JPH0551790A - 加工後耐蝕性、塗装耐蝕性、耐穴明性及び端面防錆性に優れたZn−Cr−Ni−P系有機複合めつき鋼板 - Google Patents

加工後耐蝕性、塗装耐蝕性、耐穴明性及び端面防錆性に優れたZn−Cr−Ni−P系有機複合めつき鋼板

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JPH0551790A
JPH0551790A JP23113191A JP23113191A JPH0551790A JP H0551790 A JPH0551790 A JP H0551790A JP 23113191 A JP23113191 A JP 23113191A JP 23113191 A JP23113191 A JP 23113191A JP H0551790 A JPH0551790 A JP H0551790A
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JP
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concentration
corrosion resistance
steel sheet
plated steel
organic composite
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Toshio Odajima
壽男 小田島
Keitaro Shibata
敬大郎 柴田
Ikuo Kikuchi
郁夫 菊池
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工後耐蝕性、塗装耐蝕性、耐穴明性及び端
面防錆性に優れたZn−Cr−Ni−P系有機複合めっ
き鋼板を提供することにあり、車体防錆鋼板として最適
である。 【構成】 Cr濃度が2〜18%、Ni濃度が0.3〜
12%、P濃度が0.5%超〜5.0%以下で残りがZ
nからなるZn−Cr−Ni−P系合金電気めっき層を
有し、その上にクロメート層を有し、さらにその上に有
機皮膜を被覆したことを特徴とする加工後耐蝕性、塗装
耐蝕性、耐穴明性及び端面防錆性に優れた有機複合めっ
き鋼板である。ここで、Zn−Cr合金にNi及びPを
特定範囲で添加すると、Ni及びPはCrを固定し、一
部非晶質化することによりZn−Cr合金の耐蝕性を向
上すると同時にCr,Ni及びPの存在によって耐蝕性
及び有機複合めっき鋼板皮膜との密着性に優れた極めて
緻密なクロメート皮膜が形成される。その上に樹脂皮膜
を形成すると樹脂皮膜とクロメートは強固に結合し、優
れた性能を長時間維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加工後耐蝕性、塗装耐
蝕性、耐穴明性及び端面防錆性に優れた有機複合めっき
鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気亜鉛めっき鋼板や溶融めっき鋼板あ
るいは各種合金めっき鋼板は、自動車、家電用電化製
品、建材等に広く使用されている。こうした中で、近年
特に耐蝕性に優れた表面処理材料に対する要求が強くな
り、このような鋼板の需要は今後急速に増加する傾向に
ある。例えば家電業界では、省工程、コスト低減の観点
から、塗装を省略できる裸使用の可能な優れた耐蝕性を
有する鋼板に対する要求がある。例えば北米、北欧での
道路の凍結防止のため散布する岩塩による腐食環境に対
する安全上の観点から、優れた耐蝕性を有する表面処理
鋼板が強く要求されている。また、住宅業界を初め建築
業界では、建築構造物の寿命延長に対する要求から、表
面処理鋼板の大幅採用と、さらにその上に電着塗装(以
後ED塗装と呼ぶ)をすることが広がりつつある。これ
ら問題点を解決するために種々の検討がなされ、多くの
製品が開発されてきた。従来は鋼板の耐蝕性を向上する
ために亜鉛めっきが行われてきた。亜鉛めっき鋼板は、
亜鉛の犠牲防食作用によって鋼板の腐食を防止するもの
であり、耐蝕性を得ようとすれば、亜鉛付着量を増加し
なければならない。このため必要亜鉛量増加によるコス
トアップ、あるいは加工性、溶接性、生産性の低下等い
くつかの問題点がある。また、一般的に、亜鉛めっき鋼
板の塗料密着性は悪い。このような亜鉛めっき鋼板の、
特に耐蝕性を改善する方法として、各種合金めっき鋼板
の検討がなされ、例えばZn−Ni系、Zn−Ni−C
o系、Zn−Ni−Cr系、Zn−Fe系、Zn−Co
系、Zn−Mn系等をあげることができる。これら合金
めっきにより、通常の亜鉛めっき鋼板に比べ裸の耐蝕性
は約3〜5倍向上することが認められる。しかし、それ
でも長時間屋外に放置したり、水や塩水を噴霧すると白
錆や赤錆が発生し易いことが問題である。耐蝕性を改善
するためにめっきした後にクロメート処理を施す方法も
あり、かなり有効であるが、高温多湿化や塩分含有雰囲
気下では約100〜150時間で白錆が発生する。
【0003】一方、さらに耐蝕性を改善するために、亜
鉛系めっき鋼板のクロメート処理材に各種の樹脂を塗布
した、いわゆる簡易プレコート鋼板(以下、有機複合め
っき鋼板と呼ぶ)が開発され、車体防錆鋼板としてある
いは家電用耐蝕材料として各種分野に使用されている。
合金めっき鋼板の一例を示す。 特開昭63−243295号公報 (1)1重量%超から70重量%のクロム組成を持つ亜
鉛とクロムの共析めっき層を有する耐蝕性の優れた防錆
用鋼板。 (2)1重量%超から70重量%のクロム組成を持つ亜
鉛とクロムの共析めっき層とZn,Fe,Ni,Co,
Mn,Cr,Al,Mg,Si,Mo,Cu,Pb,S
n,Ti,Sb,Pから選ばれた1種または2種以上の
元素のめっき層とからなる複層めっきを有する耐蝕性の
優れた防錆用鋼板。 (3)クロムを1重量%超から70重量%含む亜鉛とク
ロムを主体とする共析めっき層中にさらにFe,Ni,
Co,Mn,Mo,Cu,Pb,Sn,Sb,Pから選
ばれた1種または2種以上の元素を総量で亜鉛、クロム
のいずれの重量含有率よりも小さい範囲で含有せしめた
亜鉛とクロムを主体とする共析めっき層を有する耐蝕性
の優れた防錆用鋼板。 (4)クロムを1重量%超から70重量%含む亜鉛とク
ロムを主体とする共析めっき層中にさらにFe,Ni,
Co,Mn,Mo,Cu,Pb,Sn,Sb,Pから選
ばれた1種または2種以上の元素を総量で亜鉛、クロム
のいずれの重量含有率よりも小さい範囲で含有せしめた
亜鉛とクロムを主体とする共析めっき層と、Zn,F
e,Ni,Co,Mn,Cr,Al,Mg,Si,M
o,Cu,Pb,Sn,Ti,Sb,Pから選ばれた1
種または2種以上の元素のめっき層とからなる複層めっ
きを有する耐蝕性の優れた防錆用鋼板。 上記に例示の合金めっき鋼板は従来の合金めっき鋼板に
対し裸耐蝕性は改善されているものの過酷な腐食環境下
での加工後の裸耐蝕性やED塗装後の耐蝕性、疵付部や
耐赤錆性などは不十分である。
【0004】また、クロメート処理鋼板の一例を示す。 特開平1−177386号公報 Cr5〜40%含有する亜鉛−クロムめっき層の表面に
クロメート皮膜を形成せしめたことを特徴とする亜鉛−
クロメート系電気めっき鋼板。上記に例示のクロメート
処理鋼板は合金めっき鋼板に比べ裸耐蝕性はさらに改善
されるが過酷な腐食環境下での加工後の裸耐蝕性やED
塗装耐蝕性、疵付部や耐赤錆性などは同様に不十分であ
る。次に有機複合めっき鋼板の一例を示す。 特開昭64−79382号公報 Cr5〜40%含有する亜鉛−クロム系めっき層の表面
にクロメート皮膜を形成し、更にその上層に樹脂層を形
成せしめた樹脂被覆亜鉛−クロム系電気めっき鋼板。 上記に例示の有機複合めっき鋼板は上述の合金めっき鋼
板やクロメート処理鋼板に比べ裸耐蝕性はさらに改善さ
れ、かつ、従来の有機複合めっき鋼板に比べ諸特性の向
上が見られるものの、極めて過酷な腐食環境下での加工
後の耐蝕性や疵付部及び端面の耐赤錆性は必ずしも充分
とは言えず、また、ED塗装耐蝕性は著しく劣る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし最近の傾向とし
て、自動車は益々過酷な腐食環境下にさらされることと
なり、自動車業界はこうした環境下で加工後優れた裸耐
蝕性、ED塗装耐蝕性及び耐穴明性を有し、かつ、疵付
部や端面の耐赤錆性に優れた車体防錆鋼板を強く求めて
いる。これに対し、有機複合めっき鋼板を製造するに際
し、下地に有機複合めっき鋼板にあっためっき層をほど
こすことにより上記課題をいずれも克服できることがわ
かった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、Cr濃度が2
%〜18%、Ni濃度が0.3%〜12%、P濃度が
0.5%超〜5.0%以下で、残りがZnからなるZn
−Cr−Ni−P系合金めっき層を下地にした加工後の
耐蝕性、塗装耐蝕性、耐穴明性及び端面防錆性に優れた
有機複合めっき鋼板である。
【0007】
【作用】以下作用とともに本発明を詳細に説明する。本
発明は、鋼板表面にZnを主成分としてCr,Ni,及
びPを特定の濃度に限定したZn−Cr−Ni−P系合
金めっきを施し、その上にクロメートを処理しさらにそ
の上に有機皮膜を被覆した有機複合めっき鋼板である。
以下に詳細を説明する。図1は、Zn−Cr系合金めっ
き鋼板において目付量を20g/m2に一定にし、Cr
濃度を種々変え、その上に市販の塗布クロメートをCr
が50mg/m2となるように処理し、さらにその上に
オレフィン/アクリル酸共重合体樹脂(100)−コロ
イダルシリカ(30)(重量部)の水系樹脂を1.5μ
塗布し乾燥して有機複合めっき鋼板を製造し、加工後の
裸耐蝕性を評価した結果を示す。また図2、図3及び図
4はZn−Cr−Ni−P系合金めっき鋼板において目
付量を20g/m2に一定にし、かつ、Cr,Ni及び
Pの濃度を種々変えその上に市販の塗布クロメートをC
rが50g/m2となるように処理し、さらにその上に
オレフィン/アクリル酸共重合体樹脂(100)−コロ
イダルシリカ(30)(重量部)の水系樹脂を1.5μ
塗布し乾燥して有機複合めっき鋼板を製造し、加工後の
裸耐蝕性を評価した結果を示す。加工は図17に示すよ
うに押しつけ荷重2tでビード加工を行い側面部の耐蝕
性を評価した。耐蝕性はJIS−Z−2371に準拠し
た塩水噴霧試験により(食塩水濃度5%、槽内温度35
℃、噴霧圧力2.0psi)8000時間後の赤錆発生
率を測定し、◎,○,△,×,××の5段階で評価し
た。 ◎ :赤錆発生率 0% ○ : 〃 0〜1% △ : 〃 1〜10% × : 〃 10〜50% ××: 〃 50%以上
【0008】図1から明らかなように、Zn−Cr系有
機複合めっき鋼板はCrの濃度が増えるにつれ加工後裸
耐蝕性は向上し、9%以上〜15%以下で最も良くなり
15%超で加工後裸耐蝕性は低下する。ここでCrが1
5%超で加工後裸耐蝕性が低下するのは15%超になる
とめっき層が硬くなりビード加工でめっき層が破壊され
るためと思われる。一方、図2から明らかなように、C
r濃度が2%以上〜18%以下で、Ni濃度が0.3%
以上〜12%以下で、かつ、P濃度が0.5%超〜5%
以下で極めて優れた加工後耐蝕性を示す。また、図3か
ら明らかなようにNi濃度が3%未満の領域では、Cr
濃度が4%以上〜14%以下で、かつ、P濃度が0.5
%超〜5%以下でやや優れた領域があるが、加工後の裸
耐蝕性は全体的に低い。また、図4から明らかなように
Ni濃度が12%超の領域ではCr濃度が4%以上〜1
0%以下で、かつ、P濃度が0.5%超〜5%以下にや
や加工後の耐蝕性の良い領域があるが、全体的にさらに
加工後の耐蝕性は劣る。ここで、Ni及びPを添加する
ことによりZn−Cr合金の加工後の耐蝕性が向上する
のはNi及びPはCrを固定し、一部非晶質化すること
によりZn−Cr合金の加工後の裸耐蝕性を著しく向上
すると同時にCr,Ni及びPの存在によって耐蝕性及
び有機皮膜との密着性に優れた極めて緻密なクロメート
皮膜が形成される。これら特殊なクロメート皮膜はZn
−Cr−Ni−P系合金の耐蝕性を著しく向上する。ま
た、その上に樹脂皮膜を形成すると樹脂皮膜とクロメー
ト皮膜は強固に結合し、特殊クロメート皮膜を保護し、
特殊クロメート皮膜の優れた性能を長時間維持する。こ
れら相乗効果によってZn−Cr−Ni−P系有機複合
めっき鋼板は極めて優れた加工後の裸耐蝕性を示す。ま
た、Niが12%超あるいはPが5%超で加工後耐蝕性
が低下するのはめっき層が脆くなるためと思われる。
【0009】次に図5に目付量を20g/m2(一定)
とし、かつ、Cr濃度を変えた場合のZn−Cr系有機
複合鋼板のED塗装耐蝕性の結果を示す。また、図6、
図7及び図8に目付量を20g/m2(一定)とし、か
つ、Cr,Ni及びPの濃度を変えた場合のZn−Cr
−Ni−P系有機複合めっき鋼板の同じくED塗装耐蝕
性の結果を示す。ED塗装耐蝕性はそれぞれの有機複合
めっき鋼板にED塗装し、カッターで塗膜にクロス状に
疵を入れ、耐蝕性を評価した。耐蝕性はJIS−Z−2
371に準拠した塩水噴霧試験により(食塩水濃度5
%、槽内温度35℃、噴霧圧力2.0psi)8000
時間後の腐食深さを測定し、◎,○,△,×,××の5
段階で評価した。 ◎ :最大腐食深さ 0〜0.05mm ○ : 〃 0.05〜0.1mm △ : 〃 0.1〜0.2mm × : 〃 0.2〜0.5mm ××: 〃 0.5mm以上
【0010】図5から明らかなようにZn−Cr系有機
複合めっき鋼板ではCrが増えるにつれED塗装耐蝕性
は向上し、6%以上でほぼ一定になる。これに対し、図
6から明らかなようにZn−Cr系にNi及びPを添加
するとED塗装耐蝕性は向上し、Cr濃度が2%以上〜
18%以下で、Ni濃度が0.3%以上〜12%以下
で、かつ、P濃度が0.5%超〜5.0%以下で極めて
優れたED塗装耐蝕性を示す。また、図7から明らかな
ようにNi濃度が0.3%未満ではCr濃度が4%以上
〜14%以下で、かつ、P濃度が0.5%超〜5%以下
でED塗装耐蝕性のやや良好な領域があるが、全体的に
ED塗装耐蝕性は低い。また、図8から明らかなように
Ni濃度が12%超の領域ではCr濃度が3.0%以上
〜10%以下で、かつ、P濃度が0.5%超〜5%以下
でややED塗装耐蝕性が良好の傾向があるが全体的にか
なり劣る。ここでNi及びPを添加することによりZn
−Cr系有機複合めっき鋼板のED塗装耐蝕性が著しく
向上するのはCr,Ni及びPの存在によって樹脂皮膜
との密着性に極めて優れた緻密なクロメート皮膜が形成
され、クロメート皮膜と有機皮膜とを強固に結合し、塗
膜下腐食を著しく抑制するためである。また、Niの濃
度が12%超あるいはPの濃度が5.0%超になるとE
D塗装耐蝕性が次第に低下するのは腐食の進行に伴いN
iあるいはPが濃縮し、めっき層と鋼板との自然電位の
逆転により赤錆が発生し易いことによるものと思われ
る。
【0011】次に図9に目付量を20g/m2(一定)
とし、かつ、Cr濃度を変えた場合のZn−Cr系有機
複合鋼板の耐穴明性の結果を示す。また、図10、図1
1及び図12に目付量を20g/m2(一定)とし、か
つ、Cr,Ni及びPの濃度を変えた場合のZn−Cr
−Ni−P系有機複合めっき鋼板の同じく耐穴明性の結
果を示す。耐穴明性は図18に示すように2枚の試験片
を0.5mmの隙間を作って合わせ、耐蝕性を評価し
た。耐蝕性はJIS−Z−2371に準拠した塩水噴霧
試験により(食塩水濃度5%、槽内温度35℃、噴霧圧
力2.0psi)8000時間後の腐食深さを測定し、
◎,○,△,×,××の5段階で評価した。 ◎ :最大腐食深さ 0〜0.05mm ○ : 〃 0.05〜0.1mm △ : 〃 0.1〜0.2mm × : 〃 0.2〜0.5mm ××: 〃 0.5mm以上
【0012】図9から明らかなようにZn−Cr系有機
複合めっき鋼板ではCrが増えるにつれ耐穴明性は向上
し、6%以上でほぼ一定になる。これに対し、図10か
ら明らかなようにZn−Cr系にNi及びPを添加する
と耐穴明性は向上し、Cr濃度が2%以上〜18%以下
で、Ni濃度が0.3%以上〜12%以下で、かつ、P
濃度が0.5%超〜5.0%以下で極めて優れた耐穴明
性を示す。また、図11から明らかなようにNi濃度が
0.3%未満の領域ではCr濃度が4%以上〜14%以
下で、かつ、P濃度が0.5%超〜5%以下で比較的良
好な結果を示すが、全体的に耐穴明性は劣る。また、図
12から明らかなようにNi濃度が12%超の領域では
Cr濃度が2%以上〜10%以下で、かつ、P濃度が
0.5%超〜5%以下で耐穴明性のやや良好な領域があ
るが、全体の傾向としてかなり劣る。ここで、Ni及び
Pを添加することによりZn−Cr−Ni−P系有機複
合めっき鋼板の耐穴明性が著しく向上するのはNi及び
PはCrを固定し、一部非晶質化することによりめっき
層の耐蝕性を著しく向上すると同時にCr,Ni,Pの
存在によって耐蝕性及び樹脂皮膜との密着性に優れた極
めて緻密なクロメート皮膜が形成され、樹脂皮膜とクロ
メート皮膜が強固に結合することにより塗膜下腐食も極
力抑制されるためと思われる。また、Niの添加量が1
2%超あるいはPの添加量が5.0%超になると耐穴明
性が次第に低下するのは腐食の進行に伴いNiあるいは
Pが濃縮し、めっき層と鋼板との自然電位の逆転により
赤錆が発生し易いことによるものと思われる。
【0013】次に図13に目付量を20g/m2(一
定)とし、かつ、Cr濃度を変えた場合のZn−Cr系
有機複合めっき鋼板の端面防錆性の結果を示す。また、
図14、図15及び図16に目付量を20g/m2(一
定)とし、かつ、Cr,Ni及びPの濃度を変えた場合
のZn−Cr−Ni−P系有機複合めっき鋼板の同じく
端面防錆性の結果を示す。端面防錆性は図19に示すよ
うに試験片を正逆方向から円形にうちぬきED塗装して
耐蝕性を評価した。耐蝕性はJIS−Z−2371に準
拠した塩水噴霧試験により(食塩水濃度5%、槽内温度
35℃、噴霧圧力2.0psi)7000時間後の円形
部の内面の端面部の赤錆発生率を測定して◎,○,△,
×,××の5段階で評価した。 ◎ :赤錆発生率 0% ○ : 〃 0%〜5% △ : 〃 5%〜10% × : 〃 10%〜50% ××: 〃 50%以上
【0014】図13から明らかなようにZn−Cr系有
機複合めっき鋼板ではCrが増えるにつれ端面防錆性は
向上し、6%以上でほぼ一定になる。これに対し、図1
4から明らかなようにZn−Cr系にNi及びPを添加
すると端面防錆性は著しく向上し、Cr濃度が2%以上
〜18%以下で、Ni濃度が0.3%以上〜12%以下
で、かつ、P濃度が0.5%超〜5%以下で極めて優れ
た端面防錆性を示す。また、図15から明らかなように
Ni濃度が0.3%未満の領域ではCr濃度が4%以上
〜14%以下で、かつ、P濃度が0.5%超〜5%以下
でやや端面防錆性の良好な領域があるが、全体的に端面
防錆性は劣る傾向にある。また、図16から明らかなよ
うにNi濃度が12%超の領域ではCr濃度が2%以上
〜10%以下で、かつ、Pの濃度が0.5%以上〜5%
以下で一部良好な傾向を示すが、全体的に端面防錆性は
劣る。ここで、Ni及びPを添加すると端面防錆性が向
上するのはNi及びPはCrを固定し、一部非晶質化す
ることによりZn−Cr−Ni系合金の耐蝕性を向上
し、犠牲防食作用を長期間維持するとともにCr,Ni
及びPの存在によって樹脂皮膜との密着力に優れた極め
て緻密なクロメート皮膜が形成されるため、クロメート
皮膜と樹脂皮膜は強固に結合し、塗膜下腐食の進行を極
力押さえるためである。また、Niの添加量が12%超
あるいは、また、Pの添加量が5.0%超になると端面
防錆性が次第に低下するのは腐食の進行に伴い、Niあ
るいはPが濃縮し腐食部の自然電位が貴に移動し、Fe
の自然電位に近ずくためめっき層の犠牲防食作用が弱ま
り赤錆が発生し易く端面防錆性は低下するものと思われ
る。
【0015】以上の結果から明らかなように、有機複合
めっき鋼板を製造するに際し下地にZn−Cr−Ni−
P系合金めっき鋼板を用いCr,Ni及びPの濃度を特
定の範囲に限定し、その上にクロメート処理し有機被覆
することにより加工後耐蝕性、ED塗装耐蝕性、耐穴明
性及び端面防錆性に極めて優れた有機複合めっき鋼板を
製造できることを見出した。このことから本発明では有
機複合めっき鋼板の製造に際し、Cr濃度を2%以上〜
18%以下、Ni濃度を0.3%以上〜12%以下、P
濃度が0.5%超〜5.0%以下で残りがZnからなる
Zn−Cr−Ni−Pの四元系合金めっきを下地としそ
の上にクロメート処理し、有機皮膜を被覆することとす
る。ここで有機複合めっき鋼板を製造するに際し用いる
クロメート処理は塗布型クロメート、反応型クロメート
あるいは電解型クロメートいずれでもよい。また、被覆
する有機皮膜は水系あるいは溶剤系いずれの樹脂でも使
用することが出来る。使用するZn−Cr−Ni−P系
合金めっきの付着量は特に限定しないが、好ましくは1
0〜30g/m2が望ましい。10m/m2以下では特に
激しい腐食環境下では耐蝕性等特性が充分確保出来ない
場合があり、また、30g/m2以上では耐蝕性は充分
すぎるほど確保されることから経済的な面からあえてそ
れ以上付着する必要はない。また、クロメート皮膜の付
着量は10〜150mg/m2が望ましい。10mg/
2以下ではめっき層に対する被覆が不十分であり、有
機皮膜との密着性が充分確保されない。150mg/m
2以上ではクロメート皮膜自身緻密な皮膜が形成されに
くく破壊されやすく有機皮膜との密着性が低下するため
である。また、クロメート皮膜の上層にある有機皮膜は
0.5〜3.0g/m2が望ましい。0.5g/m2以下
では下地に対する被覆が不十分で有機皮膜の最も大きな
役割であるクロメート皮膜を保護する機能を充分発揮す
ることができない。3.0g/m2以上では特に特性は
そのまま充分確保されるため経済的にあえてそれ以上膜
厚を確保する必要はない。
【0016】以下実施例について説明する。
【実施例】
実施例1 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が6%、Ni
濃度が0.5%、P濃度が0.7%のZn−Cr−Ni
−Pの四元系合金電気めっきし、その上にCr付着量が
45mg/m2となるように塗布型クロメート処理し、
さらにその上に水系のオレフィン/アクリル酸共重合体
樹脂(100)−コロイダルシリカ(35)(重量部)
を乾燥後1.0μとなるように塗布して有機複合めっき
鋼板を製造した。 実施例2 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が10%、N
i濃度が0.8%、P濃度が1.5%のZn−Cr−N
i−Pの四元系合金電気めっきし、その上にCr付着量
が65mg/m2となるように反応型クロメート処理
し、さらにその上に水系のオレフィン/アクリル酸共重
合体樹脂(100)−コロイダルシリカ(25)(重量
部)を乾燥後1.8μとなるように塗布して有機複合め
っき鋼板を製造した。 実施例3 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が12%、N
i濃度が4.0%、P濃度2.0%のZn−Cr−Ni
−Pの四元系合金電気めっきし、その上にCr付着量が
85mg/m2となるように電解型クロメート処理し、
さらにその上に水系のオレフィン/アクリル酸共重合体
樹脂(100)−コロイダルシリカ(40)(重量部)
を乾燥後0.9μとなるように塗布して有機複合めっき
鋼板を製造した。
【0017】実施例4 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が15%、N
i濃度が8.0%、P濃度が4.0%のZn−Cr−N
i−Pの四元系合金電気めっきし、その上にCr付着量
が55mg/m2となるように塗布型クロメート処理
し、さらにその上に水系のポリアクリル酸共重合体樹脂
(100)−コロイダルシリカ(20)(重量部)を乾
燥後1.8μとなるように塗布して有機複合めっき鋼板
を製造した。 実施例5 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が9%、Ni
濃度が10.0%、P濃度が4.8%のZn−Cr−N
i−Pの四元系合金電気めっきし、その上にCr付着量
が50mg/m2となるように塗布型クロメート処理
し、さらにその上に溶剤系のエポキシ系樹脂(100)
−アエロジル(30)(重量部)を乾燥後1.0μとな
るように塗布して有機複合めっき鋼板を製造した。 実施例6 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が13%、N
i濃度が1.7%、P濃度が3.0%のZn−Cr−N
i−Pの四元系合金電気めっきし、その上にCr付着量
が80mg/m2となるように電解型クロメート処理
し、さらにその上に水系のエポキシ系樹脂(100)−
コロイダルシリカ(30)(重量部)を乾燥後1.2μ
となるように塗布して有機複合めっき鋼板を製造した。
【0018】比較例1 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が12%のZ
n−Crの二元系合金電気めっきし、その上にCr付着
量が50mg/m2となるように反応型クロメート処理
し、さらにその上にポリアクリル酸エステル共重合体樹
脂(100)−コロイダルシリカ(40)(重量部)を
乾燥後1.1μとなるように塗布して有機複合めっき鋼
板を製造した。 比較例2 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が1%、Ni
濃度が0.2%、P濃度が0.4%のZn−Cr−Ni
−Pの四元系合金電気めっきし、その上にCr付着量が
55mg/m2となるように塗布型クロメート処理し、
さらにその上にスチレン−アクリル酸共重合体樹脂(1
00)−コロイダルシリカ(30)(重量部)を乾燥後
1.5μとなるように塗布して有機複合めっき鋼板を製
造した。 比較例3 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が1.5%、
Ni濃度が0.2%、P濃度が1.4%のZn−Cr−
Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にCr付着
量が75mg/m2となるように電解型クロメート処理
し、さらにその上にエチレン−アクリル酸共重合体樹脂
(100)−コロイダルシリカ(30)(重量部)を乾
燥後1.3μとなるように塗布して有機複合めっき鋼板
を製造した。
【0019】比較例4 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が1.2%、
Ni濃度が0.2%、P濃度が5.4%のZn−Cr−
Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にCr付着
量が85mg/m2となるように電解型クロメート処理
し、さらにその上にエチレン−アクリル酸共重合体樹脂
(100)−コロイダルシリカ(30)(重量部)を乾
燥後1.3μとなるように塗布して有機複合めっき鋼板
を製造した。 比較例5 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が1.0%、
Ni濃度が1.2%、P濃度が0.4%のZn−Cr−
Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にCr付着
量が60mg/m2となるように電解型クロメート処理
し、さらにその上にエチレン−アクリル酸共重合体樹脂
(100)−コロイダルシリカ(30)(重量部)を乾
燥後1.3μとなるように塗布して有機複合めっき鋼板
を製造した。 比較例6 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が1.4%、
Ni濃度が3.2%、P濃度が2.4%のZn−Cr−
Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にCr付着
量が60mg/m2となるように電解型クロメート処理
し、さらにその上にエチレン−アクリル酸共重合体樹脂
(100)−コロイダルシリカ(30)(重量部)を乾
燥後1.3μとなるように塗布して有機複合めっき鋼板
を製造した。
【0020】比較例7 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が1.7%、
Ni濃度が9.0%、P濃度が6.4%のZn−Cr−
Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にCr付着
量が45mg/m2となるように塗布型クロメート処理
し、さらにその上にスチレン−アクリル酸共重合体樹脂
(100)−コロイダルシリカ(30)(重量部)を乾
燥後1.3μとなるように塗布して有機複合めっき鋼板
を製造した。 比較例8 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が1.0%、
Ni濃度が13.5%、P濃度が0.3%のZn−Cr
−Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にCr付
着量が60mg/m2となるように塗布型クロメート処
理し、さらにその上にスチレン−アクリル酸共重合体樹
脂(100)−コロイダルシリカ(35)(重量部)を
乾燥後1.1μとなるように塗布して有機複合めっき鋼
板を製造した。 比較例9 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が1.8%、
Ni濃度が14.0%、P濃度が3.5%のZn−Cr
−Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にCr付
着量が65mg/m2となるように電解型クロメート処
理し、さらにその上にエチレン−アクリル酸共重合体樹
脂(100)−コロイダルシリカ(20)(重量部)を
乾燥後1.5μとなるように塗布して有機複合めっき鋼
板を製造した。
【0021】比較例10 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が1.3%、
Ni濃度が15.5%、P濃度が5.8%のZn−Cr
−Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にCr付
着量が45mg/m2となるように塗布型クロメート処
理し、さらにその上にエチレン−アクリル酸共重合体樹
脂(100)−コロイダルシリカ(30)(重量部)を
乾燥後1.1μとなるように塗布して有機複合めっき鋼
板を製造した。 比較例11 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が6.7%、
Ni濃度が0.2%、P濃度が0.4%のZn−Cr−
Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にCr付着
量が50mg/m2となるように塗布型クロメート処理
し、さらにその上にスチレン−アクリル酸共重合体樹脂
(100)−コロイダルシリカ(30)(重量部)を乾
燥後1.5μとなるように塗布して有機複合めっき鋼板
を製造した。 比較例12 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が12.7
%、Ni濃度が0.25%、P濃度が2.4%のZn−
Cr−Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にC
r付着量が50mg/m2となるように塗布型クロメー
ト処理し、さらにその上にエチレン−アクリル酸共重合
体樹脂(100)−コロイダルシリカ(30)(重量
部)を乾燥後1.1μとなるように塗布して有機複合め
っき鋼板を製造した。
【0022】比較例13 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が16.8
%、Ni濃度が0.15%、P濃度が5.7%のZn−
Cr−Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にC
r付着量が60mg/m2となるように反応型クロメー
ト処理し、さらにその上にエチレン−アクリル酸共重合
体樹脂(100)−コロイダルシリカ(35)(重量
部)を乾燥後1.8μとなるように塗布して有機複合め
っき鋼板を製造した。 比較例14 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が12.8
%、Ni濃度が10.0%、P濃度が0.3%のZn−
Cr−Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にC
r付着量が95mg/m2となるように電解型クロメー
ト処理し、さらにその上にスチレン−アクリル酸共重合
体樹脂(100)−コロイダルシリカ(40)(重量
部)を乾燥後1.9μとなるように塗布して有機複合め
っき鋼板を製造した。 比較例15 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が15.0
%、Ni濃度が10.5%、P濃度が5.8%のZn−
Cr−Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にC
r付着量が45mg/m2となるように反応型クロメー
ト処理し、さらにその上にエチレン−アクリル酸共重合
体樹脂(100)−コロイダルシリカ(28)(重量
部)を乾燥後1.4μとなるように塗布して有機複合め
っき鋼板を製造した。
【0023】比較例16 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が6.7%、
Ni濃度が14.0%、P濃度が0.2%のZn−Cr
−Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にCr付
着量が55mg/m2となるように塗布型クロメート処
理し、さらにその上にエチレン−アクリル酸共重合体樹
脂(100)−コロイダルシリカ(35)(重量部)を
乾燥後0.9μとなるように塗布して有機複合めっき鋼
板を製造した。 比較例17 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が12.0
%、Ni濃度が15.0%、P濃度が3.8%のZn−
Cr−Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にC
r付着量が45mg/m2となるように反応型クロメー
ト処理し、さらにその上にエチレン−アクリル酸共重合
体樹脂(100)−コロイダルシリカ(25)(重量
部)を乾燥後1.4μとなるように塗布して有機複合め
っき鋼板を製造した。 比較例18 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が16.8
%、Ni濃度が14.5%、P濃度が6.1%のZn−
Cr−Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にC
r付着量が70mg/m2となるように電解型クロメー
ト処理し、さらにその上にポリエステル樹脂(100)
−コロイダルシリカ(35)(重量部)を乾燥後1.2
μとなるように塗布して有機複合めっき鋼板を製造し
た。
【0024】比較例19 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が18.8
%、Ni濃度が0.25%、P濃度が0.4%のZn−
Cr−Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にC
r付着量が85mg/m2となるように電解型クロメー
ト処理し、さらにその上にスチレン−アクリル酸共重合
体樹脂(100)−コロイダルシリカ(30)(重量
部)を乾燥後0.9μとなるように塗布して有機複合め
っき鋼板を製造した。 比較例20 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が20.0
%、Ni濃度が0.20%、P濃度が3.4%のZn−
Cr−Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にC
r付着量が55mg/m2となるように塗布型クロメー
ト処理し、さらにその上にスチレン−アクリル酸共重合
体樹脂(100)−コロイダルシリカ(40)(重量
部)を乾燥後1.9μとなるように塗布して有機複合め
っき鋼板を製造した。 比較例21 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が21.5
%、Ni濃度が0.15%、P濃度が5.8%のZn−
Cr−Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にC
r付着量が45mg/m2となるように反応型クロメー
ト処理し、さらにその上にポリエステル樹脂(100)
−コロイダルシリカ(40)(重量部)を乾燥後1.2
μとなるように塗布して有機複合めっき鋼板を製造し
た。
【0025】比較例22 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が19.5
%、Ni濃度が1.55%、P濃度が0.4%のZn−
Cr−Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にC
r付着量が55mg/m2となるように塗布型クロメー
ト処理し、さらにその上にポリエステル樹脂(100)
−コロイダルシリカ(30)(重量部)を乾燥後1.5
μとなるように塗布して有機複合めっき鋼板を製造し
た。 比較例23 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が20.5
%、Ni濃度が7.50%、P濃度が3.4%のZn−
Cr−Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にC
r付着量が75mg/m2となるように電解型クロメー
ト処理し、さらにその上にスチレン−アクリル酸共重合
体樹脂(100)−コロイダルシリカ(35)(重量
部)を乾燥後1.1μとなるように塗布して有機複合め
っき鋼板を製造した。 比較例24 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が21.5
%、Ni濃度が11.5%、P濃度が6.4%のZn−
Cr−Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にC
r付着量が65mg/m2となるように塗布型クロメー
ト処理し、さらにその上にスチレン−アクリル酸共重合
体樹脂(100)−コロイダルシリカ(25)(重量
部)を乾燥後1.0μとなるように塗布して有機複合め
っき鋼板を製造した。
【0026】比較例25 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が22.0
%、Ni濃度が13.5%、P濃度が0.4%のZn−
Cr−Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にC
r付着量が65mg/m2となるように反応型クロメー
ト処理し、さらにその上にエチレン−アクリル酸共重合
体樹脂(100)−コロイダルシリカ(25)(重量
部)を乾燥後1.2μとなるように塗布して有機複合め
っき鋼板を製造した。 比較例26 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が19.8
%、Ni濃度が14.5%、P濃度が2.4%のZn−
Cr−Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にC
r付着量が85mg/m2となるように電解型クロメー
ト処理し、さらにその上にスチレン−アクリル酸共重合
体樹脂(100)−コロイダルシリカ(30)(重量
部)を乾燥後1.7μとなるように塗布して有機複合め
っき鋼板を製造した。 比較例27 めっき付着量が20g/m2で、Cr濃度が20.8
%、Ni濃度が14.0%、P濃度が6.0%のZn−
Cr−Ni−Pの四元系合金電気めっきし、その上にC
r付着量が45mg/m2となるように塗布型クロメー
ト処理し、さらにその上にスチレン−アクリル酸共重合
体樹脂(100)−コロイダルシリカ(35)(重量
部)を乾燥後1.4μとなるように塗布して有機複合め
っき鋼板を製造した。
【0027】実施例1〜6及び比較例1〜27で得られ
た有機複合めっき鋼板について、加工後耐蝕性、塗装耐
蝕性、耐穴明性及び端面防錆性を調査した結果を表1に
示す。加工後耐蝕性、塗装耐蝕性及び端面防錆性の試験
方法は前述した通りである。表1から明らかなように、
本発明の各実施例は比較例に比べ極めて優れている。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】以上説明したごとく本発明によれば、極
めて優れた加工後耐蝕性、塗装耐蝕性、耐穴明性及び端
面防錆性を同時に兼ね備えた表面処理鋼板が得られ、自
動車、家電製品、建材等の品質及び耐用年数の向上に資
するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】Zn−Cr系有機複合めっき鋼板におけるCr
濃度を変えた場合の加工後耐蝕性を示す図面、
【図2】Zn−Cr−Ni−P系有機複合めっき鋼板の
Cr,Ni及びPの濃度を変えた場合の加工後耐蝕性の
結果を示す図面、
【図3】同、Zn−Cr−Ni−P系有機複合めっき鋼
板のCr,Ni(0.3%未満)及びPの濃度を変えた
場合の加工後耐蝕性の結果を示す図面、
【図4】同、Zn−Cr−Ni−P系有機複合めっき鋼
板のCr,Ni(12%超)及びPの濃度を変えた場合
の加工後耐蝕性の結果を示す図面、
【図5】Zn−Cr系有機複合めっき鋼板におけるCr
濃度を変えた場合のED塗装耐蝕性の結果を示す図面、
【図6】Zn−Cr−Ni−P系有機複合めっき鋼板の
Cr,Ni及びPの濃度を変えた場合のED塗装耐蝕性
の結果を示す図面、
【図7】同、Zn−Cr−Ni−P系有機複合めっき鋼
板のCr,Ni(0.3%未満)及びPの濃度を変えた
場合のED塗装耐蝕性の結果を示す図面、
【図8】同、Zn−Cr−Ni−P系有機複合めっき鋼
板のCr,Ni(12%超)及びPの濃度を変えた場合
のED塗装耐蝕性の結果を示す図面、
【図9】Zn−Cr系有機複合めっき鋼板におけるCr
濃度を変えた場合の耐穴明性の結果を示す図面、
【図10】Zn−Cr−Ni−P系有機複合めっき鋼板
のCr,Ni及びPの濃度を変えた場合の耐穴明性の結
果を示す図面、
【図11】同、Zn−Cr−Ni−P系有機複合めっき
鋼板のCr,Ni(0.3%未満)及びPの濃度を変え
た場合の耐穴明性の結果を示す図面、
【図12】同、Zn−Cr−Ni−P系有機複合めっき
鋼板のCr,Ni(12%超)及びPの濃度を変えた場
合の耐穴明性の結果を示す図面、
【図13】Zn−Cr系有機複合めっき鋼板におけるC
r濃度を変えた場合の端面防錆性の結果を示す図面、
【図14】Zn−Cr−Ni−P系有機複合めっき鋼板
のCr,Ni及びPの濃度を変えた場合の端面防錆性の
結果を示す図面、
【図15】同、Zn−Cr−Ni−P系有機複合めっき
鋼板のCr,Ni(0.3%未満)及びPの濃度を変え
た場合の端面防錆性の結果を示す図面、
【図16】同、Zn−Cr−Ni−P系有機複合めっき
鋼板のCr,Ni(12%超)及びPの濃度を変えた場
合の端面防錆性の結果を示す図面、
【図17】ビード加工材の形状及び耐蝕性測定位置を示
す図面、
【図18】耐穴明性測定用試験片を示す図面、
【図19】端面防錆試験用の打ち抜き試験片の外観を示
す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr濃度が2〜18%、Ni濃度が0.
    3%〜12%、P濃度が0.5%超〜5.0%以下で残
    りがZnからなるZn−Cr−Ni−P系合金電気めっ
    き層を有し、その上にクロメート層を有し、さらにその
    上に有機樹脂を被覆したことを特徴とする加工後耐蝕
    性、塗装耐蝕性、耐穴明性及び端面防錆性に優れた有機
    複合めっき鋼板。
JP23113191A 1991-08-20 1991-08-20 加工後耐蝕性、塗装耐蝕性、耐穴明性及び端面防錆性に優れたZn−Cr−Ni−P系有機複合めつき鋼板 Withdrawn JPH0551790A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1016739A2 (en) * 1998-12-14 2000-07-05 Nikko Materials Company, Limited Copper foil having glossy surface with excellent oxidation resistance and method of manufacturing the same

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1016739A2 (en) * 1998-12-14 2000-07-05 Nikko Materials Company, Limited Copper foil having glossy surface with excellent oxidation resistance and method of manufacturing the same
EP1016739A3 (en) * 1998-12-14 2004-04-07 Nikko Materials Company, Limited Copper foil having glossy surface with excellent oxidation resistance and method of manufacturing the same

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