JPH0553496U - 葉たばこ吊込み装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】葉たばこ乾燥に伴う生葉の吊込、乾葉の取卸し
作業の省力化を図る。 【構成】正背両方向を解放する機枠と、機枠に装備され
該機枠を任意の方向に移動せしめる移動手段と、機枠の
左右側面部に設けられて正背方向に延びる左右一対のレ
ールを一組として葉たばこ乾燥機の乾燥室の吊込みレー
ルの段数に相当する組数が上下に設けられ、一組の間隔
が乾燥室の吊込みレールの間隔に相当し、各組相互の上
下間隔が乾燥室の吊込みレール相互の上下間隔に相当す
る仮吊りレールと、上記仮吊りレールに連係し仮吊りレ
ール各組の上下間隔を保持した状態で仮吊りレールを昇
降する昇降手段とを備え、吊込み、取卸し作業を作業し
やすい高さ位置で行えるようにすると共に一度に大量の
ハンガーの吊込み、取卸しが行えるようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はハンガーに掛けた葉たばこ生葉を葉たばこ乾燥機の乾燥室に吊込み、 乾燥後の乾葉を乾燥室から取卸すための装置である。

【０００２】

【従来の技術】

一般に葉たばこ乾燥における生葉の乾燥機への吊込は、先ず多数の生葉をバイ ンダーなどのハンガーに吊持せしめ、これを乾燥器の乾燥室に多段式に吊込んで 行うが、生葉をハンガーに吊持せしめる葉詰作業場所から、葉詰が終わって多数 の生葉を吊持したハンガーを１本づつ乾燥室内に持ち込んで乾燥室の吊り棚レー ルに順次架装して行っている。 また、同様に乾燥後の乾葉取卸しも、乾燥室の吊り棚レールからハンガーを１ 本づつ順次取卸して取り外し作業所（多くは前記葉詰作業場所がこれを兼用する ）まで運び、そこでハンガーから乾葉を取り外している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】

しかしながら、ハンガーを乾燥室最上段の吊り棚レールに架装したり、取卸し たりするためには踏み台などを使わなければならず、多量の葉たばこを吊したハ ンガーを持って踏み台への上り下りを何度も繰り返し行わなければならない。ま た共同乾燥施設などの大規模施設ではハンガーに生葉を挟み込み若しくは葉編し たり、ハンガーから乾葉を取り外したりする場所と乾燥機とがかなり離れた場所 に設けられている場合も多いので、その間を葉たばこを吊持したハンガーを持っ て何回も往復しなければならない。しかも葉たばこを多数吊持したハンガーは非 常に重い。

【０００４】 以上のように葉たばこ乾燥における生葉吊込、乾葉取卸しの作業は、従来重労 働で、且多くの人手を必要とするが、今日の社会的諸要因による作業員賃金の高 騰化及び労働力不足などのため作業員の雇用が困難になっており、作業の省力化 が強く要望されている。 本発明はかかる現況に鑑みてなされたもので、葉たばこ乾燥に伴う生葉の吊込 、乾葉の取卸の作業を大幅に省力化することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案の葉たばこ吊込み装置では、正背両方向を解 放する機枠と、機枠に装備され該機枠を任意の方向に移動せしめる移動手段と、 機枠の左右側面部に設けられて正背方向に延びる左右一対のレールを一組として 葉たばこ乾燥機の乾燥室の吊込みレールの段数に相当する組数が上下に設けられ 、一組の間隔が乾燥室の吊込みレールの間隔に相当し、各組相互の上下間隔が乾 燥室の吊込みレール相互の上下間隔に相当する仮吊りレールと、上記仮吊りレー ルに連係し仮吊りレール各組の上下間隔を保持した状態で仮吊りレールを昇降す る昇降手段とを備えるものである。

【０００６】

【作用】

以上のように構成した葉たばこ吊込み装置にあっては、葉詰作業台で葉詰した ハンガーを乾燥室に、また乾燥後の乾葉を吊したハンガーを作業台に、夫々各仮 吊りレールに満載状に仮吊りせしめて運ぶことが可能である。 仮吊りレール、乾燥室の吊込みレール間のハンガーの吊り変えは、対応する高 さ位置のレール相互間のスライド移動により行うことが可能である。 仮吊りレールへのハンガーの吊込み及び仮吊りレールからのハンガーの取卸し を作業しやすい高さ位置で行うことが可能である。

【０００７】

【実施例】

以下、図に基づいて本考案の実施の一例を説明する。 図中ａは機枠で、鋼杆１等により正背両方向を開放した箱枠状若しくは櫓状に 組み立てられ、その左右側面部には昇降手段ｂにより昇降自在に構成した仮吊り レールｃを備え、下部には移動手段ｄを備えている。

【０００８】 昇降手段ｂは、機体ａ側面部の上部と下部に夫々正背方向に延びる一対の回転 軸２、２´を設け、この上下の回転軸２、２´に夫々設けた歯車３、３´に亘っ てチェーン４を掛け渡すと共に一方の回転軸（図面では上側の回転軸２）を機体 ａの適当な場所に設置したチェーン駆動用モーター５に駆動チェーン６を介して 連絡し、モーター５の回転を回転軸２に伝達するように構成してある。 上記昇降手段ｂは機体ａの左右両側面部に夫々設けられており、左右各々の昇 降手段ｂはその上下回転軸２、２´に複数のチェーン４を並列上に掛け渡して、 これらチェーン４に亘って仮吊りレールｃを仮設している。 従って、この昇降手段ｂはチェーン駆動用モーター５の駆動によりチェーン４ を上下方向に回転させて仮吊りレールｃをチェーン４に連動して昇降させること ができる。尚、上記左右の昇降手段ｂ、ｂは同期して作動するように構成されて いる。またチェーン４は機枠Ａに取り付けたチェーンケース15に収められている 。

【０００９】 仮吊りレールｃは左右一対を一組として上下に３組設けられている。 この仮吊りレールｃの組数は、乾燥機の乾燥室Ｂに設けられる吊込みレールの 段数に対応せしめて設けたもので、乾燥室Ｂの吊込みレール20の段数に応じて２ 組、４組等とすることも任意である。

【００１０】 一組の仮吊りレールｃは乾燥室Ｂの吊込みレール20の間隔にほぼ相当する間隔 を有して、同じ高さ位置に配置されいる。 また、仮吊りレールｃの組間は乾燥室Ａの吊込みレール20の上下間隔にほぼ相 当する上下間隔を有している。

【００１１】 また、各仮吊りレールｃは断面形状がＬ字形に形成されてその水平部７を機枠 ａ内方に突出しており、長さ方向両端部には水平部７に開けた穴８から上面側に 弾性的に突出するハンガー脱落防止用のストッパー９が設けられている。

【００１２】 上記ストッパーは図５に示すように、仮吊りレールｃの水平部７裏面に一端を 固定して添設した帯板状バネ板10の長さ方向中途部に上方に突出する山形状折曲 部を形成し、この山形状折曲部を仮吊りレール水平部７に開けた穴８から上方に 突出せしめ、バネ板10の弾性により穴８からの出没が可能なように構成してある 。

【００１３】 移動手段ｄは、機枠ａの下面部に正背方向に延びて両端に車輪11を備える車軸 12が左右に一対、回転自在に取り付けられ、一方の車軸12が機枠ａの適当な場所 に取り付けた走行用モーター13にチェーン14を介して連絡し、上記モーター13に より回転駆動されるようになっている。 従って、この移動手段ｄは走行用モーター13の駆動により車輪11を回転させて 機枠ａを走行移動させることができる。 そしてこの実施例では、車輪11を介してレール21上に機枠ａを載置し、機枠ａ がレール21上を移動するように構成されている。

【００１４】 次にかかる葉たばこ吊込み装置Ａの使用方法に付いて説明する。 葉たばこ吊込み装置Ａは、先ず葉詰作業台（図示せず）の近くに移動させて、 葉詰作業台で葉詰されたハンガーＣを図２，図６に符号Ｄで示すような箱枠状の 吊込みラックを介して所定数仮吊りレールｃに吊込む。この際吊込み装置Ａは、 昇降装置ｂにより先ず最上段の仮吊りレールｃを吊込み作業をしやすい高さ位置 にして吊込み作業を行い、次いで中段の仮吊りレール、最下位の仮吊りレールの 順でその位置を昇降装置ｂにより吊込み作業に適した高さ位置に移動させ、夫々 吊込み作業を行う。 この吊込み作業は一つの葉詰作業台で全ての仮吊りレールｃへの吊込みを行っ ても勿論よいが、複数の作業台間を移動しながら順次吊込むようにしてもよい。 上記仮吊りレールｃへのハンガーＣの吊込みは上述のように吊込みラックＤを 用いる吊込みに限らず、ハンガーＣを一本づつ直接仮吊りレールｃに吊込むこと も勿論可能であるが、以下の説明では吊込みラックＤを用いる場合に付いて述べ る。

【００１５】 吊込みラックＤは、吊込み装置Ａの仮吊りレールｃに架装した後、これに葉詰 したハンガーをＣ架装するようにしてもよいが、図６に示すように支持台Ｅに架 装状に支持せしめて作業台の近くに配置しておき、所定数のハンガーＣを架装し た後に支持台Ｅから吊込み装置Ａの仮吊りレールｃに移すようにしてもよい。

【００１６】 次ぎに、上記のようにしてハンガーＣを吊込んだ吊込み装置Ａは、移動手段ｄ の走行用モーター13を駆動させてレール21上を乾燥室Ｂの前まで移動させて乾燥 室Ｂに対向させ、昇降装置ｂで仮吊りレールｃの高さ位置を調節して仮吊りレー ルｃと乾燥室Ｂの吊込みレール20を対応させ、ハンガーＣを吊込んだ吊込みラッ クＤを吊込み装置Ａの仮吊りレールｃから乾燥室Ｂの対応する吊込みレール20に スライド移動させて、乾燥室Ｂに生葉を吊込む。

【００１７】 また、乾燥終了後は、吊込み装置Ａを乾燥室Ｂと近接状に対向する位置に動か し、乾燥後の乾葉を吊持するハンガーＣを吊込んだ吊込みラックＤを生葉吊込み のときとは逆に乾燥室Ｂの吊込みレール20から吊込み装置Ａの仮吊りレールｃに スライド移動させる。 そして、この吊込みラックＤを移乗させた吊込み装置Ａを葉詰作業台の近くに 移動させ、該作業台の近くにおいてハンガーＣを取卸す。 この際、先ず最下段の仮吊りレールｃのハンガーＣを取卸し、次いで中段の仮 吊りレール、最上段の仮吊りレールのものへと順次仮吊りレールｃを下降させな がら取卸し作業を行う。

【００１８】

【効果】

本考案は以上のように構成したので、下記のごとき効果を奏する。 （１）．生葉を葉詰したハンガーを葉詰作業台から乾燥室に、また乾燥後の乾葉 を吊したハンガーを乾燥室から作業台に夫々一度に大量にまとめて運ぶことがで き、生葉の吊込み、乾葉の取卸しに際し、多量の葉たばこが取り付けられた重い ハンガーを持って作業台と乾燥室との間を何回も往復する必要がない。 （２）．搬送ラック、乾燥室間のハンガーの移し変えは仮吊りレールの昇降によ り同じ高さに揃えられるレール間の水平なスライド移動だけであるので、高い位 置にあるレールへの吊込み、取卸しに際して、重いハンガーを持って踏み台への 登り降りを何度も繰り返す必要がない。 （３）．作業台から搬送ラックの仮吊りレールへのハンガーの仮吊込み、仮吊り レールから作業台への取卸しを仮吊りレールの昇降により作業しやすい高さ位置 で行うことができるので、高い位置のレールへの吊込み、高い位置のレールから の取卸しも簡単に行うことができる。 （４）．上記（１）乃至（３）により葉たばこ乾燥における生葉の吊込み、乾葉 の取卸し作業を大幅に省力化することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す葉たばこ吊込み装置の
斜視図。

【図２】正面図。

【図３】側面図。

【図４】図２のＸ−Ｘ線拡大断面図。

【図５】図４のＹ−Ｙ−線拡大断面図。

【図６】使用状態の一例を示す説明図。

【符号の説明】

Ａ 吊込み装置 ａ 機枠 ｂ 昇降手段 ｃ 仮吊りレー
ル ｄ 移動手段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】正背両方向を解放する機枠と、機枠に装備
   され該機枠を任意の方向に移動せしめる移動手段と、機
   枠の左右側面部に設けられて正背方向に延びる左右一対
   のレールを一組として葉たばこ乾燥機の乾燥室の吊込み
   レールの段数に相当する組数が上下に設けられ、一組の
   間隔が乾燥室の吊込みレールの間隔に相当し、各組相互
   の上下間隔が乾燥室の吊込みレール相互の上下間隔に相
   当する仮吊りレールと、上記仮吊りレールに連係し仮吊
   りレール各組の上下間隔を保持した状態で仮吊りレール
   を昇降する昇降手段とを備える葉たばこ吊込み装置。