JPH0552582U - プレート式熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 伝熱面に開口を有する伝熱プレートの開口縁
への接続管体のロウ付接合時に、伝熱プレートの開口縁
が変形するのを防止する。 【構成】 伝熱面に開口を有する積層された複数枚の伝
熱プレートを接合して、与熱経路と受熱経路と交互に配
置し、かつ、与熱経路と受熱経路に夫々連通する開口に
よって通路孔を形成する。伝熱プレートのうち外側端の
伝熱プレートの外側に、上記通路孔と同芯状に貫通孔を
形成したカバー板を接合する。このカバー板の貫通孔に
接続管体を貫通する。接続管体を、大径管部と小径管部
とで構成して、大径管部と小径管部との境界部に環状段
部を形成し、上記小径管部をカバー板の貫通孔に貫通し
て、小径管部の先端面および環状段部を、外側端の伝熱
プレートの開口縁および接続管体を支持可能なカバー板
の貫通孔の開口縁に夫々ロウ付接合する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プレート式熱交換器に関し、詳しくは、伝熱面に開口を有する複数 枚の伝熱プレートを積層してロウ付接合し、かつ、伝熱プレートのうち外側端の 伝熱プレートの開口端に接続管体をロウ付接合したプレート式熱交換器に関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、プレート式熱交換器は、伝熱面を有する複数枚の伝熱プレートを積層 して、与熱経路と受熱経路と交互に形成し、異種の熱交換媒体間で熱交換を行な うものである。

【０００３】 ところで、図２に示すような従来のプレート式熱交換器は、四隅に開口（１） を有する複数枚の伝熱プレート（２）（２’）を積層し、隣接する伝熱プレート （２）（２’）の周縁（３）（３’）、波形部（４）（４’）の頂部および開口 （１）の開口縁（５）においてロウ材（６）により合体接合すると共に、四隅の 同芯状に形成された開口（１）により夫々通路孔（７）（８）を形成したもので ある。上記伝熱プレート（２）（２’）のうち、外側端の伝熱プレート（２）の 外側にカバー板（９）を配設し、このカバー板（９）の内面と外側端の伝熱プレ ート（２）の波形部（４）の頂部とをロウ材（６）により合体接合する。

【０００４】 上記カバー板（９）の四隅に、通路孔（７）（８）に対応させて貫通孔（１０ ）を形成する。上記カバー板（９）の各貫通孔（１０）に、熱交換媒体の供給お よび排出のための配管が接続される接続管体（１１）（１１’）を貫通させて、 外側端に位置する伝熱プレート（２）の開口（１）の開口縁（５）および貫通孔 （１０）の開口縁（１２）に夫々ロウ材（６）により合体接合する。

【０００５】 そうして、上記伝熱プレート（２）（２’）、カバー板（９）および接続管体 （１１）（１１’）の各部品を合体接合する場合は、各部品の接合個所にロウ材 （６）を介在させ、かつ、伝熱プレート（２）（２’）およびカバー板（９）を 水平姿勢に保持した状態で加熱炉内に収容して所定のロウ付温度まで加熱する。 このとき接続管体（１１）（１１’）は、カバー板（９）の貫通孔（１０）に貫 通され、外側端に位置する伝熱プレート（２）の開口（１）の開口縁（５）上に 載置される。しかる後、上記加熱炉による加熱によりロウ材（６）が溶融し、伝 熱プレート（２）（２’）、カバー板（９）および接続管体（１１）（１１’） の各部品が接合され、プレート式熱交換器の液密性および耐圧強度性が確保され る。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上述の通り、プレート式熱交換器の製造工程の途中で、伝熱プレート（２）（ ２’）、カバー板（９）および接続管体（１１）（１１’）の各部品がロウ付に より接合される。

【０００７】 ところが、上記各部品のロウ付温度は非常に高温でり、しかも、伝熱プレート （２）（２’）の板厚は、０．３〜０．８ｍｍと薄いため、伝熱プレート（２） （２’）の開口（１）の開口縁（５）が熱によって軟化し、材料強度が低下する 。このため外側端（上端）の伝熱プレート（２）の開口（１）の開口縁（５）上 に載置された接続管体（１１）（１１’）を支えきれず、図３に示すように、上 記開口（１）の開口縁（５）が、接続管体（１１）の重さにより下方へ変形する 。

【０００８】 外側端に位置する伝熱プレート（２）の開口（１）の開口縁（５）が下方へ変 形すると、伝熱プレート（２）（２’）の伝熱面への熱交換媒体の流入間隙（１ ３）が狭くなり、伝熱性能が低下すると共に、接続管体（１１）（１１’）と伝 熱プレート（２）とのロウ付不良により液密性が不充分となる場合があった。ま た、上記伝熱プレート（２）の開口（１）の開口縁（５）の変形により、この開 口縁（５）上に載置されている接続管体（１１）（１１’）が傾いてロウ付け固 定され、接続管体（１１）（１１’）に配管を確実、かつ、円滑に接続すること ができないことがあった。

【０００９】 本考案は、上記問題点に鑑み提案されたもので、伝熱プレート、カバー板及び 接続管体の各部品の接合時、伝熱のプレートが変形するのを防止することができ るプレート式熱交換器を提供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記目的を達成するため、伝熱面に開口を有する積層された複数枚 の伝熱プレートをロウ付接合して、与熱経路と受熱経路とを交互に配置し、かつ 、与熱経路及び受熱経路に夫々連通する開口によって通路孔を形成し、伝熱プレ ートのうち外側端の伝熱プレートの外側に、上記通路孔と同芯状に貫通孔を形成 したカバー板をロウ付接合すると共に、カバー板の貫通孔に接続管体を貫通して 外側端の伝熱プレートの開口縁にロウ付接合するようにしたプレート式熱交換器 において、上記接続管体を、大径管部と小径管部とで構成して、大径管部と小径 管部との境界部に環状段部を形成し、上記小径管部をカバー板の貫通孔に貫通し て、小径管部の先端面および環状段部を、外側端の伝熱プレートの開口縁および 接続管体を支持可能なカバー板の貫通孔の開口縁に夫々ロウ付接合したものであ る。

【００１１】

【作用】

伝熱プレート、カバー板および接続管体の各部品のロウ付による合体接合時、 積層された伝熱プレートおよび伝熱プレートの外側に配置したカバー板は水平姿 勢に保持され、又接続管体の小径管部が、カバー板の貫通孔に貫通保持され、小 径管部の先端面および環状段部が、伝熱プレートの開口の開口縁および接続管体 を支持可能なカバー板の貫通孔の開口縁に当接する。

【００１２】 したがって、ロウ付による各部品の合体接合時、接合管体は、カバー板で支持 され、伝熱プレートでは支持されないので、加熱によって伝熱プレートの開口の 開口縁が軟化して、材料強度が低下しても、接続管体の重さにより伝熱プレート の上記開口縁が下方に変形するのが防止される。

【００１３】

【実施例】

以下本考案に係るプレート式熱交換器の実施例を図１を参照しながら説明する とつぎの通りである。尚、図２に示したものと同一物には同一符号を付して説明 を省略する。

【００１４】 本実施例の特徴は、図１に示すように熱交換媒体の供給および排出のための配 管が接続される接続管体（２１）（２１’）を、大径管部（２２）と小径管部（ ２３）とで構成し、大径管部（２２）と小径管部（２３）の境界部に、上記貫通 孔（１０）の開口縁（１２）に当接する環状段部（２４）を形成し、カバー板（ ９）の貫通孔（１０）への接続管体（２１）（２１’）の貫通保持時、小径管部 （２３）の先端面および環状段部（２４）が、外側端の伝熱プレート（２）の開 口（１）およびカバー板（９）の貫通孔（１０）の夫々の開口縁（５）および（ １２）に、ロウ材（６）を介して当接するようにしたことである。

【００１５】 そうして、上記伝熱プレート（２）、カバー板（９）および接続管体（２１） （２１’）の各部品をロウ付により合体接合する場合は、積層された伝熱プレー ト（２）（２’）および外側端の伝熱プレート（２）の外側に配置したカバー板 （９）を水平姿勢に保持し、又接続管体（２１）（２１’）の小径管部（２３） を、カバー板（９）の貫通孔（１０）に貫通保持して、小径管部（２３）の先端 面および環状段部（２４）を、伝熱プレート（２）の開口（１）の開口縁（５） およびカバー板（９）の貫通孔（１０）の開口縁（１２）にロウ材（６）を介し て当接させ、この状態で上記伝熱プレート（２）（２’）等を加熱炉内に収容す る。尚、上記伝熱プレート（２）（２’）およびカバー板（９）の従来と同一接 合個所にもロウ材（６）を介在させる。

【００１６】 しかる後、上記加熱炉による加熱によりロウ材（６）が溶融し、伝熱プレート （２）（２’）、カバー板（９）および接続管体（２１）（２１’）の各部が合 体接合される。このとき上記接続管体（２１）（２１’）の環状段部（２４）が カバー板（９）の貫通孔（１０）の開口縁（１２）に当接しているので、接続管 体（１２）（１２’）は、カバー板（９）で支持され、外側端（上端）の伝熱プ レート（２）では支持されない。したがって、上記各部品の接合時における加熱 によって、伝熱プレート（２）の開口（１）の開口縁（５）が軟化して、材料強 度が低下しても、接続管体（２１）（２１’）の重さにより伝熱プレート（２） の上記開口縁（５）が下方に変形するのが防止され、流入間隙（１３）が狭くな ることがない。

【００１７】

【考案の効果】

本考案によれば、伝熱プレート、カバー板および接続管体の各部品のロウ付に よる接合時、接続管体は、カバー板で支持され、伝熱プレートでは支持されない ので、伝熱プレートの開口の開口縁が熱によって軟化して材料強度が低下しても 、接続管体の重さにより伝熱プレートの上記開口縁が下方に変形するのが防止さ れる。したがって、伝熱プレートの伝熱面への熱交換媒体の流入が均等となり、 伝熱性能が大幅に向上すると共に、接続管体と伝熱プレートとの間でロウ付不良 が発生することがなく、充分な液密性を確保することができ、品質が向上する。 また、接続管体は、常に伝熱プレートに対して直交状態で接合され、傾いて接合 されることがなく、接続管体に配管を確実、かつ、円滑に接続することができる 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るプレート式熱交換器の実施例を示
す部分断面説明図である。

【図２】従来のプレート式熱交換器を示す部分断面説明
図である。

【図３】従来のプレート式熱交換器の問題点を説明する
ための断面説明図である。

【符号の説明】

１ 開口 ２、２’ 伝熱プレート ５ 開口縁 ６ ロウ材 ７、８ 通路孔 ９ カバー板 １０ 貫通孔 １２ 開口縁 ２１ 接続管体 ２２ 大径管部 ２３ 小径管部 ２４ 環状段部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 伝熱面に開口を有する積層された複数枚
   の伝熱プレートをロウ付接合して、与熱経路と受熱経路
   とを交互に配置し、かつ、与熱経路及び受熱経路に夫々
   連通する開口によって通路孔を形成し、伝熱プレートの
   うち外側端の伝熱プレートの外側に、上記通路孔と同芯
   状に貫通孔を形成したカバー板をロウ付接合すると共
   に、カバー板の貫通孔に接続管体を貫通して外側端の伝
   熱プレートの開口縁にロウ付接合するようにしたプレー
   ト式熱交換器において、上記接続管体を、大径管部と小
   径管部とで構成して、大径管部と小径管部との境界部に
   環状段部を形成し、上記小径管部をカバー板の貫通孔に
   貫通して、小径管部の先端面および環状段部を、外側端
   の伝熱プレートの開口縁および接続管体を支持可能なカ
   バー板の貫通孔の開口縁に夫々ロウ付接合したことを特
   徴とするプレート式交換器。