JPH0551347A - テレフタロイルジクロリド及びイソフタロイルジクロリドの製造方法 - Google Patents

テレフタロイルジクロリド及びイソフタロイルジクロリドの製造方法

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JPH0551347A
JPH0551347A JP21380991A JP21380991A JPH0551347A JP H0551347 A JPH0551347 A JP H0551347A JP 21380991 A JP21380991 A JP 21380991A JP 21380991 A JP21380991 A JP 21380991A JP H0551347 A JPH0551347 A JP H0551347A
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JP
Japan
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reaction
dichloride
carbon tetrachloride
terephthaloyl
isophthaloyl
Prior art date
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Pending
Application number
JP21380991A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Kumagai
仁志 熊谷
Haruhiko Takeya
晴彦 竹矢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Original Assignee
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ジメチルテレフタレート又はジメチルイソフ
タレートを、紫外線照射下、塩素ガスで塩素化すること
によってテレフタロイルジクロリド又はイソフタロイル
ジクロリドを製造する方法において、反応をクロロホル
ム、四塩化炭素及びその混合物から選ばれる溶媒中で行
うことを特徴とする方法。 【効果】 従来の方法と比較して昇華物質の析出に起因
するすべての問題を回避できるばかりでなく、従来より
低い反応温度で、より高純度のテレフタロイルジクロリ
ド又はイソフタロイルジクロリドを容易な操作で得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は繊維、樹脂等の原料とし
て有用なテレフタロイルジクロリド又はイソフタロイル
ジクロリドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テレフタロイルジクロリド及びイソフタ
ロイルジクロリドは、繊維、樹脂等として有用なポリエ
ステル、ポリアミド等の原料として重要であり、その製
造方法として高温で、紫外線の照射下、塩素によってテ
レフタル酸メチルエステル又はイソフタル酸メチルエス
テルの塩素化を行い、ジクロリド体を得る方法が知られ
ている。より具体的には、例えば特公昭35−3234
号には、100℃以上の温度で当該反応を行うことによ
り、収率80〜90%でジクロリド体が得られることが
記載されている。しかし、この方法では反応時に昇華性
の副生物を生じ、これがガス排出ラインを閉塞するため
圧力が上昇するという危険性があった。この昇華性物質
の副生を防止する方法として、目的反応生成物であるテ
レフタロイルジクロリド又はイソフタロイルジクロリド
を反応系に共存させて反応を行う方法(特公昭1−14
890号)等が提案されている。しかし、この方法は生
成物の一部を原料にもどさねばならず、またテレフタロ
イルジクロリド等を多量に含む蒸留残渣をこの目的でリ
サイクルする場合には核塩素化物等の過反応生成物の混
入を防止するために反応率を高くすることができないと
いう問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、副生物を生じることなく、高収率かつ工業的に有利
にテレフタロイルジクロリド又はイソフタロイルジクロ
リドを製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる現状において本発
明者らは鋭意研究を行った結果、塩素化反応をクロロホ
ルム又は四塩化炭素中で行うことにより、温和な条件で
反応が進行し、昇華性物質の副生がないこと、さらには
驚くべきことにこの方法では反応率100%においても
なお核塩素化等の過反応が生起しないため、高純度のテ
レフタロイルジクロリド又はイソフタロイルジクロリド
が高収率で得られることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0005】すなわち、本発明はジメチルテレフタレー
ト又はジメチルイソフタレートを、紫外線照射下、塩素
ガスで塩素化することによってテレフタロイルジクロリ
ド又はイソフタロイルジクロリドを製造する方法におい
て、反応をクロロホルム四塩化炭素及びその混合物から
選ばれる溶媒中で行うことを特徴とするテレフタロイル
ジクロリド又はイソフタロイルジクロリドの製造方法で
ある。
【0006】本発明方法は、塩素化反応の溶媒としてク
ロロホルム又は四塩化炭素を用いることを特徴とする
が、その使用量は原料エステルの少なくとも一部を溶解
する量であれば、特に限定されないが、原料エステルを
完全に溶解する量であるのが好ましく、具体的には、原
料エステル1重量部に対して5〜50重量部、特に10
〜20重量部使用するのが好ましい。なお、反応開始時
において原料エステルが完全に溶解せず、一部結晶とし
て存在している場合には、塩素ガス導入管の閉塞に注意
する必要がある。
【0007】原料であるジメチルテレフタレート及びジ
メチルイソフタレートは、それぞれ単独で反応させても
よいが、テレフタロイルジクロリド及びイソフタロイル
ジクロリドの混合物を得ようとする場合には、これらの
混合物を反応に供してもよい。
【0008】反応系へ塩素ガスを供給するにあたって
は、塩素ガスを直接供給してもよいが、必要に応じて反
応に不活性なガス、例えば窒素ガス等で希釈して供給し
てもよい。また、塩素ガスの流量は特に制限されない
が、反応開始後1時間程度までは原料エステルの約5当
量/時間が好ましく、それ以後は約1〜4当量/時間で
導入し、過剰であってもよい。
【0009】紫外線の照射のための光源は、特に制限さ
れないがけい光ランプ、水銀ランプ等を用いるのが好ま
しい。
【0010】反応温度は約30℃以上で実施可能である
が、反応の効率、核塩素等の過反応発生(特に100℃
以上で起こる)防止の面から、50〜80℃程度が好ま
しい。反応は、反応が完全に終結するまで(通常4〜6
時間程度でよい)行えば良く、従来核塩素化防止のため
に行われていた反応終了直前の反応停止等の操作は必要
としない
【0011】反応終了後、反応系内の過剰の塩素ガス及
び副生ガスを、窒素などの不活性ガスで置換し、溶媒を
留去した後蒸留に付せば、純度99%以上のテレフタロ
イルジクロリド又はイソフタロイルジクロリドが得られ
る。
【0012】
【発明の効果】本発明の方法によれば、従来の方法と比
較して昇華物質の析出に起因するすべての問題を回避で
きるばかりでなく、従来より低い反応温度で、より高純
度のテレフタロイルジクロリド又はイソフタロイルジク
ロリドを容易な操作で得ることができる。
【0013】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0014】実施例1 還流コンデンサ、ガス導入管、撹拌機を備えた反応器に
ジメチルテレフタレート20.20g及び四塩化炭素1
24gを加え、加熱還流を行った。次いで、反応器外部
より高圧水銀ランプを用いて紫外線照射を行いつつ、塩
素ガスを、最初の1時間は100ml/分の速度で、以後
は40ml/分の速度で合わせて6時間導入した。この
間、コンデンサ頭部より、副生ガス及び未反応ガスをぬ
き出し、反応器内は大気圧に保った。この間昇華生成物
のコンデンサ、器壁への付着は全く見られなかった。反
応終了後、窒素ガスを導入して塩素ガス及び副生ガスを
除いたものを、ガスクロマトグラフィーにより分析した
結果、テレフタロイルジクロリドと溶媒由来成分以外は
検出されなかった。次いで、溶媒を留去し、得られた製
品の蒸留を行ったところ、106〜107℃/3mmHgの
沸点を有するテレフタロイルジクロリド20.9gが得
られた。収率は99%であった。
【0015】実施例2 反応温度を60℃とした以外は、実施例1と同様に反応
を行ったところ、反応の初期において塩素導入管に少量
の結晶の析出が見られたが、反応の進行と共に溶解し、
6時間経過時のガスクロマトグラフ分析では実施例1と
同じく、テレフタロイルジクロリド及び溶媒由来物質以
外は検出されなかった。また反応中、昇華物の析出は全
く見られなかった。収率は、実施例1と同様99%であ
った。
【0016】実施例3 反応温度を50℃とし、四塩化炭素に代えてクロロホル
ム及び四塩化炭素(50:50Vol %)の混合溶媒を用
いた以外は実施例1と同様に反応を行ったところ、6時
間経過時のガスクロマトグラフ分析ではテレフタロイル
ジクロリド及び溶媒由来物質以外は検出されなかった。
また反応中、昇華物の析出は全く見られなかった。生成
物の収率は99%であった。
【0017】比較例1 四塩化炭素を用いず、反応温度180℃において溶融ジ
メチルテレフタレート20.0gを用いた以外は実施例
1と同様に反応を行った。反応開始と共にコンデンサに
は白色の結晶が昇華、析出し、反応終了時にはかなりの
量となった。反応終了後、実施例1と同様に分析を行っ
た結果、テレフタロイルジクロリドの純度は97.3%
であった。これを蒸留に付し、106〜107℃/3mm
Hgの留分を集めたところ、純度99.8%のテレフタロ
イルジクロリド15.0gが得られた。収率は72%で
あった。またこの時の不純物は核塩素化物であるクロロ
テレフタロイルジクロリドであった。
【0018】実施例4 ジメチルテレフタレートに代えて、ジメチルイソフタレ
ート20.0gを用いた以外は実施例1と同様に反応を
行った。反応終了時の純度は99.8%であり、蒸留を
行って109〜115℃/3mmHgの留分を集めたとこ
ろ、イソフタロイルジクロリド20.3gが得られ、収
率は97%であった。また、この留分の分析では、不純
物は検出されなかった。また反応中、昇華物の析出は全
く見られなかった。
【0019】実施例5 ジメチルテレフタレートに代えて、ジメチルテレフタレ
ート12.0g及びジメチルイソフタレート7.8gの
混合物を用いて、実施例1と同様に反応を行った。反応
終了時には、テレフタロイルジクロリド、イソフタロイ
ルジクロリド及び溶媒由来物質以外の成分は検出され
ず、蒸留により106〜109℃/3mmHgの留分を集め
たところ、イソフタロイルジクロリド及びテレフタロイ
ルジクロリドの混合物20.0gが得られた。収率は9
7%であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジメチルテレフタレート又はジメチルイ
    ソフタレートを、紫外線照射下、塩素ガスで塩素化する
    ことによってテレフタロイルジクロリド又はイソフタロ
    イルジクロリドを製造する方法において、反応をクロロ
    ホルム、四塩化炭素及びその混合物から選ばれる溶媒中
    で行うことを特徴とするテレフタロイルジクロリド又は
    イソフタロイルジクロリドの製造方法。
JP21380991A 1991-08-26 1991-08-26 テレフタロイルジクロリド及びイソフタロイルジクロリドの製造方法 Pending JPH0551347A (ja)

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