JPH0622780U

JPH0622780U - プレート式熱交換器

Info

Publication number: JPH0622780U
Application number: JP5970992U
Authority: JP
Inventors: 敏一八木
Original assignee: Hisaka Works Ltd
Current assignee: Hisaka Works Ltd
Priority date: 1992-08-25
Filing date: 1992-08-25
Publication date: 1994-03-25

Abstract

(57)【要約】【目的】ロー付けタイプのプレート式熱交換器に於い
て、ノズルの固定を正確に行うことを目的とする。【構成】４隅に開口を有する２種のプレートを交互に
積層して、各プレート間に第１流路と第２流路とを交互
に形成し、隣接するプレート同士を、その周縁部及び各
流路と連通する開口の周囲に於いてロー付けにより合体
接合すると共に、上記プレートの積層体を、一対のフレ
ーム間に挟持させ、上記積層体の両側を、一対のフレー
ムにロー付けして一体構造としたプレート式熱交換器に
於いて、上記一対のフレームの少なくとも一方のフレー
ムの、上記積層体の開口と対向する部分に、各開口と連
通するノズル孔を一体形成し、このノズル孔に、フレー
ム外方側に向けて突出するフランジ部を一体形成し、か
つ、上記フランジ部の開口端に、円筒状をしたノズルを
溶接又はロー付けしたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プレート式熱交換器に関するものであり、詳しくは、積層した多数枚のプレートを、ロー付けによって合体接合したプレート式熱交換器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、プレート式熱交換器は、波板状をした伝熱面を有し、４隅に開口を有する複数枚のプレートを交互に積層して、各プレート間に第１流路と第２流路とを交互に形成し、作動流体間で熱交換を行うものである。

【０００３】また、上記プレート式熱交換器(1)の中には、図３及び図４に示す如く、２種類のプレート(2)(2')を交互に所定枚数積層して、その各プレート間に、第１流路(A)と第２流路(B)とを交互に形成し、隣接するプレート(2)(2')同士をその周縁部の略Ｌ字状に折曲ったリム(3)(3')及び、第１流体或いは第２流体の導入孔を構成する開口(4)(4')の周囲でロー付け(R)によって恒久的に接合することにより、各流路のシールを行うようにしたものがある。

【０００４】尚、図中(5)(5')は、プレート(2)(2')の中央部に形成した波板状の伝熱面である。

【０００５】また、この種のプレート式熱交換器(1)は、ロー付け(R)によって合体接合したプレート(2)(2')からなる積層体(6)の図中上下面に、第１及び第２フレーム(7)( 8)をロー付け(R)によって恒久的に接合してあり、第１フレーム(7)に、開口(4)( 4')と連通する第１乃至第４のノズル(9a)(9b)(9c)(9d)が取付けてある。

【０００６】そして、第１のノズル(9a)から第１流路(A)に第１の流体を供給すると共に、第２のノズル(9b)から第２流路(B)に第２の流体を供給し、プレート(2)(2')を介して、第１流路(A)と第２流路(B)との間で熱交換を行い、この後、第１流路(A) 内の第１の流体を第３のノズル(9c)から器外に排出し、第２流路(B)内の第２の流体を第４のノズル(9d)から器外に排出するようにしている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

上記した如く、プレート式熱交換器(1)の第１流路(A)と第２の流路(B)との液密性確保に、ガスケットを用いるのではなく、各プレート(2)(2')をロー付け(R) によって接合一体化する方法をとれば、各プレート(2)(2')間に形成される流路に、高温、高圧の流体を流したり、ガスケットに対して非常に腐食性の強い液体を流す場合、ガスケットを使用したタイプのプレート式熱交換器に比較し、プレート式熱交換器の長寿命化を計れる。

【０００８】しかし、上記ロー付けタイプのプレート式熱交換器(1)は、プレート式熱交換器(1)を形成する各部材のロー付け時、各ノズル(9a)(9b)(9c)(9d)が第１フレーム(7)に対して傾くことがあると言った問題があった。

【０００９】即ち、プレート式熱交換器(1)の各部材のロー付け時には、各部材を積層し、各ロー付けが必要な箇所にロー剤を塗布した後、この積層された各部材を加熱炉内に挿入し、加熱してロー剤を溶かし、ロー付け(R)を行っている。

【００１０】従って、このロー付け作業時、各ノズル(9a)(9b)(9c)(9d)の下端は、第１フレーム(7)に設けた開口(7a)を貫通し、第１フレーム(7)の下面に位置するプレート (2)の開口(4)の周囲と接触し、各ノズル(9a)(9b)(9c)(9d)の自重は、このプレート(2)の開口(4)の周縁部で支えることになる。

【００１１】しかし、この時、各ノズル(9a)(9b)(9c)(9d)を支えているプレート(2)自体も加熱炉内で加熱され、軟化しているため、各ノズル(9a)(9b)(9c)(9d)の自重を支えきれず、開口(4)の周縁部に歪が生じ、その上に乗っている各ノズル(9a)(9b)( 9c)(9d)が傾き、各ノズル(9a)(9b)(9c)(9d)の第１フレーム(7)に対する取付け角度にバラツキが生じる。

【００１２】このようにして、各ノズル(9a)(9b)(9c)(9d)が第１フレーム(7)に対し傾斜して取付けられると、各ノズル(9a)(9b)(9c)(9d)に媒体用配管を接続する時、配管作業が非常に困難になると同時に、配管を曲げて傾きを修正すると、各ノズル(9 a)(9b)(9c)(9d)のロー付け部に負荷が加わり、ロー付け部が破損することがあると言った問題があった。

【００１３】

【課題を解決するための手段】

４隅に開口を有する２種のプレートを交互に積層して、各プレート間に第１流路と第２流路とを交互に形成し、隣接するプレート同士を、その周縁部及び各流路と連通する開口の周囲に於いてロー付けにより恒久的に合体接合すると共に、上記プレートの積層体を、一対のフレーム間に挟持させ、上記積層体の両側を、一対のフレームにロー付けして一体構造としたプレート式熱交換器に於いて、

【００１４】上記一対のフレームの少なくとも一方のフレームの、上記積層体の開口と対向する部分に、各開口と連通するノズル孔を一体形成し、このノズル孔に、フレーム外方側に向けて突出するフランジ部を一体形成し、かつ、上記フランジ部の開口端に、円筒状をしたノズルを溶接又はロー付けしたものである。

【００１５】

【作用】

上記した如く、フレームにノズル孔を一体形成し、このノズル孔にノズルを溶接又はロー付けする事により、ノズルの加熱炉内でのロー付け作業時、ノズルの自重をフレームで受けるようにしたものである。

【００１６】

【実施例】

図１は、本考案に係るプレート式熱交換器(20)の実施例を示すものである。

【００１７】この図に示すプレート式熱交換器(20)に使用する２種のプレートは、図４に示したものと同様の物が使用される。

【００１８】そして、この２種のプレート(2)(2')を交互に所定枚数積層して、各プレート( 2)(2')間に、第１流路(A)と第２流路(B)とを交互に形成し、この状態で、隣接するプレート(2)(2')同士を、その周縁部の略Ｌ字状に折曲ったリム(3)(3')、及び、第１流路(A)或いは第２流路(B)の導入孔及び導出孔を形成する開口(4)(4')の周囲でロー付け(R)によって恒久的に接合することにより、各流路のシールを行うようにしている。

【００１９】 (21)(22)は、上記２種のプレート(2)(2')を積層一体化することにより形成される積層体(6)の図中上下面に配置される第１及び第２フレームである。

【００２０】この第１フレーム(21)は、中央部がプレート(2)の伝熱面(5)と当接する平板状をし、その４隅には、プレート(2)の４隅に設けた開口(4)と連通する第１乃至第４のノズル孔(23a)(23b)(23c)(23d)が設けてある。

【００２１】この各ノズル孔(23a)(23b)(23c)(23d)のフレーム外方側の開口部周縁には、図に示す如く、フレーム外方側に向けて突出したフランジ部(24)がプレス加工によって一体形成されている。

【００２２】そして、この各フランジ部(24)の上端に、円筒状をした第１乃至第４のノズル (25a)(25b)(25c)(25d)の端面を、予め溶接(Y)によって固定し、各ノズル(25a)(2 5b)(25c)(25d)を第１フレーム(21)に対して正確に固定しておく。

【００２３】上記構成に於いて、本考案に係るプレート式熱交換器(20)を形成するには、第２フレーム(22)上に、２種のプレート(2)(2')を所定枚数積層し、各プレート(2) (2')間に、第１流路(A)と第２流路(B)とを交互に形成し、その上に第１フレーム (21)を積層する。

【００２４】この状態で、隣接するプレート(2)(2')同士を、その周縁部の略Ｌ字状に折曲ったリム(3)(3')、及び、第１流路(A)或いは第２流路(B)の導入孔及び導出孔を形成する開口(4)(4')の周囲でロー付け(R)によって恒久的に接合し、各流路のシールを行うと共に、第２フレーム(22)と図中最下段に位置するプレート(2')とをロー付け(R)し、第１フレーム(21)と図中最上段に位置するプレート(2)とをロー付け(R)し、更に、第１フレーム(21)の各ノズル孔(23a)(23b)(23c)(23d)のフレーム内方側と、プレート(1)の各開口(4)とを、その周囲でロー付け(R)し、プレート式熱交換器(20)を形成する。

【００２５】上記のようにしてプレート式熱交換器(20)を形成すれば、プレート式熱交換器 (20)を形成する各部材の加熱炉内でのロー付け作業時、第１乃至第４のノズル(2 5a)(25b)(25c)(25d)は、予めノズル孔(23a)(23b)(23c)(23d)のフランジ部(24)に溶接固定されており、各ノズル(25a)(25b)(25c)(25d)の自重は、第１フレーム(2 1)の各ノズル孔(23a)(23b)(23c)(23d)に一体形成したフランジ部(24)で受けることになる。

【００２６】そしてこの時、第１フレーム(21)のフランジ部(24)は、プレート(2)に比較して充分な強度を有しており、各ノズル(23a)(23b)(23c)(23d)の自重程度で歪むことはないため、各ノズル(23a)(23b)(23c)(23d)は第１フレーム(21)に対して傾斜することなく正確に固定される。

【００２７】尚、上記実施例は、プレート式熱交換器(20)を形成する各部材をロー付け(R) する前に、ノズル孔(23a)(23b)(23c)(23d)のフランジ部(24)に第１乃至第４のノズル(25a)(25b)(25c)(25d)を予め溶接固定した例を示したが、ノズル孔(23a)(23 b)(23c)(23d)のフランジ部(24)にロー材を介して第１乃至第４のノズル(25a)(25 b)(25c)(25d)を載置しておき、各部材の加熱炉内でのロー付け作業時、第１乃至第４のノズル(25a)(25b)(25c)(25d)をノズル孔(23a)(23b)(23c)(23d)のフランジ部(24)にロー付け(R)し固定してもよい。

【００２８】図２は、本考案の第２の実施例を示すものであり、この図に示すプレート式熱交換器(20)は、第１フレーム(21)の各ノズル孔(23a)(23b)(23c)(23d)に一体形成したフランジ部(24)の上面に載置する第１乃至第４のノズル(25a)(25b)(25c)(25 d)の、フランジ部(24)との当接面に、両者間の位置決め用の段部(30)を形成したものである。

【００２９】この段部(30)は、図示の如く、各ノズル孔(23a)(23b)(23c)(23d)のフランジ部 (24)との当接面の外周側に形成してあり、段部(30)の平面部がフランジ部(24)の端面と接触し、側面部がフランジ部(24)の内周面と接触するようにしてある。

【００３０】そして、第１フレーム(21)の各ノズル孔(23a)(23b)(23c)(23d)に設けたフランジ部(24)と各ノズル(25a)(25b)(25c)(25d)との溶接(Y)時、又はロー付け(R)時、各ノズル(25a)(25b)(25c)(25d)に設けた段部(30)をフランジ部(24)に嵌合させることにより、両者の位置決めをより正確に行えるようにしたものである。

【００３１】尚、上記各実施例は、プレート(2)(2')を積層してなる積層体の図中上下面に配置する第１フレーム(21)及び第２フレーム(22)の内、第１フレーム(21)にのみノズルを溶接(Y)又はロー付け(R)する場合について説明したが、第２フレーム(2 2)にノズル孔を形成し、この第２フレーム(22)に形成したノズル孔にノズルを溶接(Y)又はロー付け(R)する場合にも、本考案を適応できるのは無論である。

【００３２】また、上記各実施例は、各ノズル孔(23a)(23b)(23c)(23d)に各ノズル(25a)(25 b)(25c)(25d)を溶接(Y)又はロー付け(R)する例について説明したが、各ノズル孔 (23a)(23b)(23c)(23d)に一体形成したフランジ部(24)に直接配管を行える場合は、このフランジ部(24)をノズルの代りに使用し、ノズルの溶接(Y)又はロー付け( R)自体を廃止するようにしてもよい。

【００３３】

【考案の効果】

上記した如く、本考案に係るプレート式熱交換器は、フレームにノズル孔を一体形成し、このノズル孔にノズルを溶接又はロー付けする事により、各部材の加熱炉内でのロー付け作業時、ノズルの自重をフレームで受けるようにしたものである。

【００３４】従って、ノズルの加熱炉内でのロー付け作業時、プレートにノズルの自重が加わる事はなく、ノズルの自重は充分な強度を持つフレームによって支えられるため、ノズルはフレームに対して正確に位置決めされた状態で固定される。

【００３５】このため、各ノズルに媒体用配管を接続する時、この配管作業をスムースに行えると同時に、配管作業時、ノズルの溶接又はロー付け部に負荷が加わる事もなく、当然、溶接又はロー付け部が破損すると言ったトラブルも防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るプレート式熱交換器を示す概略断
面図。

【図２】本考案に係るプレート式熱交換器の第２の実施
例を示す要部断面図。

【図３】プレート式熱交換器の従来例を示す概略断面
図。

【図４】（ａ）（ｂ）は、プレート式熱交換器を構成す
るプレートの平面図。

【符号の説明】

２プレート２’ プレート４開口４’ 開口２０プレート式熱交換器２１第１フレーム２２第２フレーム２３ａ第１のノズル孔２３ｂ第２のノズル孔２３ｃ第３のノズル孔２３ｄ第４のノズル孔２４フランジ部２５ａ第１のノズル２５ｂ第２のノズル２５ｃ第３のノズル２５ｄ第４のノズル３０段部Ｒロー付けＹ溶接

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】４隅に開口を有する２種のプレートを交
互に積層して、各プレート間に第１流路と第２流路とを
交互に形成し、隣接するプレート同士を、その周縁部及
び各流路と連通する開口の周囲に於いてロー付けにより
恒久的に合体接合すると共に、上記プレートの積層体
を、一対のフレーム間に挟持させ、上記積層体の両側
を、一対のフレームにロー付けして一体構造としたプレ
ート式熱交換器に於いて、上記一対のフレームの少なくとも一方のフレームの、上
記積層体の開口と対向する部分に、各開口と連通するノズル孔を一体形成し、このノズル孔
に、フレーム外方側に向けて突出するフランジ部を一体
形成し、かつ、上記フランジ部の開口端に、円筒状をしたノズル
を溶接又はロー付けしたことを特徴とするプレート式熱
交換器。
【請求項２】フレームのノズル孔フランジ部に溶接又
はロー付けするノズルの、フランジ部側の外周面に、フ
ランジ部の端面及び内周面と当接する位置決め用の段部
を形成したことを特徴とする請求項１記載のプレート式
熱交換器。