JPH0551560A - 湿気硬化型ホツトメルト接着剤組成物 - Google Patents

湿気硬化型ホツトメルト接着剤組成物

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JPH0551560A
JPH0551560A JP21521691A JP21521691A JPH0551560A JP H0551560 A JPH0551560 A JP H0551560A JP 21521691 A JP21521691 A JP 21521691A JP 21521691 A JP21521691 A JP 21521691A JP H0551560 A JPH0551560 A JP H0551560A
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JP
Japan
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weight
group
parts
adhesive composition
formula
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Application number
JP21521691A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Oguchi
善之 大口
Tomomoto Toda
智基 戸田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗布後、湿気により化学架橋して最終的に高
い凝集力と接着力を示し、更に熔融粘度を安定化すると
同時に、発泡による外観不良や接着不良を抑止できるア
クリル系湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を提供す
る。 【構成】 アクリル酸n−ブチル85重量部、メタクリル
酸メチル15重量部、重合性ポリマーとしての2-ポリスチ
リルエチルメタクリレート10重量部及び重合性アルコキ
シシリル化合物としての3-メタクリロイルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン0.12重量部とからなるラジカル共
重合体 100重量部に、アルコキシシリル基を有する化合
物としての3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキ
シシラン 0.3重量部とイソシアネート化合物としてのオ
クタデシルイソシアネート 1.0重量部とを配合してなる
上記組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリル系の湿気硬化
型ホットメルト接着剤組成物に関し、特に、熱熔融時の
粘度安定性と接着固化後の接着強度及び高温における凝
集力に優れた湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系接着剤は、接着力や凝集力等
の接着性能及び耐候性、透明性、耐油性等において優れ
ているため、種々の用途に幅広く用いられている。
【0003】現在用いられているアクリル系接着剤とし
ては、溶剤系のものあるいはエマルジョン型のものが主
流である。しかしながら、無溶剤型の接着剤に対する要
求が高まるにつれて、アクリル系接着剤をホットメルト
接着剤として用いようとする試みがなされている。
【0004】例えば、特開昭59−75975 号公報には、
(メタ) アクリル酸アルキルエステルに対し、十分高い
ガラス転移点Tgを有する重合性ポリマー(所謂マクロ
モノマー)をグラフト共重合させた接着剤組成物が提案
されている。
【0005】この先行技術では、軟らかいアクリル系主
鎖に対し硬いグラフト側鎖を結合することにより、アク
リル主鎖とグラフト側鎖のミクロ相分離構造を利用した
物理的な架橋によって常温付近における接着強度及び凝
集力を高めるものである。しかしながら、上記組成物で
は強度を高めるための架橋が物理的な架橋のみであるた
め、高温における凝集力が十分でないという欠点があっ
た。
【0006】上記の問題点を解決するために、本発明者
らは(メタ)アクリル酸アルキルエステルに対しマクロ
モノマーとアルコキシシランとを共重合させることで、
湿気により化学的架橋を起こし、最終的な接着強度や高
温時における凝集力を高め、更に上記の共重合体にイソ
シアネート化合物を配合し、熱熔融時の増粘、ゲル化を
抑えた湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物を提
案し、特願平2−57634で出願中である。
【0007】上記の共重合体に配合されたイソシアネー
ト化合物は脱水剤として作用し、共重合体中に存在した
り、熱熔融時に外部から侵入してくる微量の水分と反応
して尿素誘導体と二酸化炭素を生成する。この反応は共
重合体中のアルコキシシリル基の水による架橋反応より
も速く進行するため、熱熔融時の粘度安定性が付与され
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
脱水過程で発生する二酸化炭素は接着剤組成物内部で拡
散しにくく、外部に散逸しにくいため気泡を生ずること
となる。この気泡は外見上好ましくないばかりでなく、
発泡の程度が著しい場合には接着界面における界面剥離
の原因となり、ひいてはシール性をはじめとする接着性
能の低下をもたらすこととなる。
【0009】更に、イソシアネート化合物を配合した場
合、数時間以上にわたり加熱熔融を続けると、組成物が
著しく黄変するために、無色の接着層が要求される用途
には使用できないという問題があった。
【0010】本願の請求項1記載の発明は、組成物の発
泡を抑えるとともに、着色を著しく抑制し、また、請求
項2記載の発明は、組成物の発泡を著しく抑制して、上
記接着性の問題を解決するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願請求項1記載の湿気
硬化型ホットメルト接着剤組成物は、(メタ)アクリル
酸エステル(a)100重量部に対し、特定の重合性ポリマー
(b)3〜30重量部及び重合性アルコキシシラン(c) 0.02〜
12重量部をラジカル共重合させることにより得られる共
重合体(A)100重量部と、沸点が 180℃以上であって分子
量が 500以下のアルコキシシリル基を有する化合物(d)
0.05〜3重量部を主成分とするものである。
【0012】また、本願請求項2記載の湿気硬化型ホッ
トメルト接着剤組成物は、請求項1記載の湿気硬化型ホ
ットメルト接着剤組成物に加えて、分子量 180以上のイ
ソシアネート化合物(e)0.3〜2重量部を含有するもので
ある。
【0013】なお、(メタ)アクリル酸エステルなる表
現は、アクリル酸エステル及びメタアクリル酸エステル
の双方を含ませるために用いられており、以下の記載に
おいても、同様に(メタ)アクリルは、アクリル及びメ
タアクリルの双方を含むものとする。
【0014】上述した(メタ)アクリル酸エステル(a)
は、下記一般式(a) で示されるものである。
【0015】
【化5】
【0016】式中、R1 は水素又はメチル基、R2 は炭
素数1〜18の炭化水素基をそれぞれ示す。上記(メタ)
アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n
−ブチル、(メタ) アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸
イソノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)ア
クリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸イソボロニル等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリル酸エステルは単独で使用して
もよく、又は2種類以上適宜組み合わせて使用してもよ
い。なお、上記(メタ) アクリル酸エステル類のうち、
アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル
及びメタクリル酸メチルが本発明においては好適に用い
られる。
【0017】上記重合性ポリマー(b) としては、下記一
般式(b) で示されるものが用いられる。
【0018】
【化6】
【0019】一般式(b) で示される重合性ポリマーは、
所謂マクロモノマーであり、一方の末端に重合性の(メ
タ) アクリロイル基を有し、他方の末端には非重合性の
ポリマー状セグメントR4 を有する。式中、R3 は水素
又はメチル基を示し、R4 で示される非重合性ポリマー
状セグメントは、ガラス転移点Tgが50℃以上で、重量
平均分子量が 2,000〜50,000である。
【0020】Tgが50℃未満の場合には、得られる接着
剤が軟らかくなり、塗布固化直後の初期凝集力が低下す
るため、Tgは上述の通り50℃以上に限定される。ま
た、重量平均分子量が小さくなると、接着剤が軟らかく
なり、塗布固化直後の凝集力が低下する。他方、重量平
均分子量が大きくなり過ぎると、重合性ポリマー(b) の
反応性が低下する。従って、重量平均分子量は上述の観
点から 2,000〜50,000に限定されるものであり、より好
ましくは5,000 〜20,000である。
【0021】非重合性ポリマー状セグメントR4 として
は、例えば、ポリスチレン及びその誘導体、並びにポリ
メチルメタクリレート及びその誘導体等が好適に用いら
れる。
【0022】重合性ポリマー(b) は、米国特許第 3,78
6,116号公報、米国特許第 3,842,059号公報、及び特開
昭60−133007号公報等に開示されている方法により製造
され得る。
【0023】重合性ポリマー(b) の使用量は、(メタ)
アクリル酸エステル(a)100重量部に対して3〜30重量部
である。3重量部未満では塗布固化直後の初期凝集力が
低いからであり、他方、30重量部を超える場合には熔融
粘度が高くなり過ぎて、塗布性及び接着性が低下するか
らである。好適には、5〜25重量部の重合性ポリマー
(b) が用いられる。
【0024】上記重合性アルコキシシリル化合物(c)
は、一般式(c) で示される(メタ)アクリロイルオキシ
アルコキシシランである。
【0025】
【化7】
【0026】式中、R5 は水素又はメチル基、R6 は2
価の炭化水素基、R7 はメチル基又はエチル基、aは1
〜3の整数をそれぞれ示す。上記重合性アルコキシシリ
ル化合物(c) としては、例えば3−アクリロイルオキシ
プロピルジメチルメトキシシラン、3−アクリロイルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイル
オキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリ
ロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタク
リロイルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−
メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、メタクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン等
が挙げられる。これらの中でも、湿気硬化速度が大きい
点から3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシ
シラン、メタクリロイルオキシメチルトリメトキシシラ
ンが好適に用いられる。
【0027】上記重合性アルコキシシリル化合物(c) の
使用量は、(メタ)アクリル酸エステル(a)100重量部に
対して0.02〜12重量部、好ましくは0.05〜10重量部であ
る。0.02重量部未満では、湿気硬化性が不十分で最終接
着強度が低く、逆に12重量部を超えると、熱熔融時の粘
度安定性が著しく低下し、しかも湿気硬化後の接着剤層
が脆く接着力が低くなり好ましくない。
【0028】なお、上記一般式(a),(b),(c) のモノマー
以外に、酢酸ビニル、スチレン、アクリルアミド、塩化
ビニリデン等、ガラス転移点Tgが比較的高いポリマー
を形成し得るビニル系モノマーを必要に応じて少量用い
ることができる。
【0029】本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤組
成物の主成分である、上記(a),(b),(c) から成るラジカ
ル共重合体(A) の重量平均分子量は、15,000〜400,000
が好ましく、より好ましくは30,000〜400,000 である。
重量平均分子量が15,000未満では、接着固化直後の初期
凝集力が低くなるからであり、400,000 を超えると、塗
布作業時の粘度が高くなり過ぎ、作業性が低下するから
である。
【0030】上記ラジカル共重合体(A) を製造する方法
としては、任意の共重合方法を採用することができる。
例えば、溶液重合法や塊状重合法等により製造すること
ができる。
【0031】重合に際しては、重合開始剤としてパーオ
キサイド系またはアゾ系化合物を用いるのが普通である
が、光または放射線等を照射して重合してもよい。ま
た、分子量を調整するために、適当な連鎖移動剤、例え
ばラウリルメルカプタン等を用いてもよい。特に、連鎖
移動剤としてアルコキシシリル基を有するメルカプタ
ン、例えば3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
を用いる場合には、上記共重合体(A) の末端にもアルコ
キシシリル基が導入され、湿気硬化性が一層向上する。
【0032】更に、本願請求項1記載の発明のホットメ
ルト接着剤組成物には、上記ラジカル共重合体(A) に、
一般式(d) で示される沸点が 180℃以上であって分子量
が 500以下のアルコキシシリル基を有する化合物(d) が
配合される。
【0033】
【化8】
【0034】式中、Zは無置換のアルキル,アルケニ
ル,アラルキル,アリール等の炭化水素基、或いはエポ
キシ基,エーテル基,エステル基を含有するアルキル,
アルケニル,アラルキル,アリール等の炭化水素基を、
aは1〜3の整数をそれぞれ示す。
【0035】このアルコキシシリル基を有する化合物
(d) の沸点が 180℃未満では、揮発性が高過ぎ安全衛生
上好ましくないため、沸点は 180℃以上に限定される。
また、分子量が 500を超えると粘度の安定性を付与する
効果が得られないので、分子量は 500以下に限定され
る。
【0036】該アルコキシシリル基を有する化合物(d)
としては、例えば3−グリシドキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロ
ピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン
等が挙げられる。これらの中でもアルコキシシリル基と
して、トリメトキシシリル基を有する化合物、例えば3
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタ
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、フェニ
ルトリメトキシシランが好適に用いられる。
【0037】本発明におけるアルコキシシリル基を有す
る化合物(d) の使用量は、前記ラジカル共重合体(A)100
重量部に対して0.05〜3重量部、好ましくは 0.1〜2.5
重量部である。0.05重量部未満では、ホットメルト接着
剤組成物が熱熔融時に短時間のうちに著しく増粘ゲル化
して作業性が損われ、他方3重量部を超える場合は、塗
布固化後の湿気硬化速度が低下するので好ましくない。
【0038】更に、本願の請求項2記載の発明において
は、請求項1記載のホットメルト接着剤組成物に加え
て、分子量が 180以上のイソシアネート化合物が配合さ
れる。該イソシアネート化合物の分子量が 180未満では
揮発性が高く、安全衛生上好ましくないため、分子量は
180以上に限定される。
【0039】該イソシアネート化合物としては、例えば
4,4'−オクタデシルイソシアネート、ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジシ
クロヘキシルメタンジイソシアネート、m−テトラメチ
ルキシリレンジイソシアネート、p−テトラメチルキシ
リレンジイソシアネート、リシンエステルトリイソシア
ネート、1,8-ジイソシアネート-4- イソシアネートオク
タン等が挙げられる。
【0040】該イソシアネート化合物は上記ラジカル共
重合体(A)100重量部に対して 0.3〜2重量部、好ましく
は 0.5〜1.5 重量部配合される。配合量が 0.3重量部未
満では、熱熔融時の初期粘度が高くなり作業性が低下
し、2重量部を超える場合には接着剤組成物内部で発泡
を起こしたり、被着体との界面で発泡することで界面剥
離を起こし接着性能が低下する。
【0041】本発明の接着剤組成物には、湿気硬化促進
のため、必要に応じて、シラノール縮合反応促進触媒と
して公知のジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセ
テート、ジブチル錫ジマレート等の有機錫化合物や、テ
トライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等の
有機チタネート化合物を添加してもよい。
【0042】更に、本発明の接着剤組成物には、より幅
広い接着特性を付与するために、必要に応じて、可塑
剤、粘着付与樹脂、充填剤及び酸化防止剤等を添加して
もよい。
【0043】本発明のホットメルト接着剤組成物の用途 本発明のホットメルト接着剤組成物は、ホットメルト接
着剤又はホットメルトシーリング材として使用すること
ができる。
【0044】ホットメルト接着剤又はホットメルトシー
リング材として使用する場合には、通常のホットメルト
用アプリケーターを用い、熔融状態で塗布・貼合わせた
り、シール部に充填したりする等の方法が用いられる。
【0045】更に、本発明の接着剤組成物はポリエチレ
ンテレフタレートフィルムや紙等のシート基材に通常の
ホットメルトコーターを用いてホットメルト塗布するこ
とにより、感圧接着剤として用いることができる。
【0046】
【作用】本発明の接着剤組成物では、一般式(a) で表さ
れる(メタ)アクリル酸エステル(a) に、一般式(b) で
表される重合性ポリマー(b) が共重合されているため、
該共重合体は、重合性ポリマー(b) の末端のR4 基がポ
リ(メタ)アクリル酸エステルにグラフトしたグラフト
共重合体となる。
【0047】上記グラフト共重合体の高次構造は、常温
付近では、ポリ(メタ)アクリル酸エステル部分とR4
基部分とが相分離した構造となり、物理架橋状態を呈す
る。従って、塗布固化直後から高い凝集力を示す。他
方、高温下では、上記の物理架橋状態が消失し、流動性
を有するため容易に塗布することができる。
【0048】また、本発明では、上記共重合体に重合性
アルコキシシリル化合物(c) が共重合されているので、
分子鎖中にアルコキシシリル基が導入される。該アルコ
キシシリル基は、塗布、冷却固化後、被着体の水分や空
気等の雰囲気中の水分により加水分解し、シラノール基
を生成する。このシラノール基が、他の分子中のシラノ
ール基もしくはアルコキシシリル基と縮合反応すること
によって、共重合体が化学架橋され、最終的に非常に高
い凝集力が得られる。
【0049】更に、請求項1記載の発明では前記湿気硬
化性グラフト共重合体(A) にアルコキシシリル基を有す
る化合物(d) が、また請求項2記載の発明ではアルコキ
シシリル基を有する化合物(d) 及びイソシアネート化合
物(e) が特定量配合される。これらの化合物は共重合体
中に存在する微量の水分や熱熔融時に外部から侵入して
くる微量の水分と反応し、脱水剤として機能する。即
ち、該アルコキシシリル基を有する化合物(d) はラジカ
ル共重合体(A) 分子よりも低分子量であり分子の運動性
が高いため、また該イソシアネート化合物(e) は水との
反応性が高いため、共重合体(A) 中のアルコキシシリル
基よりも速く反応するためであると考えられる。その結
果、熱熔融時において共重合体中のアルコキシシリル基
の水分による縮合反応は殆ど進行せず、熔融粘度の安定
性が付与されることとなる。
【0050】なお、アルコキシシリル基を有する化合物
やイソシアネート化合物は、熔融時及び塗布後のごく初
期において消費されてしまうため、塗布固化後は共重合
体中のアルコキシシリル基の水分による湿気硬化が速や
かに進行する。
【0051】更に、アルコキシシリル基を有する化合物
は、上記した水との反応による脱水効果発現の過程にお
いて気体成分を発生しないため、接着剤組成物中に殆ど
気泡を生じない。このため、請求項1記載の発明では、
接着剤組成物中の発泡による接着性能の低下を抑えるこ
とができ、また、アルコキシシリル基を有する化合物と
水との反応生成物は着色成分ではないため、接着剤組成
物の着色や変色を防止できる。
【0052】また、アルコキシシリル基を有する化合物
よりも水分との反応性が高いイソシアネート化合物を特
定量併用する請求項2記載の発明では、アルコキシシリ
ル基を有する化合物の脱水能力の低さに起因する初期熔
融粘度の上昇を抑制することができる。このとき、イソ
シアネート化合物の配合量を2重量部以下に抑えること
により、接着剤層の発泡による接着性の低下は抑止可能
である。
【0053】
【実施例】以下、本発明の実施例につき説明する。実施例1〜8及び比較例1〜16 (1) 接着剤の調整 セパラブルフラスコに、シクロヘキサン100 重量部を入
れ、下記の表1及び表2にそれぞれ実施例1〜4及び比
較例1〜7として、表3及び表4に実施例5〜8及び比
較例8〜16として示す所定量の(メタ)アクリル酸エス
テル(a) 、重合性ポリマー(b) 、重合性アルコキシシリ
ル化合物(c) 及び連鎖移動剤としてラウリルメルカプタ
ンもしくは3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
を添加し、均一に混合した後昇温し、シクロヘキサン還
流下においてアゾビスイソブチロニトリルを1時間ごと
に0.01重量部添加し、6時間ラジカル共重合を行い、実
施例1〜8及び比較例1〜16の各共重合体(A) の溶液を
得た。
【0054】この溶液に、表1〜4に示した所定量のア
ルコキシシリル基を有する化合物(d) 、イソシアネート
化合物(e) 、粘着付与樹脂等を配合し、 140℃にて溶剤
を減圧溜去し、実施例1〜8及び比較例1〜16の各ホッ
トメルト接着剤組成物を得た。
【0055】(2) 接着剤の物性測定 (1) で得られた各接着剤組成物を用い、下記物性の測定
を行った。結果を表1〜4に合わせて示す。
【0056】イ) 130℃における熔融粘度; B型粘度計を使用し、 130℃における初期粘度及び窒素
パージした 130℃のオーブン中に24時間放置した後の粘
度を測定した。
【0057】ロ)剪断接着力; 表面の清浄な厚さ 1.5mm×幅20mm×長さ70mmのポリカー
ボネート樹脂板に、130 ℃の温度で熔融させた上記接着
剤組成物を塗布し、接着剤層の厚みが1mm、面積が20×
10mm2 となるようにもう1枚のポリカーボネート樹脂板
を貼り合わせてなる試験片を用意した。この試験片を、
23℃、相対湿度60%において2時間又は14日間養生した
後、それぞれの23℃における剪断接着強度を50mm/分の
引っ張り速度にて測定した。
【0058】ハ)昇温耐熱クリープ試験; 表面の清浄なポリカーボネート樹脂板に、 130℃の温度
で熔融させた上記接着剤組成物を塗布し、接着面積が20
×25mm2 となるようにもう1枚のポリカーボネート樹脂
板を貼り合わせてなる試験片を用意した。この試験片を
23℃、相対湿度60%において14日間養生した後、この試
験片に100gの荷重(錘)を掛け、オーブン中で40℃から
昇温速度0.4 ℃/分で温度を上昇させ、錘が落下する温
度を測定した。
【0059】ニ)発泡性 表面の清浄なポリカーボネート樹脂板に、 130℃の温度
で熔融させた上記接着剤組成物を厚みが1mmとなるよう
に塗布し、23℃、相対湿度50%において24時間養生した
試験片を用意した。この試験片を 100℃のオーブン中に
6時間放置した後、接着剤組成物中の発泡の有無を目視
にて評価した。
【0060】ホ)色調変化 130 ℃の窒素パージしたオーブン中に24時間放置した接
着剤組成物の色調変化を、目視にて初期の色調と比較し
た。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】但し、上記表1〜表4中で、 1) サートマー社製2-ポリスチリルエチルメタクリレー
ト 商品名『マクロマー13K-PSMA』(重量平均分子量13,00
0、Tg100 ℃) 2) チッソ株式会社製3-メタクリロイルオキシプロピル
トリメトキシシラン 商品名『サイラエースS710』 3) チッソ株式会社製3-メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン 商品名『サイラエースS810』 4) GPC によるポリスチレン換算分子量 5) チッソ株式会社製3-グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン 商品名『サイラエースS320』 6) アメリカンシアナミッド社製 商品名『TMXDI 』 7) 三井石油化学工業株式会社製 商品名『FTR-7125』 8) 三共有機合成株式会社製ジブチル錫ジラウレート 商品名『Stann BL』 をそれぞれ示す。
【0066】
【発明の効果】上述の通り、本発明によれば、(メタ)
アクリル酸エステル(a) と重合性ポリマー(b) の共重合
により塗布乾燥固化直後の凝集力が高められており、他
方、重合性アルコキシシリル化合物(c) が共重合されて
いるので、塗布固化後、被着体或いは雰囲気中の水分に
より化学架橋し、最終的に高い耐熱凝集力と接着力を示
すアクリル系湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物が得
られる。
【0067】更に、アルコキシシリル基を有する化合物
やイソシアネート化合物の特定量を含有するので、熱熔
融中、塗布前に架橋反応が進行して、熔融粘度が上昇す
るという事態を抑止することができる。そして、このと
き接着剤組成物の着色、変色を防止することも可能であ
り、また、接着剤層の発泡による接着性低下も抑止でき
ることとなる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(a) で示される(メタ)アクリル
    酸エステル(a) 100重量部 【化1】 (式中、R1 は水素又はメチル基、R2 は炭素数1〜18
    の炭化水素基をそれぞれ示す)と、 一般式(b) で示される重合性ポリマー(b) 3〜30重量部 【化2】 (式中、R3 は水素又はメチル基を、R4 は重量平均分
    子量 2,000〜50,000でTgが50℃以上の非重合性ポリマ
    ー状セグメントをそれぞれ示す)と、 一般式(c) で示される一種以上の重合性アルコキシシリ
    ル化合物(c) 0.02〜12重量部 【化3】 (式中、R5 は水素又はメチル基、R6 は2価の炭化水
    素基、R7 はメチル基又はエチル基、aは1〜3の整数
    をそれぞれ示す)とのラジカル共重合体(A)100重量部
    と、 一般式(d) で示され、沸点 180℃以上、分子量 500以下
    のアルコキシシリル基を有する化合物(d) 0.05〜3重量
    部 【化4】 (式中、Zは無置換のアルキル,アルケニル,アラルキ
    ル,アリール等の炭化水素基、或いはエポキシ基,エー
    テル基,エステル基を含有するアルキル,アルケニル,
    アラルキル,アリール等の炭化水素基を、aは1〜3の
    整数をそれぞれ示す)とを主成分とすることを特徴とす
    る湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の湿気硬化型ホットメルト
    接着剤組成物に加えて、分子量 180以上のイソシアネー
    ト化合物(e) 0.3〜2重量部を含有することを特徴とす
    る湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物。
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