JPH0552093A - 曲線推進工法 - Google Patents

曲線推進工法

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Publication number
JPH0552093A
JPH0552093A JP21398491A JP21398491A JPH0552093A JP H0552093 A JPH0552093 A JP H0552093A JP 21398491 A JP21398491 A JP 21398491A JP 21398491 A JP21398491 A JP 21398491A JP H0552093 A JPH0552093 A JP H0552093A
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JP
Japan
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propulsion
buried pipe
buried
curved
pipe
Prior art date
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Application number
JP21398491A
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English (en)
Inventor
Koichi Kimura
宏一 木村
Takeetsu Shibano
健悦 柴野
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Kidoh Construction Co Ltd
Original Assignee
Kidoh Construction Co Ltd
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Publication date
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 先導体で曲線状の埋設孔を形成しながら埋設
管を前記曲線状の埋設孔に沿って埋設する曲線推進工法
において、先導体および埋設管列の推進位置および推進
方向を、簡単かつ確実に検出することができ、全体の作
業能率を低下させることなく、正確かつ迅速に埋設管の
曲線推進が可能な方法を提供する。 【構成】 推進される埋設管60列の屈曲個所毎に、そ
の個所における前方部と後方部との相対的な屈曲角度を
検知できる変位センサ付伸縮シリンダ機構などの角度検
知手段40を備えておき、この角度検知手段40で検出
された個々の屈曲個所における屈曲角度を集計演算する
ことによって、先導体10または各埋設管60の位置を
知り、この得られた位置情報をもとにして、先導体10
または埋設管60の推進方向を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、曲線推進工法に関
し、詳しくは、下水管等の地下埋設管を埋設施工する際
に、地盤を開削することなく、地盤に直接埋設孔を形成
しながら、形成された埋設孔に埋設管を埋設していく、
いわゆる推進工法において、特に、曲線部分を施工する
方法、すなわち曲線推進工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】推進工法は、埋設経路に沿って地盤を広
く開削する必要がないため、交通量が多く通行制限が行
い難い施工現場等に適した方法として、研究開発が進め
られている。そして、下水管等の埋設施工においては、
下水管の方向を変えたり、障害物を避けたりするため
に、埋設管を曲線状に埋設する場合がある。
【0003】従来、曲線部に推進工法を適用するには、
まず、アースオーガや圧密ヘッドを備えた先導体の周方
向に複数本の方向制御ジャッキを備えておき、この方向
制御ジャッキを伸縮させることによって、先導体を変向
させて所定の曲線方向を向かせる。この状態で、埋設管
列の最後尾に元押しジャッキ等で推進力を加えれば、先
導体は前記曲線方向へと推進されて、曲線状の埋設孔が
形成され、埋設管も、この曲線状の埋設孔に沿って送り
込まれるようになっている。
【0004】なお、埋設管自体は、通常の直線部分と同
じ直線円筒状のものを用いるので、曲線部分に沿って推
進される埋設管同士の端面には、曲率の内外周でV字形
の隙間があくことになる。このV字形の隙間は、埋設管
の敷設後に、内面側から塞がれて封止される。上記のよ
うな曲線推進工法においては、予め設定された推進軌跡
通りに、先導体および埋設管列が推進されているかどう
かを確認しながら作業を進めないと、目的とする曲線に
沿って埋設管列を正確に敷設することが出来ない。
【0005】通常の直線推進工法では、レーザ測量装置
を用いて、先導体の推進位置を検出する。すなわち、埋
設管列の最後尾の外からレーザ光を照射して、先導体に
設けられたターゲット部にレーザ光を当てて反射させ、
ターゲット部に当たるレーザ光の位置から、目標とする
推進方向と先導体の推進位置とのズレまたは位置誤差を
検出している。目標方向と先導体の推進位置にズレがあ
った場合には、先導体に備えた方向修正ジャッキ等を作
動させて推進方向を修正している。そこで、曲線推進工
法においても、上記直線推進工法と同様のレーザ測量装
置を用いて、先導体の推進位置を検出し、この先導体の
推進位置から、埋設管列の敷設経路を検知したり、その
データにもとづいて、推進方向の修正を行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な従来における曲線推進工法では、埋設管列の敷設経路
を正確に知ることが難しく、予め設定された推進軌跡と
実際に埋設管列が敷設される軌跡との間に大きなズレが
生じるという問題がある。前記したレーザ測量による先
導体位置の検出では、先導体の位置が目標とする推進軌
跡からどの程度外れているのかは判っても、現在の推進
方向もしくは推進曲線の曲率が正しいのかどうか等の詳
細な点までは良く判らず、先導体の推進方向を今後どの
ように修正すれば正しい軌跡に戻るのかということも判
り難いという問題もある。
【0007】これは、直線推進工法であれば、目標とす
る推進軌跡は直線であるから、この直線方向からの先導
体位置のズレを知るだけでも、推進方向を適切に修正す
ることが可能である。しかし、曲線推進工法では、目標
とすべき推進方向が曲線軌跡上で連続的に変化するの
で、実際の推進位置とその時点での正しい推進位置とを
2次元もしくは3次元的に捉えなければならず、直線推
進工法と同じ方法では、適切な推進方向の正確な設定や
適切な修正が困難である。
【0008】また、前記したレーザ測量装置では、直進
するレーザ光を利用しているので、曲線部分の曲率が大
きくなると先導体の位置を検出できなくなる。そのた
め、曲線推進工法では曲率の大きな曲線部分を正確に施
工することができなかった。そこで、曲線部分を複数区
画に分割して個々の分割区画を直線で近似してレーザ測
量を適用する方法も考えられたが、個々の分割区画毎に
レーザ測量を行うために作業が面倒になり、施工コスト
も高くつくという問題がある。
【0009】さらに、地表から、電磁気や超音波等を利
用して、先導体の平面位置を検出する方法を適用した
り、このような方法を前記レーザ測量と併用したりし
て、先導体の推進位置および推進方向を正確に知る方法
も提案されているが、このように複雑な測量方法を適用
すると、施工中に、頻繁に推進作業を中断して、先導体
位置や推進方向の測量を行わなければならず、作業能率
を非常に低下させることになり、施工期間および施工コ
ストが極めて高くつくという問題があった。
【0010】そこで、この発明の課題は、前記のような
曲線推進工法において、従来技術の問題点を解消し、先
導体および埋設管列の推進位置および推進方向を、簡単
かつ確実に検出することができ、全体の作業能率を低下
させることなく、正確かつ迅速に埋設管の曲線推進が可
能な方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、こ
の発明にかかる曲線推進工法は、先導体で曲線状の埋設
孔を形成しながら埋設管を前記曲線状の埋設孔に沿って
埋設する曲線推進工法において、推進される埋設管列の
屈曲個所毎に、その個所における前方部と後方部との相
対的な屈曲角度を検知できる屈曲角度検知手段を備えて
おき、この屈曲角度検知手段で検出された個々の屈曲個
所における屈曲角度を集計演算することによって、先導
体および各埋設管の位置を知り、この得られた位置情報
をもとにして、先導体または埋設管の推進方向を制御す
る。
【0012】先導体は、通常の推進工法で使用されてい
るものと同じものが用いられる。先導体の外径は、敷設
する埋設管の外径に合わせて設定される。先導体には、
アースオーガ等の掘削手段や、地盤に対する圧密ヘッド
等を備えていて、先導体の推進とともに埋設孔を形成し
ていく。また、先導体から地盤面に泥水を循環供給し、
掘削された土砂を泥水とともに排出する機構などを備え
たものもある。先導体には、先端の向きを変える方向制
御ジャッキ等の変向手段を設けておくことができる。変
向手段の具体的構造も、通常の推進工法における先導体
用の変向手段と同様の構造が適用できる。なお、先導体
自体には変向手段を設けず、後述する推進支持体の変向
手段で、先導体の推進方向を変向するだけでもよい。
【0013】埋設管は、下水管や電線管等の使用目的に
応じて、任意の材料および寸法を有するものが使用で
き、具体的には、ヒューム管、強化樹脂管、塩ビ管、鋼
管、その他の通常の推進工法が適用できる管材料が自由
に利用できる。この発明は、比較的軸方向耐荷力に劣る
塩ビ管等を用いたときに最も好ましい効果が発揮でき
る。埋設管の径や長さも自由に設定できる。
【0014】屈曲角度検知手段は、前後に連結する埋設
管同士の連結個所、あるいは、後述する推進軸体あるい
は推進支持体の連結個所に設けたり、軸方向の途中が屈
曲自在な推進支持体等における屈曲個所など、推進され
る埋設管列の屈曲個所毎に、その地点における前方部と
後方部との相対的な屈曲量を検知するものであり、既知
の各種センサ装置を組み合わせて構成することができ
る。但し、センサ装置は、防水構造にしておくなど、埋
設孔内で使用するのに適した構造のものを用いることと
する。
【0015】具体的には、例えば、推進支持体等の屈曲
個所で、前方部と後方部との対向面において、屈曲個所
の前方部と後方部とを屈曲可能につなぐヒンジ機構等の
連結支点に、前方部と後方部の相対的な旋回角度を検知
する旋回角度検知手段を備えておけばよい。旋回角度検
知手段には、ロータリエンコーダ等の通常の角度検出用
センサ装置が用いられる。
【0016】また、屈曲個所において、前方部と後方部
との対向面で円周方向の複数個所に、前方部と後方部の
離間距離を検知する離間距離検知手段を備えておいても
よい。離間距離検知手段としては、変位センサ等の通常
の距離検出用センサ装置が用いられる。離間距離検知手
段は、屈曲方向が判っている場合には、少なくとも屈曲
方向の内側あるいは外側になる1個所に設けておけばよ
いが、内側と外側で対向する2個所に設けておいてもよ
い。さらに、円周上で四方あるいはそれ以上の複数個所
に設けておけば、屈曲方向がどの方向であっても、その
屈曲方向と屈曲角度を知ることができる。離間距離検知
手段で検知された離間距離の値と、離間距離検知手段の
取付寸法等のデータから、この屈曲個所における前方部
と後方部との屈曲角度、さらに必要であれば屈曲方向を
算出することができる。
【0017】埋設管列の各屈曲個所に設けられた屈曲角
度検知手段で得られた個々の屈曲個所における屈曲角度
を、出発立坑等に配置された最後尾の埋設管から前方の
埋設管および先導体へと順次集計演算することによっ
て、先導体または途中の任意の埋設管の推進位置を知る
ことができる。この推進位置情報と予め設定された推進
軌跡とを比較して、推進位置が目標とする推進軌跡から
ずれていれば、先導体または埋設管の推進方向を修正す
る。屈曲角度の集計演算は、地表あるいは立坑内に設置
されたマイクロコンピュータ等の演算処理装置で行うの
が好ましい。そのために、各屈曲角度検知手段からの検
知情報は、電気信号の形で通信ケーブルや無線を通じ
て、前記演算処理装置に送り込むようにすればよい。さ
らに、演算処理装置では、先導体の推進方向の修正演算
を行ったり、先導体の方向修正ジャッキ等の作動を制御
することもできる。
【0018】前記先導体を用いて埋設管を曲線状に敷設
するには、基本的には通常の曲線推進工法がそのまま適
用できるが、具体的には、次のような各施工方法が挙げ
られる。まず、先導体の後方に埋設管を順次連結してい
き、埋設管列の最後尾に元押しジャッキ等で推進力を加
えて、先導体および埋設管列を推進させる方法がある。
この場合、先導体に備えた方向修正ジャッキ等で、先導
体の推進方向を曲線に合わせて変向させるとともに、埋
設管同士を屈曲可能に連結しておけば、先導体で形成さ
れた曲線状の埋設孔に沿って埋設管が敷設される。この
方法では、埋設管同士の端面にV字形の隙間があくの
で、この隙間を埋めるパッキン材を介在させたり、埋設
管の端面間に開口調整部材を介在させて埋設管同士にお
ける推進力の伝達を行い易くする方法もある。屈曲角度
検知手段としては、例えば、埋設管の内面で直径方向の
2個所に、前記離間距離検知手段を設けておけばよい。
前記開口調整部材等に離間距離検知手段を組み込んでお
くこともできる。埋設管を敷設施工した後、屈曲角度検
知手段を回収するには、屈曲角度検知手段を埋設管に対
して着脱可能に取り付けておけばよい。
【0019】つぎに、埋設管列の最後尾に推進力を加え
る代わりに、先導体の後方に埋設管列を連結固定してお
くとともに、先導体の後方で埋設管列の内部に推進軸体
を通し、この推進軸体の最後尾に推進力を加える方法が
ある。この場合、推進軸体には、曲線状の推進軌跡に合
わせて、推進軸体同士の継ぎ目あるいは推進軸体の途中
が屈曲自在になっている必要がある。また、埋設管同士
は、屈曲可能な状態で連結しておく必要がある。推進軸
体とは別に、埋設管列の最後尾にも推進力を加えること
もできる。屈曲角度検知手段は、推進軸体の連結部分あ
るいは途中の屈曲個所に設けておけばよい。埋設管に比
べて剛性が高く寸法も正確な推進軸体に屈曲角度検知手
段を設けておけば、推進位置の検出をより高精度に行え
ることになる。また、予め、屈曲角度検知手段を備えた
推進軸体を用意しておき、施工後には、推進軸体ととも
に屈曲角度検知手段を撤去すれば、取り扱いが容易であ
る。これらの利点は、後述する推進支持体を用いた場合
にも当てはまる。
【0020】次に、より好ましい方法として、先導体の
後方に、前記推進支持体を順次連結しておいて、この推
進支持体に推進力を加えて先導体を推進させるととも
に、推進支持体の外周に埋設管を嵌挿し、推進支持体に
備えた保持固定手段で埋設管を内面側から保持固定し
て、推進支持体の推進とともに埋設管を推進させていく
方法が適用できる。この場合、推進支持体同士を屈曲可
能に連結しておけば、推進支持体および埋設管を曲線状
の推進軌跡に沿って推進させることができる。このよう
な推進支持体を用いた曲線推進工法の詳しい方法は、本
件出願人が先に特許出願している特願平2−66329
号に開示されている。
【0021】さらに、上記方法を一部変向した方法とし
て、推進支持体には、軸方向の途中で屈曲自在な変向手
段を備えておき、埋設管には軸方向の途中に屈曲可能な
可撓部を設けておけば、推進支持体および埋設管を、軸
方向の途中で屈曲させて曲線状に推進させることができ
る。この場合、推進支持体同士の連結個所は、屈曲しな
いように剛結合しておくことが望ましい。
【0022】埋設管の可撓部の位置は、前記した推進支
持体の変向手段の設置個所に対応する位置に配置され
る。可撓部の前方部および後方部の連結個所は、隙間が
あかないように密着接合しておく。可撓部の材料は、埋
設管を施工する曲線部分の曲率に合わせて屈曲できる程
度に変形可能であるとともに、施工後には埋設管の一部
を構成できる程度の機械的強度あるいは耐久性を有する
材料が使用される。可撓部の具体的構造としては、ゴム
や弾性樹脂等の弾力的に変形可能な材料からなる環状の
可撓部を、埋設管の前方部と後方部の間に挟んで、接
着、ボルト結合、リベット結合、凹凸嵌合、金具による
接合、その他の締結手段で、一体的に固定しておけばよ
い。可撓部は、材料自体の弾力変形だけで変形するもの
のほか、蛇腹状等の変形し易い形状構造を備えたもので
あってもよい。
【0023】埋設管の両端は、埋設管同士を嵌合連結す
るための嵌合部や、嵌合用のカラーを嵌合する嵌合段部
などを設けておくのが好ましい。埋設管は、前記した推
進支持体に保持固定される場合、推進支持体同士の連結
個所と同様に、埋設管同士も、その端部で直線的に連結
される。埋設管同士を隙間なく連結するだけでも、ある
程度の封止機能は果たせるが、埋設管同士の連結部分
を、接着や熱融着その他の通常の接合手段で連結固定し
て継ぎ目を封止しておくと、施工後に埋設管同士の連結
個所を封止する作業を行わなくても、確実に封止してお
くことができるようになる。
【0024】推進支持体は、敷設する埋設管の内径より
も少し細い程度の円筒からなる軸体状をなしているもの
が使用される。推進支持体の内部には、先導体のアース
オーガを駆動して、掘削された土砂を後方に送り出すオ
ーガスクリューや、先導体の変向手段を作動させる油圧
や空圧の配管、電源ケーブル等が収容される。変向手段
は、前方部と後方部を軸方向につないで、一体的に運動
させたり、推進力を伝達したりできるとともに、連結さ
れた前方部と後方部の軸方向を所定の角度で自由に変え
ることができるものである。通常、変向手段としては、
前方部と後方部を自由に屈曲できる状態で連結する連結
手段と、前方部と後方部のなす角度を所望の角度に調整
固定する角度調整手段を備えておくが、連結手段と角度
調整手段が同一の機構で構成されていてもよい。
【0025】具体的には、連結手段として、例えば、前
方部と後方部の対向端面の外周で対称位置に、ヒンジ機
構を備えておけば、このヒンジ機構を旋回軸にして、前
方部と後方部が自由に屈曲できる。このヒンジ機構に前
記したロータリエンコーダ等の旋回角度検知手段を設け
ておくことができる。但し、上記のような連結手段だけ
では、前方部と後方部の角度が決まらない。そこで、角
度調整手段が必要になる。角度調整手段としては、スク
リュージャッキや油空圧シリンダその他の伸縮機構を、
前方部と後方部の対向端面間で、外周の複数個所に備え
ておく。これら複数個所の伸縮機構の伸縮量を調整すれ
ば、前方部と後方部の端面間の距離が場所によって変わ
り、その結果、前方部と後方部の軸方向を任意の角度に
変向調整して固定することが可能になる。この伸縮機構
に、前記した変位センサ等の離間距離検知手段を組み込
んでおくことができる。スクリュージャッキ等の伸縮機
構であれば、ある程度の荷重を負担することも出来るの
で、角度調整手段が前記連結手段としての機能を果たす
こともできる。連結手段や角度調整手段としては、上記
以外にも、同様の機能を果たすことができれば、通常の
各種機械装置における連結構造や角度調整構造を組み合
わせて利用することが可能である。
【0026】角度調整手段の作動は、個々の推進支持体
毎に手動で操作するようにしてもよいが、角度調整手段
を電気あるいは油空圧で制御するようにして、連結され
て推進埋設される多数の推進支持体の角度調整手段を、
埋設孔の外部あるいは地上で、一括して作動制御するよ
うにしてもよい。このようにしておけば、埋設孔の直線
部分から曲線部分まで、施工位置毎に必要な角度で推進
支持体の前方部と後方部を屈曲させて、所望の軌跡を描
いて埋設管を敷設することができる。
【0027】推進支持体の両端、すなわち、前方部の前
端と後方部の後端には、推進支持体同士を連結固定する
剛連結部を設けておくのが好ましい。剛連結部は、通常
のボルトによるフランジ結合など、連結する両者を、互
いに屈曲しないように、剛体的に一体固定できる連結構
造であり、既知の推進工法に用いられている推進支持体
同士の連結手段と同様の構造が適用される。
【0028】推進支持体には、埋設管を保持固定する保
持固定手段を、前方部と後方部のそれぞれに設けてお
く。保持固定手段は、推進支持体の外周に埋設管を嵌挿
した状態で、埋設管の内面から保持固定して、推進時に
地盤から埋設管に加わる摩擦抵抗力等に対抗して、埋設
管を推進支持体に固定しておければよい。具体的には、
例えば、推進支持体の外周に、空気等の圧力媒体の供給
により膨張するゴム袋等からなる膨張体を設けておき、
この膨張体を膨張させて、埋設管の内面に押し当てるよ
うにすれば、膨張体と埋設管の間に作用する摩擦支持力
で、埋設管を膨張体に保持固定しておくことができる。
また、推進支持体の外周から埋設管側に機械的に移動し
て埋設管の内面を押圧する摩擦保持板を設けておいた
り、埋設管の内面に適当な係止凹凸部を設けておき、こ
の係止凹凸部に係合作動する係合部材を推進支持体に設
置しておいてもよい。その他、通常の機械装置における
保持構造あるいは固定構造を適用することができる。保
持固定手段のより具体的な構造は、本願発明者らが先に
発明し特許出願している特願昭63−298619号、
特願平1−183271号、特願平1−240408号
等に開示されている。
【0029】
【作用】前記した各種の曲線推進工法において、推進さ
れる埋設管列の屈曲個所毎に、その個所における前方部
と後方部との相対的な屈曲角度を検知できる屈曲角度検
知手段を備えておけば、個々の屈曲個所における屈曲角
度が検知できる。これらの屈曲角度の値を、例えば、出
発立坑の位置にある最後尾の埋設管から前方へと順次足
し合わせていけば、先導体あるいは任意の埋設管までの
総屈曲角度、すなわち、先導体あるいは埋設管の方向も
しくは姿勢が判る。また、各屈曲個所間の距離間隔と前
記屈曲角度とを順次平面上にプロットしていけば、埋設
管の最後尾から先導体までの推進位置と推進方向、すな
わち、実際の推進軌跡が全て判る。なお、埋設管列の屈
曲方向が、水平面内だけでなく、垂直方向にも屈曲する
場合でも、屈曲角度を水平垂直の両面方向について検知
して、その検出値を演算処理すれば、どの方向にいくら
の角度で屈曲しているのかを知ることができ、その結果
を足し合わせれば、三次元的な推進軌跡を知ることも可
能である。
【0030】上記のようにして検出できた先導体および
各埋設管の推進位置と予め設定された推進軌跡とを比較
して、目標とする推進軌跡と実際の推進位置とのズレを
修正するように、先導体または埋設管の推進方向を修正
制御すれば、先導体の推進方向あるいは埋設管の敷設経
路を正確に設定することができる。前記した屈曲角度の
検知は、先導体や埋設管列への推進力の印加、あるいは
土砂の排出等の作業とは全く関係なく独自に行うことが
できるので、推進工事を一時的に中断させることなく、
屈曲角度の検知すなわち先導体等の推進位置の検出、お
よび、目標とする推進軌跡との比較、さらには、推進方
向の修正を、推進作業と同時に連続的に行うことができ
る。
【0031】
【実施例】ついで、この発明の実施例を図面を参照しな
がら、以下に詳しく説明する。図1は、曲線推進工法の
施工状態を、地盤の水平断面について表している。ま
ず、先頭には先導体10が配置される。先導体10は、
外径が円筒状をなすとともに、先端部11が円錐状に尖
って内側に傾斜しており、この先端部11を地盤に突き
進めていく。先端部11の内側に取り込まれた土砂は、
先導体10の後方に送られ、最終的には立坑(図示せ
ず)から排出される。
【0032】先導体10の後方には、推進支持体20が
連結されている。推進支持体20は、定尺の鋼管等から
なる軸体状をなし、先端が先導体10の背後に、旋回可
能なヒンジ機構12で連結されている。推進支持体20
と先導体10は、外周の複数個所に設けられた伸縮自在
な伸縮機構14、14でも連結されている。伸縮機構1
4には、離間距離検知手段となる変位センサが組み込ま
れている。推進支持体20は、順次後方に連結され、推
進支持体20の最後尾は、出発立坑に達していて、元押
しジャッキ等の推進力付加手段に連結される。
【0033】第2図は、推進支持体20の構造を示し、
前方部20aと後方部20bが間に一定の隙間をあけて
配置され、両者がヒンジ機構30および角度調整手段4
0を介して一体に連結されている。前方部20aの前端
および後方部20bの後端には、外方に延びる円環状の
フランジ部24が設けられている。推進支持体20同士
を連結する際には、前記フランジ部24、24を合わせ
て、ボルト等で締結固定する。前方部20aと後方部2
0bの対面個所では、外周で直径方向の対向する位置に
ヒンジ機構30が設けられ、ヒンジ機構30と直交する
位置で、前方部20aおよび後方部20bの内面側には
角度調整手段となる伸縮シリンダ機構40が設けられて
いる。この伸縮シリンダ機構40にも、離間距離検知手
段となる変位センサが組み込まれている。前方部20a
および後方部20bの外周には、保持固定手段となるリ
ング状のゴムチューブからなる膨張機構50が設けられ
ている。膨張機構50は、前方部20aおよび後方部2
0bのそれぞれに対して、両端近くに一対づつ設けられ
ている。
【0034】ヒンジ機構30は、図4あるいは図5に示
すように、前方部20aから延長して一体に設けられた
ヒンジ板34と、後方部20bから延長して一体に設け
られたヒンジ板32とに、ヒンジピン36を嵌挿して一
体連結しており、ヒンジピン36の軸と直交する方向
に、前方部20aと後方部20bが旋回もしくは屈曲で
きるようになっている。
【0035】伸縮シリンダ機構40は、油圧もしくは空
圧で作動するシリンダ装置であり、シリンダ本体42
が、旋回自在な支持部46で前方部20aに支持され、
シリンダ本体42から突出作動するピストン軸43が、
旋回自在な支持部48で後方部20bに支持されてい
る。したがって、シリンダ本体42からピストン軸43
が出入りすることによって、前方部20aと後方部20
bを互いに遠ざけたり近づけたりする方向に力が作用す
る。このピストン軸43の移動量を、シリンダ装置に組
み込まれた変位センサで検知できるようになっている。
対向する2個所の伸縮シリンダ機構40のピストン軸4
3を互いに逆の方向に作動させると、前記したヒンジ機
構30で連結された前方部20aと後方部20bは、ヒ
ンジピン36を中心にして旋回し、推進支持体20が軸
方向の中央で屈曲することになる。
【0036】膨張機構50は、推進支持体20の外周を
取り囲むように、ゴム等の弾性材料からなるチューブ状
の膨張体52が設置されている。膨張体52は、推進支
持体20に取り付けられた支持枠54に内周側で取付固
定されている。なお、膨張体52には、圧力空気等の圧
力媒体を供給および排出するための給排部(図示せず)
が設けられている。給排部には、通常の圧力配管用のバ
ルブ等が取り付けられている。推進支持体20に備えた
複数の膨張体52は互いに圧力配管で連結しておいても
よい。但し、前方部20aと後方部20bにわたる圧力
配管は、推進支持体20が屈曲できるように、屈曲可能
な継手部を設けておいたり、可撓性配管で構成しておく
のが好ましい。また、前後に連結する推進支持体20の
膨張体52同士も圧力配管で連結しておくことができ
る。
【0037】図3は、埋設管60の構造を示している。
埋設管60は、前方部60aおよび後方部60bに分割
構成され、両者60a、60bの中間に可撓部64が挟
まれて配置されている。前方部60aおよび後方部60
bは、通常の埋設管と同様に、塩ビ管などで形成されて
いる。可撓部64は、ゴム等の弾力的に変形可能な材料
で構成されている。可撓部64と前方部60aおよび後
方部60bは、接着などの手段で一体接合されている。
したがって、埋設管60は、可撓部64の個所で屈曲で
きるようになっている。埋設管60の両端には、嵌合段
部66が形成されており、埋設管60同士を軸方向に連
結する際に、隣接する埋設管60の嵌合段部66に円筒
状のカラー68等を嵌合して、連結一体化させる。連結
面には、必要に応じて接着剤が塗布される。なお、この
実施例では、埋設管60同士の間で推進力等を伝達する
ことはないので、埋設管60同士の連結強度はそれほど
要求されないが、施工後に、埋設管60同士の連結部分
から地盤中の土砂や水が侵入しないように、連結部分を
確実に固定封止しておくのが好ましい。
【0038】上記のような埋設管60を、前記推進支持
体20の外周に嵌挿した状態で、膨張体52に圧力媒体
を導入すると、図4あるいは図5に示すように、膨張体
52が外周に向かって膨張し、膨張体52の外面が埋設
管60の内面に押し付けられることになる。膨張体52
から埋設管60に一定の圧力を加えておけば、膨張体5
2と埋設管60の間に摩擦支持力が発生するので、埋設
管60は軸方向にずれることなく、推進支持体20に確
実に保持固定されることになる。膨張体52に導入する
圧力空気の量もしくは圧力を変えれば、埋設管60に対
する押圧力すなわち保持固定力を調整することができ
る。膨張体52に導入された圧力空気を開放してしまえ
ば、埋設管60に対する保持固定は解除され、埋設管6
0から推進支持体20を抜き出すことができる。
【0039】なお、推進支持体20の前方部20aおよ
び後方部20bに設けられた膨張体52が、埋設管60
の前方部60aおよび後方部60bのそれぞれの内面に
当接するので、推進支持体20が屈曲したときには、推
進支持体20の屈曲状態にしたがって、埋設管60も屈
曲することになる。埋設管60の保持固定手段として、
上記のような膨張機構50を用いれば、膨張体52が弾
力的に埋設管60の内面に当接するので、埋設管60の
内面を傷つけたり変形させたりすることがなく、しか
も、確実に保持固定することができる。また、埋設管6
0の内径にバラツキや誤差があっても、膨張体52の弾
力的な変形によって吸収することができる。複雑な作動
機構がないので故障の可能性が少なく、圧力媒体の供給
を制御するだけで、簡単かつ確実に埋設管60の保持固
定および解除が行える。
【0040】以上に説明した推進支持体20および埋設
管60を用いる曲線推進工法について説明する。先導体
10を立坑の内側面から地盤内に推進させて埋設孔を形
成するのは、通常の推進工法と同様に行われる。先導体
10の後方には、ヒンジ機構12および伸縮機構14を
介して、推進支持体20を連結する。このとき、推進支
持体20の外周には、塩ビ管などからなる埋設管60を
嵌挿した後、推進支持体20の各膨張体52に圧力空気
を導入して膨張させ、推進支持体20に埋設管60を保
持固定させておく。
【0041】先導体10の後方に連結された推進支持体
20の最後尾に、立坑内の元押しジャッキから推進力を
加えれば、先導体10および推進支持体20は地盤内に
推進されていき、先導体10により埋設孔が形成され
る。推進支持体20に保持固定されている埋設管60
も、推進支持体20とともに埋設孔に推進埋設される。
推進支持体20の後端には、順次埋設管60を保持固定
した推進支持体20を継ぎ足していく。
【0042】つぎに、図1に示すように、先導体10で
曲線状の埋設孔を形成し、この曲線状の埋設孔に埋設管
60を推進埋設していく。まず、先導体10に備えた変
向手段等で、先導体10の推進方向を変える。図示した
実施例では、先導体10と推進支持体20を連結する伸
縮機構14の長さを変えて、先導体10を変向させてい
る。先導体10の進む方向が変わって、埋設孔が曲線状
になると、後続の推進支持体20および埋設管60の推
進方向も変向させなければならない。
【0043】そこで、図4に示すように、推進支持体2
0の伸縮シリンダ機構40を作動させて、前方部20a
と後方部20bの軸方向がなす角度を、曲線部分の曲率
に合わせて変える。伸縮シリンダ機構40が作動すれ
ば、伸縮シリンダ機構40に組み込まれた変位センサ
で、ピストン軸43の移動量、すなわち、伸縮シリンダ
機構40を取り付けた両端の支持部46、48間の離間
距離の変化が検知される。変位センサで得られた情報
は、通信ケーブル等を経て、地表に設置された演算処理
装置に入力される。埋設管60の前方部60aと後方部
60bは、それぞれ膨張機構50を介して推進支持体2
0の前方部20aおよび後方部20bに保持固定されて
いるので、埋設管60は、可撓部64が弾力的に伸縮変
形して、前方部60aと後方部60bのなす角度が変わ
る。このとき、可撓部64の直径方向で、一方側は引き
伸ばされ、反対側は押し縮められるように変形する。そ
の結果、埋設管60が可撓部64の個所で屈曲すること
になる。
【0044】中央部分が所定の角度で屈曲した推進支持
体20および埋設管60は、埋設孔の曲率にしたがって
スムーズに推進されていく。埋設孔の曲率を変更すると
きには、先導体10を変向させて推進方向を変えるとと
もに、推進支持体20も変向させて推進支持体20およ
び埋設管60の変向角度を順次調整する。このように、
推進支持体20および埋設管60の変向角度が任意に設
定できれば、埋設孔あるいは埋設管60の敷設経路の設
計が自由に行える。例えば、埋設管60の敷設経路を一
定角度変える場合に、直線部分から直ちに一定の曲率を
有する円弧状の曲線部分を経て目的とする方向の直線部
分につなげる従来の方法に代えて、直線部分から徐々に
曲率を増やしながら曲線部分に移行した後、今度は徐々
に曲率を小さくしながら目的とする方向の直線部分につ
なげるというような、極めて複雑な曲線状をなす埋設管
60の敷設経路の設計も容易に行える。
【0045】つぎに、前記した伸縮シリンダ機構40の
変位センサで得られた情報から、先導体10と推進支持
体20あるいは推進支持体20同士の屈曲角度を知る方
法について説明する。なお、推進支持体20の屈曲角度
が埋設管60の屈曲角度となることは言うまでもない。
図6は、推進支持体20の屈曲個所の構造を模式的に示
している。推進支持体20の内面に設けられた一対の伸
縮シリンダ機構40、40は、一方が伸びると他方が縮
まることになる。伸びた伸縮シリンダ機構40の支持部
46、48間の距離をL1 、縮んだ伸縮シリンダ機構4
0の支持部46、48間の距離をL2 とし、推進支持体
20の前方部20aと後方部20bの屈曲角度をθとす
ると、屈曲角度θは下式で表される。
【0046】 θ=2Sin-1{(L1 −L2 )/2D0 } …(1) ここで、D0 は上下の支持部46、46(または48、
48)間の直径距離である。D0 は、推進支持体20の
構造により決まった値であるから、対向する伸縮シリン
ダ機構40、40の伸縮量の差(L1 −L2 )を検知す
ることによって、この屈曲個所における屈曲角度θを算
出できることになる。
【0047】片側の伸縮シリンダ機構40の伸縮量L1
を検知するだけでも屈曲角度θは算出できる。すなわ
ち、ヒンジ機構30の支点から伸縮シリンダ機構40の
支持部46までの距離をP0 、ヒンジ機構30の支点お
よび推進支持体20の中心軸を結ぶ線から前記支持部4
6までの半径距離をR0 とすれば、屈曲角度θは下式で
表される。
【0048】 θ=π/2−{Cos-1(L1 /2P0 )+Cos-1(R0 /P0 )} …(2) なお、屈曲角度θの算出方法は、上記以外にも、推進支
持体20の構造によって決まる適当な個所の寸法と、前
記伸縮シリンダ機構40の伸縮量L1 、L2 から適当な
算出式を用いて求めることができる。勿論、ヒンジ機構
30における左右のヒンジ板32、34の相対的な旋回
角度を測定すれば、直接的に屈曲角度θが検知できる。
【0049】個々の屈曲個所i点における屈曲角度θi
が求められれば、この値と各屈曲個所間の距離Hi 、具
体的にはヒンジ機構30、30の回動中心間の距離か
ら、各埋設管60および先導体10の推進位置が確定で
きる。図7に示すように、出発立坑Vの側壁である埋設
孔の入口Eは正確な位置が判っているので、この部分に
存在する最後尾の推進支持体20から、前記屈曲個所間
の距離H1 を取り、その先端点で屈曲角度θ1 の方向に
次の距離H2 を取るというようにして、順次屈曲角度θ
i および屈曲個所間の距離Hi にしたがって推進軌跡を
プロットしていけば、全ての推進支持体20および先導
体10の推進位置が正確に判ることになる。なお、これ
らの集計演算は前記マイクロコンピュータ等の演算処理
装置で行えばよい。得られた現在の推進軌跡と目標とす
る推進軌跡とのズレから、目標とする推進軌跡に近づけ
るために必要な、先導体10の方向修正ジャッキの作動
量や、各推進支持体20の伸縮シリンダ機構40の作動
量を求めることができる。特に、この方法では、先導体
10の推進方向を修正制御するだけでなく、途中の各推
進支持体20の屈曲角度をも最適に制御することが可能
になる。
【0050】以上に説明した実施例の曲線推進工法によ
れば、まず、埋設管60は推進支持体20に保持固定さ
れているだけで、埋設管60自体で推進力を伝達する必
要がないので、埋設管60同士の端面にはほとんど外力
が作用しないことになる。しかも、埋設管60および推
進支持体20を、埋設孔の曲率に合わせて自由に変向も
しくは屈曲することができるので、曲線部分を施工する
際にも、埋設管60は極めてスムーズにかつ正確に曲線
状に敷設されていく。
【0051】そして、埋設管60の端面には局部的な応
力集中が発生する心配が全くないので、曲線推進工法の
際に、埋設管60が破損したり推進不可能になるといっ
た問題は完全に解消され、確実かつ迅速で安定した埋設
管60の敷設作業が行える。特に、従来の曲線推進工法
では、軸方向耐荷力に劣るために適用することが出来な
かった塩ビ管等にも曲線推進工法を適用することが可能
になり、曲線推進工法の適用範囲の拡大を図ることがて
きる。
【0052】しかも、この実施例では、推進支持体20
および埋設管60を、軸方向の途中に設けられた変向手
段あるいは可撓部で変向もしくは屈曲させるので、推進
支持体20同士の連結および埋設管60同士の連結は、
従来の通常の推進工法における単純な剛連結構造がその
まま採用でき、推進支持体20および埋設管60の連結
作業が容易で、施工能率が高く、曲線推進工法を適用す
ることによって全体の作業性を低下させることがない。
また、埋設管60の連結個所および可撓部の何れにも、
V字形の隙間が生じず、良好に封止された状態になるの
で、施工後の封止作業が不要になり、その結果、人間が
中に入ることの出来ない小口径管の曲線推進が可能にな
る。
【0053】つぎに、図7および図8には、前記実施例
とは一部異なる曲線推進工法を示している。図7に示す
ように、推進支持体120および埋設管160は、途中
に屈曲個所を設けず、全体が直線的な剛体状になってい
る。そして、推進支持体160の軸方向の両端を、着脱
自在なヒンジ機構30および伸縮機構140を介して先
導体10および別の推進支持体160と連結している。
したがって、この実施例では、推進支持体160の両端
の連結個所で曲線に沿って屈曲させることになる。
【0054】図8に伸縮機構140の構造を示してお
り、いわゆるスクリュージャッキ機構を構成している。
すなわち、左右のねじ切り方向が逆になったねじ軸42
と、ねじ軸42の左右端部近くにねじ込まれた筒状のナ
ット144、144と、筒状のナット144、144を
回動自在に支持して推進支持体20の内面に固定された
軸受板1146、146と、ねじ軸42の一端に取り付
けられて、ねじ軸42を回転駆動する駆動モータ148
を備えている。駆動モータ148は、推進支持体120
に対して、移動可能であるとともに回転駆動時の反力を
支持できるような状態で取り付けられている。
【0055】伸縮機構140の動作を説明する。駆動モ
ータ148を回転駆動すると、ねじ軸42に対して、両
側の筒状ナット144、144が互いに逆向きで軸方向
に相対的に移動する結果、筒状ナット144、144間
の距離が変わる。上下の伸縮機構140で、駆動モータ
148の回転方向を逆に設定すれば、上下の伸縮機構1
40の伸縮が逆になるので、左右の推進支持体120、
120が、ヒンジ機構30を中心にして屈曲することに
なる。
【0056】伸縮機構140には、離間距離検知手段と
して、ねじ軸142と筒状ナット144の相対的な変位
を検知する変位センサ、あるいは、駆動モータ148の
回転量を検知するロータリエンコーダ等を組み込んでお
けばよい。勿論、ヒンジ機構30の旋回角度を直接ロー
タリエンコーダ等で検出してもよい。埋設管160は、
前記同様の膨張機構50を介して推進支持体160に保
持固定されている。推進支持体120の連結個所が屈曲
すると、前後の埋設管160同士の間にV字形の隙間が
あくことになる。そこで、埋設管160の連結個所に
は、断面T字形のカラー70が装着されていて、前記V
字形の隙間を塞ぐようになっている。埋設管160の端
部には、外周に段部162が形成されていて、この段部
162にカラー70が嵌まり込み、カラー70の内面中
央に環状に突出するフランジ部72が、埋設管160の
端面に配置される。
【0057】上記した実施例の場合も、曲線推進工法の
手順は前記実施例とほぼ同様に行われる。但し、この実
施例では、施工後に、埋設管160とカラー70の継ぎ
目を封止しておくのが好ましい。
【0058】
【発明の効果】以上に述べた、この発明にかかる曲線推
進工法によれば、埋設管列の屈曲個所毎に設けられた角
度検知手段で、個々の屈曲個所における屈曲角度を検知
し、これを修正演算することによって、先導体または各
埋設管の位置を簡単かつ正確に知ることができるので、
その結果をもとにして、先導体または埋設管の推進方向
を制御することにより、高精度な曲線推進が可能にな
る。
【0059】特に、この発明では、従来のレーザ測量等
のように、推進作業を一時的に中断して、レーザ照射等
の測量作業を行う必要がなく、推進作業を実行しなが
ら、同時に屈曲角度の検知すなわち推進位置の測定が行
えるので、推進工事全体の作業性が非常に良好になると
ともに、推進方向のズレの発生と同時に、このズレを検
知して、直ちに修正制御することが可能である。
【0060】従来のレーザ測量等では、先導体の推進位
置は測量できても、個々の埋設管の推進位置すなわち埋
設管列全体の敷設状態を知ることは困難であったが、こ
の発明の方法であれば、推進作業進行中の埋設管列全体
の推進軌跡を正確かつ容易に知ることができ、その結
果、埋設管の敷設をより高精度に行うことが可能にな
る。また、従来のレーザ測量等では、測量が不可能であ
った曲率の大きな曲線部分でも、何ら問題なく推進位置
の検知が行えるので、曲線推進工法の適用範囲をより拡
大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例を示す施工状態の断面図
【図2】 推進支持体の一部切欠正面図
【図3】 埋設管の断面図
【図4】 推進支持体および埋設管の屈曲部分を示す拡
大断面図
【図5】 図4と直交する方向の拡大断面図
【図6】 屈曲角度の算出方法を示す模式的説明図
【図7】 推進軌跡の求め方を示す模式的説明図
【図8】 別の実施例を示す施工状態の断面図
【図9】 同上の要部拡大断面図
【符号の説明】
10 先導体 20 推進支持体 30 ヒンジ機構 40 変位センサ付伸縮シリンダ機構(角度検知手段) 50 膨張機構 60 埋設管

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先導体で曲線状の埋設孔を形成しながら
    埋設管を前記曲線状の埋設孔に沿って埋設する曲線推進
    工法において、推進される埋設管列の屈曲個所毎に、そ
    の個所における前方部と後方部との相対的な屈曲角度を
    検知できる屈曲角度検知手段を備えておき、この屈曲角
    度検知手段で検出された個々の屈曲個所における屈曲角
    度を集計演算することによって、先導体および各埋設管
    の位置を知り、この得られた位置情報をもとにして、先
    導体または埋設管の推進方向を制御することを特徴とす
    る曲線推進工法。
  2. 【請求項2】 屈曲角度検知手段として、屈曲個所にお
    ける円周方向の複数個所に、前方部と後方部の離間距離
    を検知する離間距離検知手段を備えておき、得られた離
    間距離の値から前方部と後方部との屈曲角度を算出する
    ようにする請求項1記載の曲線推進工法。
  3. 【請求項3】 屈曲量検知手段として、屈曲個所の前方
    部と後方部との連結支点に、前方部と後方部の相対的な
    旋回角度を検知する旋回角度検知手段を備えておく請求
    項1記載の曲線推進工法。
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