トフアンを生成蓄積せしめる方法は、従来コリネ
型細菌によるL−トリプトフアンの製造のために
使用されていた方法と特に大きく違う点はない。
即ち、培地としては、炭素源、窒素源、無機イオ
ン、更に必要に応じアミノ酸、ビタミン等の有機
微量栄養素を含有する通常のものである。炭素源
としては、グルコース、シユクロース、ラクトー
ス等及びこれらを含有する澱粉加水分解液、ホエ
イ、糖蜜等が用いられる。窒素源としては、アン
モニアガス、アンモニア水、アンモニウム塩その
他が使用できる。 培養は好気的条件下で培地のPH及び温度を適宜
調節しつつ、実質的にL−トリプトフアンの生産
蓄積が停止するまで行なわれる。 実施例 (1) PRT、PRAI、InGP、TS各遺伝子を含む染
色体DNAの調製 ブレビバクテリウム・ラクトフエルメンタム
AJ 12036(FERM BP−734)を1のCMG培地
(ペプトン1g/dl、酵母エキス1g/dl、グル
コース0.5g/dl、及びNaCl0.5g/dlを含み、PH
7.2に調製したもの)に植菌し、30℃で約3時間
振盪培養を行ない、対数増殖期の菌体を集めた。 この菌体をリゾチーム・SDSで溶菌させたの
ち、通常のフエノール処理法により、染色体
DNAを抽出精製し、最終的に3.5mgのDNAを得
た。 (2) ベクターDNAの調製 ベクターとしてpAJ 1844(分子量5.4メガダル
トン)を用い、そのDNAを次の様にして調製し
た。 まずpAJ 1844をプラスミドとして保有するブ
レビバクテリウム・ラクトフエルメンタムAJ
12037(FERM−P 7234,FERM−BP 577)を
100mlのCMG培地に接種し、30℃で対数増殖期後
期まで培養したのち、リゾチームSDS処理により
溶菌させ、30000×g,30分の超遠心により上清
を得た。フエノール処理ののち、2容のエタノー
ルを加えてDNAを沈澱回収した。これを少量の
TEN緩衝液(20mMトリス塩酸塩、20mM
Nacl,1mM EDTA(PH8.0))に溶解後、アガロ
ースゲル電気泳動にかけ分離後、切り出してpAJ
1844プラスミドDNA約15μgを得た。 (3) 染色体DNA断片のベクターへの挿入 (1)で得た染色体DNA10μgと(2)で得たプラス
ミドDNA5μgとを制限エンドヌクレアーゼPstI
でそれぞれを37℃に1時間保持し、切断した。65
℃に10分間加熱した後、両反応液を混合し、
ATP及びジチオスレイトール存在下、T4フアー
ジ由来のDNAリガーゼによつて10℃に24時間保
持しDNA鎖を連結せしめた。ついで反応液を、
65℃にて5分間加熱し、反応液に2倍容のエタノ
ールを加えて連結されたDNAの沈澱を採取した。 (4) コロニーバンクの作成 アンスラニル酸シンターゼが欠損したブレビバ
クテリウム・ラクトフエルメンタムAS 60(ブレ
ビバクテリウム・ラクトフエルメンタムAJ
12036を親株として、N−メチル−N−ニトロ−
N−ニトロソグアニジンにより変異処理すること
により、アンスラニル酸を生育に要求する変異株
として選択した)を受容菌として用いた。 形質転換の方法としては、プロトプラストトラ
ンスフオーメーシヨン法を用いた。まず、菌株を
5mlのCMG液体培地で対数増殖期の初期まで培
養し、ペニシリンGを0.6ユニツト/ml添加後、
さらに1.5時間振盪培養し、遠心分離により菌体
を集め、菌体を0.5Mシユークロース、20mMマ
レイン酸、20mM塩化マグネシウム、3.5%ペナ
ツセイブロス(Difco)からなるSMMP培地(PH
6.5)0.5mlで洗浄した。次いで10mg/mlのリゾチ
ームを含むSMMP培地に懸濁し30℃で20時間プ
ロトプラスト化を図つた。6000×g、10分間遠心
分離後、プロトプラストをSMMPで洗浄し0.5ml
のSMMPに再度懸濁した。この様にして得られ
たプロトプラストと(3)で調製したDNA10μgを
5mM EDTA存在下で混合し、ポリエチレングリ
コールを最終濃度が30%になる様に添加した後、
DNAをプロトプラストに取り込ませるために室
温に2分間放置した。このプロトプラストを
SMMP培地1mlで洗浄後、SMMP培地1mlに再
懸濁し、形質発現のため、30℃で2時間培養し
た。この培養液をPH7.0のプロトプラスト再生培
地上に塗布した。プロトプラスト再生培地は蒸留
水1あたりトリス(ヒドロキシメチル)アミノ
メタン12g、KCl0.5g、グルコース10g、MgCl2
6H2O8.1g、CaCl2・2H2O2.2g、ペプトン4g、粉
末酵母エキス4g、カザミノ酸(Difco社)1g、K2
HPO40.2g、コハク酸ナトリウム135g、寒天8g及
びクロラムフエニコール3μg/mlを含む。 30℃で2週間培養後、50000個のクロラムフエ
ニコール耐性コロニーが出現してきたのでこれを
全てかきあつめ、コロニーバンクを作成した。 (5) トリプトフアン生合成系遺伝子が増幅された
クローンの選択 コロニーバンクを適当に希釈したもの(約103
〜104/ml)とアンピシリン耐性のプラスミド
pUC8を有し、生育にトリプトフアンを要求する
大腸菌の変異株を最少培地(2%グルコース、1
%硫酸アンモニウム、0.3%尿素、0.1%リン酸二
水素カリウム、0.04%硫酸マグネシウム7水塩、
2ppm鉄イオン、2ppmマンガンイオン、200μ
g/サイアミン塩酸塩、50μg/ビオチン、
10μg/mlクロラムフエニコール、100μg/mlア
ンピシリン、3%カザミノ酸(Difco社製)、100
mg/アンスラニル酸、PH7.0、寒天1.8%)上に
塗布した。 トリプトフアン生合成系遺伝子が増幅され、ト
リプトフアンが蓄積するようになつた形質転換株
の周辺には、トリプトフアン要求性の大腸菌が増
殖する。すると大腸菌が保持しているプラスミド
pUC8にコードされるβ−ラクタマーゼにより培
地中のアンピシリンが分解され、形質転換株はさ
らに増殖し、コロニーを作る。一方、トリプトフ
アンを蓄積しない形質転換株は、その周辺に大腸
菌を増殖させない。したがつてアンピシリンが分
解されないので、増殖できず、コロニーを形成し
ない。このような考えをもとに大腸菌とコロニー
バンクを適当に希釈したものとを混合して最少培
地に塗布し、30℃にて4日間培養した。周囲に大
腸菌が増殖しているコロニーを釣り上げ、単コロ
ニー分離し、(2)で用いた方法によりプラスミドを
分離した。本プラスミドをpAJ 234と名付けた。
pAJ 234は明らかにベクタープラスミドpAJ
1844よりも大きく、トリプトフアン生合成系遺伝
子が挿入されていると考えられた。 (6) pAJ 234が有するトリプトフアン生合成系遺
伝子の同定 6−1 PRT、TS各遺伝子の同定 PRT遺伝子、が欠損した各菌株ブレビバクテ
リウム・ラクトフエルメンタムT13(NRRLB−
1534T)、TSAサブユニツト遺伝子(以下TSA遺
伝子と記す)が欠損したブレビバクテリウム・ラ
クトフエルメンタムNo.21、TSBサブユニツト遺
伝子(以下TSB遺伝子と記す)が欠損したブレ
ビバクテリウム・ラクトフエルメンタムB5株に
pAJ 234を(4)で延べた方法を用いて形質転換し
た。30℃にて1週間再生培地にて培養後生じたク
ロラムフエニコール耐性コロニーのうちそれぞれ
10個を釣り上げトリプトフアン要求性をテストし
たところ、これらいずれもが要求性を消失してお
り、上記組換えプラスミド上にPRT遺伝子、
TSA遺伝子、TSB遺伝子が存在することが明ら
かになつた。 6−2 PRAI、InGP各遺伝子の同定 大腸菌trpC欠損株CGSCNo.5889(trpC60、
pyrF287、hisG1、lacZ53、rpsL8、λ-)にpAJ
234を導入した。DNA受容菌細胞を塩化カルシウ
ムで処理してDNAの透過性を増す方法を用いて
pAJ 234を形質転換し、生じたクロラムフエニコ
ール耐性コロニーのうちそれぞれ10個を釣り上げ
トリプトフアン要求性を調べた。いずれもが要求
性を消失しており、上記組換えプラスミド上に
PRAI、InGP遺伝子が存在することが明らかと
なつた。 (7) 形質転換株のトリプトフアン生産能 上記のpAJ 234を用い、m−フルオロフエニル
アラニン及び5−フルオロトリプトフアン耐性株
ブレビバクテリウム・ラクトフエルメンタム
M247を(4)で述べた方法により形質転換し、クロ
ラムフエニコール耐性を指標として形質転換株を
選択した。かくして得られたAJ 12195(FERM−
P8014)を培養し、トリプトフアン生産能を調べ
たところ第1表に示す結果を得た。 培養はトリプトフアン生産培地(グルコース
130g、(NH42SO425g、フマル酸12g、酢酸3ml、
KH2PO41g、MnSO4・7H2O10mg、MgSO4・7H2
O1g、d−ビオチン50μg、サイアミン塩酸塩
2000μg、メチオニン400mg、チロシン650mg、大
豆蛋白酸加水分解液「味液」50ml、CaCO350g
を水1に含む、PH6.5。)20mlを500mlの坂口フ
ラスコに入れたものに被検菌株を植えつけ、30℃
にて72時間、振盪下に行なつた。培養後、遠心上
清中のL−トリプトフアンをロイコノストツク・
メセントロイデス(Leuconostoc
mesenteroides)ATCC 8042を定量菌株として
用いるバイオアツセイ法によつて求めた。 【表】 尚、M247を得るためには寄託されたAJ 12195
より宿主細胞を損うことなく宿主細胞中の複合プ
ラスミドを除去することが可能である。即ち、プ
ラスミドは宿主より自然に失なわれることもある
し、「除去」操作によつて除くこともできる
(Bact.Rev.,36,p361−405(1972))。他の除去
操作の例は以下の通りである。AJ 12195をCMG
液体培地に接種し、37℃で一晩培養(高温処理)
後、培養液を適当に希釈し、クロラムフエニコー
ルを含有しないCMG寒天培地に塗布し、30℃で
1〜3日間培養する。かくしてクロラムフエニコ
ール感受性株として分離される株がM247である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 コリネホルム・グルタミン酸生産菌に属する
    DNA供与菌より得られ、少なくともアンスラニ
    ル酸ホスホリボシルトランスフエラーゼ、N−
    (5′−ホスホリボシル)アンスラニル酸イソメラ
    ーゼ、インドール−3−グリセロールリン酸シン
    ターゼ及びトリプトフアンシンターゼをコードす
    るDNA断片が、コリネホルム・グルタミン酸生
    産菌の菌体内で自律複製できるベクタープラスミ
    ドに接続されて、コリネホルム・グルタミン酸生
    産菌に属しm−フルオロフエニルアラニン及び5
    −フルオロトリプトフアンに耐性を示すDNA受
    容菌に導入されて得られるL−トリプトフアン生
    産能を有する微生物を培養し、培養液中に蓄積さ
    れたL−トリプトフアンを採取することを特徴と
    するL−トリプトフアンの製造法。
JP59277235A 1984-12-25 1984-12-25 発酵法によるl―トリプトファンの製造法 Granted JPS61149082A (ja)

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JP2656300B2 (ja) * 1988-04-18 1997-09-24 協和醗酵工業株式会社 L−トリプトファンの製造法
JP2748418B2 (ja) * 1988-08-03 1998-05-06 味の素株式会社 組換えdna、該組換えdnaを有する微生物
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59156292A (ja) * 1983-02-17 1984-09-05 Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd トリプトフアンの製造法
JPS59196098A (ja) * 1983-04-23 1984-11-07 Ajinomoto Co Inc 発酵法によるl−トリプトフアンの製造法

Patent Citations (2)

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JPS61149082A (ja) 1986-07-07

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