JP4759830B2 - 炊飯器用包装装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、炊飯器のように外形形状が丸みをおびた複雑な自由曲面で形成されているような商品の梱包において、従来の発泡スチロール製緩衝材に替わる折畳式の段ボール製の包装用緩衝材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の包装用緩衝材としては、4図に示すように、輸送時や荷扱い時の衝撃から商品を保護するために発泡スチロール製の緩衝材が多く用いられてきた。
【0003】
図において、30は包装箱、31は炊飯器等の製品、32は発泡スチロール製の底緩衝材、33は発泡スチロール製の天緩衝材である。この発砲スチロール製の緩衝材は、複雑な曲面を有する商品においても、商品の保持形状を自由に作成でき、また、緩衝効果が高く復元性にも優れており、高湿度環境下においても吸湿等による強度低下がなく、安定した緩衝性能を有するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、輸送中の商品保護の目的のみで使用される発泡スチロール製の緩衝材は、商品使用時には包装廃棄物として廃棄されることになる。この廃棄時には主に段ボール等の箱材と発泡スチロール製の緩衝材を分別して処分する必要が生じるため、廃棄処理作業が煩雑になる。また、環境保護の面からみると、今日の社会的な問題となっているゴミ処理施設が飽和状態に近づいている現状や、ゴミ焼却時の環境問題等を考慮すると、リサイクルのルートや工法が確立しておらず、重量の割に体積が大きくかさばる上、焼却時には環境を悪化させる可能性のある発泡スチロール製の緩衝材は上記のような多くの課題がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するもので、商品の緩衝材を包装箱と同じ段ボールで構成することによって、廃棄時に包装箱と分別する手間を省略でき、さらに、緩衝材の組み立てを接着剤や結合部材を使用せず、一枚の段ボールからなる折畳式により形成することで、廃棄時における体積を削減でき、段ボールとして従来の包装箱と同様に分別収集されることによりリサイクル性を向上させることができ、環境に優しい包装形態を実現することができる。更に緩衝材の組立を接着剤や結合部材を使用せずに各部材を折畳式により形成する事で、組立が容易になり緩衝材のコストを押え、且つ収納品を安定に緩衝保持する包装装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、直方体で、かつ上部開口部の4辺にそれぞれフラップを持つダンボールよりなる外装箱と、前記外装箱内において炊飯器下方部を保持する1枚のダンボールでなる底緩衝材と前記炊飯器上方部を保持する1枚のダンボールでなる天緩衝材を有し、前記底緩衝材上方には前記炊飯器外周を保持する穴形状の収納部が形成されており、前記収納部内周には前記炊飯器を保持する内周フラップが形成されており、前記内周フラップ部はある一定の水平方向を維持した後、下方に折り曲げられ、底面形状部切り欠き部に差し込める構成を有し、前記天緩衝材は炊飯器外周を保持する穴形状の収納部が形成されており、前記収納部内周には前記炊飯器を保持する内周フラップが形成されており、前記内周フラップはある一定の水平方向を維持する水平部を有した後、上方に折り曲げられ、前記内周フラップの前記水平部を前記炊飯器の略水平部に当接する構成を有し、且つ前記天緩衝材外周部は側面および後方に下方に折り曲げた外周フラップを有し、前記炊飯器嵌合時において前記天緩衝材の前記外周フラップは前記外装箱天内面にほぼ当接する形状であり、かつ前記外周フラップと折り曲げ後の高さを同一にした前記天緩衝材内周部である前記炊飯器外周を保持する前記内周フラップも前記外装箱天内面にほぼ当接する形状を有し前記天緩衝材の中芯の筋目方向は前記外装箱の長手方向に対して垂直方向に配置したことにより、一枚のダンボールで底緩衝材の形成が可能になるため、組立が容易であり且つ炊飯器を安定に緩衝保持することができると共に、炊飯器を収納した外装箱の耐圧縮性を向上させることができるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の発明は、直方体で、かつ上部開口部の4辺にそれぞれフラップを持つダンボールよりなる外装箱と、前記外装箱内において炊飯器下方部を保持する1枚のダンボールでなる底緩衝材と前記炊飯器上方部を保持する1枚のダンボールでなる天緩衝材を有し、前記底緩衝材上方には前記炊飯器外周を保持する穴形状の収納部が形成されており、前記収納部内周には前記炊飯器を保持する内周フラップが形成されており、前記内周フラップ部はある一定の水平方向を維持した後、下方に折り曲げられ、底面形状部切り欠き部に差し込める構成を有し、前記天緩衝材は炊飯器外周を保持する穴形状の収納部が形成されており、前記収納部内周には前記炊飯器を保持する内周フラップが形成されており、前記内周フラップはある一定の水平方向を維持する水平部を有した後、上方に折り曲げられ、前記内周フラップの前記水平部を前記炊飯器の略水平部に当接する構成を有し、且つ前記天緩衝材外周部は側面および後方に下方に折り曲げた外周フラップを有し、前記炊飯器嵌合時において前記天緩衝材の前記外周フラップは前記外装箱天内面にほぼ当接する形状であり、かつ前記外周フラップと折り曲げ後の高さを同一にした前記天緩衝材内周部である前記炊飯器外周を保持する前記内周フラップも前記外装箱天内面にほぼ当接する形状を有し前記天緩衝材の中芯の筋目方向は前記外装箱の長手方向に対して垂直方向に配置したことにより、一枚のダンボールで底緩衝材の形成が可能になるため、組立が容易であり且つ炊飯器を安定に緩衝保持することができると共に、特に外周フラップのみでなく内周フラップをも外装箱天面に当接し、且つ天緩衝材の折り曲げられたフラップ部やリップ部の中芯の筋目がより多く垂直に外装箱天内面に当接して、炊飯器を収納した外装箱の耐圧縮性をより向上させることができ、包装装置が吸湿した場合でも積み上げ時の倒れが、防止できるのである。
【0008】
請求項2記載の発明は、底緩衝材の内周フラップ形状の折り曲げ部は炊飯器の外周形状曲面部において、前記炊飯器の曲面アールよりも小さいアールの切り込みを有することにより、炊飯器を収納した際、外周アール部に沿って底緩衝材の形状の内周フラップ部が折り曲げられ効率よく緩衝保持されるとともに、折曲がったリップ部の切り込み端面が炊飯器炊飯器に直接接触することを防ぐことができ、炊飯器外観面の傷付きを防止できるのである。
【0011】
請求項3記載の発明は、天緩衝材の内周フラップ形状の折り曲げ部は炊飯器の外周形状曲面部において、前記炊飯器の曲面アールよりも小さいアールの切り込みを有することにより、炊飯器を収納した際、外周アール部に沿って天緩衝材の形状の内周フラップ部が折り曲げられ効率よく緩衝保持されるとともに、折曲がった内周フラップ部の切り込み端面が炊飯器炊飯器に直接接触することを防ぐことができ、炊飯器外観面の傷付きを防止できるのである。
【0012】
請求項4記載の発明は、天緩衝材の内周フラップは前方を2重に折り曲げた構造を有することにより、炊飯器と外装箱の前面との距離を縮小することができ、緩衝効果が向上し、外装箱の才数を小さくすることができるため輸送コスト低減が可能になるのである。
【0014】
【実施例】
本発明の一実施例について、図1を用いて説明する。
【0015】
図1において、本包装構成の概略図を示す。1は炊飯器等の製品、2は段ボール製の外装箱であり、この外装箱2内部には1枚の段ボールよりなる底緩衝材3が収容されており、この底緩衝材3には炊飯器1を収納する収納部が形成されている。そしてこの収納部に炊飯器1を収納し、さらに上方より天緩衝材4をセットする構成をとっている。この天緩衝材にも炊飯器1上方を保持する収納部が形成されているのである。
【0016】
ここで底緩衝材3の具体的な構成を図2を用いて説明する。この底緩衝材3は1枚の段ボールより、各部の切欠き、折り曲げによって底緩衝材3を形成している。この底緩衝材3には炊飯器1脚部を保持する4箇所の穴5を配設し、また炊飯器1外周部と嵌合する収納部6を設けている。この収納部6の構成方法は、まず外周に外周フラップ7を3箇所、収納部6の長手方向に沿って内周フラップ8を2箇所、さらに内周局面に沿って曲面部フラップ9を4箇所設けている。さらに内周フラップ8は先端を底緩衝材3の底面にある切欠きに嵌合している。長手方向のフラップ8を底面に嵌合させることにより、底緩衝材の組立後の形状が安定し炊飯器1のセットが容易に行うことができるとともに、底緩衝材3の本来の形状を崩すことなく包装できるために包装性能を確実に確保することができるのである。次に曲面部フラップ9には折り曲げ部に炊飯器の曲面アールよりも小さなアールの切り込み10が入れられており、炊飯器1をセットした際、炊飯器の曲面に沿って曲面フラップ9が容易に折り曲げることができ、またこの折り曲げられた曲面フラップ9の切欠き部10端面が曲面部フラップ9の面にて覆われるために、直接炊飯器1に切欠き部10端面に接触することがなく、炊飯器1外観面への傷付き防止の役割を果たしているのである。さらに炊飯器1のコードリールプラグを保持するコードリール用収納部11をも形成しており、落下によるプラグの折曲げ対策を行っている。
【0017】
次に天緩衝材4の具体的な構成を図3を用いて説明する。天緩衝材4も底緩衝材3と同様に炊飯器1収納部12を形成している。形成方法は外周に側面および後方に外周フラップ13を3箇所、側面および後方に内周フラップ14を3箇所、曲面に沿って曲面部フラップ15を4箇所、前方フラップ16は外周側を下方に折り曲げ、内周側は上方に折り曲げ、更に下方に折り曲げ2枚が重なるように形成されている。ここで曲面フラップ15の折り曲げ部には底緩衝材3と同様に炊飯器1の曲面アールより小さなアールの切り込み18が入っており、炊飯器1の曲面に沿って容易に曲面フラップ15を折り曲げることができ、更に切り込み18の端面による炊飯器1への傷つき対策を行うことができるのである。また各フラップの折り曲げは外周フラップ13と内周フラップ14の折り曲げラインに一定の距離を設け天緩衝材4の組立後にはある一定の水平部19を確保している。この水平部19は炊飯器1に天緩衝材4をセットした場合、炊飯器1の水平部分であるハンドル17に当接するようになっており、更に外周フラップ13、内周フラップ14は折り曲げ後の高さを同一にしており、外装箱2の内面にちょうど当接する高さになっているのである。この構成をとることで、外周フラップ13、内周フラップ14が炊飯器1のハンドル17と外装箱2の天面の間で支柱の役割をすることになり、外装箱2の耐圧縮性能を向上させることができるのである。
【0018】
また炊飯器1と外装箱側面との距離は落下性能を確保するためにある一定の距離が必要であるが、本仕様の包装は前方フラップ16を2枚重ねの構成をしているため、炊飯器1と外装箱2の前面との距離を縮小することができ、包装才数を減少することができる為に保管場所、輸送費の低減につながるのである。また天緩衝材4の中芯の筋目方向は天緩衝材4の長手方向に対して垂直方向に配設している。これは各フラップがハンドル17と外装箱2天面の間で支柱の役割を果たしているが、中芯の筋目方向が長手方向と垂直に配設することで、より多くの中芯の筋目を外装箱2の鉛直方向にすることができ、支柱としての性能をより高く確保し、耐圧縮性を向上させるものである。
【0019】
以上のような構成により、段ボールによって形成された緩衝材において、落下時の緩衝効果を確保し、特に段ボール緩衝材の課題となる吸湿時の圧縮強度を確保している。また、緩衝材を包装箱と同じ段ボールで構成することによって、廃棄時に包装箱と分別する手間を省略でき、さらに、緩衝材の組み立てを接着剤や結合部材を使用せず、一枚の段ボールからなる折畳式により形成することで、廃棄時における分解がしやすくなり、体積を削減できるうえ、段ボールとして従来の包装箱と同様に分別収集されることによりリサイクル性を向上させることができ、環境に優しい包装形態を実現するものである。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明によれば、一枚のダンボールで底緩衝材及び天緩衝材の形成が可能になるため、組立が容易であり且つ炊飯器を安定に緩衝保持することができると共に、天緩衝材は特に外周フラップのみでなく外周フラップと折り曲げ後の高さを同一にした内周フラップをも外装箱天面に当接し、内周フラップの水平部を炊飯器の略水平部に当接する構成を有し、外周フラップ及び内周フラップが炊飯器の略水平部と外装箱の天面の間で支柱の役割をすることになり、且つ天緩衝材の折り曲げられた外周フラップ及び内周フラップやリップ部の中芯の筋目がより多く垂直に外装箱天内面に当接して、炊飯器を収納した外装箱の耐圧縮性をより向上させることができ、包装装置が吸湿した場合でも積み上げ時の倒れが、防止できるのである。
【0021】
また、請求項2記載の発明によれば、炊飯器を収納した際、外周アール部に沿って底緩衝材の形状の内周フラップ部が折り曲げられ効率よく緩衝保持されるとともに、折曲がった内周フラップ部の切り込み端面が炊飯器炊飯器に直接接触することを防ぐことができ、炊飯器外観面の傷付きを防止できるのである。
【0024】
また、請求項3記載の発明によれば、炊飯器を収納した際、外周アール部に沿って天緩衝材の形状の内周フラップ部が折り曲げられ効率よく緩衝保持されるとともに、折曲がった内周フラップ部の切り込み端面が炊飯器炊飯器に直接接触することを防ぐことができ、炊飯器外観面の傷付きを防止できるのである。
【0025】
また、請求項4記載の発明によれば、炊飯器と外装箱の前面との距離を縮小することができ、緩衝効果が向上し、外装箱の才数を小さくすることができるため輸送コスト低減が可能になるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例における包装用緩衝材の構成図
【図2】 同底緩衝材の詳細図
【図3】 同天緩衝材の詳細図
【図4】 従来の包装用緩衝材の構成図
【符号の説明】
1 炊飯器
2 外装箱
3 底緩衝材
4 天緩衝材
6、12 収納部
8、14 内周フラップ
9、15 内周フラップ(曲面部フラップ)
7、13 外周フラップ
16 外周フラップ(前方フラップ)
10、18 切り込み
19 水平部
Claims (4)
- 直方体で、かつ上部開口部の4辺にそれぞれフラップを持つダンボールよりなる外装箱と、前記外装箱内において炊飯器下方部を保持する1枚のダンボールでなる底緩衝材と前記炊飯器上方部を保持する1枚のダンボールでなる天緩衝材を有し、前記底緩衝材上方には前記炊飯器外周を保持する穴形状の収納部が形成されており、前記収納部内周には前記炊飯器を保持する内周フラップが形成されており、前記内周フラップ部はある一定の水平方向を維持した後、下方に折り曲げられ、底面形状部切り欠き部に差し込める構成を有し、前記天緩衝材は炊飯器外周を保持する穴形状の収納部が形成されており、前記収納部内周には前記炊飯器を保持する内周フラップが形成されており、前記内周フラップはある一定の水平方向を維持する水平部を有した後、上方に折り曲げられ、前記内周フラップの前記水平部を前記炊飯器の略水平部に当接する構成を有し、且つ前記天緩衝材外周部は側面および後方に下方に折り曲げた外周フラップを有し、前記炊飯器嵌合時において前記天緩衝材の前記外周フラップは前記外装箱天内面にほぼ当接する形状であり、かつ前記外周フラップと折り曲げ後の高さを同一にした前記天緩衝材内周部である前記炊飯器外周を保持する前記内周フラップも前記外装箱天内面にほぼ当接する形状を有し前記天緩衝材の中芯の筋目方向は前記外装箱の長手方向に対して垂直方向に配置した炊飯器用包装装置。
- 底緩衝材の内周フラップ形状の折り曲げ部は炊飯器の外周形状曲面部において、前記炊飯器の曲面アールよりも小さいアールの切り込みを入れた請求項1記載の炊飯器用包装装置。
- 天緩衝材の内周フラップ形状の折り曲げ部は炊飯器の外周形状曲面部において、炊飯器の曲面アールよりも小さいアールの切り込みをいれた請求項1記載の炊飯器用包装装置。
- 天緩衝材の内周フラップは前方を2重に折り曲げた構造を有した請求項第1、3のいずれか1項に記載の炊飯器用包装装置。
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