JPH0553696B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は紙葉類の繰出し装置、特にほぼ直立状
態に堆積したカツト・シートをその表面から一枚
づつ繰出すための装置に関する。

（従来技術） 従来、例えばキヤツシユ・デイスペンサの紙幣
繰出し装置は第１図に示す如く直立型給紙台１上
に堆積した紙幣４を繰出しロール５及び補助ロー
ル６により、繰出しロール５による紙葉類繰出し
動作と、補助ロール６の補助繰出し動作とを同期
させることによつて一枚づつ繰出すのが一般的で
あつた。

斯かる構成の紙幣繰出し装置においては紙幣を
確実に一枚ずつ繰出すため、前記繰出しロール５
の外周表面はその一部にゴム・パツド７等を付
し、該ゴム・パツド部７が紙幣表面に当接してい
る場合にのみ紙幣を搬送し、前記繰出しロール５
の他の平滑面が紙幣に当接する際にはスリツプせ
しめると共に前記補助ロール６も前記繰出しロー
ル５と同様に構成し、該補助ロール６の平滑面が
堆積紙幣４の整列を崩さないように配慮するもの
であつた。

しかしながら、紙幣表面及び前記両ロールの表
面状態は刻々変化するものであるから、繰出しロ
ール５及び補助ロール６の外周表面の摩擦係数も
変化し、前記両ロール５及び６の平滑面が堆積紙
幣４の表面に摺接する際にも紙幣を繰出すことが
あると云う欠陥を有していた。

また、第２図に示す如く紙葉類繰出しを補助す
る偏心した補助ロール９の大径部表面に摩擦力が
大きいゴム・パツド７を設け、該補助ロール９に
よる紙葉類繰出し動作と、繰出しロール５による
繰出し動作とを同期させると共に、堆積紙葉類４
の中央近傍をバネによつて付勢されたレバー状の
紙葉類堆積支持部材８で押圧し、堆積紙葉類４の
崩落を防止するよう構成したものもある。（これ
に近似した構成を有すものに、例えば、特開昭53
−51872がある。） しかしながら、表面状態が劣悪で且つ腰の著し
く弱い紙幣等が固定されたレバー状の紙葉類堆積
支持部材８に摺接すれば、紙幣を破損する可能性
が高いと云う欠点があつた。

（発明の目的） 本発明は上述した如き従来の紙葉類繰出し装置
の欠陥を除去するためになされたものであつて、
簡単な構成で紙葉類を確実に送り出し、また、紙
幣を破損する虞が少ない紙葉類繰出し装置を提供
することを目的とする。

（発明の概要） この目的を達成するために本発明に係る紙葉類
繰出し装置は、紙葉類をほぼ直立状態にて堆積
し、該堆積した紙葉類の先端部表面に当接する紙
葉類繰り出しロールと、上記紙葉類のほぼ中央部
表面に当接する補助ロールとによつて上記紙葉類
表面から一枚づつ順次繰り出す装置において、上
記補助ロールを偏心補助ロールとし、外周面が平
滑な紙葉類支持ロールを上記偏心補助ロールが固
定された軸に同心状に遊嵌させて該紙葉類支持ロ
ールの外周面を上記紙葉類表面に当接させ、上記
紙葉類繰出しロールによる紙葉類繰り出し動作
と、上記偏心補助ロールの大径部が紙葉類表面に
当接して行われる補助繰出し動作とを同期させる
ことによつて紙葉類のスムーズな繰出しを助ける
と共に堆積紙葉類を損ずることなくその崩落を防
止し得ることを特徴とする。

（実施例） 以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。

第３図は本発明に係る紙葉類繰出し装置の一実
施例を示す構成図である。

尚、前記第１図及び第２図と同一の部位には同
一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。

同図に示すように、堆積紙葉類４の表面先端近
傍には堆積紙葉類４をその最上層から一枚づつ順
次繰出すための繰出しロール５を設け、その外周
表面の一部はゴム・パツド７による高摩擦部に、
他の部分は表面平滑な低摩擦部とすることにより
前記ゴム・パツド７が堆積した紙葉類４の表面に
摺接した際に確実に紙葉類を繰出すよう構成して
いる。

一方、前記堆積紙葉類４の表面中央近傍には大
径部を有す偏心補助ロール９が回転軸１０に取り
付けられ、該偏心補助ロール９の大径部にはゴ
ム・パツド部７が設けられている。

また、前記堆積紙葉類４の表面と常時摺接し、
前記回転軸１０に遊嵌状態で取り付けられた堆積
紙葉類支持ロール１１を設けることにより紙葉類
のスムーズな繰出しを助けると共に堆積紙葉類を
損ずることなくその崩落を防止し得る構成となつ
ている。

第４図は前記第３図のＡ−Ａ断面における偏心
補助ロール９、堆積紙葉類支持ロール１１及び回
転軸１０を示した図であつて、前記偏心補助ロー
ラ９のゴム・パツド７が設けられている大径部は
前記堆積紙葉類支持ロール１１の外径よりも大き
くなつている。

したがつて、前記偏心補助ローラ９によつて堆
積紙葉類４が繰出される際には該偏心補助ローラ
９のゴム・パツド７が弾性変形すると共に堆積紙
葉類４はスプリング２によつて進退自在に載置さ
れているため、紙葉類４に対し適切な繰出し力を
与えることができる。

また、前記堆積紙葉類支持ロール１１はベアリ
ング１２を介して前記回転軸１０に対して回動自
在に遊嵌しているので、繰出される紙葉類の動き
につれて回動し堆積紙葉類の崩落を防止する。

このように構成した紙葉類繰出し装置において
前記繰出しロール５のゴム・パツド７による紙葉
類繰出し動作と、前記偏心補助ロール９のゴム・
パツド７による紙葉類繰出し動作とを同期させる
ことにより堆積紙葉類４をその最上層より確実に
繰出すことが可能となると共に、前記偏心補助ロ
ール９の外周表面が紙葉類表面から離れた際にも
前記堆積紙葉類支持ロール１１が繰出される紙葉
類４の表面に対してスリツプするか或は繰出され
る紙葉類４の表面状態が劣悪な場合には従動しつ
つ堆積紙葉類の崩落を常時防止するので、繰出さ
れる紙葉類の表面状態に拘わらず紙葉類を破損す
ることがない。

（発明の効果） 本発明は以上説明した如く構成し且つ機能する
ものであるから、キヤツシユ・デイスペンサの如
く紙葉類を確実に一枚づつ繰出すことが要求され
る装置において、紙葉類繰出し動作時以外の予期
せざる紙葉類の送り出しに起因する事故を防止す
ると共に、紙葉類の繰出し時において堆積紙葉類
支持部材と紙葉類との干渉に起因する紙葉類の破
損を防止する上で著しい効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来一般的に用いられていた紙葉類繰
出し装置の一例を示す構成図、第２図は第１図に
示した装置を一部改良した従来の紙葉類繰出し装
置の一例を示す構成図、第３図は本発明に係る紙
葉類繰出し装置の一実施例を示す構成図、第４図
は第３図のＡ−Ａ断面に於ける偏心補助ロール
９、堆積紙葉類支持ロール１１及び回転軸１０を
示した図である。 １……給紙台、２……スプリング、３……プレ
ート、４……堆積紙葉類、５……紙葉類繰出しロ
ール、７……ゴム・パツド、９……偏心補助ロー
ル、１１……紙葉類支持ロール、１２……ベアリ
ング。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 紙葉類をほぼ直立状態にて堆積し、該堆積し
   た紙葉類の先端部表面に当接する紙葉類繰り出し
   ロールと、上記紙葉類のほぼ中央部表面に当接す
   る補助ロールとによつて上記紙葉類表面から一枚
   づつ順次繰り出す装置において、 上記補助ロールを偏心補助ロールとし、 外周面が平滑な紙葉類支持ロールを上記偏心補
   助ロールが固定された軸に同心状に遊貫させて該
   紙葉類支持ロールの外周面を上記紙葉類表面に当
   接させ、 上記紙葉類繰出しロールによる紙葉類繰り出し
   動作と、上記偏心補助ロールの大径部が紙葉類表
   面に当接して行われる補助繰出し動作とを同期さ
   せた紙葉類繰出し装置。