JPH05508863A - セラミドを使用して細胞分裂を誘導する方法 - Google Patents

セラミドを使用して細胞分裂を誘導する方法

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JPH05508863A JP91514680A JP51468091A JPH05508863A JP H05508863 A JPH05508863 A JP H05508863A JP 91514680 A JP91514680 A JP 91514680A JP 51468091 A JP51468091 A JP 51468091A JP H05508863 A JPH05508863 A JP H05508863A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 セラミドを使用して細胞分裂を誘導する方法関連出願の相互参照 本出願は1990年8月13日出願の同時係属出願第566、978号の一部継 続出願であり、同出願の内容はここで参照したことによって本明細書中に記載さ れているものとする。
発明の分野 本発明は細胞分裂を誘導するための化合物および方法の分野に関するものである 。さらに詳細には、本発明は細胞分化を誘導するだめの、および異常な細胞増殖 を特徴とする状態の治療のための、セラミドおよび誘導体の使用に関するもの本 明細書に開示する研究は国立衛生研究所補助金ES 00155およびCA46 738により一部援助された。米国政府は本発明において一定の権利を有する。
発明の背景 多くのヒト悪性および非悪性疾患の目立った特徴の一つは細胞の過剰増殖である 。これらの疾患では、細胞が異常に速い速度で増殖する。癌性腫瘍および白血病 に認められる細胞の成長と分裂は抑制不可能であり、体内でのこれらの細胞の急 速な進展はこのことにより一部説明される。同様に、乾せんのような幾つかの非 悪性疾患でも、細胞は異常に速い速度で成長・分裂する。これらの疾患では過剰 増殖細胞は比較的未分化の状態で認められる。未分化の細胞は成長・分裂が可能 である。しかし細胞が一旦分化すると、増殖能力を失う。細胞増殖を停止させる ために細胞分化を誘導し、それによって疾患を抑制することを目的とした幾つか の治療法が提案されている。
最近、スフィンゴ脂質は細胞の成長、癌化、および分化に重要な役割を果たして いることが明らかにされた(ワイ・ニー・ハンナン(Hannun.Y.A.) およびアール・エム・ベル(Be11.R.M.)(1989)Science 243 : 500−507) 5スフィンゴ脂質分解生成物は新しい種類の細 胞調節分子として浮上一つある。スフィンゴ脂質分解生成物であるスフィンゴシ ンおよびリゾスフィンゴ脂質は、細胞調節およびシグナル伝達にお番する中IC ・的な酵素であると信じられているプロティンキナーゼCを阻害する(ワイ・ニ ー・)1ンナン(Hannun.Y.A.)(1986)J.Biol.Che m.2旦1:12604−12609)、 スフィンゴ脂質およびリゾスフィン ゴ耳旨質4ま種々の哺乳動物細胞において重要な細胞反応に影響を与え、そ己て 抗腫瘍プロモーター活性を示t (ワイーエーー/\ンナン(Hannun,Y .A.)(1987)Science 235:670−674:クイ−1−− /n, Y. A. )ら(1987)J.Biol.Chem.262:13 620−13626 :イー・ウィルソン(Wi 1 son, E. )ら( 1987)Arch。
Biochem.Biophys.259:204−214)。
1987年12月1日発行のキャトシンプーラス(Cats impoolas )に対する米国特許第4,710.490号は、脈管形成作用を持つ分子を含む 月旨質を含有する組成物を開示する。この脂質は哺乳動物、と(1;大網番;由 来する。
既知の脂質たとえばガングリオシドとの混合物もまた脈管形成作用を有する。こ の組成物はインビトロとインビボで血管の成長を刺激した。ガング1ノオシド1 よ最大の脈管形成作用を有するのに対し、セラミド誘導体のような糖月旨質1ヨ 1よとんどまたは全く作用を持たない。
1987年6月16日発効のキャトシンプーラス(Cats impoolas )に対する米国特許系4,673.667号は、哺乳動物の大綱抽出物Iこ由来 するプラスミン阻害物質を開示する。この物質は脂質成分を有する。ガング1ノ オシドは最大のプラスミン抑制活性を示した。種々のセラミドまた(まセラミド 誘導体の試料が有するプラスミン阻害活性は全く無いかご(わずかであった。
1989年4月12日公告の日本国特許出願第Hlー93562号(ま腫瘍の治 療に有用なスフィンゴシン誘導体を開示している。
1989年3月28日発効のベル(Bell)l二対する米国特許第4.816 。
450号は、プロティンキナーゼCの阻害に有用な長鎖塩基、一般(こスフィン ゴシンおよびスフィンゴシン誘導体を開示する。プロティンキナーゼの活性イヒ 1よ、腫瘍のプロモーション、細胞の悪性化、および抗腫瘍剤1′−よる抑制御 作用の理解I:不可欠であることが確認されている。
細胞分化を誘導するインターフェロンは腫瘍治療薬としての可能性を試験された 。同様に、ヒト骨髄性白血病細胞系であるHL−60細胞の分化を誘導するビタ ミンD、ちまた、腫瘍治療薬としての可能性を試験された。ビタミンD3は細胞 分化を誘導できるが、それに要する大量のビタミンD3は体内のカルシウム代謝 を容認できないほど妨害することから、この化合物を腫瘍の治療に使用すること は実現性がない。
細胞の過剰増殖を特徴とする疾患の治療法を開発する努力がなされた1こもか力 λわらず、これらの疾患の治療法は依然として必要である。したがって、細胞分 化を誘導するための方法および組成物を提供することが、本発明の目的である。
細胞の表現型を変えるための方法および組成物を提供することも本発明の目的で ある。さらに、細胞の過剰増殖を特徴とする疾患の治療のための方法および組成 物を提供することも本発明の目的である。さらに、異常な細胞分化を特徴とする 哺乳動物の疾患または異常な状態の予防および寛解のための方法および組成物を 提供することも、本発明のもう一つの目的である。本発明のその他の目的は、本 明細書および付属する請求の範囲を検討することにより明らかになるであろう。
発明の概要 本発明は細胞分化を誘導するための組成物および方法を提供する。また本発明は 、細胞の表現型を変えそして細胞の過剰増殖を特徴とする疾患を治療するための 方法および組成物も提供する。本発明の方法では、化合物は哺乳動物、通常ヒト の患者に、治療に有効な量投与され、かかる化合物は構造式Iを持つ。
R4−CC−CH20HI 式中のRoはC1から約C2゜までのアルキル基またはアルケニル基:R2はヒ ドロキシル基またはアル−キシ基またはH:R1はHまたは低級アルキル基: R4はC0R5、SO2R5またはC3R,であり、ここでR5はCIから02 ゜までのアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基であって、これらの基は OH,,5HSORs 、SRs 、NRt Ra 、C0OR* 、およびC ON R1o Raの各官能基のうち111!以上と置換されていてもよく、た だしRe 、R7、Ra 、R1、およびR1゜は独自に、約10個までの炭素 を使用するH、アルキル基、アリール基、アルカリル基、およびアリールアルキ ル基とする。
本発明の化合物は、細胞の過剰増殖が存在するかまたは細胞分化の著しい障害が 存在する状態の治療に有用である。したがって、本発明の化合物および医薬製剤 は、細胞の分化を誘導するための医薬品の調製または製造またはその両方におい て有用である。
図面の簡単な説明 図1は、1.25− (OH)! D、に反応したセラミドの用量依存性のグラ フを示す。
図2は、1.25− (OH)! D3に反応したセラミドの質量増加の経時的 変化を示す。
図3は、HL−60細胞が1.25 (OH)t Ds処理に反応した総リン脂 質(A)、ホスファチジルコリン(B)、およびスフィンゴミエリン(C)の質 量変化のグラフである。
図4は、C+s/Cxセラミドおよび1nMの1.25 (OH)z DsがH L−60細胞分化を誘導する能力を示す。
図5は、C+a/CzセラミドがHL−60細胞の成長に及ぼす影響のグラフを 示す。
図6は、1.25 (OH)! Dsが存在しない場合にCla/ Czセラミ ドがHL−60細胞の成長に及ぼす影響のグラフを示す。
図7は、C1,/C2セラミドにより誘導されたHL−60細胞分化の経時的変 化のグラフを示す。
図8は、細胞においてC+s/C2セラミドがHL−60細胞中のスフィンゴミ エリンの質量に及ぼす影響を示す。
図9および図10は、CIl/C2セラミドの一過性増加がHL−60細胞分化 に及ぼす影響のグラフを示す。
図11は、(’H)CI8/C2セラミドのHL−60細胞への取り込みおよび 代謝の薄層クロマトグラフィー(TLC)薄層板の24時間露光後のオートラジ オグラムを示す。
図12は、[’H]C+s/C2セラミドのHL−60細胞への取り込みおよび 代謝を示す、HL−60細胞から抽出した脂質のグラフを示す。
図13は、1.25− (OH)2 Dsにより誘導したHL−60細胞分化に 対するスフィンゴシンの影響のグラフを示す。
好ましい実施態様の詳細な説明 出願者は、セラミドおよびセラミド誘導体の投与により、骨髄性白血病細胞系で あるHL−60細胞の分化が誘導されることを発見した。セラミドまたはセラミ ド誘導体の投与は細胞の増殖を遅延し、そして細胞が正常な単球を示す分化した 表現型を呈するよう誘導する。この効果は他の型の細胞でも現れると信じられる 。
もとは急性骨髄性白血病患者から分離されたヒト細胞系HL−60は、骨髄性細 胞の分化を研究するために頻繁に使用されている。これらの細胞は、ジメチルス ルフオキシドやレチノイン酸のような物質により処理したとき、顆粒球に成熟す るよう誘導され、またはホルボールエステルである1α、25−ジヒドロキシビ タミンD、またはガングリオシドGM3と共にインキュベートすると単球/マク ロファージ様細胞に成熟するよう誘導される。これらの化合物の大部分により起 こる成熟の機序は知られていない。HL−60前白血病細胞系の特徴および分化 研究用の細胞モデルとしての使用の概説については、ニス・ジェイ・コリンズ( collins、S、J、)(1987)Blood ヱ0 :1233−12 44を参照のこと。細胞の過剰増殖を特徴とする疾患の治療における本発明の化 合物の有用性を示すために、この良く知られた細胞モデルを使用した。
以前の研究(ティー(T)・オカザキら(1989年11月15日)J、Bio  I、Chem、264 :19076−19080) で、1.25 (OH )!D、によるHL−60細胞の分化にはスフィンゴミエリンの代謝回転が伴う ことが報告された。HL−60細胞の抽出物中に検出される中性スフィンゴミエ リナーゼの活性は、1.25− (OH)z Ds処理により誘導され、この活 性にはセラミドおよびホスホリルコリンの生成が伴うことが明らかにされた。ス フィンゴミエリン、セラミド、およびホスホリルコリンのレベルは4時間以内に 基線レベルにもどり、これはスフィンゴミエリンの再合成期を示唆し、従ってス フィンゴミエリン回路が完成する。これらの結果は、細胞活性化のあいだに、不 活性の層化合物スフィンゴ脂質が活性代謝産物に変化するスフィンゴミエリン回 路が作動することを示していると思われる。ホスファチジルイノシトール回路と は異なり、スフィンゴミエリン代謝回転はより長時間にわたって起こり、そして より長期の細胞変化に関与する可能性がある。
少なくとも300種類の異なるスフィンゴ脂質が種々の哺乳動物細胞型において 合成される。構造的には、スフィンゴ脂質は長鎖スフィンゴイド塩基、アミドと 結合した脂肪酸、および1位の極性頭部基(polar head group )とからなる。1位にヒドロキシル基を持つセラミドおよびホスホリルコリン頭 部基を持つスフィンゴミエリンを除いて、他のすべてのスフィンゴ脂質は炭化水 素頭部基を持ち、そのためスフィンゴ糖脂質と呼ばれている。これらの中性脂質 は1個(セレブロシド)から20個以上までのグルコース単位を持つのに対し、 酸性スフィンゴ糖脂質は1個以上のシアル酸残基(ガングリオシド)または硫酸 モノエステル基(スルファチド)を持つ。はとんどのガングリオシドおよび複合 糖脂質は、細胞膜の外層(outer 1eaflet)に存在すると考えられ ている。しかしスフィンゴミエリンは細胞の内部にも存在する。
本発明への使用に適した化合物は天然に存在するものもあれば、合成により作ら れるものもある。構造式■を持つ化合物は本発明の医薬製剤への使用および方法 に適している。
H R1−C−C−CHI OHI 3 R4 式中のR4はC3から約C2゜までのアルキル基またはアルケニル基:R1はヒ ドロキシル基、アルコキシ基またはH:R1はHまたは低級アルキル基: R4はC0R5またはSo、R,まりltc S Rs テあり、ここでR3は cIからCHまでのアルキル基またはアルケニル基またはアルキニル基であって 、これらの基はOH,SH%ORa 、SRs 、NRt Rs 、C0OR*  、およびcONR10R8の各官能基のうち111以上と置換されていてもよ く、ただしRs 、Rt、R,、R,、およびRIoは独自に、約10個までの 炭素を使用するH、アルキル基、アリール基、アルカリル基、およびアリールア ルキル基とする。
化合物は細胞可溶性であること、すなわち細胞壁を通過して細胞の内部に入るこ とが可能であることが好ましい。R1とR4を合わせたとき、約10個から28 個の炭素を持つ化合物がより好ましい。R8とR4炭素鎖の全長は、R1とR4 のそれぞれが少なくとも1個の炭素を含むならば、どのようなR1とR4の組み 合わせにも分けられる。たとえば、R,がC1で、R4がCIZであってもよ( 、またはR1がCl1lでR4が07であってもよい。この大きさの化合物はよ り容易に細胞膜を通過して細胞の内部に入ることが明らかにされている。
R1はC1から約C2゜までのアルキル基またはアルケニル基であることが好ま しく、CIから約ezoまでのアルキル基もしくはC1から01□までのアルキ ル基またはアルケニル基であることがより好ましい。R2はH1ヒドロキシル基 またはアルコキシ基であることが好ましく、ヒドロキシル基またはアルコキシ基 であることがより好ましい。好ましい実施態様の1例では、R2はメトキシ基で ある。
R1はHまたは低級アルキル基(すなわちCIから06までのアルキル基)であ ることが好ましく、Hがより好ましい。
R4はC0R5,502RsまたはCSR,であることが好ましく、ただしR1 はCIからCooまでのアルキル基またはアルケニル基またはアルキニル基とし 、これらを官能基0HSSHSORs 、SRg 、NR7R8、COORe  、およびcONR+。R8のいずれかに置換してもよく、ただしRe 、Rt  、Rs 、Re、およびRl Oは独自に、H1低級アルキル基(すなわちCI からC6)、およびC1からCI□までのアリール基、アルカリル基、およびア リールアルキル基とする。
R4はC0R5であることがより好ましく、ただし、R3はC7からCooまで のアルキル基またはアルケニル基とする。適切なアリール基にはフェニル基、置 換フェニル基、およびピリジン基がある。適切なアリールアルキル基にはベンジ ル基およびフェネチル基がある。
好ましい化合物にはセラミド、C+s/C,セラミド、CI8/Cmセラミド、 C1□/C,セラミド、および3−0−メチルスフィンゴシンがある。これらの 化合物の命名法は本明細書の実験の部で説明する。
本発明の化合物は細胞分化を誘導するために有用である。これらは哺乳動物、通 常ヒトの患者の分化可能な細胞に、細胞の分化の誘導に有効な量を投与する。
細胞分化、細胞の分化、および類似の用語が意図する意味は、細胞が成熟し、機 能細胞の特徴を獲得する生物学的過程である。分化のあいだに細胞はたとえば、 形態または特徴を獲得あるいは喪失し、物質と結合する能力または化学反応を行 なう能力を獲得あるいは喪失するだろう。分化を誘導するという用語の意図する 意味は、分化した表現型を得るために分化可能な細胞を操作する行為を言う。一 般に、哺乳動物の細胞は未熟な未分化の細胞として開始し、次いで分化し、その あいだに成熟・分化した細胞の特徴を獲得する。
構造式Iの構造を持つ化合物は、細胞の表現型を変化させるためにも有用である 。細胞の形態、行動、および生化学的活性を含めたその他の特徴は、一般に細胞 の表現型として知られている。本発明のこの実施態様では、本発明の化合物を哺 乳動物、通常ヒトの患者の形質転換した表現型を持つ細胞に、細胞の表現型を同 種の正常細胞が持つ表現型に変えるために有効な量投与する。細胞の「正常な」 表現型とは、形態、マーカー、成長、環境への反応、および調節のような従来か らの基準により正常と思われる細胞を意味する。悪性化した細胞とは、自然にま たは人工的操作により正常細胞から発生し、より未熟/未分化な表現型、成長亢 進、環境および細胞成長調節への無反応性またはほとんど無反応、動物モデルに 腫瘍を発生させる能力のような癌に類似した特性を獲得した細胞である。したが って細胞の表現型を変えるとは、化合物と結合し、酵素活性を発現し、そして環 境に反応する能力、および細胞のその他の特徴を含めた、細胞の少なくとも一つ の特徴を変える行為を意味する。
本光明の化合物は細胞分化を誘導し、そして細胞の表現型を変える能力を持つこ とから、このような化合物は、細胞の過剰増殖を特徴とする疾患、または細胞の 分化に重要な障害がある疾患の治療に有用であると期待される。細胞の過剰増殖 を特徴とする疾患には、疾患の結果または症候の一つが、障害細胞の異常増殖で ある疾患が含まれる。
細胞の異常増殖は、疾患が無い場合に存在する細胞の数と比較して、存在する細 胞の数が増加することにより一般に発現する。細胞の過剰増殖は正常細胞、異常 細胞、悪性細胞のいずれにも起こり得る。細胞の過剰増殖を特徴とする疾患には 、癌性腫瘍、白血病、非悪性腫瘍、乾せん、アテローム性硬化症、およびその他 の疾患がある。このリストはこのような疾患の例として挙げたもので、限定する ものではない。これらの疾患は共通して、悪性細胞(たとえば癌、白血病、およ びリンパ腫)または前悪性細胞(たとえばを髄形成異常)または良性細胞(たと えばリンパ増殖性、良性腫瘍、および乾せん)の増殖の亢進および異常により生 に起こる。本発明の化合物による細胞増殖の抑制は、これらの疾患の障害細胞の 成長を遅延して、かなりの治療効果およびおそらく治癒効果をもたらすだろう。
この型の多くの疾患では、未分化の細胞を持つことも特徴である。未分化細胞ま たは未分化表現型とは、成熟細胞に必要な生化学的および生理学的機能的特徴が 欠如しているため、成熟細胞のように通常機能できない未熟細胞を意味する。
細胞分化の過程のあいだに、未熟細胞は成熟細胞の生化学的および生理学的特徴 を発現し始める。たとえば、インビボで幹細胞は顆粒球および単球に分化する。
未分化細胞がより健常な表現型を持つ分化した細胞に変化できないことが、正常 機能の欠如の原因である。本発明記載の化合物が持つ分化を誘導する能力は、こ れらの細胞の亢進した増殖を弱めるうえに、そして細胞が正常細胞として機能で きるようにするために必要な生化学的特徴および表現型の特徴を獲得するうえに も役立つに違いない。たとえば乾せんの場合、本発明の化合物は乾せんの異常増 殖細胞の分化を誘導すると信じられ、その結果細胞が健康な皮膚に分化するにち がいない。同様にを髄形成異常では、これらの化合物は、初期の未分化骨髄性細 胞の分化を引き起こすどpわれ、このことは、これらの疾患による主要な健康障 害、すなわち正常な良く分化した血液細胞の数の減少、と闘ううえに重要な役割 を果たすだろう。白血病、リンパ腫、およびその他の癌もまた、これらの悪性細 胞の分化を促進することにより治療できるだろう。分化した細胞は通常分裂でき ないことから、個々の細胞はもはや悪性クローンを補充できず、転移不可能なの で、分化の促進はこれらの疾患の治療に役立つ。
腫瘍壊死因子(TNF)とガンマインターフェロンはどちらもセラミドのレベル を上昇させること、およびセラミドはHL−60細胞分化に対するこれらの物質 の効果を仲介するらしいことにより、広範囲の新生物性疾患に対する本発明記載 の化合物の有用性が強力に裏付けられる。したがって、これらの化合物はM瘍壊 死および腫瘍退行を誘導するうえでも有用であると期待される。
セラミドおよび誘導体はリンパ球の成長を遅延することから、本発明の化合物は 哺乳動物、とくにヒトに免疫抑制を誘導するうえにも有用であると信じられる。
ステロイド、抗リンパ球抗体などのリンパ球の成長を抑制するその他の物質は、 免疫抑制を誘導するうえで重要な役割を果たしている。免疫抑制は、腎臓移植、 心臓移植、肝臓移植、およびその他の臓器移植に起こるような臓器拒絶において 、非常に重要である。また、ステロイドはセラミドを増加させるので、セラミド は免疫抑制剤としてのステロイドの効果に類似の効果を持つ可能性がある。細胞 と(にリンパ球の成長を遅延させることは、細胞の成長および細胞分裂の正常速 度を遅延するかまたは抑制することを意味する。したがって、細胞の成長を遅延 する化合物は、これらの細胞の成長および正常な機能の速度を遅延する効果を持 つ。
自己免疫疾患では自己反応性リンパ球の活性および増殖の亢進が特徴である。
リンパ球の成長を抑制すると思われるセラミドの能力は、自己免疫疾患の発病抑 制にかなり寄与すると期待される。コルチコステロイドはセラミドのレベルを上 昇させる。二と、およびコルチコステロイドは自己免疫疾患において治療的役割 を持つことから、本発明記載のセラミドおよびその他の化合物は、これらの疾患 におけるステロイドの作用を仲介する可能性があると現在では信じられる。
肥満もまた、体内の脂肪細胞の増殖および代謝の亢進を特徴とするらしい。本発 明の化合物はこれらの細胞の成長を遅延し、その結果肥満の減少に寄与する可能 性がある。腫瘍壊死因子はセラミドのレベルを上昇させることから、重要な関連 が生じる。TNFは悪液質の誘導において役割を果たしていると推定され、肥満 の治療法の候補とされている。セラミドは肥満の治療に有用であろうと現在では 信じられる。
アテローム性硬化症は、平滑筋細胞および内皮細胞の増殖の亢進およびおそらく 異常を特徴とするもう一つの疾患である。本発明記載の化合物の投与によりこれ らの細胞の成長を遅延することは、アテローム性硬化症の抑制に寄与するであろ うと期待される。
本発明の化合物は皮膚の老化防止剤としても有用であると期待される。皮膚の老 化防止剤への使用が知られているレチノイン酸は、皮膚細胞中のセラミドのレベ ルを上昇させる。レチノイン酸はセラミドのレベルを上昇させることから、セラ ミドはレチノイン酸の作用を仲介し、そして皮膚の老化防止剤に有用である可能 性がある。
本発明は、化学的予防、すなわち正常表現型から悪性化した表現型への細胞の変 化を防止または遅延するための細胞の治療、にも有用であるかもしれない。セラ ミドは悪性細胞およびその他の未分化の細胞の分化を誘導でき、したがって本発 明の化合物は、初期の(臨床的に検出不可能な)悪性細胞の増殖を誘導し、遅延 するうえで有用であると信じられる。これは強力な化学的予防剤を提供するであ ろう。同様に、レチノイン酸も化学的予防薬として有用であるかもしれず、した がって、レチノイン酸はセラミドのレベルを上昇させることから、本発明の化合 物はこの経路によっても化学的予防に有用である可能性がある。
本発明の化合物またはその薬学的に有効な塩またはその両方を、本明細書に記載 した状態および分化過程の欠損により起こるその他の状態に陥ったヒトのような 哺乳動物を治療するために使用できる製薬用組成物または医薬品に調剤できる。
製薬用組成物または医薬品は、治療に有効な量の本発明の化合物またはその薬学 的に容認できる塩またはその両方を含むことが好ましい。本発明の化合物は、疾 、叡を有するかまたは疾患を有すると疑われる哺乳動物に、単独で、または本発 明の他の化合物もしくは池の治療薬または緩和剤と併用して投与できる。本発明 の組成物はどのような方法、たとえば経口、非経口、皮肉、筋肉内、静脈内、皮 下、または局所投与によっても投与できる。実際の投与法は、既知の方法からの 類推により容易に決定でき、治療する特定の病的状態、その重症度、および患者 の年齢と状態により決まる。これらは錠剤、カプセル剤、またはエリキシル剤と して経口的に、もしくは溶液または懸濁液として非経口的に投与することができ る。
注射のために使用する溶媒は無菌液が好ましい。注射用溶媒としては、注射液の 場合に従来から使用されている安定剤、溶解補助剤、および緩衝剤のうちいずれ かまたは全部を含有する水を使用することが好ましい。好ましい添加剤にはたと えば酒石酸塩緩衝剤またはホウ酸塩緩衝剤、エタノール、ジメチルスルホキシド 、錯体形成剤(たとえばエチレンジアミン四酢酸)、粘性調節のための高分子重 合体(たとえばポリエチレンオキシド)、または無水ソルビタンのポリエチレン 誘導体がある。
本発明記載の化合物の総常用量(日用量、適用量、月用量など)は、障害細胞の 分化または細胞増殖の減少または治療する状態の改善もしくは安定化をもたらす 量とする。熟練者ならば、上記の範囲を出発点として特定の症例に使用するため の最適治療有効量を容易に決定できる。
疾患の治療のための組成物を調製または製造するとき、本発明記載の化合物また は化合物の生理学的に容認できる塩またはそれらの混合物を、生理学的に容認で きる賦形剤、キャリヤ、結合剤、保存剤、安定剤、香料、添加剤のいずれかまた は全部と共に、1単位の剤形に成形してよい。錠剤およびカプセル剤に使用でき る典型的な添加剤の例には、トラガカントゴム、アラビアゴム、コーンスターチ 、およびゼラチンのような結合剤、微結晶性セルロースのような賦形剤、コーン スターチ、前ゼラチン化デンプン、およびアルギン酸のような密封剤、ステアリ ン酸マグネシウムのような滑沢剤、ショ糖、乳糖、およびアスパルターゼのよう な甘味料、ペパーミントのような香料がある。その他の添加剤として、たとえば カプセル剤中の液体キャリヤとしての食用油、たとえば錠剤コーティング中のセ ラック、糖、およびそれらの複合物がある。
非経口注射液には有効成分を溶解または懸濁するための賦形剤として、水、ゴマ 油・ココナツ油・落花生油・綿実油のような天然植物油、およびオレイン酸エチ ルのような合成油を使用でき、必要に反応して緩衝剤、保存剤、および酸化防止 剤を含有してよい。
本発明の方法は、本発明記載の有効量の組成物を、細胞と直接接触させることに より実施できる。しかし、方法を間接的に実施すること、たとえば、本発明の化 合物のうちの1つの生成を誘導するインビボ活性を持つ化合物または組成物を投 与することによっても、本発明の範囲内で実施することができる。さらに、イン ビボで本発明の化合物に変化するプロドラッグ前駆体もまた、本発明の範囲に含 められる。
本明細書に記載する化合物の幾つかは、構造式Iを持つ化合物の炭素鎖中の炭素 原子の総数を反映するための、簡便な略称を付与されている。たとえば、CI。
/C2セラミドとは、RIがCl1lアルケニル基、R2がヒドロキシル基、R 3がH,R,がC0R5、Rsがメチル基である構造式Iを有する化合物を言う 。C+s/Ciセラミド中のR1の二重結合は、セラミド中の二重結合と同一位 置にある。したがって最初に表記した鎖には18個の炭素があり、この鎖はR1 の炭素、R2が結合している炭素、Nが結合している炭素、および鎖の末端のC H,OH基を持ち、2番目に表記した鎖には2個の炭素、すなわちR4のアミド 基炭素とR3のメチル基炭素がある。化合物はこのように表記され、最初に表記 する炭素鎖はR1と、R,、N、およびOHが結合している炭素とを含み、2番 目に表記する炭素鎖はR4中の炭素を示す。同様にC1s/ Csセラミドとは 、R1がcpsのアルケニル基、R2がヒドロキシル基、R3がH,R4がC0 R5、Rsがペンタニル基である構造式■を有する化合物を言う。C++/Cs セラミドとは、R1がC8のアルケニル基、R2がヒドロキシル基、R8がH1 R4がC0R5、R3がヘプタニル基である構造式Iを有する化合物を言う。こ れらの例の各々で、R,中の二重結合はセラミドと同一位置にある。ただし他の 不飽和結合の位置も使用できる。3−o−メチルスフィンゴシンとは、R1がc psのアルケニル基、R2がメトキシ基、RsがHlR,がC0R5、R8がメ チル基である構造式Iを有する化合物を言う。
1δ、25−ジヒドロキシビタミンDs (1,25(OH) 2 Ds )は ニューシャーシー州ナツトレイのホフマンーラロッシュ(Hof fman−L aR。
ah)から入手した。SMとPCはアヴアンテイ・ポーラ−・リビズ(Avan ti Po1ar Lipids)から購入し、セラミドはサペルコ(Supe lco)から購入した。インスリン、トランスフェリン、NBT、およびα−ナ フチルアセテートはミズリー州セントルイスのシグマ・ケミカル社(S i g maChemical Co、)から購入した。
セラミドおよびスフィンゴシン同族体の調製N−アセチルスフィンゴシンおよび (3HEN−アセチルスフィンゴシンはアール・シー・ゲイバー(Gaver、 R,C,)およびシー・シー・スウイーリ−(Sweely、C,C,)(J、 Amer、Chem、Soc、8旦=3643−3647 (1966) )の 記載に従って合成した。箭単にいうと、N−アセチルスフィンゴシン(C+ a / C2セラミド)とN−ヘキサノイルスフィンゴシン((、ts/csセラミ ド)は、それぞれ、無水酢酸と無水カプロン酸により中性スフィンゴシンをアシ ル化することにより調製した(収量90%)。N−アセチル〔3H〕スフインゴ シン(比活性2.5xlO’ cpm/nmol)は、低温のN−アセチルスフ ィンゴシンを乾燥した無水クロムによりピリジン/ベンゼン中で酸化して得た3 −オキソ−1−ヒドロキシ−2−アセトアミド−4−オクタデセン(収量 薄層 クロマトグラフィー(TLC)分離後80%)を、〔3H〕NaBHaにより還 元して調製した(収量 TLC分離後40%)。N−エチルスフィンゴシンは、 N−アセチルスフィンゴシンをLiBH4により還元して調製し、分取TLCに より精製した(収量 30%)。Co/Cmセラミドは、リオッタ(L i o  t t a)ら(Tetrahedrom Letters 2旦=3Q37  (1988))の方法に従って調製した。全部の構造をNMRにより確認し、 TLCにより純度を確立した。純度は97%を越えると推定された。これらの化 合物はエタノールに溶解して溶媒に移した(エタノールの最終濃度は0゜1%未 満であった)。
3−0−メチルスフィンゴシンの調製 3−o−メチルスフィンゴシンは、カーター(Carter)ら(Journa l of Biochemistry 192:197−207.1951)の 記載に従って合成した。ウシ脳セレブロシド(カナダ、オンタリオ州ロンドン、 サーダリー・リサーチ・ラブダ(Serdary Re5earch Labs )、カタログNo、A−46)100mgを、丸底フラスコに入れた濃硫酸11 2μl/メタノール2.3s/に溶解した。この混合液を撹拌しながら6時間加 熱、還流した。加熱後、反応混合液を氷上で約15分間冷却した。脂肪酸の沈殿 物とメチルエステルを、ブフナー(Buchner)ロートで#1ワットマン( Whatman)紙により濾過して除去した。残留する脂肪酸とエステルを除去 するために、濾液を石油エーテル1m1(各抽出)により4回抽出した。エーテ ルを真空下で約15分間除去した。この溶液を4NのメタノールKOH(me  thanolic KOH)により中和しくpH試験紙により判断して5.5s /まで)、沈澱した硫酸カリウムをブフナーロートで#1ワ・ットマン紙により 濾過して除去した。濾過液を4°Cで一晩貯蔵しく冷蔵)、夜間に生成した新た な硫酸力IJウム沈殿物を濾過して除去した。pH試験紙により判断してpH1 0になるまで6NのNaOHを溶液に加えた。次にこの溶液をジエチルエーテル で2回抽出した。エーテル抽出液をまとめ、水で1回洗浄し、真空下、硫酸ナト リウム上で乾燥した。乾燥した抽出物をクロロホルム:メタノール(’1:1) に溶解した。
試料をサンバシヴアロコ(Sambas 1varoco)およびマツククルア −(McCluer)(Journal of Lipid Re5earch 4 :106−108.1963)の記載に従って薄層クロマトグラフィー(T LC)により精製した。分取TLC薄層板、展開溶媒としてクロロホルム:・メ タノール=2N水酸化アンモニウム(40:10:1)、およびマーカーとして スフィンゴシンを使用して、生成物を分離した。薄層板の小部分を、ニンヒドリ ン噴霧により可視化した。3−o−メチルスフィンゴシンは薄層板の高部まで移 動し、最も速く移動する成分であることが明らかになった。3−o−メチルスフ ィンゴシンに相当するシリカ帯を薄層板から削り取り、3−o−メチルスフィン ゴシンをクロロホルム、メタノール(1: 1)によりシリカから溶出した。溶 出液を2.00Orpmで約5分間遠心分離機(IEC)にかけ、上澄みを清潔 な試験管に移した。シリカからのクロロホルム:メタノール(1: 1)による 3−。
−メチルスフィンゴシンの溶出を反復し、上澄みをまとめた。まとめた上澄みを 真空下で乾燥し、エタノールに再び懸濁し、全収量11mgの3−〇−メチルス フィンゴシンが得られた。
細胞培養 ヒト骨髄性白血病HL−60細胞(45代培養)を入手し、10%胎仔ウシ血清 を含有するRPMI 1640培地(ミズリー州セントルイス、シグマ・ケミカ ル社(Sigma Chemical Co、))に加え、37’Cの5%C0 2インキユベーター内で増殖させた。この細胞をリン酸緩衝溶液(P B S’ lで2回洗浄し、血清を含有せず、インスリン(5mg/す・ソトル)とトラン スフェリン(5mg/リットル)を含有する培地に再び浮遊させたのち、種々の 化合物による処理を行なうた。
脂質の質量測定 表示した時間に細胞を収穫したのち、脂質をブライ(B 1 i gh)および ダイヤ−(Dyer)(Can、J、Biochem、Physiol、3ヱ: 911−917 (1959))の方法により抽出した。試料を窒素ガスの下で 乾燥し、クロロホルムO,1mlに溶解した。40μlを薄層クロマトグラフィ ー(TLC)(メルク(Merck))に使用し、40μlをリン脂質リン酸の 測定に使用した(二重反復測定)。リン酸塩をビー・パン・ヴエルドホーヴエン (VanVeldhoven、P、)およびジーーvミールツ(Mamma e  r t s。
G、)(Ann、Bioch’am、工61 : 45−48 (1987)) の記載番二従って測定した。スフィンゴミエリン(SM)とホスホリルコリン( PC)を同定するために、クロロホルム:メタノール:酢酸:H,O: (50 :30:8:5)(展開溶媒A)またはクロロホルム:メタノール: 2N N H4OH(60:35:5)(展開溶媒B)で、TLC薄層板に展開した。展開 溶媒Aと展開溶媒Bの組み合わせを二次元TLCに使用した。薄層板をヨード蒸 気で染色したのち、SMとPCに相当するスポットを削り取り、クロロホルム: メタノール(1:1)で抽出し、リン脂質リン酸を測定した。
セラミドの測定 セラミドの質量を、ブレイス(Preiss)ら(J、Biol、Chem。
261:8697−8700.1986)とノくン・ヴエルドホーヴエン(Va nVeldhoven)(Anal、Biochem、1旦3:177−189 ゜1989)の記載に従い、5n−1,2−ジアシルグリセロール(DAC)キ ナーゼを使用して酵素的に測定した。HL−60細胞中のセラミドのセラミド1 −リン酸への変化を確認するために、セラミドリン酸とホスファチジン酸を、ク ロロホルム:メタノール:酢酸(65:15:5Lクロロホルム:ピリジン:ギ 酸(60・30:8)、およびクロロホルム:アセトン:メタノール:酢酸:H 20(6: 2 : 2)のような異なる展開溶媒系により、TLCで分離した 。Rfの値を標準セラミドのそれと比較した。さらに、セラミド1−リン酸をア ルカリ性加水分解(706C1IN NaOH中で20時間)によりスフィンゴ シン1−リン酸に変化させ、ブタノール、酢酸・H2O(6: 2 : 2)ま たはクロロホルム:アセトン:メタノール:酢酸:H2O(10:4:2:2: 1)を含有する展開溶媒に加え、Rfの値を標準スフィンゴシン1−リン酸のそ れと比較し、0.45または0.42で同一であることが明らかになった。
HL−60細胞の成長および分化の分析細胞の成長は、血球針を使用して定量し た。細胞の生存能力は、トリパンブルーの除去能力により判断した。生存能力は 、特に記載が無い場合、常時80%以上であった。ニトロブルーテトラゾリウム (NBT)還元能力を、マクロファージ・単球系と顆粒球系の両方のマーカーと して使用し、非特異エステラーゼをマクロファージ/単球系のマーカーとして使 用した。両方のマーカーを、ティー。
オカザキら(J、Ce1l Physiol、131:50−57、 (198 7))の記載に従って測定した。
C3H〕Cps/ C2セラミドの取り込みと代謝:HL−60細胞を無血清培 地に再び浮遊させたのち、[”H)C+g/C2セラミド(IXIO’ cpm /ml)で標識し、表示した時間に収穫し、PBSにより3回洗浄した。次に脂 質をブライ(B l i gh)およびダイヤ−(Dyer)(上記)の方法に より抽出した。乾燥した試料をクロロホルム100μlに溶解し、20μlをT LCに使用し、40μmをリン脂質リン酸の測定に使用した。
クロロホルム:メタノール+ 2N NH4OH(40: 10 : 1)を含 有する溶媒を用いてTLCで展開し、自、/C2セラミド、SM、およびスフィ ンゴシン(SPH)を分離した。スポットを削り取り、セイフテイ・ソルヴ(S afetV 5olve、商標名)(リサーチ・プロダクツ・インターナショナ ル社(Research Products International C orp、))に加え、エルケービ−(LKB)シンチレーションカウンター(エ ルケービー)によりカウントした。
25 (OH)2 Dsに反応したセラミド生成の用量依存性および時間依存性 :セラミドの質量を、以前にジアシルグリセロールの定量のために開発された( 上記のヴアン・ヴエルドホーヴエンffan Ve 1dhoven)らを参@ )ジアシルグリセロールキナーゼ試験を用いて測定した。大腸菌(E、coli )DACキナーゼはセラミドをセラミド1−リン酸に大量に変化させる。細胞セ ラミドをセラミド1−リン酸に変化させたのち、薄層クロマトグラフィー(TL C)で標準セラミドリン酸と共に移動させることにより同定した。細胞および標 準のセラミドリン酸を4種類の溶媒系を用いてTLCで展開したとき、両者のR fの値は同一であった。さらにセラミドリン酸のアルカリ性加水分解により同定 が得られた。アルカリ性加水分解によりスフィンゴシン1−リン酸が生成し、こ れはブタノール:酢酸:HxO(6:2:2)溶媒系を用いたTLCで標準と共 に移動した(Rf=0.45)。
図1に示すように、1.25 (OH)t DsによりHL−60細胞を処理す ると、処理の2時間後にセラミドのレベルが用量依存性に上昇した。データは対 照(CIll/C,セラミドが存在しない場合)に対する百分率で示しである。
棒は二重反復測定の標準偏差を表す。セラミドの基線レベルはリン脂質1nmo  1中26.1±0.82nmO1であった。結果は3回の異なる実験の代表値 である。
セラミドの最大上昇はioOnMの1.25− (OH)2 Dsにより生じた 。
この濃度の1.25 (OH)! Dsでは、セラミドの質量が対照より41% 増加した。1.25 (OH)2 Dsに対するセラミド生成の用量依存性は、 1100−300nで最大に達する1、25 (OH)z Dsに対するHL− 60細胞分化の用量依存性と良く類似した。したがってこれらの結果は、セラミ ド生成と細胞分化のあいだの量的関係を示唆する。
HL−60細胞に対する1、25− (OH)! D3の作用に反応したセラミ ドのレベルの時間依存性も検討した。図2に示すように、HL−60細胞を11 −00nのC1s/ C2セラミドで処理したのち、指定された時点で収穫した 。セラミドの質量を「実験方法」に記載したように測定した。2回の測定から結 果を得た。
欅は標準偏差を表す。データは3回の異なる実験の代表値である。HL−60細 胞を1100nの1.25− (OH)z Ds (図1に示した用量反応関係 から最適濃度)で処理したとき、セラミドのレベルは最初の2時間にわたって徐 々に増加し、次いで基線レベルに戻った。最初の増加はi、25− (OH)2  D3処理の30分後に検出され(基線値より7%増加)、2時間後に41%の 最大増加に達した(図2)。
これらの研究は、1.25 (OH)! Dsはセラミドのレベルの時間および 用量依存性の一過性増加を誘導し、この増加はHL−60細胞の分化開始より明 らかに前である(最大セラミド生成は2時rjJ′dkであるのに対し、分化に よる表現型の変化は2−4日後に起こる)ことを示す。セラミドの生成は1.2 5−(OH)! Dsに反応した最も初期の生化学的変化であると思われること から、これらの研究は脂質メディエータ−としてのセラミドの役割を示唆する。
スフィンゴミエリンからのセラミドの奪取:以前の研究(ティー・オカザキら( 上記))で、1.25− (OH) 2D、は同時にホスホリルコリンおよびセ ラミドのレベルの変化を伴うスフィンゴミエリンの加水分解を誘導し、その後、 スフィンゴミエリンが再合成されて基線レベルに戻ることを明らかにした。セラ ミドがスフィンゴミエリンから大量に生成したことを確認するために、加水分解 したスフィンゴミエリンの質量を測定し、生成したセラミドの質量と比較した。
図2に見られるように、セラミドの質量は2時間後に最大に達し、そのときのセ ラミドの最終的生成量はリン脂質lnmol中13±2pmolであった。次い でセラミドのレベルは4時間後に基線値にもどった。図3に示すように、リン脂 質の総レベル(図3A)とホスファチジルコリンの総レベル(図3B)は、1. 25 (OH)* Ds処理の4時間後まで、有意に変化しなかった。しかし、 スフィンゴミエリンのレベルはリン脂質1 nmo 1中51±6pmolから 2時間後にリン脂質lnmol中34±2pmolまで低下した(図3C)。リ ン指貫lnm01中17±4pmolのスフィンゴミエリンの最終的減少は、リ ン脂質lnmol中13±pmo lのセラミドの質量の最終的増加に非常に近 い。これらの結果は、HL−60細胞に対する1、25−(OH)2 DSの作 用に反応したスフィンゴミエリンの分解からセラミドが生成することを強く示唆 する。〔3H〕パルミチン酸塩でスフィンゴ脂質を標識することにより、他のス フィンゴ脂質はこの時間のあいだに1. 25− (OH) ! DSに反応し て有書な変化を受けないことが明らかにされ、スフィンゴミエリンのプールが種 々のスフィンゴ脂質のなかで最大の標識プールを構成した。したがって、セラミ ドがスフィンゴミエリン以外のスフィンゴ脂質の加水分解に由来する可能性はあ りそうもない。しかし、これらの研究は、1.25〜(OH)t Dsに反応し たセラミドのデノポ合成の可能性を否定するものではない。もっともスフィンゴ ミエリンの有意で釣り合った加水分解を見れば、この可能性はありそうもない。
これらのデータは、HL−60細胞中の総リン脂質が15.6±1.Ofm。
l/細胞であり、PCとSMは総リン脂質のそれぞれ53.3±2.3%と5. ′1±0.6%を占めることも明らかにする。これらは、〔3H〕コリンを使用 して両脂質を標識することによりSM/PC比が0.05−0.10であること を明らかにした以前のデータ(ティー・オヵザキ、J、Biol、Chem、2 64:19076−19080 (1989年))と非常に近い。これらの結果 より、3Mレベルの最終的減少は総リン脂質レベルの変化の1. 5−2. 0 %を占めるに過ぎないことから、総リン脂質の有意な変化が無い理由も説明され る。
獲スフィンゴミエリンの加水分解およびセラミドの生成を誘導する外来性の細菌 スフィンゴミエリナーゼを添加すると、HL−60細胞分化を誘導する1、25  (OH)20sの能力が増強されることが明らかにされている(ティー・オカ ザキら、上記)。しかし、高濃度の細菌スフィンゴミエリナーゼを使用するとき には、膜ホスファチジルコリン(P C)の加水分解が加わり、そのため解釈に 制約がある。
この問題を解決し、そしてセラミドが細菌スフィンゴミエリナーゼに類似の作用 を持つか否かを直接試験するために、アミド結合に酢酸を持つ合成細胞透過性セ ラミドすなわちCis/C2セラミドを調製した。天然に存在するセラミドと比 較してC+ a/ C2セラミドは炭素数が14−16個少なく、したがって、 水への溶解度がより高い。同様の条件下で、長いN−アシル鎖を持つ天然のセラ ミドは、50μMで、細胞成長および細胞分化に影響を及ぼさず、これは長鎖N −アシル基セラミドの取り込みが少ないこととあい通じる。
これは、天然に存在するDACより短いアシル鎖を持つジオクタノイルグリセロ ールおよびオレオイルアセチルグリセロールのような細胞透過性DAC同族体で も同様である。HL−60細胞を同時に最適濃度以下の1.25− (OH)2 Ds (1nM、最適濃度の100分の1)と様々な濃度のC+s/C2セラミ ドにより処理したとき、細胞分化の亢進が認められた。
HL−60細胞(2,5X10S個/ml)を同時に様々な濃度のC+a/Cz セラミドとlnMの1.25− (OH)! DSにより処理した。細胞分化を NBT還元能(斜線の入った捧)とNSE活性(斜線の無い棒)により判定した 。細胞成長に対するC1@/C2セラミドの効果を挿入図に示す。3回の異なる 実験から結果を得た。棒は標準偏差を表す。
図4に示すように、C18/C!セラミドは1.25 (OH)z Ds分化の 用量依存性の亢進を引き起し、最大効果は1μMで生じた。処理の4日後、1μ MのC+s/CzセラミドはNBT還元活性を11.9±2.9%から57.8 ±1゜4%に、非特異エステラーゼ(NSE)活性を2.2±0.9%から39 .2±7.2%に増加させた。同じ濃度範囲で、Ci s / C2セラミドは 細胞生存能力には有意に影響を与えずに、細胞成長の軽度の抑制を引き起こした (図4挿入図)。
細胞生存能力は富時80%より上であった。細胞成長の軽度の抑制があったにも かかわらず、1μMのCls/ C!セラミドにより誘導されたNBT陽性細胞 とNSE陽性細胞の絶対数は、4日目に対照と比較してそれぞれ0.9X10’ 個/mlから2.54X10’偲/mlに、0.16X10’個/mlから1. 72×105個/mlに増加した。
細胞透過性セラミドは1.25− (OH)! DSに依存せずにHL−60細 胞分化を誘導する 閾値以下の濃度の1.25− (OH)! DSと低濃度のCIs/ Ctセラ ミド(100nM−1μM)のあいだの強い相乗作用は、高濃度のCIs/C2 セラミドが1.25− (OH)2 DSの添加に依存せずに分化を誘導する可 能性を示唆する。
ゆえに、合成C+a/Czセラミドが細胞の成長および分化に及ぼす効果を検討 した。増加する濃度のCrs/C2セラミドによりHL−60細胞を処理すると 、図5に示すような細胞成長の用量依存性の抑制が起きた。C+s/Czセラミ ドの様々な濃度を次のように示す二〇 −対照、黒い菱形 −1μM1黒い四角 形−3μM1黒い丸 −6μM、黒い三角形 −10μM03回の測定から結果 を得た。欅は標準偏差を示す。10μMのCI8/C!セラミドは7日目までに 著しい細胞の消失を引き起こした。30%以上の細胞で処理2日目までに分化が 誘導されたことから、細胞の消失は単なる毒性に起因するのではなく、少な(と も部分的にC+ s/ Czセラミドによる細胞分化の誘導に起因する可能性が ある。
図6に示すように、増加する濃度のCry/Ctセラミドは1、NBT還元能お よびNSE活性の誘導による定量に従えば、4日目までにHL−60細胞の分化 の漸増を引き起こした。NET活性は斜線の入った欅で表し、NSE活性は白い 棒で表しである。結果は3回の測定の平均である。棒は標準偏差を表す。細胞を 様々な濃度のCo/Ctセラミドにより4日間処理した。6μMのCrs/Cx セラミドによる処理後、NBT陽性細胞は0±1.0%から53.2±1.6% に増加し、NSE陽性細胞は1.0±1.9%から46.4±6.0%に増加し た。
1μMという低濃度のC+a/Czセラミドによっても、分化した細胞の有意な 増加が認められた。
セラミドにより処理したHL−60細胞の形態的表現型の検査により、1.25  (OH)2 Dsが誘導する単球の表現型に一致する形態的変化が明らかにな った。これらの細胞では、細胞質対校の比の増加、小葉状で偏心性の核、および 核小体ならびにアズール顆粒の消失が特徴である。細胞はNBT還元能とNSE 活性も獲得し、後者は単球分化の特異マーカーである。
次にC+a/Czセラミドに反応した時間依存性分化を、最少の細胞毒性で最大 の分化を引き起こす最適濃度として6μMのC1a/ Ctセラミドを使用して 検討した。細胞分化はNBT還元能とNSE活性により判定した。6μMのC+ a/C2セラミドの添加は、図7に示すように、処理7日目までにNBTlil 性m胞とNSE陽性細胞をそれぞれ611%と56%まで次第に増加させた。図 7では、6μMのセラミドにより処理したHL−60細胞を黒い形で示し、セラ ミドにより処理しなかった細胞を白い形で示す。NBT還元能を および丸で示 し、NSE活性を四角で示す。
これらの結果は、C+a/Ctセラミドの単独添加はHL−60細胞に単球表現 型への分化を誘導することができ、6μMのC1l/C2セラミドは1.25− (OH)! Dsと類似の有効性を示すことを明らかにする。1100nの最適 濃度でCIs/ C2セラミドは4日目に74土6%の細胞にNBT還元能を、 51.4±4%の細胞にNSEを誘導する。これに対しC+s/Czセラミドで は53.2±1.6%と46.4±6%である。
図8に示すように、C,、/C2セラミドをHL−60細胞に添加してもスフィ ンゴミエリンの細胞内レベルは変化しなかった。表示した時間のあいだHL−6 0細胞を5μMのC+s/Ctセラミドにより処理した。スフィンゴミエリンを 「実験方法」に記載したように抽出・測定した。データは対照(C+s/C2セ ラミドが存在しない場合)に対する百分率で表しである。棒は標準偏差を示す。
2回の異なる実験から結果を得た。これらの結果は、C+a/Czセラミドおよ び細菌スフィンゴミエリナーゼ(SMase)がHL−60細胞分化に及ぼす効 果は、セラミドにより仲介され、SMレベルの変化自体により仲介されるのでは ないことを強く示唆する。
第二メツセンジャーとしてのセラミドの役割をさらに検討するために、セラミド へのHL−60細胞の短時間ばく露が、分化の誘導に充分であるか否かを調べる 実験を実施した。細胞に加えたC + s/ C2セラミドは、細胞の反復洗浄 後、溶媒にもどし抽出(back−ext rac t)でき、その結果3回の 洗浄後、最初のCIJC!セラミドの20%未満が細胞ベレットと共に残留した 。 1,25− (OH)2 Dsは約2時間にわたって内因性セラミドを上昇 させることから、HL−60細胞をCI8/C2セラミド(0,5−2μM)に 2時間ばく露した。
C111/C2セラミドをもどし抽出し、分化を調べた。細胞をCl1l/C2 セラミド無しにまたはC11/C2セラミド(0,5μM11μMまたは2μM )により2時間(図9と図10)または4時間(図10)処理し、RPM I  1640培地により3回洗浄し、次に無血清RPMI 1640培地に再び浮遊 させた。表示した日(図9)または処理のウォッシュアウトの4日後(図10) に、「実験方法」の記載に従ってNBT還元能により分化を測定した。棒は標準 偏差を表す。図9では、白い丸はOμMのC1a/C!セラミドを表す。黒い三 角形は0.5μMのC+s/Czセラミドを表す。黒い四角形は1μMのC+a /(:zセラミドを表す。黒い丸は2μMのC+a/C2セラミドを表す。図1 0では、0μMのCts/Czセラミドを白い欅で表す。0.5μMのCI8/ C2セラミドを粗い網目の棒で表す。
1μMのC+a/c、セラミドは細かい網目の棒で表す。2μMのC+a/Ct セラミドを灰色の棒で表す。2回の異なる実験から結果を得た。C+s/C2セ ラミド(1μMまたは2μM)はこれらの条件下でHL−60細胞のかなりの分 化を引き起しく図9)、このことはHL−60細胞の2時間のC+s/Czセラ ミドへのばく露が、分化の誘導に充分であることを示す。4時間のば(露しても 、分化は有意に増加しなかった(図10)。これらの研究は、短時間の高濃度の セラミドへのHL−60細胞のばく露が、分化への介入に充分であることを示唆 する。
セラ2ドおよびスフィンゴシン同族体がD3に誘導されたHL−60細胞分化に 及ぼす影響 スフィンゴシンはインビトロおよび異なる細胞系においてプロティンキナーゼC の薬学的阻害剤である。セラミドは酸性または中性またはその両方のセラミダー ゼの作用により代謝されてスフィンゴシンになる可能性があることから、HL− 60細胞に対するセラミドの作用が、スフィンゴシンの生成に帰せられるか否か を検討した。1.25 (OH)z DsによるHL−60細胞の処理後、スフ ィンゴシンは検出できなかった。さらに、C+s/CzセラミドをHL−60細 胞に添加しても、測定可能なスフィンゴシンの生成は起こらなかった。これらの 実験のために、C1,/C2セラミドのスフィンゴシン塩基の第3炭素を〔3H 〕で標識した。細胞(5x 10’個/ml)を4μMの(’H)C18/Cm セラミド(IXIO’ cpm/m+)で標識した。C+s/Ctセラミドをエ タノールに溶解して投与した。(’H)C,/C!CmミドをHL−60細胞に 添加すると、図11および図12に見られるように、標識したCIl/C2セラ ミドが速やかに取り込まれたが、スフィンゴシンへの変化は起こらなかった。C +s/Czセラミドの取り込みは処理の0. 5時間後に約20%であった。残 りのセラミド(80%)は無変化で培地中に残留した。図11はTLC薄層板の オートラジオグラフィーを示す(24時間感光後)。図12では、「実験方法」 に記載したように脂質を抽出し、TLCにより分離し、そして放射活性を測定し た。セラミドは白い丸で表す。スフィンゴミエリンは白い四角形で表す。スフィ ンゴシンは黒い丸で表す。
同様に、C+a/Czセラミドで標識した細胞に1.25− (oH)2D、を 添加しても、スフィンゴシンの生成を引き起こさなかった。標識のごく一部がス フィンゴミエリンに変化した(Ij[識12時間後に2.8%)。これらの研究 は、1゜25− (OH)2 D3はスフィンゴシンの生成を導かないこと、お よび外因性セラミド同族体は細胞に添加したとき(1,25(OH)2 Dsの 存在する場合と存在しない場合)、スフィンゴシンに代謝されないことを示す。
スフィンゴシンはHL−60細胞内で、主にセラミドおよびその他のスフィンゴ 脂質に取り込まれることにより、ゆっ(りと代謝される(ニー・エッチ・メリル (Merrill、A、H,)ら、J、Biol、Chem、261:1261 0−12615 (1986))。しかし、上記の研究は、セラミドから生成し たスフィンゴシンが急速に代謝され、そのため上記の方法による検出を逃れた可 能性を否定はしない。目的はセラミドの効果の仲介におけるスフィンゴシンの役 割を検討することであるので、スフィンゴシンがセラミドと類似の作用をもつか 否かを試験した。
図13に示すように、HL−60細胞を同時に様々な濃度のスフィンゴシンと最 適濃度以下の1.25− (OH)2 D3 (1nM)により4日間処理した とき、NBT還元能およびNSE活性は対照と比較して変化が無かった。HL− 60細胞(2,5X10’個/ml)を1nMの1.25− (OH)z D3 の存在下で、様々な濃度のスフィンゴシンにより4日間処理した。細胞分化をN BT還元能(斜線の入った棒)およびNSE活性(白い棒)により判定した。ス フィンゴシンがHL−60細胞成長に及ぼす効果を挿入図に示す。3回の測定か ら結果を得た。
棒は標準偏差を示す。
これらの研究は、スフィンゴシンが、セラミドの効果とは明らかに異なり、Hし 一60細胞分化を誘導する1、25 (OH)2 Dsの能力を増強しないこと を示す(図4と図13を比較せよ)。 〔3H〕スフインゴシンはHL−60細 胞により効率的に取り込まれ、このことはスフィンゴシンの効果の欠如が取り込 みの少なさに起因するのではないことを示す。さらに、スフィンゴシンはC+s /C2セラミドに誘導される遅延と匹敵するレベルまでHL−60細胞の成長を 確かに遅延し、このことは、分化の誘導以外のスフィンゴシンの細胞効果を示す 。分化を促進せずにHL−60細胞成長を遅延するスフィンゴシンの能力もまた 、セラミドの主な作用はHL−60細胞の成長速度とは無関係な分化の誘導であ ると言う考え方を支持する。細胞分化におけるスフィンゴシンに依存しないセラ ミドの役割をさらに裏付けるために、合成セラミドおよびスフィンゴシン同族体 を調製し、最適濃度以下の1..25− (OH)2 DsによるHL−60細 胞分化を促進する能力について試験した。表1に示すように、C1,/C!Cm ミドとC+s/C,セラミドはどちらも、1100nの1.25−(OH)!  Dsにより認められるものと比較して、NBT還元能およびNSE活性の有意な 増加をもたらしただ。C++/CsセラミドもNBT還元能およびNSE活性の 有意な増加を引き起こした。C++/Csセラミドによる研究は、スフィンゴシ ンが重要な役割を持つ可能性の否定に特に関わりが深い。C++/Csセラミド の脱アシル化は、スフィンゴシンが持つインビトロおよび細胞効果が欠如してい ることが明らかにされているC11−スフィンゴシン同族体(エッチ・ノーシリ (Nor j i ri、 H,)ら、上記)の生成を引起す。
表1 種々のスフィンゴ脂質が1nMの1.25− (OH)20sにより処理 したHL−60細胞の分化に及ぼす影響処理 スフィンゴ脂質 細胞数 NBT 陽性細胞 NSE陽性細胞の濃度(μM) (xlO’個/ml) %%lnM  1,25(OH)zDs O7,6±1.2 11.9±2.9 2.2:0 .9C+ a/Czセラミド 0.1 7.6±1.0 35.4±4.8本  26.5±2.4本+ InM 1.25−(OH)zDs L、0 4.4  ±0.1 57.8 ±1.4本 39.2 ±7.9零Cr a/Csセラミ ド (1,17,2±113 33.5±0.5零 18.3±4.5本+ 1 nM 1,25−(O[1)t(h 1.0 6.8 ±1.6 58.1 ± 15本 29.6 ±1.8本N−エチルスフインコ゛/ン 0.1 5.0  ±1.4 16.5 ±0.5 1.3 ±0.3+ 1nll 1.25−( 0■)!D3 1.0 4.2±1.2 17.8±4.5 1.0±1.0ス フインゴシン 0.1 7.8±1.6 11.3±0.5 2.5±1,0+  1nM 1.25(OH)zDx 1.0 5.6±0.6 10.7±1. 7 2.5±1.0Co/Cmセラミド 0.1 25本 18本+ 1nM  1.25−(OH)zD3 1.0 38.5本 34.5本HL−60細胞( 2,5X10’個/ml)を同時に、表示した脂質と閾値以下の濃度の1.25 −(OH)z Ds (1nM)により4日間処理した。3回の測定から結果を 得た。*は対照(1nMの1. 25− (OH) 2 Ds )との差がPく 領 01で有意であることを示す。
一方、スフィンゴシンはこれらの2つの細胞分化の測定項目の有意な変化を引き 起こさなかった。スフィンゴシンによる同様の結果が以前にも指摘されている( ヴ4−エル・スティーヴンスら(Stevens、V、L、)Canser R es、49:3229−3234 (1989))、さらに、プロティンキナー ゼCの強力な阻害剤であるN−エチルスフィンゴシンは、NBTおよびNSE活 性を基線より有意に増加させなかった。これらの研究は、セラミド誘導体は1, 2b−(OH)! DsによるHL−60細胞分化を促進するが、スフィンゴシ ンとその同族体は促進しないことを示す。
以前の1研究で、1.25 (OH) t Ds 1tHL 60$1胞中ノス フインゴミエリンの加水分解を引き起し、同時にセラミドとホスホリルコリンを 発生させことが発見され、これは調節された「スフィンゴミエリン回路」のよう に思われた(ティー・オカザキら、J、Biol、Chem、254:1907 6−19080 (1980))。外因性細菌スフィンゴミエリナーゼの添加は 、閾値以下の1,25 (OH) 2 Dsの細胞分化を誘導する能力を増強し たことから、スフィンゴミエリン加水分解がHL−60細胞分化において役割を 果たしていることが示唆された。
出願者は、HL−60細胞分化に対する1、25− (OH)z Dsの効果を 伝達する脂質メディエータ−としてのセラミドの機能を発見した。低濃度のセラ ミド(100nM−3μM)は、閾値以下の濃度の1.25− (OH)! D 、の細胞分化を誘導する能力を増大する。より重要なのは、高濃度のセラミド( 1−6μM)は、1.25− (OH)t Dsが存在しなくとも、HL−60 細胞分化を誘導できることである。分化したHL−60細胞の表現型は、1゜2 5− (OH)! Dsにより誘導された単球表現型と非常に類似している。こ れらの研究は、セラミドが細胞分化に対する1、25− (OH)! D3の作 用の仲介に不可欠な役割を果たしている可能性を強力に示唆する。さらに、CI 8/Cmセラミドは細胞をこれに僅か2時間ばく露したとき、分化を引き起こす 効果があった。このことは、1.25− (OH)z Dsの作用に対するセラ ミドの反応が、分化の誘導に充分であることを強力に示唆する。同様に、添加し たセラミドの約20%が細胞に取り込まれたので、この結果は、C+s/Czセ ラミドの有効濃度はnMの範囲(20−1000nM)であることも示す。
現在のところ出願者は、セラミドが細胞分化に対する1、25 (OH)zD、 の効果を仲介する機序は知らない。セラミドの作用の直接探的は確認できなかっ た。セラミドがスフィンゴ脂質およびスフィンゴシンの前駆物質として働く可能 性があることから、その作用は代謝産物により仲介されるのかもしれない。ガン グリオシドGMsは、ホルボールエステルにより誘導されたHL−60細胞分化 に反応して増加し、また、単球系細胞分化を誘導することが報告されている(エ ッチ・ノーシリ(Norj iri、H,)ら、Proc、Nat 1.Aca d、Sc i、83 : 782−786 (1986))、セラミドはGMs のようなガングリオシドの前駆物質として働く可能性がある。しかし、1.25  (OH)! D3はGMsを変化させないことが明らかにされており(エッチ ・ノーシリ (Norjiri、H,)ら、Proc、Natl、Acad、S ci、USA 83ニア82−786 (1988))、出願者はガングリオシ ドに変化するセラミドはご(僅かであることを見出した。さらに、セラミドに対 するHL−60細胞の用量反応は、GMsについて報告されているそれよりはる かに低い(したがって、0M3の作用は、GMsがさらにセラミドに代謝される ことに起因する可能性が生じる)。
セラミドは、中性または酸性セラミダーゼの作用による1回の加水分解段階によ り生成するスフィンゴシンの前駆物質として働(可能性もある。出願者のデータ は、スフィンゴシンがセラミドの効果を仲介する役割を持つことを否定する強力 な論拠を提供する。このことは次のことにより裏付けられる:1)1゜25−  (OH)! DsがHL−60細胞に及ぼす作用に反応してスフィンゴシンが検 出できなかった:2)スフィンゴシンは1.25 (OH)! DsのHし一6 0細胞分化を誘導する能力を増大せず、単独でもHL−60細胞の単球分化を引 き起こさなかった:3)他のセラミド誘導体はHL−60細胞分化を誘導したが 、スフィンゴシンとその類縁同族体N−エチルスフィンゴシンは1゜25 (O H)2 D3により誘導した分化を促進しなかった:そして4)加水分解により プロティンキナーゼCを阻害しない短鎖スフィンゴシン(ニー・エッチ・メリル (Merril、A、H,)ら、Biochemistry 28: 3138 −3145 (1989))を生成するC目/Csセラミドは、細胞分化の誘導 においてCr s/ C2セラミドと同様に有効であった。
C++/Cmセラミドを用いた研究は、スフィンゴシンの重要な役割の否定に特 に関わりが深い。C+ 1/ Caセラミドの脱アシル化は、スフィンゴシンが 持つインビトロおよび細胞効果の欠如が明らかにされているC11−スフィンゴ シン同族体(エッチ・ノーシリ(Norjiri、H,)ら、上記)の生成を引 き起こすだろう。
これらの2通りの経路はありそうもないことから、セラミドはその作用を仲介す る他の標的を持つ可能性がある。スフィンゴミエリナーゼの作用を受けて脂質メ ディエータ−(第二メツセンジャー)候補であるセラミドを産生ずる細胞レザバ ーとして働くスフィンゴミエリンは、ホスホリパーゼCの作用を受けてジアシル グリセロール第二メツセンジャーを産生ずる細胞レザバーとして働くグリセロ脂 質に類似する。
i、25(OH)2D3(LOG M)時間(時) 時間(時) 時間(時) 時間(時) 濃rz(μM) CI8/C2セラミド(μM) −r々、4A 時間(日) −り勾、5 CI8/C2セラミド(μM) ON3L 灯!、 (: NSE pg、・ NBT、6μM シミ汁” m  NSE、6μM ゼラミF゛時間(日) 時間(#f) 009M、 2HR5,■1μM、 2HR3゜ム0.5$、 2HR5,・2 7J、 2HRS。
時間(日) [IO,SPM 口2μM 処理時間(時) −Uk、〃 ロ セラミド ・スフィンゴシン 時間(時) 濃度 (μM) スフィンゴシン(μM) !性! 本発明は、細胞の分化を誘発するための方法および組成物を提供する。R,がC 1から約C2゜までのアルキル基またはアルケニル基:R2がヒドロキシル基、 アルコキシ基またはHER3がHまたは低級アルキル基:R4がC0R5,5o 2R3またはC5R5であり、R3がC1からCooまでのアルキル基またはア ルケニル基またはアルキニル基であり、これらの基はOH,SH,ORs 、S Ra、NR,R,、COORe 、およびC0NR+oRsの各官能基のうち1 個以上と置換されていてもよく、これらの官能基中のR,、R,、R,、Ra  、およびR3゜は独自に、約10個までの炭素を使用するH、アルキル基、アリ ール基、アルカリル基、およびアリールアルキル基であるような構造式(I)を 有する組成物を、分化させることが可能な補乳動物細胞に、細胞の分化の誘導に 有効な量、投与する。また本発明は、細胞の表現型を変えるため、および細胞の 過剰増殖を特徴とする疾患を治療するための方法および組成物も提供する。
H R1−C−C−CH20H(I) 手続補正書 1、事件の表示 pCT/US9.1105743 2、発明の名称 セラミドを使用して細胞分裂を誘導する方法3、補正をする者 事件との関係 特許出願人 住所 名 称 デユーダ・ユニバーシティ 4、代理人 住 所 東京都千代田区大手町二丁目2番1号新大手町ビル 206区 電話3270−6641〜6− 氏名(2770)弁理士湯浅恭三 5、補正の対象 請求の範囲 (別紙) 1.特許請求の範囲を以下のとおりに補正する。
r18分化させることが可能な細胞を、かかる細胞の分化の誘導に有効な量の、 下記の構造式を持つ化合物と接触させることを含む、細胞分化を誘導する方法で あって、 R1−C−−C−CH20H ただし式中のR1はC1から約C20までのアルキル基またはアルケニル基: R2はヒドロキシル基、アルコキシ基またはH; R3はHまたは低級アルキル基; R4はCORs 、S O2RsまたはC3Rsであり、ここでR5はC1から C2゜までのアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基であって、これらの 基はOH,SH,ORs 、SRa、特表千5−508863 (14) NR? R11、C0OR* 、およびCON RI G R8の各官能基のう ち1個以上と置換されていてもよく、ただし官能基中のR6、R7、R8、R9 、およびR4,は独自に、炭素数が約10個までのH1アルキル基、アリール基 、アルカリル基、およびアリールアルキル基である。
2、 薬学的に容認できるキャリアおよび下記の構造式を持つ化合物を含有する 、細胞分化を誘導するための薬学的製剤であって、 H R,−C−−C−CH20H 1ま ただし式中のR1はC1から約C2゜までのアルキル基またはC1からCI□ま でのアルケニル基; R2はヒドロキシル基、アルコキシ基またはHR3はHまたは低級アルキル基; R4はCORs 、S O2RsまたはC8R,であり、ここでR3はC1から egoまでのアルキル基またはアルケニル基またはアルキニル基であって、これ らの基はOH,SH,ORa 、SR6、NR7R8、COOR9、およびC0 NRI OR8の各官能基のうち1個以上と置換されていてもよく、ただし官能 基中のR8、R7、R8、R9、およびRIGは独自にH1低級アルキル基、ア リール基、およびアリールアルキル基である。」 以上 国際調査報告 −一一一一一一一−PCT/LIS91105743

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.分化させることが可能な細胞を、かかる細胞の分化の誘導に有効な量の、下 記の構造式を持つ化合物と接触させることを含む、細胞分化を誘導する方であっ て、 ▲数式、化学式、表等があります▼I ただし式中のR1はC1から約C20までのアルキル基またはアルケニル基;R 2はヒドロキシル基、アルコキシ基またはH;R3はHまたは低級アルキル基; R4はCOR5、SO2R5またはCSR5であり、ここでR5はC1からC2 0までのアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基であって、これらの基は OH、SH、OR6、SR6、NR7R8、COOR9、およびCONR10R 8の各官能基のうち1個以上と置換されていてもよく、ただしこれらの官能基中 のR6、R7、R8、R9、およびR10は独自に、炭素数が約10までのH、 低級アルキル基、アリール基、アルカリル基およびアリールアルキル基である。
  2. 2.R1とR4中の炭素数の合計が約10個から約28個である、請求項1記載 の方法。
  3. 3.R1がC1からC20までのアルキル基またはC1からC12までのアルキ ル基またはアルケニル基である、請求項1記載の方法。
  4. 4.R1とR4中の炭素数の合計が約12個から約26個である、請求項2記載 の方法。
  5. 5.R1とR4中の炭素数の合計が約14個から約24個である、請求項2記載 の方法。
  6. 6.R1がC15アルケニル基、R2がヒドロキシル基、R3がH、R4がCO R5、およびR5がメチル基である、請求項1記載の方法。
  7. 7.R1がC15アルケニル基、R2がヒドロキシル基、R3がH、R4がCO R5、およびR5がペンタユル基である、請求項1記載の方法。
  8. 8.R1がC8アルケニル差、R2がヒドロキシル基、R3がH、R4がCOR 5、およびR5がヘプタニル基である、請求項1記載の方法。
  9. 9.R1がC15アルケニル基、R2がヒドロキシル基、R3がH、R4がCO R5、およびR5がC17アルキル基である、請求項1記載の方法。
  10. 10.R1がC15アルケニル基、R2がメトキシ基、R3がH、R4がCOR 5、およびR5がメチル基である、請求項1記載の方法。
  11. 11.前記細胞が白血病リンパ球である、請求項1記載の方法。
  12. 12.薬学的に容認できるキャリアおよび下記の構造式を持つ化合物を含有する 、細胞分化を誘導するための薬学的製剤であって、▲数式、化学式、表等があり ます▼I ただし式中のR1はC1からC20までのアルキル基またはC1からC12まで のアルキル基またはアルケニル基; R2はヒドロキシル基、アルコキシ基またはH;R3はHまたは低級アルキル基 ; R4はCOR5,SO2R5またはCSR5であり、ここでR5はC1からC2 0までのアルキル基またはアルケニル基またはアルキニル基であって、これらの 基はOH、SH、OR6、SR6、NR7R8、COOR9、およびCONR1 0R8の各官能基のうち1個以上と置換されていてもよく、ただしこれらの官能 基中のR6、R7、R8、R9、およびR10は独自に、H、低級アルキル基、 アリール基、およびアリールアルキル基であり;そして式中のR1とR4の炭素 数の合計は約10個から約28個とする。
  13. 13.R1とR4の炭素数の合計が約10個から約28個である、請求項12記 載の組成物。
  14. 14.R1がC1からC20またはC1からC12までのアルキル基またはアル ケニル基である、請求項12記載の製剤。
  15. 15.R1とR4中の炭素数の合計が約12個から約26個である、請求項13 記載の製剤。
  16. 16.R1とR4中の炭素数の合計が約14個から約24個である、請求項13 記載の組成物。
  17. 17.R1がC15アルケニル基、R2がヒドロキシル基、R3がH、R4がC OR5、およびR5がメチル基である、請求項12記載の組成物。
  18. 18.R1がC15アルケニル基、R2がヒドロキシル基、R3がH、R4がC OR5、およびR5がペンタニル基である、請求項12記載の組成物。
  19. 19.R1がC8アルケニル基、R2がヒドロキシル基、R3がH、R4がCO R5、およびR5がヘプタニル基である、請求項12記載の組成物。
  20. 20.R1がC15アルケニル基、R2がヒドロキシル基、R3がH、R4がC OR5、およびR5がC17アルキル基である、請求項12記載の組成物。
  21. 21.R1がC15アルケニル基、R2がメトキシ基、R3がH、R4がCOR 5、およびR5がメチル基である、請求項12記載の組成物。
  22. 22.細胞の分化を誘導するための医薬品の調製または製造における、下記の構 造式を持つ化合物の使用であって、 ▲数式、化学式、表等があります▼I ただし式中のR1はC1から約C20までのアルキル基またはアルケニル基;R 2はヒドロキシル基、アルコキシ基またはH;R3はHまたは低級アルキル基; R4はCOR5、SO2R5またはCSR5であり、ここでR5はC1からC2 0までのアルキル基またはアルケニル基またはアルキニル基であって、これらの 基はOH、SH、OR6、SR6、NR7R8、COOR9、およびCONR1 0R8の各官能基のうち1個以上と置換されていてもよく、ただしこれらの官能 基中のR6、R7、R8、R9、およびR10は独自に、H、低級アルキル基、 アリール基、およびアリールアルキル基であり;そして式中のR1とR4の炭素 数の合計は約10個から約28個とする。
  23. 23.治療に有効な量の前記の化合物が医薬品中に存在する、請求項22記載の 使用。
  24. 24.R1とR4の炭素数の合計が約10個から約28個である、請求項22記 載の使用。
  25. 25.R1がC1からC20までのアルキル基またはC1からC12までのアル キル基またはアルケニル基である、請求項22記載の使用。
  26. 26.R1とR4の炭素数の合計が約12個から約26個である、請求項24の 使用。
  27. 27.R1とR4の炭素数の合計が約14個から約24個である、請求項24の 使用。
  28. 28.R1がC15アルケニル基、R2がヒドロキシル基、R3がH、R4がC OR5、およびR5がメチル基である、請求項22記載の使用。
  29. 29.R1がC15アルケニル基、R2がヒドロキシル基、R3がH、R4がC OR5、およびR5がペンタニル基である、請求項22記載の使用。
  30. 30.R1がC8アルケニル基、R2がヒドロキシル基、R3がH、R4がCO R5、およびR5がヘプタニル基である、請求項22記載の使用。
  31. 31.R1がC15アルケニル基、R2がヒドロキシル基、R3がH、R4がC OR5、およびR5がC17アルキル基である、請求項22記載の使用。
  32. 32.R1がC15アルケニル基、R2がメトキシ基、R3がH、R4がCOR 5、およびR5がメチル基である、請求項22記載の使用。
JP91514680A 1990-08-13 1991-08-13 セラミドを使用して細胞分裂を誘導する方法 Pending JPH05508863A (ja)

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