JPH0553301U - 簡易型高周波調整用ネジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 高周波機器の調整用ネジに市販されている一
般的なネジを使用しても、雌ネジと雄ネジ間の隙間によ
るがたつきを防止することにより、精密な調整が可能で
安価な簡易型高周波調整用ネジを実現する。 【構成】 高周波機器の微調整を行う電気容量調整用ネ
ジにおいて、雄ネジ７と高周波機器のケース８に雌ネジ
９とを設け、雄ネジ７と雌ネジ９のはめ合わせ部の一部
分に弾性体１０を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、くし型フィルタ、インタディジタル型フィルタ等の高周波機器の微 調整を行う電気容量調整用ネジに関し、特に雄ネジと雌ネジ間の隙間によるがた つきを防止し、精密な調整をできるようにした簡易型高周波調整用ネジに関する 。

【０００２】

【従来の技術】

従来の調整用ネジの一例を図６に示す。図６において１はトルク機構、２は支 持体、３は調整溝、４は六角ナット、５は取付けネジ、６は調整棒である。従来 例では、支持体２に設けられた取付けネジ５を高周波機器のケース等に設けた雌 ネジに取付け、六角ナット４によって確実に固定する。電気容量の調整は調整溝 ３を回転させ調整棒６を上下させることにより行う。トルク機構１は前述の電気 容量の調整に際して調整溝３の回転トルクを一定に保ち精密な調整が可能となる 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来の調整用ネジでは図６のトルク機構１の構造が複雑である。また 、高周波機器を小型化するにあたって調整用ネジの直径も小さなものが要求され るが、前記トルク機構は複雑であるため小型化が困難でとなり高価なものとなっ てしまう。 従って本考案の目的は、高周波機器の調整用ネジに市販されている一般的なネ ジを使用して、雌ネジと雄ネジ間の隙間によるがたつきを防止することにより、 精密な調整が可能で安価な簡易型高周波調整用ネジを実現することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

このような目的を達成するために、本考案では、 高周波機器の微調整を行う電気容量調整用ネジにおいて、 雄ネジと、 前記高周波機器のケースに設けた雌ネジと、 前記雄ネジと前記雌ネジのはめ合わせ部の一部分に設けた弾性体と を備えたことを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】

雄ネジと雌ネジのはめ合わせ部の一部分に弾性体を設けることにより、両ネジ の隙間によるがたつきが防止され、雄ネジを回転させるに際しては適当なトルク を必要となり、電気容量の精密な調整ができる。

【０００６】

【実施例】

以下本考案を図面を用いて詳細に説明する。図１は本考案に係る簡易型高周波 調整用ネジの第１の実施例を示す構成断面図である。図１において７は雄ネジ、 ８は高周波機器のケース、９は雌ネジ、１０は脱脂されているナイロン等を適当 な厚さの帯にした弾性体、１１は高周波機器の共振板、１２は雄ネジ７と共振板 １１の間に生じる電気容量、１３は雄ネジ７を半永久的に固定する接着剤である 。

【０００７】 ケース８に雌ネジ９を設けた後、弾性体１０を雌ネジ９に挿入し、雄ネジ７と 雌ネジ９のはめ合わせ部の一部分に弾性体１０が位置するように雄ネジ７を雌ネ ジ９にねじ入れる。この結果、弾性体１０の弾性力により雄ネジ７と雌ネジ９の 隙間によるがたつきが防止され、雄ネジ７を回転させるに際しては適当なトルク が必要となるので、電気容量１２の精密な調整が可能となる。電気容量１２の調 整が終了した後、接着剤１３で雄ネジ７が不用意に回転しないようにケース８と 固定する。

【０００８】 なお、図１に示した第１の実施例の他に以下に示す実施例がある。 図２は本考案に係る簡易型高周波調整用ネジの第２の実施例を示す構成断面図 である。図２において７から９及び１１から１３は図１と同一の符号を付してあ り、図１における弾性体１０の代わりに脱脂されているナイロン等を適当な太さ の糸にした弾性体１０ａを用いている。

【０００９】 図３は本考案に係る簡易型高周波調整用ネジの第３の実施例を示す構成断面図 である。図３において７から９及び１１から１３は図１と同一の符号を付してあ り、雄ネジ７表面の軸方向の一部分に適当な幅及び厚みで樹脂等を直接塗布する 。ここで、塗布された樹脂等は弾性体１０ｂを構成する。 また、雄ネジ７ではなく雌ネジ９内面の軸方向の一部分に適当な幅及び厚みで 樹脂等を直接塗布し弾性体を設けることも可能である。

【００１０】 図４は本考案に係る簡易型高周波調整用ネジの第４の実施例を示す構成平面図 である。図４において７ａは軸方向に溝１４を設けた雄ネジ、１０ｃは脱脂され ているナイロン等を適当な厚さの帯、若しくは適当な太さの糸にした弾性体で、 雄ネジ７ａの溝１４に挿入し、雄ネジ７ａと一体化して雌ネジ９にねじ入れられ る。ここで、１３は図１と同一の符号である。

【００１１】 図５は本考案に係る簡易型高周波調整用ネジの第５の実施例を示す構成平面図 である。図５では雌ネジ９ａの軸方向に溝１４ａを設け、この溝１４ａに弾性体 １０ｃを挿入し、雌ネジ９ａと弾性体１０ｃが一体化したものに雄ネジ７がねじ 入れられる。ここで、１３は図１と同一の符号である。

【００１２】 図４では弾性体１０ｃが雄ネジ７ａの溝１４に挿入されているため、また図５ では弾性体１０ｃが雌ネジ９ａの溝１４ａに挿入されている。この結果、雄ネジ ７ａ若しくは７を回転させる際に、弾性体１０ｃが軸方向からずれて雄ネジ７ａ 若しくは７の円周方向に回り込むことによる雄ネジ７ａ若しくは７と雌ネジ９若 しくは９ａ間の電気的接触不良を防止できる。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したことから明らかなように、本考案によれば次のような効果がある 。 雄ネジと雌ネジの間に弾性体の帯、若しくは糸をネジのはめ合わせ部の一部分 に挿入することにより、雄ネジと雌ネジの隙間によるがたつきが防止され、雄ネ ジを回転させるに際しては適当なトルクを必要となるので、電気容量の精密な調 整が可能となる。 また、市販されている一般的な雄ねじを使用することができるので安価な簡易 型高周波調整用ネジとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る簡易型高周波調整用ネジの第１の
実施例を示す構成断面図である。

【図２】本考案に係る簡易型高周波調整用ネジの第２の
実施例を示す構成断面図である。

【図３】本考案に係る簡易型高周波調整用ネジの第３の
実施例を示す構成断面図である。

【図４】本考案に係る簡易型高周波調整用ネジの第４の
実施例を示す構成平面図である。

【図５】本考案に係る簡易型高周波調整用ネジの第５の
実施例を示す構成平面図である。

【図６】従来の高周波調整用ネジの一例を示す構成断面
図である。

【符号の説明】

１ トルク機構 ２ 支持体 ３ 調整溝 ４ 六角ナット ５ 取付けネジ ６ 調整棒 ７，７ａ 雄ネジ ８ ケース ９，９ａ 雌ネジ １０，１０ａ，１０ｂ，１０ｃ 弾性体 １１ 共振板 １２ 電気容量 １３ 接着剤 １４，１４ａ 溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】高周波機器の微調整を行う電気容量調整用
   ネジにおいて、 雄ネジと、 前記高周波機器のケースに設けた雌ネジと、 前記雄ネジと前記雌ネジのはめ合わせ部の一部分に設け
   た弾性体とを備えたことを特徴とする簡易型高周波調整
   用ネジ。