JPH0552457U - 電動ミキシングバルブにおける危険防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電動ミキシングバルブとシャワー等の給湯栓
とを接続する配管に、温度センサによる配管中の湯の異
常な温度の検出で、その配管を排水管に連通させる状態
に切換える切換弁を設けて構成する危険防止装置を、コ
ストの増大を防止して応答性を速めたものとする。 【構成】 水入口１０から流入する水の流量と湯入口１
１から流入する湯の流量とを制御するよう混合室１４内
に配設した混合弁２を、混合室１４に設ける温度センサ
Ｔｈにより制御される電気的な駆動部５によって作動制
御せしめた電動ミキシングバルブＡを、それの混合水出
口１２に接続した配管ｂを介してシャワーａ等の給湯栓
に連通し、その配管ｂに接続した切換弁Ｖまたはストッ
プ弁を、前記電動ミキシングバルブＡの混合室１４に装
設せる前述温度センサＴｈにより検出される混合水の温
度信号によって作動制御せしめる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、給湯施設から供給される湯と水道栓から供給される水とを混合して 、所望に設定される温度の混合水（湯温）として取出せるようにしたミキシング バルブのうちで、取出す混合水の温度の設定が、電気的な駆動により遠隔操作し 得るようにした電動ミキシングバルブにおける危険防止装置についての改良に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

電動ミキシングバルブＡは、従前のものにあっては、図１に示しているように 、水道栓に通ずる給水配管と接続させる水入口１０と給湯施設の給湯配管と接続 させる湯入口１１と混合水を取出す混合水出口１２とを装備せしめた弁箱１に、 水入口１０および湯入口１１とに通ずる弁室１３を設けるとともに、その弁室１ ３および前記混合水出口１２とに通ずる混合室１４を設け、さらに、調節ネジ収 容室１５を装設し、前記弁室１３内には、水入口１０から流入してくる水の流量 および湯入口１１から流入してくる湯の流量を制御する混合弁２を配設し、調節 ネジ収容室１５内には、回転により前記混合弁２の作動方向に変位するように調 節ネジ３を螺合して組込み、その調節ネジ３を、前記混合弁２に連繋部材４を介 して連繋するとともに弁箱１の外面に組付ける電気的な駆動部５の出力軸５０に 連繋し、混合室１４内に、該混合室１４内の混合水の温度を検出して温度信号を 出力するサーミスタ等の温度センサＴｈを配設し、その温度センサＴｈを前記電 気的な駆動部５の制御回路に接続して、その温度センサＴｈが検出する温度信号 により駆動部５を制御して混合弁２の作動を制御せしめるように構成してある。

【０００３】 そして、このように構成される電動ミキシングバルブＡは、例えば、浴室Ｂの シャワーａまたは蛇口等の給湯栓に給湯する場合についていえば、通常、図２に 示している如く、そのシャワーａ等の給湯栓から遠く離れた位置に設置されて、 駆動部５を駆動させて行なう出湯温度のコントロールが浴室Ｂからの遠隔操作に より行なわれるようになる。

【０００４】 このため、給湯栓を開けて湯を使用するときの、使用始めの時期には、電動ミ キシングバルブＡと給湯栓との間の給湯用の配管ｂの中にあって放冷されている 水に近い低温の湯が流出してくることになるので、シャワーａ等に使用できない 不都合が生じ、また、この配管ｂの中で放冷されていた湯が流出し終えて、設定 温度の湯が到達してきたときに、始動時には電動ミキシングバルブＡ内の混合弁 ２が、混合室１４内の低い温度を検出する温度センサＴｈの制御作動で、湯側の 流路を全開とする状態位置に動かれるようになることで、その混合弁２が混合室 １４内における混合水の温度を設定した温度とする所定の制御位置に落着くまで の短い時間の間、電動ミキシングバルブＡから熱い湯が流れ出して給湯栓から放 出されることになり、シャワーａを使う場合に、熱湯を浴びる事故となる不都合 が生じてくる。

【０００５】 このことから、電動ミキシングバルブＡを遠隔操作により制御するよう給湯施 設に組込む場合には、給湯栓に湯を導く配管ｂの途中に、給湯栓が、自動ミキシ ングバルブＡに通ずる状態と排出管ｃに通ずる状態とに切換える切換弁Ｖを設け るとともに、この切換弁Ｖに切換作動を、配管ｂ内の水温の変化により行なわす よう、マイクロコンピューターＭＣにより制御せしめた温度センサＳを別に設け ておいて、この配管ｂ内の湯の温度が設定温度から外れているときに、切換弁Ｖ から給湯栓までの間の湯を排出管ｃから外部に排出するようにして、上述の不都 合を解消せしめる試みがなされてきている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上述の手段は、電動ミキシングバルブＡと給湯栓との間を接続する配 管ｂに、切換弁Ｖの切換作動を制御させるための温度センサＳを組込むコストが かかることと、この温度センサＳが電動ミキシングバルブＡの混合弁２から離れ て位置することで信号が遅くなって、外部に排出する水の量を多くしたり、温度 表示部を、遠隔操作する操作部ｄに付設したときに、その温度表示に時間遅れが 出る等の問題がある。

【０００７】 本考案は、従前手段に生じているこの問題を解消せしめるためになされたもの であって、電動ミキシングバルブＡを遠隔操作により作動制御させる際に、設定 温度から外れた温度の湯が給湯栓から放出されるようになることによる危険の防 止のため、電動ミキシングバルブＡを給湯栓との間の配管に設ける排出用弁また はエマジエンシー時のストップ弁の制御が、コスト増をまねくことなくかつ応答 を速めて行なえるようにする新たな手段を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

そして、本考案は、上述の目的を達成するための手段として、水入口から流入 する水の流量と湯入口から流入する湯の流量とを制御するよう混合室内に配設し た混合弁を、混合室に設ける温度センサにより制御される電気的な駆動部によっ て作動制御せしめた電動ミキシングバルブ、それの混合水出口に接続した配管を 介してシャワー等の給湯栓に連通し、その配管に接続した切換弁またはストップ 弁を、前記電動ミキシングバルブの混合室に装設せる前述温度センサにより検出 される混合水の温度信号によって作動制御せしめたことを特徴とする電動ミキシ ングバルブにおける危険防止装置を提起するものである。

【０００９】

【実施例】

次に実施例を図面に従い詳述する。なお、図面符号は、従前手段のものと同効 の構成部材については同一の符号を用いるものとする。

【００１０】 図３は、本考案を実施せる電動ミキシングバルブＡの縦断正面図、図４は同上 電動ミキシングバルブＡを接続した給湯施設における危険防止装置の説明図であ る。

【００１１】 電動ミキシングバルブＡは、図３にあるように、水入口１０と湯入口１１と混 合水出口１２とを具備する弁箱１に、水入口１０および湯入口１１と通ずる弁室 １３を設けるとともにその弁室１３と混合水出口１２とに通ずる混合室１４を設 け、調節ネジ収容室１５を装設し、前記弁室１３内には、水入口１０から流入し てくる水の流量と湯入口１１から流入してくる湯の流量とを制御する混合弁２を 配設し、調節ネジ収容室１５内には、回転により前記混合弁２の作動方向に変位 する調節ネジ３を螺合して組込み、その調節ネジ３を、前記混合弁２に連繋部材 ４を介して連繋するとともに弁箱１の外面に組付ける電気的な駆動部５の出力軸 ５０に連繋し、混合室１４には、該混合室１４内の混合水の温度を検出して温度 信号を出力するサーミスタ等の温度センサＴｈを配設し、その温度センサＴｈを 前記電気的な駆動部５の制御回路に接続して、その温度センサＴｈが検出する温 度信号により駆動部５を制御して混合弁２の作動を制御せしめるようにしてある ことについては、図１に示した従来手段の電動ミキシングバルブＡと変わりがな い。

【００１２】 そして、該電動ミキシングバルブＡは、給湯施設の給湯用の配管ｂに対し、図 ４に示している如く、その配管ｂに接続するシャワーａ等の給湯栓から離れた位 置に接続して、温度制御を遠隔操作により行なうようにし、かつ、その配管ｂに は給湯栓に接続する排出管ｃに接続する状態とに切換える切換弁Ｖを接続して設 けておくことについても、図３に示した従来手段と変わりがない。

【００１３】 しかし、混合室１４内の混合水の温度を検出して信号温度を出力する温度セン サＴｈは、前述の配管ｂに設ける切換弁Ｖを作動制御せしめるようにも利用して ある。

【００１４】 即ち、該温度センサＴｈにより検出されて出力される温度信号は、駆動部５の 制御回路に設けた比較回路において、操作部ｄの遠隔操作により所望に設定され る設定温度値と比較して、その結果から混合室１４内の混合水の温度が設定温度 値となるように混合弁２を動かすよう駆動部５を正または逆に駆動せしめるよう に利用するが、さらに、この温度信号と設定温度値との比較結果が所定の範囲を 越えている場合には、それにより、前述の配管ｂに設けられる切換弁Ｖが、配管 ｂを排出管ｃに連通させる状態位置に切換わっていき、前記比較結果が所定の範 囲内になることで、配管ｂを給湯栓と連通させる状態位置に戻るように、この切 換弁Ｖの作動を制御するように用いている。

【００１５】 このため、駆動部５の制御回路には、図５に示している如く、マイクロコンピ ューターＭＣを組込んで、これに、電動ミキシングバルブＡの駆動部５を駆動す る駆動回路６０を制御させるとともに、設定温度を所望に設定する温度設定用ダ イヤルスイッチ６１および温度センサＴｈが検出する信号温度を直流に変換して 出力するＡ／Ｄコンバーター６２を接続し、さらに、このＡ／Ｄコンバーター６ ２を介して入力される温度センサＴｈで検出された温度信号を表示する温度表示 部７０およびその温度信号と設定温度との比較結果から切換弁Ｖまたはストップ バルブを作動させるリレー等の駆動制御部７１を接続しておき、これにより、使 用の際に、操作部ｄに設けてある入力スイッチをオンとする作動で、マイクロコ ンピューターＭＣにより電動ミキシングバルブＡおよび切換弁Ｖの作動が制御さ れる状態となって、電動ミキシングバルブＡが混合室１４に設けた温度センサＴ ｈの温度検出の作動により、混合弁２の作動の制御と、電動ミキシングバルブＡ の混合水出口１２と給湯栓とを連通する配管ｂの途中に設ける切換弁Ｖまたはス トップ弁の作動の制御とを行なうようにしてある。

【００１６】 そしてまた、マイクロコンピューターＭＣに接続させて設ける上述の温度表示 部７０および切換弁Ｖまたはストップバルブを作動さす駆動制御部７１ならびに その切換弁Ｖまたはストップバルブは、それらを、セットにまとめて、電動ミキ シングバルブＡを制御する前述のマイクロコンピューターＭＣに対しオプション として組込めるようにしてある。

【００１７】 このように構成せる実施例装置は次のように作用する。 電動ミキシングバルブＡが、図４に示している如く、浴室Ｂ内に設置されたシ ャワーａに給湯する配管ｂに、その浴室Ｂ内に設けた操作部ｄによって設定温度 の変更制御が遠隔操作されるように接続しているとして、その操作部ｄに設けて ある入力スイッチをオンとして、温度設定用ダイヤルスイッチ６１の操作により 設定温度を所望の温度に設定したとする。

【００１８】 このとき、電動ミキシングバルブＡの内部には湯および水の流れがなく、従っ て、混合室１４内に装設されている温度センサＴｈは、放冷により温度降下して いる設定温度より遥かに低い混合水の温度を検出することになることで、電動ミ キシングバルブＡとシャワーａとの間の配管ｂに設けた切換弁Ｖが切換作動を行 ない、この配管ｂ中で放冷されている湯を排出管ｃから外部に放出することにな る。

【００１９】 次に、この状態から、操作部ｄの操作によりシャワーａからの給湯が行なわれ るようにしたとき、電動ミキシングバルブＡの混合水出口１２から配管ｂを介し てそのシャワーａに供給される湯は、電動ミキシングバルブＡの混合水出口１２ から配管ｂに流出していく前に、混合室１４内において、そこに装設してある温 度制御用の温度センサＴｈにより温度のチェックガ行なわれるようになる。そし て、この温度センサＴｈにより検出された湯（混合水）の温度が、所望に設定し た設定温度との比較において、一定の範囲を越した異常の値のときには、それに より、配管ｂに接続してある切換弁Ｖが切換作動を行なって配管ｂが排出管ｃと 連通する状態とし、この異常な温度の湯を配管ｂの外に排出する。

【００２０】 次に、温度センサＴｈにより制御される駆動部５の作動で、混合弁２が混合室 １４内の混合水の温度を設定温度とする位置に落着けば、温度センサＴｈにより 検出される温度信号が設定温度に対して一定の範囲内になってくることで、切換 弁Ｖが、配管ｂをシャワーａに連通させる状態位置に切換わり、電動ミキシング バルブＡの混合水出口１２から流出する設定温度に調整された湯がシャワーａに 供給されていくようになる。

【００２１】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案による電動ミキシングバルブにおける危険防止装 置は、電動ミキシングバルブＡと給湯栓との間の配管ｂに設ける切換弁Ｖまたは ストップ弁の作動を、配管ｂに供給されてくる湯の温度に応じて制御せしめるた めの温度センサＴｈが、電動ミキシングバルブＡの混合室１４内に装備される混 合弁２の作動制御のための温度センサＴｈを利用していることから、切換弁Ｖま たはストップ弁の作動の制御のために別に温度センサを組込む必要がなくなって 、コスト増を招くことなく危険防止が行なえることになり、また、配管ｂに設け た切換弁Ｖまたはストップ弁の制御作動が、電動ミキシングバルブＡの混合室１ ４内の混合水の温度に応じて行なわれることから、応答が速くなり、外部に排出 する湯の量を少なくし、また、温度表示部７０を操作部ｄにまたはその近傍に設 置する場合に、それの温度表示を時間遅れのない正確なものとし得るようになる 。

【図面の簡単な説明】

【図１】電動ミキシングバルブの縦断正面図である。

【図２】同上電動ミキシングバルブを組込んだ給湯施設
の危険防止装置の説明図である。

【図３】本考案を実施せる電動ミキシングバルブの縦断
正面図である。

【図４】同上電動ミキシングバルブを接続した給湯施設
の危険防止装置の説明図である。

【図５】同上装置の制御回路の説明図である。

【符号の説明】

Ａ…電動ミキシングバルブ、Ｂ…浴室、ａ…シャワー、
ｂ…配管、ｃ…排水管、ｄ…操作部、Ｓ・Ｔｈ…温度セ
ンサ、Ｖ…切換弁、ＭＣ…マイクロコンピューター、１
…弁箱、１０…水入口、１１…湯入口、１２…混合水出
口、１３…弁室、１４…混合室、１５…調節ネジ収容
室、２…混合弁、３…調節ネジ、４…連繋部材、５…駆
動部、５０…出力軸、６０…駆動回路、６１…ダイヤル
スイッチ、６２…Ａ／Ｄコンバーター、７０…温度表示
部、７１…駆動制御部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水入口１０から流入する水の流量と湯入
   口１１から流入する湯の流量とを制御するよう混合室１
   ４内に配設した混合弁２を、混合室１４に設ける温度セ
   ンサＴｈにより制御される電気的な駆動部５によって作
   動制御せしめた電動ミキシングバルブＡを、それの混合
   水出口１２に接続した配管ｂを介してシャワーａ等の給
   湯栓に連通し、その配管ｂに接続した切換弁Ｖまたはス
   トップ弁を、前記電動ミキシングバルブＡの混合室１４
   に装設せる前述温度センサＴｈにより検出される混合水
   の温度信号によって作動制御せしめたことを特徴とする
   電動ミキシングバルブにおける危険防止装置。