JP2005029190A - 包装装置 - Google Patents

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鉄則 岡田
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Abstract

【課題】レンジフードファンのような前面が山形に膨らんだ出っ張りをなす略六面体の物品の包装に反復利用できる包装装置を開発する。
【解決手段】前面が二面の傾斜面3,4により山形に膨らんだ出っ張り1をなす略六面体の物品2に対する包装装置について、その物品2の下面全体と上面全体をそれぞれ保護する二枚のシート状緩衝材7と、物品2の左右を各シート状緩衝材7の端縁部とともに包込む、平面部11の周囲に周側壁12を立上げた左右の包装容器8と、左右の包装容器8と物品2の出っ張り1の傾斜面3で形成される略三角形の空間に両端が詰められ、包装容器8間を跨ぐ角筒形緩衝材9と、これら全体を結束するPPバンド10とからなり、包装容器8を発泡ポリプロピレンの一体成形物で構成する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばレンジフードファンのような一面が山形に膨らんだ出っ張りを持つ略六面体の物品を包装するための包装装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
前面が山形に膨らんだ出っ張りをなした略六面体の物品に対する包装装置としては、出っ張りを上にした物品を左右から段ボール紙よりなる一面の開放した箱状の包装材で内包して、全体をベルトで結束したものがある。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−2142号公報(図11)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の包装装置においては、略全体が段ボール紙で出来ていて、廃却性もリサイクル性も有り、包装材も少なくなっている。しかしながら、物品が手許に届けば包装装置は不要となり処分され、再度使われるようなことはなく、せいぜい段ボール材の部材をリサイクルに回すことしかないのが現状である。資源の有効利用や環境保護の観点に立った包装装置の開発が望まれている。
【0005】
本発明は、係る従来の問題点を解決するためになされたものであって、その課題とするところは、レンジフードファンのような前面が山形に膨らんだ出っ張りをなす略六面体の物品の包装に反復利用できる包装装置を開発することであり、リサイクルも利く包装装置を開発することであり、その包装装置の緩衝保護機能の向上を図ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するために本発明は、前面が二面の傾斜面により山形に膨らんだ出っ張りをなす略六面体の物品に対する包装装置について、その物品の下面全体と上面全体をそれぞれ保護する二枚のシート状緩衝材と、物品の左右を各シート状緩衝材の端縁部とともに包込む、平面部の周囲に周側壁を立上げた左右の包装容器と、左右の包装容器と物品の出っ張りの傾斜面で形成される略三角形の空間に両端が詰められ、包装容器間を跨ぐ角筒形緩衝材と、これら全体を結束する結束バンドとから構成し、包装容器についてはこれを発泡ポリプロピレンの一体成形物で、構成する手段を採用する。
【0007】
上記手段を採用することにより、包装装置の中核構造部分である包装容器と上記二枚のシート状緩衝材・角筒形緩衝材を発泡ポリプロピレンにて構成した場合は、反復利用でき通い箱方式で繰り返し包装に供することができる。そして、包装容器は発泡ポリプロピレンの一体成形物であるため、反復利用後にはリサイクルすることもできる。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、被包装物品を示す側面図、図2は包装形態を示した縦断側面図、図3は包装形態を示した横断平面図、図4は包装容器の断面図、図5は包装容器の平面図、図6はシート状緩衝材を示す斜視図、図7は角筒形緩衝材の斜視図である。本実施の形態の包装装置は、図1に示すような前面が山形に膨らんだ出っ張り1をなす略六面体の形状をした例えば、レンジフードファンのような物品2の包装に供するものである。レンジフードファンは、下面の開放したフードに送風機が組込まれている。フードの上面と背面は平面構成で、前面は大きな傾斜面3と小さな傾斜面4とで形成された山形に膨らんだ出っ張り1をなしている。上面には、取外し可能の幕板と、ダクト接続口が取付けられている。また、下面に構成された吸込口には、これも取外し可能のオイルフィルタが装着されている。出っ張り1の下面側の小さい傾斜面4にはスイッチ等を有する操作部5が設けられている。
【0009】
このレンジフードファンは、グリスフィルタとダクト接続口並びに幕板を付属品6として取外した状態で包装される。包装装置は、二枚のシート状緩衝材7と、一対の包装容器8と、角筒形緩衝材9と、PPバンド10とで構成されている。シート状緩衝材7は、図6に示すように段ボール紙等を平板態にしたもの又は発泡ポリプロピレンシートで、物品2の下面全体と上面全体に当て沿わされ、これらの両面を保護する。二個の包装容器8は、平面部11の周囲に周側壁12を立上げた図4及び図5に示すような、発泡ポリプロピレンの一体成形物である。包装容器8の横幅は、物品2の出っ張り1より突出すように広く構成されており、長辺が作る角部の四ヶ所には、PPバンド10を掛回す凹部13が形成されている。この包装容器8は、物品2の両側を各シート状緩衝材7の端縁部とともに包込む。
【0010】
包装容器8のこうした構成は、二つの包装容器8を一つの金型で成形できる利点とともに、物品2の出っ張り1より突出すように広くなっているためスイッチ等のある操作部5の保護機能も果たす。そしてPPバンド10のずれも起き難く、安定した包装形態が保たれる。
【0011】
角筒形緩衝材9は図7に示すように段ボール紙を折曲げ、直角を成す一辺を二重構造14にした直角三角形の端面形状をした緩衝材である。この角筒形緩衝材9は、前面側の包装容器8と物品2の出っ張り1の広い傾斜面3で形成される略直角三角形の空間に両端が詰められ、包装容器8間を跨ぐ状態に装着される。二重構造14の辺を水平方向に設定すれば、横方向の荷重に強い緩衝機能を果たし、垂直方向に設定すれば、縦方向の荷重に強い緩衝機能を果たす。
【0012】
グリスフィルタやダクト接続口並びに幕板等の付属品6は、角筒形緩衝材9の中に収納され、包装によってできる余分な空間を有効に利用して包装される。最後に左右の包装容器8の凹部13にPPバンド10を嵌め込み得る位置に掛回し、全体を結束することにより完成した包装形態となる。
【0013】
この包装形態は、物品2を横向きにしたものであるが図8や図9に示すように縦向きにした包装形態を採ることも可能である。この場合には、物品2の背面が下になり、出っ張り1が上になる。シート状緩衝材7は、背面全体を保護するものが採用される。角筒形緩衝材9は二重構造14が垂直方向になるように装着される。
【0014】
この包装装置は、包装装置の中核構造部分である包装容器8が、反復利用できる通い箱方式で繰り返して物品2の包装に供することができる。そして、包装容器8は発泡ポリプロピレンの一体成形物である為反復利用後には廃却せずにリサイクルに回すこともできる。シート状緩衝材7及び角筒形緩衝材9を段ボール等で構成の場合はについては反復利用することはできないが、これらは、再生紙にリサイクルでき、資源の有効利用と環境保護に寄与することができる。
【0015】
シート状緩衝材7及び角筒形緩衝材9も、発泡ポリプロピレンシートで構成することもできる。この構成を採用することにより、包装装置の緩衝性能が向上するとともに、包装装置の略全部を通い箱方式として反復利用でき、最終的には略全ての部材を材料にリサイクルできる。なお、シート状緩衝材7及び角筒形緩衝材9を段ボール紙で構成したものについては、包装容器8だけが通い箱として利用され、紛失等が少なくなる。
【0016】
実施の形態2.
図10〜図12によって示すこの実施の形態2は、実施の形態1で示した包装装置の包装容器の構造に工夫を講じたものであり、それ以外の構成は実施の形態1のものと同じである。従って、実施の形態1のものと同じ部分については実施の形態1のものと同じ符号を用い、それらについての説明は省略する。
【0017】
この実施の形態2の包装装置は、二つの包装容器8に物品2の出っ張り1の傾斜面3に沿う一体の斜状のリブ15が設けられている。二つの包装容器8は、個別の金型によって成形されるが、物品2の収まりが良く、リブ15による筋交効果により包装容器8の肉厚を少なくしても緩衝保護機能を確保することができる。リブ15は、出っ張り1の広い傾斜面3に沿って設ければ足りるが、小さい傾斜面4に沿うリブを設けてもよい。これ以外の機能は、実施の形態1のものと同じである。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、レンジフードファンのような前面が山形に膨らんだ出っ張りをなす略六面体の物品の包装に反復利用できる包装装置が得られ、各包装材をリサイクルすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の包装装置で包装する物品を示す側面図である。
【図2】実施の形態1の包装装置の縦断側面図である。
【図3】実施の形態1の包装装置の横断平面図である。
【図4】実施の形態1の包装装置の包装容器の断面図である。
【図5】実施の形態1の包装装置の包装容器の平面図である。
【図6】実施の形態1の包装装置のシート状緩衝材の斜視図である。
【図7】実施の形態1の包装装置の角筒形緩衝材の斜視図である。
【図8】実施の形態1の他の包装装置の横断面図である。
【図9】実施の形態1の他の包装装置の縦断面図である。
【図10】実施の形態2の包装装置の包装容器の側面図である。
【図11】実施の形態2の包装装置の包装容器の平面図である。
【図12】実施の形態2の包装装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1 出っ張り、 2 物品、 3 傾斜面、 6 付属品、 7 シート状緩衝材、 8 包装容器、 9 角筒形緩衝材、 10 PPバンド、 11 平面部、 12 周側壁、 13 凹部、 14 二重構造、 15 リブ。

Claims (9)

  1. 前面が二面の傾斜面により山形に膨らんだ出っ張りをなす略六面体の物品に対する包装装置であって、その物品の下面全体と上面全体をそれぞれ保護する二枚のシート状緩衝材と、同物品の左右を前記各シート状緩衝材の端縁部とともに包込む、平面部の周囲に周側壁を立上げた左右の包装容器と、前記左右の包装容器と前記物品の出っ張りの傾斜面で形成される略三角形の空間に両端が詰められ、前記包装容器間を跨ぐ角筒形緩衝材と、これら全体を結束する結束バンドとからなり、前記包装容器を発泡ポリプロピレンの一体成形物で構成した包装装置。
  2. 前面が二面の傾斜面により山形に膨らんだ出っ張りをなす略六面体の物品に対する包装装置であって、その物品の前記出っ張りに対向する背面を下にして、この背面全体を保護するシート状緩衝材と、同物品の上下を前記シート状緩衝材の端縁部とともに包込む、平面部の周囲に周側壁を立上げた上下の包装容器と、前記上下の包装容器と前記物品の出っ張り斜面で形成される略三角形の空間に両端が詰められ、前記包装容器間に掛けわたされる角筒形緩衝材と、これら全体を結束する結束バンドとからなり、前記包装容器を発泡ポリプロピレンの一体成形物で構成した包装装置。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の包装装置であって、シート状態緩衝材と角筒形緩衝材を発泡ポリプロピレンシートにて構成した包装装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の包装装置であって、包装容器に物品の出っ張りの傾斜面に沿う一体の斜状のリブを設けた包装装置。
  5. 請求項1〜請求項3までのいずれかに記載の包装装置であって、角筒形緩衝材の斜面を物品の出っ張りを形成する傾斜面のうちの広い面に沿わせた包装装置。
  6. 請求項1又は請求項3又は請求項4のいずれかに記載の包装装置であって、包装容器の横幅を物品の出っ張りより突出すように広く構成した包装装置。
  7. 請求項1又は請求項2のいすせれかに記載の包装装置であって、角筒形緩衝材を段ボール紙等の折曲げにより形成し、その上下方向又は横方向の面のいずれかを二重構造にした包装装置。
  8. 請求項1〜請求項7までのいずれかに記載の包装装置であって、角筒形緩衝材に物品の付属品を収納した包装装置。
  9. 請求項1〜請求項8までのいずれかに記載の包装装置であって、包装容器の角部に結束バンドを掛回す凹部を形成した包装装置。
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