JPH0554331U

JPH0554331U - 物品の包装用内装材

Info

Publication number: JPH0554331U
Application number: JP11073391U
Authority: JP
Inventors: 弘一柏原
Original assignee: 千代田梱包工業株式会社
Priority date: 1991-12-18
Filing date: 1991-12-18
Publication date: 1993-07-20

Abstract

(57)【要約】【目的】包装用内装材に段ボール紙を用いて緩衝性を
高め、使用時の輸送，保管並びに使用後の処分を容易な
らしめる。【構成】段ボール紙を定形の中空型に組立てたブロッ
クＢの少なくとも１つの稜ａ₁又はａ₁，ａ₂を含み、互
いに角度をなす２面にまたがって保持孔４又は４，５を
開口する。保持孔４，５は、物品Ｍを挿通保持する孔で
あり、ブロックＢの１又は２以上を物品Ｍに組付け、こ
れを外装箱９内に収納する。ブロックＢの両側面Ｓは、
外装箱９の対向内壁に支えられて物品を安定に支持す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本案は、物品の包装用内装材、特に、ビン類など割れやすい物品を箱詰めにして輸送する場合に使用する物品の包装用内装材に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、ビン類の輸送時の包装用緩衝材としてスチロール発泡体、その他のプラスチック発泡体が多用されている。スチロール発泡体は、物品の形状にあわせて自由な形状に賦型でき、外装箱と収納物品の間に介装して輸送時の衝撃や振動から有効に収納物品を保護することができる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、プラスチック発泡体は、使用後、廃棄物としての処理に際し、これが公害の最大の原因となるのは周知のとおりである。また、現在の輸送の最大の需要は、トラック便に代表される宅配便，宅急便であるが、生産者から卸業者、又は小売業者に製品を出荷する際の包装材としてプラスチック発泡体を使用するときには、プラスチック発泡体が、予め一定形態に賦型されているために、これが嵩張って、輸送，保管，取扱いの管理が極めて厄介である。

【０００４】本案の目的は、厚紙、特に段ボール紙を用い、使用後の廃棄物としての処理はもとより、包装材の管理上の問題を解消した物品の包装用内装材を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本案による物品の包装用内装材においては、中空状のブロックからなる物品の包装用内装材であって、ブロックは、段ボール紙を定形の箱型に組立てられたものであり、保持孔を有し、保持孔は、ブロックの少なくとも１つの稜を含み、互いに角度をなす２面にまたがって開口され、ブロックの中空内に差し込まれた物品を定位置に保持する保持縁を開口縁に形成するものであり、保持孔の開口面に対するブロックの両側の面は、外装箱の対向する内面に支持されるものである。

【０００６】また、保持孔は、ブロックの対向する２つの稜を含んで各々角度をなす２面にまたがって向き合わせに開口され、ブロックを貫通して挿通された収納物品を保持するものである。

【０００７】また、ブロックの対向する稜を含んで向き合わせに開口された対をなす保持孔は、異径の開口である。

【０００８】また、ブロックの対向する稜を含んで向き合わせに開口された対をなす保持孔は、同径である。

【０００９】また、保持孔は、ブロックの１つの稜を含み、角度をなす２面にまたがって２以上並列に開口されたものである。

【００１０】

【作用】

内装材は、段ボール紙を中空ブロックに組立て、所要形状の保持孔を有するブロックを選定して収納物品の胴部上部に嵌め込み、外装箱内に収容する。

【００１１】ブロックは、保持孔内に収納物品を保持し、両側面は外装箱の対向面に支えられて物品は、安定に支持され、外装箱の外部から加えられる衝撃は、ブロックの空間の変形によって有効に保護される。

【００１２】ブロックは、平板状に展開し、あるいは折畳んで運搬，保管でき、その管理が容易である。

【００１３】

【実施例】

以下に本案の実施例を図によって説明する。図１（ａ）に、酒，しょう油などを充填した１．８リットルのガラスびんの包装用内装材に用いる組合せを示す。包装用内装材には、台座１と、本案に係る内装材を緩衝体２，３として上下２段に用いている。

【００１４】緩衝体２，３は、段ボール紙に組立てた中空状のブロックＢであり、図１（ｂ）に示すように四つの稜ａ₁〜ａ₄が上下左右に向くように配置され、ガラスびんＭに、上下２段に取付けるものである。

【００１５】上段の緩衝体２には、図１（ｃ）に示すように、ブロックＢの上下の稜ａ₁，ａ₂を含み、互いに直角をなす２面にまたがって開口する保持孔４，５を開口したものであり、上部の稜ａ₁を含んで開口した保持孔４は、びんＭの頚部に係止させる小径孔であり、下部の稜ａ₂を含んで開口した保持孔５は、びんＭの胴部に係止させる大径孔である。図２（ａ）にその展開図を示す。

【００１６】下段の緩衝体３には、上部の稜ａ₁を含んで開口された保持孔５のみを有し、下部の稜ａ₂を挾む２面には、それぞれびんの底部を露出させる受け孔６が開口されている。この受け孔６は、図２（ｂ）の展開図に示すように、稜ａ₂を挾む２面に円弧状のスリット７を開口し、内側の板面を図１（ｃ）のように水平に折曲してこれをびんの抑え縁８としたものである。

【００１７】台座１は、外装箱９の底に敷設してびんＭの底を支えるものであり、所定形状に裁断された一枚の段ボールシートの組立てにより対のビン底支持面１ａと、その間に、下段緩衝体３の下部稜ａ₂の支持縁１ｂとを設けたものである。台座１は、本案の要旨と直接関係がないため、展開形状は省略するが、梱包時にはびんの底の緩衝体として機能するものである。

【００１８】実施例において、外装箱９内に台座１を挿入し、びん底側から下段緩衝体３を嵌め込み、びん口側から上段緩衝体２を嵌め込んで組付け、これを図１（ｂ）のように外装箱９内に挿入すると、下段緩衝体３は台座１上に着座し、上下段緩衝体２は、ブロックＢの両側面Ｓに垂直面が形成され、この垂直面が外装箱９の内壁に支えられ、びんは、外装箱内の定位置に安定に保持される。

【００１９】図３は、個装用の角型の化粧箱Ｍに収容されたびんを梱包する例を示すものである。本実施例においては、上段，中段，下段の３段の緩衝体を用いている。中段の緩衝体２２は、ブロックＢ上下の稜ａ₁，ａ₂を含んでそれぞれ直角をなす２面にまたがって角型の保持孔２５，２５が開口され、上，下段の緩衝体２３は、対称形であり、上又は下の一方の稜ａ₁又はａ₂のみに、稜を含んで直角をなす２面にまたがって角型の保持孔２５が開口された中空ブロツクＢを用いている。

【００２０】上，下段の緩衝体２３の保持孔２５が開口された稜ａ₁又はａ₂と対向する側の稜には、保持孔はなく、稜を挾む２面に、化粧箱Ｍの上面又は下面の一部を露出させる受け孔２６が開口され、また、その開口縁には化粧箱Ｍの上面又は下面にあてがう抑え縁２８が付設されている。

【００２１】中段緩衝体２２を化粧箱Ｍの胴部に嵌め込み、化粧箱Ｍの上，下より上段緩衝体２３、下段緩衝体２３を嵌め込み、格段の緩衝体の上下の稜ａ₁，ａ₂を上下に突き合わせて台座１上に着座させて外装箱９内に収納する。この構造においても、各段緩衝体のブロックＢの両側面Ｓが外装箱Ｍの対向内壁面に支えられる。

【００２２】図４は、緩衝体に横長の中空直方体ブロックＢを用い、ブロックには、稜を含んで対向２面にまたがって、２個の保持孔を並列に開口し、２本のびんを並列に保持して梱包する場合の例である。各緩衝体の組合せ要領は図１と同じである。図１と対応する構成部分には、図１と同じ符号を付してある。この実施例においてもブロックＢの両面側Ｓが外装箱９の内壁支持面となる点も前実施例と同じである。

【００２３】以上実施例では、外装箱の内壁支持面となるブロックの側面を、図２の展開図に示すように保持孔又は受け孔を開口する面の両縁に付設した差込縁を組立て時に相互に差し込んで形成する例を示したが、これに限らず、通常の組立箱と同じ要領で組立てることができるものであればよい。物品を保持孔内に挿通することにより、ブロックは、定形に保型されるが、衝撃吸収のためには、多少変形しうる方が好ましい。

【００２４】

【考案の効果】

以上のように本案によるときには、段ボール紙の組立てによる中空ブロックを用い、ブロックに開口した保持孔内に物品を挿通し、ブロックの両面を支持面として外装箱内に収納するものであるため、段ボール紙の有する緩衝性に加え、中空ブロックの緩衝性を生かして輸送中，保管中に外部から加えられる衝撃，振動から物品を有効に保護することができる。しかも、保持孔は、ブロックの稜を含む２面にまたがって形成するものであるためにブロックの一面に開口するものに比して内装材としての大きさは小さくて済み、外装の容量を減少することができる。

【００２５】更に、ブロックは、外装箱とともに展開形状、あるいは折畳んで梱包現場に搬入できるため、内装材にプラスチック発泡体を使用する場合のように嵩張らず、したがって、輸送，保管の管理を容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本案による内装材の組合せを示す図、
（ｂ）は、物品に組付けた状態を示す図、（ｃ）は、
（ｂ）の断面図である。

【図２】（ａ），（ｂ）は、内装材の展開図である。

【図３】（ａ）は、本案による内装材の組合せの他の実
施例を示す図、（ｂ）は、物品に組付けた状態を示す
図、（ｃ）は、（ｂ）の断面図である。

【図４】本案による内装材のさらに他の実施例を示す斜
視図である。

【符号の説明】

１台座２，３，２２，２３緩衝体４，５，２５，保持孔６，２６受け孔８，２８抑え縁９外装箱Ｓブロックの側面ａ₁〜ａ₄稜

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】中空状のブロックからなる物品の包装用
内装材であって、ブロックは、段ボール紙を定形の箱型に組立てられたも
のであり、保持孔を有し、保持孔は、ブロックの少なくとも１つの稜を含み、互い
に角度をなす２面にまたがって開口され、ブロックの中
空内に差し込まれた物品を定位置に保持する保持縁を開
口縁に形成するものであり、保持孔の開口面に対するブロックの両側の面は、外装箱
の対向する内面に支持されるものであることを特徴とす
る物品の包装用内装材。
【請求項２】保持孔は、ブロックの対向する２つの稜
を含んで各々角度をなす２面にまたがって向き合わせに
開口され、ブロックを貫通して挿通された収納物品を保
持するものであることを特徴とする請求項１に記載の物
品の包装用内装材。
【請求項３】ブロックの対向する稜を含んで向き合わ
せに開口された対をなす保持孔は、異径の開口であるこ
とを特徴とする請求項２に記載の物品の包装用内装材。
【請求項４】ブロックの対向する稜を含んで向き合わ
せに開口された対をなす保持孔は、同径であることを特
徴とする請求項１に記載の物品の包装用内装材。
【請求項５】保持孔は、ブロックの１つの稜を含み、
角度をなす２面にまたがって２以上並列に開口されたも
のである請求項１〜４に記載の物品の包装用内装材。