JPH0551316B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、ドライクリーナ等で用いられるドラ
ム式洗浄脱液機の運転方法に関する。

(ロ) 従来の技術 給液、洗浄、排液、脱液の順に各行程を実行す
るドラム式洗浄脱液機は、洗浄行程では40r.p.m
位の低速度で回転ドラムを回転させ、脱液行程で
は700r.p.m位の高速度で回転させる。従つて、脱
液時の起動を異常振動無く行なうために、SCR
を位相制御する等して徐々に回転数を上げるよう
にしている（実開昭55−159088号公報参照）。

(ハ) 発明が解決しようとする課題 しかし、これらの速度制御を行なうには、ドラ
ム駆動用のモータを変更し、制御回路を要するの
で、簡単ではなく、またコストアツプにつなが
る。

本発明は、脱液起動時の異常振動を簡単に抑
え、円滑な脱液作業を実行せんとするものであ
る。

(ニ) 課題を解決するための手段 本発明は、洗浄槽の中、下部に洗浄液を供給す
る給液行程と、この給液行程後に実行され、上記
洗浄槽内の横軸型回転ドラムを低速で回転して洗
浄を行う洗浄行程と、この洗浄行程後に実行さ
れ、上記洗浄槽内の洗浄液を排出しながら、衣類
が含液量の少なくなつたときに遠心力で上記回転
ドラム内面に張り付く程度の低速度で、上記回転
ドラムを回転する排液行程と、この排液行程後に
実行され、上記回転ドラムを高速度で回転して衣
類から脱液する脱液行程とからなる。

(ホ) 作用 洗浄行程では、衣類は含液して重量を増してお
り、回転ドラムの内面にへばり付くこと無く、落
下し、たたき洗いされる。この行程後に排液を行
なうが、この行程でも回転ドラムを洗浄行程のと
きと同じ速度で回転しており、排液により含液量
が減り、重量が低下した衣類はドラムの内面に
徐々に張り付くようになり、また全内面に分散し
て張り付いてくる。従つて、このまま排液が終了
して脱液行程に移行すると、高速回転での起動が
異常振動の無い円滑なものとなる。

(ヘ) 実施例 石油系溶剤を用いたドライクリーナの例を図面
に基づいて説明すると、機枠１内に吊持された洗
浄槽２内には、バツフルを有する横軸型の回転ド
ラム３が配設され、この回転ドラム３を低速、或
いは高速で回転することにより、洗浄と脱液を実
行するのである。

洗浄槽２には横向きにアイボルト（ナツト）４
を六角ナツト（ボルト）で固着し、機枠１には下
向きにアイボルト（ナツト）５をスペーサー６を
介して六角ナツト（ボルト）で固着し、アイボル
ト（ナツト）４，５間にコイルスプリング７を掛
け渡している。即ち、洗浄槽２はスペーサー６で
調節しつつ弾力的に且つ強固に吊持されている。

タンク８に収容された溶剤は給液弁９、ボンプ
１０、フイルター１１を介して洗浄槽２内の中、
下部にまで供給され、洗浄槽２からボタントラツ
プ１２、排液弁１３、給液弁９を介してタンク８
に排出される。また、溶剤は必要になり、ポンプ
１０を用いて循環させられる。ボタントラツプ１
２と洗浄槽２間は均圧管１４によつて接続され、
その均圧管１４にはパンチング板や、円柱状の発
泡ウレタンを円筒状体で保持したものから成るス
トレーナ１５が着脱自在に設けてある。

このストレーナ１５は、溶剤を循環させて洗浄
する所謂フイルター循環洗いの際に、ボタントラ
ツプ１２内にリントを含む気泡が生じ、リントが
均圧管１４を通つて洗浄槽２に戻つたり、或いは
均圧管１４をつまらせ、ボタントラツプ１２内の
気泡で充満させてポンプ１０がエアかみするとい
うのを防いでいる。

ここで、上記回転ドラム３は、プーリ・ベルト
によつて洗浄モータ１６と脱液モータ１７とによ
り駆動され、これらのモータ１６，１７はマイク
ロコンピユータ等で行程進行に応じて制御され
る。

実施例では、回転ドラム３の直径が760mmとし
たとき、洗浄モータ１６はプーリ・ベルトにより
約45r.p.mでドラムを駆動させ、ドラム回転加速
度を1G〜1.2G（Ｇ＝遠心加速度／9.8）とする。
脱液モータ１７は脱液行程にてプーリ・ベルトに
より約700r.p.mでドラムを駆動させる。また、洗
浄モータ１６は、洗浄行程後の排液行程でも連続
してドラム３を駆動する。（第２図参照）。

かくして、洗浄モータ１６が回転ドラム３を給
液から洗浄、排液まで駆動すると、衣類は含液量
が多い洗浄行程ではドラムに張り付くこと無く落
下し、たたき洗いを行なわれ（第１図イ参照）、
排液行程では含液量が減つて軽くなり、ドラム内
面に徐々に分散しつつ張り付くようになる（第１
図ロ参照）。そして、このまま脱液モータ１７が
高速でドラム３を駆動すると、分散して張り付き
ぎみの衣類は強い遠心力を受けてドラム内面に張
り付き、遠心脱液される。斯る脱液起動は、この
ように排液行程で衣類かドラム内面に分散しつつ
徐々に張り付いていることから、きわめて円滑に
行なわれ、異常振動がほとんど生じない。

(ト) 発明の効果 本発明によれば、回転ドラムを排液行程で低速
度で回転させるものであり、衣類は排液により含
液量が減り重量が低下するとドラム内面に徐々に
張り付くようになり、従つて、排液後に脱液行程
に移行してドラムを高速回転起動しても、ドラム
が異常振動するのを抑制でき、脱液をかなり円滑
に行うことができる。

更に、回転ドラムを排液行程で低速回転すると
き、衣類を或る程度液を含んだ状態で揺する状態
が生じ、衣類はドラム内面に張り付くに際し徐々
に分散され、ドラムが異常振動するのを一層抑制
でき、脱液を一層円滑に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロは本発明によるドラム式洗浄脱液
機の洗浄時と排液時に於ける動作説明図、第２図
は各モータの駆動状態を示すタイムチヤート、第
３図は内部機構を示す背面図、第４図は一部断面
せる配管機構図である。 ２……洗浄槽、３……回転ドラム、１６……洗
浄モータ、１７……脱液モータ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 洗浄槽の中、下部に洗浄液を供給する給液行
   程と、この給液行程後に実行され、上記洗浄槽内
   の横軸型回転ドラムを低速で回転して洗浄を行う
   洗浄行程と、この洗浄行程後に実行され、上記洗
   浄槽内の洗浄液を排出しながら、衣類が含液量の
   少なくなつたときに遠心力で上記回転ドラム内面
   に張り付く程度の低速度で、上記回転ドラムを回
   転する排液行程と、この排液行程後に実行され、
   上記回転ドラムを高速度で回転して衣類から脱液
   する脱液行程とからなることを特徴とするドラム
   式洗浄脱液機の運転方法。