JP6782252B2 - Gm3促進炎症抑制剤及び炎症性サイトカイン産生抑制剤 - Google Patents

Gm3促進炎症抑制剤及び炎症性サイトカイン産生抑制剤 Download PDF

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Description

本発明は、GM3促進炎症抑制剤及び炎症性サイトカイン産生抑制剤に関するものである。
これまでに、高脂肪食マウスおよび遺伝子改変による肥満モデルマウスでは、活性化した組織マクロファージから炎症性サイトカインが分泌され、近傍の脂肪細胞に作用することによって、インスリン抵抗性の原因となるGM3が発現誘導されることが示されている。その一方で、GM3の産生が起こらないGM3合成酵素ノックアウトマウスでは、インスリン抵抗性が改善されるだけでなく、上流に位置するマクロファージからの炎症性サイトカインの産生までもが低下し、肥満時の慢性炎症状態から解放されていることが明らかとなっている。このことから、GM3は、肥満時における慢性炎症を惹起する内因性リガンドの主本体であることが強く示唆される。
また、GM3を含むガングリオシドには、セラミド構造と糖鎖部分の多様性によって非常に多くの分子種が存在し、それらの多くが免疫系において発現している。これらのことは、GM3だけでなく、さまざまなガングリオシド分子種においても、肥満時における慢性炎症の惹起および抑制の分子メカニズムが存在することを示唆している。実際、これまでに、数多くの細胞種において、さまざまなガングリオシド分子種を用いた検討が試みられてきているが、GM3も含めたガングリオシドによる、炎症応答に対する活性化および抑制効果について、統一的な知見はほとんど得られていない。その原因は、これまでの報告が、実際の病態を反映するガングリオシド分子種や真の標的細胞が未解明である時点で得られた、知見の集合であるためと考えられる。
例えば、W. Shenらの報告によると、GM1以上の糖鎖構造をもつ一部のガングリオシド(GM1、GD1a、GD1b)は、さまざまな病原体関連分子パターン(PAMPs)によるToll-like receptor(TLR)の活性化を抑制する作用を持ち、GM3は抑制効果も活性化効果も持たないとされる(非特許文献1)。
しかしながら、この報告は、分画されていないヒト末梢血単核球を用いた実験に基づいており、自然免疫系細胞又はリンパ系細胞の何れの寄与によるものかは全く明らかではないため、ガングリオシドと免疫系の相互作用とその影響の程度について正確に規定することが難しい。
また、非特許文献1と全く反対の結果を示す結果がI. Jouらによって示されている(非特許文献2)。この報告によれば、ラット脳神経系由来ミクログリアにおいて、GM1以上の糖鎖構造をもつ一部のガングリオシド(GM1、GD1a、GD1b、GT1b、GQ1b、および混合物)は、TLR4を活性化することが示されている。
しかしながら、この報告で用いられた実験系は、主にTLR4の内在化を測定するフローサイトメトリー解析に終始しており、実際のTLR4シグナル伝達の活性化を直接反映したものではない。一部のガングリオシドについては、TLR4活性化によって産生されるTumor Necrosis Factor-alpha(TNF−α)のmRNAの増加が示されているが、RT−PCR法によって微弱な増加を非定量的解析によって捉えた結果に終始しており、ミクログリア活性化を実際に証明するTNF−αの分泌を示すデータは確認されていない。
更に、HJ. Sennらの報告では、哺乳動物の血清中には、生理活性を発揮するに十分な量のガングリオシドが存在していることを示している(非特許文献3)。I. Jouらの報告は、5%以上のウシ胎児由来血清の存在下において種々のガングリオシドを添加しているため、個々のガングリオシドの生理活性を正確に反映した結果ではなく、血清由来のガングリオシドの持ち込みの背景が付与された結果であると考えられる。そのため、ガングリオシドの生理活性とその作用濃度についての正確なデータを示した報告としてみなすには疑問を呈するものであり、それゆえの相反する結果であるとも考えられる。
以上のように、多くの報告はガングリオシドの生物活性について矛盾した結果を示しているのが現状である。
また、特許文献1には、ガングリオシド等のスフィンゴ脂質を含むプロスタグランジンE産生抑制剤が開示されている。プロスタグランジンEは、炎症時の発熱や、血管透過性亢進作用を有する炎症性因子であるが、炎症抑制効果があったガングリオシドの具体的な分子種等は示されていない。
特開2005−187341号公報
Shen, W. et al., J Immunol., 180:4425-32, 2008 Jou, I. et al., Am J Pathol., 168:1619-30, 2006 Senn, HJ. et al., Eur J Biochem., 181: 657-62, 1989
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、炎症抑制作用を有する物質を有効成分として含有する新規の抗炎症剤を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、血清中に存在するガングリオシドについて正確にその活性を反映させた系を構築することで、これまで明らかになっていなかったGM3による強力な炎症惹起作用を見出した。また更に、GM3以外の血清ガングリオシド分子種による強力な炎症抑制作用を見出した。
また、発明者らのこれまでの研究(Tagami S. et al., J. Biol. Chem., 277:3085-92, 2002; Kabayama K. et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 104:13678-83, 2007; Nagafuku M. et al., Glycobiology, 25:303-318, 2015; Veillon L. et al., Plos One, 2015)によって明らかとなってきた肥満時におけるガングリオシドを介した慢性炎症状態の発症メカニズムに焦点を当て、GM3を含む多様なガングリオシドによる、マクロファージ細胞における慢性炎症の惹起と抑制のメカニズムを検証した。
その結果、GM3は、「LPS(lipopolysaccharide;リポ多糖)によるマクロファージの活性化が惹起する炎症反応」を促進することを初めて見出し、そして、糖鎖部分に関し特定の糖鎖構造を有するGD3、GD1a、GD1b、GT1b、GQ1b等は、「GM3依存性のマクロファージ活性化」に拮抗する抗炎症作用を有することも見出した。
また、意外なことに、セラミド部分の脂肪酸に関し特定の構造を有するGM3が、LPSによるマクロファージの活性化が惹起する炎症反応に拮抗する抗炎症作用を有することも見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]GM3により促進された炎症を抑制する物質を有効成分として含有することを特徴とするGM3促進炎症抑制剤。
[2]上記GM3により促進された炎症を抑制する物質が、シアル酸を2個以上有するガングリオシドである[1]に記載のGM3促進炎症抑制剤。
[3]上記GM3により促進された炎症を抑制する物質が、下記式(1)で表される構造を有する[1]に記載のGM3促進炎症抑制剤。
Figure 0006782252
[式(1)中、RがガングリオシドGM3を構成する糖鎖を示し、
−C(=O)−が、炭素数18以下の脂肪酸残基、又は炭素数20以上の不飽和脂肪酸残基を示す。]
[4]上記シアル酸を2個以上有するガングリオシドが、GD1c、GD1a、GT1a、GD3、GD2、GD1b、GT1b、GQ1b、GT3、GT2、GT1c、GQ1c及びGP1cよりなる群から選ばれる少なくとも1種のガングリオシドである[2]に記載の促進炎症抑制剤。
[5]GM3により促進された炎症性サイトカインの産生を抑制する物質を有効成分として含有することを特徴とする炎症性サイトカイン産生抑制剤。
[6]上記GM3により促進された炎症性サイトカインの産生を抑制する物質が、シアル酸を2個以上有するガングリオシドである[5]に記載の炎症性サイトカイン産生抑制剤。
[7]上記シアル酸を2個以上有するガングリオシドが、GD1c、GD1a、GT1a、GD3、GD2、GD1b、GT1b、GQ1b、GT3、GT2、GT1c、GQ1c及びGP1cよりなる群から選ばれる少なくとも1種のガングリオシドである[6]に記載の炎症性サイトカイン産生抑制剤。
[8]上記GM3により促進された炎症を抑制する物質が、下記式(1)で表される構造を有する[5]に記載の炎症性サイトカイン産生抑制剤。
Figure 0006782252
[式(1)中、RがガングリオシドGM3を構成する糖鎖を示し、
−C(=O)−が、炭素数18以下の脂肪酸残基、又は炭素数20以上の不飽和脂肪酸残基を示す。]
本発明のGM3促進炎症抑制剤や炎症性サイトカイン産生抑制剤によれば、前記問題点を解消し前記課題を解決し、GM3により促進された炎症を抑制する効果を有し、慢性炎症疾患や全身性炎症状態を改善する効果を有する。
また、本発明のGM3促進炎症抑制剤や炎症性サイトカイン産生抑制剤は、ヒト等に対して安全であり、対象者にとって負担や副作用が少ないという効果を奏する。
また、GM3は肥満時に発現上昇するガングリオシドであり、本発明のGM3促進炎症抑制剤や炎症性サイトカイン産生抑制剤は、肥満時における慢性炎症を抑制する効果を奏する。
哺乳動物におけるガングリオシド分子種の生合成経路を示す図である。 血清ガングリオシドミミックによるLPS依存性TNF−α産生の抑制効果を示すグラフである。 GM3特異的なLPSとの協調的なTNF−α産生の増強効果と、その他の血清ガングリオシド(GD1a、GD1b、GT1b、GQ1b、GD3)による抑制効果を示すグラフである。 LPS依存的なTNF−α産生に対する血清中の抑制性ガングリオシドによる濃度依存的な抑制作用を示すグラフである。 「LPSとGM3による協調的なTNF−α産生」に対する血清中の抑制性ガングリオシドによる濃度依存的な抑制作用を示すグラフである。 骨髄由来マクロファージにおけるLPS依存的なTNF−α産生に対する血清中の抑制性ガングリオシドによる抑制作用を示すグラフである。 「骨髄由来マクロファージにおけるLPSとGM3による協調的なTNF−α産生」に対する血清中の抑制性ガングリオシドによる抑制作用を示すグラフである。 LPS依存的なヒトIL−6産生に対するガングリオシド分子種による亢進又は抑制作用を示すグラフである。 LPS依存的なヒトIL−1β産生に対するガングリオシド分子種による亢進又は抑制作用を示すグラフである。 LPS依存的なヒトTNF−α産生に対するガングリオシド分子種による亢進又は抑制作用を示すグラフである。 GM3及び/又はLPS依存的なヒトIL−6産生に対する、ガングリオシド分子種による抑制作用を示すグラフである。 GM3によるToll様受容体選択的な炎症促進および炎症抑制効果を示すグラフである。 GM3によるToll様受容体選択的な炎症促進および炎症抑制効果を示すグラフである。 ガングリオシド分子種による、LPS依存的な炎症の予想される亢進又は抑制メカニズムを示す模式図である。
以下、本発明について説明するが、本発明は以下の実施の具体的態様に限定されるものではなく、本発明の範囲内で任意に変形することができる。
<GM3促進炎症抑制剤>
本発明のGM3促進炎症抑制剤は、GM3により促進された炎症を抑制する物質を有効成分として含有することを特徴とする。GM3による強力な炎症惹起作用は、これまで明らかになっていなかったので、「『GM3により促進された炎症』を抑制する剤」は、本発明において初めて見出された。
本明細書において、「GM3促進炎症抑制剤」とは、「GM3により促進・誘導される(GM3依存性)炎症」を抑制する作用を有する抑制剤のことをいう。
一般に「ガングリオシド(Ganglioside)」とは、糖鎖上に少なくとも1つのシアル酸が結合しているスフィンゴ糖脂質のことをいう。
本明細書において、「GM3」とは、「ガングリオシドGM3」のことをいい、ヒトの場合には、スフィンゴ糖脂質の糖鎖が、下記「 」内であるものをいう。
「α−Neu5Ac−(2−3)β−Gal−(1−4)−β−Glc−(1−1)−セラミド」
ここで、「α−Neu5Ac」は、N−アセチル−α−ノイラミン酸;「β−Gal」は、β−ガラクトース;「β−Glc」は、β−グルコースを示す。
また、「脂肪酸残基が炭素数20以上の飽和脂肪酸残基であるGM3」で上記炎症は促進されるので、上記「GM3により促進された炎症」とは、「脂肪酸残基が炭素数20以上の飽和脂肪酸残基であるGM3により促進された炎症」であることが好ましい(炎症を促進するGM3が括弧「 」内に特定される場合がある)。
また、「置換基としてOH基を有していてもよい、脂肪酸残基が炭素数24の飽和脂肪酸残基であるGM3」で上記炎症は促進されるので、上記「GM3により促進された炎症」とは、「置換基としてOH基を有していてもよい、脂肪酸残基が炭素数24の飽和脂肪酸残基であるGM3により促進された炎症」であることがより好ましい(炎症を促進するGM3が括弧「 」内に特定される場合がある)。
本実施例により初めて、GM3分子種の中には、炎症を亢進するGM3(脂肪酸が炭素数20以上の飽和脂肪酸であるGM3)と、炎症を抑制するGM3(脂肪酸が炭素数18以下の脂肪酸であるGM3、又は脂肪酸が炭素数20以上の不飽和脂肪酸(特に炭素数24の不飽和脂肪酸)であり、該不飽和脂肪酸の炭化水素基中に1つの二重結合を有するGM3)が存在することが明らかになった。
本発明のGM3促進炎症抑制剤の有効成分である、GM3により促進された炎症を抑制する物質は、1種の成分から成っていても、2種以上の成分から成っていてもよい。
また、該GM3により促進された炎症を抑制する物質は、天然物から単離・精製されたものでもよく、合成されたものであってもよい。該「合成されたもの」には、自然界に存在する物質(の誘導体)の合成物、自然界に存在が確認されていない物質の合成物が含まれる。
上記GM3により促進された炎症を抑制する物質は、本発明の効果を発揮する点等で、セラミドに糖鎖がグリコシド結合したスフィンゴ糖脂質であることが好ましく、該糖鎖がシアル酸を2個以上有するものであることがより好ましい。
また、該GM3により促進された炎症を抑制する物質は、前記スフィンゴ糖脂質と同様の効果を有する、前記スフィンゴ糖脂質の誘導体であってもよい。
また、上記GM3により促進された炎症を抑制する物質は、本発明の効果を発揮する点や安全である点等で、シアル酸を2個以上有するガングリオシドであることが好ましい。
上記シアル酸を2個以上有するガングリオシドは、本発明の効果を発揮する点や安全である点等で、GD1c、GD1a、GT1a、GD3、GD2、GD1b、GT1b、GQ1b、GT3、GT2、GT1c、GQ1c及びGP1cよりなる群から選ばれる少なくとも1種のガングリオシドであることが好ましく、GD1a、GD3、GD1b、GT1b及びGQ1bよりなる群から選ばれる少なくとも1種のガングリオシドであることがより好ましく、GD1b、GT1b及びGQ1bよりなる群から選ばれる少なくとも1種のガングリオシドであることが特に好ましい。これらのガングリオシドの模式図を図1に示す。
これらから選ばれる1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記GM3により促進された炎症を抑制する物質は、下記式(1)で表される構造を有するGM3であることが好ましい。
Figure 0006782252
[式(1)中、RがガングリオシドGM3を構成する糖鎖を示し、
−C(=O)−が、炭素数18以下の脂肪酸残基、又は炭素数20以上の不飽和脂肪酸残基を示す。]
上記式(1)で表される構造を有するGM3は、本発明の効果を発揮する点や安全である点等で、脂肪酸が炭素数16以上18以下の炭化水素基であるGM3、又は脂肪酸が炭素数20以上の炭化水素基であり、該炭化水素基中に1つの二重結合を有するGM3であることが好ましい。
また、同様の点から、該脂肪酸残基の炭素数が16又は18であるGM3、又は、該不飽和脂肪酸残基の炭素数が24であり、該不飽和脂肪酸残基の炭化水素基中に1つの二重結合を有するGM3であることが好ましい。
本発明のGM3促進炎症抑制剤は、有効成分である、GM3により促進された炎症を抑制する物質に加えて、「その他の成分」を含有することができる。
前記GM3促進炎症抑制剤における、上記「その他の成分」としては、特に制限はなく、本発明の効果を損なわない範囲内で、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、薬学的に許容され得る担体等が挙げられる。
かかる担体としては、特に制限はなく、例えば、後述する剤型等に応じて適宜選択することができる。また、前記GM3促進炎症抑制剤中の前記「その他の成分」の含有量としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明のGM3促進炎症抑制剤の剤型としては、特に制限はなく、例えば、後述するような所望の投与方法に応じて適宜選択することができる。
具体的には、例えば、経口固形剤(錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等)、経口液剤(内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等)、注射剤(溶剤、懸濁剤等)、軟膏剤、貼付剤、ゲル剤、クリーム剤、外用散剤、スプレー剤、吸入散布剤等が挙げられる。
前記経口固形剤としては、例えば、前記有効成分に、賦形剤、更には必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等の添加剤を加え、常法により製造することができる。
前記賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸等が挙げられる。
前記結合剤としては、例えば、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
前記崩壊剤としては、例えば、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等が挙げられる。
前記滑沢剤としては、例えば、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
前記着色剤としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄等が挙げられる。
前記矯味・矯臭剤としては、例えば、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。
前記経口液剤としては、例えば、前記有効成分に、矯味・矯臭剤、緩衝剤、安定化剤等の添加剤を加え、常法により製造することができる。
前記矯味・矯臭剤としては、例えば、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。前記緩衝剤としては、例えば、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。前記安定化剤としては、例えば、トラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられる。
前記注射剤としては、例えば、前記有効成分に、pH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下用、筋肉内用、静脈内用等の注射剤を製造することができる。
前記pH調節剤及び前記緩衝剤としては、例えば、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。前記安定化剤としては、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸等が挙げられる。前記等張化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、ブドウ糖等が挙げられる。前記局所麻酔剤としては、例えば、塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等が挙げられる。
本発明のGM3促進炎症抑制剤中の有効成分である、GM3により促進された炎症を抑制する物質の、GM3促進炎症抑制剤全体に対する含有量は、特に制限がなく、目的に応じて適宜選択することができるが、GM3促進炎症抑制剤全体を100質量部としたときに、GM3により促進された炎症を抑制する物質の合計量として、0.001〜100質量部の含量で配合することが好ましく、より好ましくは0.01〜99質量部、特に好ましくは0.1〜95質量部、更に好ましくは1〜90質量部の含量で配合することができる。
本発明のGM3促進炎症抑制剤の投与対象動物としては、特に制限はないが、例えば、ヒト;マウス;ラット;サル;ウマ;ウシ、ブタ、ヤギ、ニワトリ等の家畜;ネコ、イヌ等のペット;等が挙げられる。
また、前記GM3促進炎症抑制剤の投与方法としては、特に制限はなく、例えば、前記GM3促進炎症抑制剤の剤型等に応じ、適宜選択することができ、経口投与、腹腔内投与、血液中への注射、腸内への注入等が挙げられる。
また、前記GM3促進炎症抑制剤の投与量としては、特に制限はなく、投与対象である個体の年齢、体重、所望の効果の程度等に応じて適宜選択することができるが、例えば、成人への1日の投与量は、有効成分の量として、1mg〜30gが好ましく、10mg〜10gがより好ましく、100mg〜3gが特に好ましい。
また、前記GM3促進炎症抑制剤の投与時期としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、予防的に投与されてもよいし、治療的に投与されてもよい。
<炎症性サイトカイン産生抑制剤>
本発明の炎症性サイトカイン産生抑制剤は、GM3により促進された炎症性サイトカインの産生を抑制する物質を有効成分として含有することを特徴とする。
上記GM3により促進された炎症性サイトカインの産生を抑制する物質は、本発明の効果を発揮する点や安全である点等で、シアル酸を2個以上有するガングリオシドであることが好ましい。
上記シアル酸を2個以上有するガングリオシドが、本発明の効果を発揮する点や安全である点等で、GD1c、GD1a、GT1a、GD3、GD2、GD1b、GT1b、GQ1b、GT3、GT2、GT1c、GQ1c及びGP1cよりなる群から選ばれる少なくとも1種のガングリオシドであることが好ましく、GD1a、GD3、GD1b、GT1b及びGQ1bよりなる群から選ばれる少なくとも1種のガングリオシドであることがより好ましく、GD1b、GT1b及びGQ1bよりなる群から選ばれる少なくとも1種のガングリオシドであることが特に好ましい。
これらから選ばれる1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記GM3により促進された炎症を抑制する物質は、下記式(1)で表される構造を有するGM3であることが好ましい。
Figure 0006782252
[式(1)中、RがガングリオシドGM3を構成する糖鎖を示し、
−C(=O)−が、炭素数18以下の脂肪酸残基、又は炭素数20以上の不飽和脂肪酸残基を示す。]
上記式(1)で表される構造を有するGM3は、本発明の効果を発揮する点や安全である点等から、脂肪酸の炭素数が16以上18以下であるGM3、又は脂肪酸が炭素数20以上であり、該炭化水素基中に1つの二重結合を有するGM3であることが好ましい。
また、同様の点から、該脂肪酸残基の炭素数が16又は18であるGM3、又は、該不飽和脂肪酸残基の炭素数が24であり、該不飽和脂肪酸残基の炭化水素基中に1つの二重結合を有するGM3であることが好ましい。
本発明の炎症性サイトカイン産生抑制剤は、上記GM3促進炎症抑制剤と同様に、本発明の効果を損なわない範囲内で、有効成分に加えて「その他の成分」を含有していてもよい。
また、その剤型も特に制限はなく、例えば、前述するような所望の投与方法に応じて適宜選択することができる。
<炎症を抑制又は治療する方法>
本発明の他の態様は「炎症を抑制又は治療する方法」に係るものである。本発明の炎症を抑制又は治療する方法は、GM3により促進された炎症を抑制又は治療する方法であって、セラミドに「シアル酸を2個以上有する糖鎖」がグリコシド結合したスフィンゴ糖脂質を投与することによって、該スフィンゴ糖脂質の血中濃度を上昇させる工程を含むことを特徴とする。
また、前記スフィンゴ糖脂質と同様の効果を有すれば、前記スフィンゴ糖脂質の誘導体を投与してもよい。
また、本発明の炎症を抑制又は治療する方法は、GM3により促進された炎症を抑制又は治療する方法であって、シアル酸を2個以上有するガングリオシドを投与することによって、該ガングリオシドの血中濃度を上昇させる工程を含むことを特徴とする。
本発明の炎症を抑制又は治療する方法において、本発明の効果を発揮する点等で、上記シアル酸を2個以上有するガングリオシドが、GD1c、GD1a、GT1a、GD3、GD2、GD1b、GT1b、GQ1b、GT3、GT2、GT1c、GQ1c及びGP1cよりなる群から選ばれる少なくとも1種のガングリオシドであることが好ましく、GD1a、GD3、GD1b、GT1b及びGQ1bよりなる群から選ばれる少なくとも1種のガングリオシドであることがより好ましく、GD1b、GT1b及びGQ1bよりなる群から選ばれる少なくとも1種のガングリオシドであることが特に好ましい。
これらから選ばれる1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、本発明の炎症を抑制又は治療する方法は、GM3により促進された炎症を抑制又は治療する方法であって、下記式(1)で表される構造を有するガングリオシドを投与することによって、該式(1)で表される構造を有するガングリオシドの血中濃度を上昇させる工程を含むことを特徴とする。
また、前記式(1)で表される構造を有するガングリオシド同様の効果を有すれば、前記式(1)で表される構造を有するガングリオシドの誘導体を投与してもよい。
Figure 0006782252
[式(1)中、RがガングリオシドGM3を構成する糖鎖を示し、
−C(=O)−が、炭素数18以下の脂肪酸残基、又は炭素数20以上の不飽和脂肪酸残基を示す。]
上記式(1)で表される構造を有するGM3は、本発明の効果を発揮する点や安全である点等で、脂肪酸が炭素数16以上18以下の炭化水素基であるGM3、又は脂肪酸が炭素数20以上の炭化水素基であり、該炭化水素基中に1つの二重結合を有するGM3であることが好ましい。
また、同様の点から、該脂肪酸残基の炭素数が16又は18であるGM3、又は、該不飽和脂肪酸残基の炭素数が24であり、該不飽和脂肪酸残基の炭化水素基中に1つの二重結合を有するGM3であることが好ましい。
また、本発明の炎症を抑制又は治療する方法は、GM3により促進された炎症を抑制又は治療する方法であって、前記のGM3促進炎症抑制剤を投与することによって、該GM3促進炎症抑制剤の血中濃度を上昇させる工程を含むことを特徴とする。
本発明の炎症を抑制又は治療する方法において、上記スフィンゴ糖脂質、ガングリオシド、又はGM3促進炎症抑制剤を投与する手段は、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、注射投与;経口投与;腹腔内投与;腸内投与等が挙げられる。
上記スフィンゴ糖脂質(ガングリオシド、又はGM3促進炎症抑制剤)の投与量は、症状、年齢、性別、剤形、投与方法、1日の投与回数等を考慮して適宜選択すればよい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。実施例中の「%」は、特に断りのない限り「質量%」を示す。
実施例1
[GM3以外の血清ガングリオシドの炎症抑制作用]
非特許文献3の報告に基づくヒト血清中のガングリオシド組成を表1に示す。ヒト血清中には主にGM3が含まれており、続いてGD3、GM2、GD1a、GD1b、GT1b、「GQ1b以上の複合ガングリオシド」の順で含まれている。
上記これらのガングリオシド組成を模した血清ガングリオシドミミックを用いて、培地中血清を除去・低減したマクロファージ様培養細胞株:RAW264.7細胞(0.5%ウシ胎児由来血清)を処理した。そして、TLR4リガンド(LPS)刺激による実際のTNF−α産生に対する影響を検討した。
0.5%ウシ胎児血清含有DMEM中で一晩培養したRAW264.7細胞に対して、0.5ng/mLのLPS(lipopolysaccharide;リポ多糖)と血清ガングリオシド組成を模した濃度のガングリオシド(血清ガングリオシドミミック)で共刺激を行い、18時間後の培養上清中のTNF−αをELISA法によって定量した。
Figure 0006782252
ELISA法の結果を図2に示す。図2中、一番左のカラムはコントロール、中央のカラムは培地にLPSを添加した結果、一番右のカラムは培地にLPS及び血清カングリオシドミミックを添加した結果を示す。縦軸の数値が大きくなるほど、マクロファージ活性による炎症が促進されていることを示す。
血清ガングリオシドミミック処理によって、LPSによるマクロファージからのTNF−α産生は、ほぼ完全に抑制されることが分かった。この結果は、血清中のガングリオシド組成は、循環血液中におけるマクロファージ系細胞(主に単球等)の不用意な活性化を抑制するためのものであることを示唆している。
更に、血清中の個々のガングリオシド(LacCer、GM3、GM1、GD1a、GD1b、GT1b、GQ1b及びGD3)によるTNF−α産生への影響を評価した。
0.5%ウシ胎児血清含有DMEM中で一晩培養したRAW264.7細胞に対して、LPS(0.5ng/mL)と各スフィンゴ糖脂質(1.0μM)で共刺激を行い、18時間後の培養上清中のTNF−αをELISA法によって定量した。
結果を図3に示す。図3中、一番左のカラムはコントロール、左から2番目のカラムはLPSのみを培地に添加した結果を示す。
驚くべきことに、GM3単独による処理は、LPSによるTNF−α産生を著しく増大させることが分かった。
その一方で、GM3以外の血清ガングリオシド分子種は、LPSによるTNF−α産生を強力に抑制する作用を示した。LacCerとGM1は、LPSのみを添加した結果と同等のTNF−αであった。
シアル酸を2個以上有する、GD1a、GD1b、GT1b、GQ1b及びGD3は、LPSによるTNF−α産生を強力に抑制していた。特に、GD1b、GT1b及びGQ1bは著しく強力にLPSによるTNF−α産生を抑制していた。
以上の血清ガングリオシドの個々の作用は、培地中血清を低減した環境下で観測・評価されたものである。これらの結果は、これまで全く明らかとなっていなかったGM3単独の炎症促進作用と、GM3以外の血清ガングリオシドの炎症抑制作用を初めて明確に規定したものであると言える。
また、以上の結果は、健常人の循環血液中では、GM3及びGD3、GD1a、GD1b、GT1b、GQ1bが共存することで、血中におけるマクロファージの好ましくない炎症反応が抑制されていることを強く示唆した。
実施例2
[RAW264.7細胞における各種ガングリオシドの炎症抑制作用]
次に、LPS及びGM3によって誘導される炎症性サイトカインの産生に対する、複合型ガングリオシド分子種による抑制作用における濃度依存性を検討した。上記に示したように、マウスマクロファージ様RAW264.7細胞は、大腸菌由来成分であるLPS及び肥満時に発現上昇するGM3に対して多量のTNF−αを産生する。
まず、LPS依存的なTNF−α産生に対する血清中の抑制性ガングリオシドによる濃度依存的な抑制作用を検討した。
0.5%ウシ胎児血清含有DMEM中で一晩培養したRAW264.7細胞に対して、LPS(2.0ng/mL)と各スフィンゴ糖脂質(0.25〜2.0μM)で共刺激を行い、18時間後の培養上清中のTNF−αをELISA法によって定量した。
結果を図4に示す。図4中、一番左のカラムはコントロール、左から2番目のカラムはLPSのみを培地に添加した結果を示す。
LPSにより促進された炎症が、各ガングリオシド(GD1a、GD1b、GT1b及びGQ1b)を添加することにより、濃度依存的に抑制されることが分かった。
また、LPSとGM3による協調的なTNF−α産生に対する血清中の、GM3以外のガングリオシドによる濃度依存的な抑制作用を検討した。
0.5%ウシ胎児血清含有DMEM中で一晩培養したRAW264.7細胞に対して、各スフィンゴ糖脂質(0.25〜1.0μM)、LPS(0.5ng/mL)、GM3(5.0μM)で共刺激を行い、18時間後の培養上清中のTNF−αをELISA法によって定量した。
結果を図5に示す。図5中、一番左のカラムはコントロールであり、LPSのみを培地に添加した結果を示し、左から2番目のカラムはLPSとGM3のみを培地に添加した結果を示す。
GM3及びLPSによる相乗的なTNF−αの産生増加(炎症促進)が、各ガングリオシド(GD1a、GD1b、GT1b及びGQ1b)を添加することにより、濃度依存的に抑制されることが分かった。
また、1μM(GM3比10:1)以下の複合型ガングリオシドGD1a、GD1b、GT1b、GQ1bを添加することによって、どちらのTNF−α産生もほぼ完全に抑制されることが分かった(図4、5)。
各複合型ガングリオシドの抑制効果を比較した結果、LPS刺激に対する各ガングリオシドの50%阻害濃度は、GD1a:0.5μM、GD1b:0.5μM、GT1b:0.5μM、GQ1b:0.25μMであるのに対し(図4)、LPSとGM3の協調的活性化に対する50%阻害濃度は、GD1a:0.5μM、GD1b:0.5μM、GT1b:0.25μM、GQ1b:0.125μMであった(図5)。これらのシアル酸を2個以上その分子内に有するガングリオシド分子は、LPSとGM3による協調的活性化に対しての抑制作用が大きいことが分かった。
以上の結果から、GM3以外のガングリオシドによる炎症抑制効果は、肥満時に発現上昇するGM3によって惹起されたマクロファージ活性化に対して、より強力に作用することが示唆された。また、本実施例で初めて、生理的環境下の濃度又はそれ以下のガングリオシド濃度で、炎症を抑制することを見出した(表1、図4、図5)。
実施例3
[マウス骨髄由来マクロファージにおける各種ガングリオシドの炎症抑制作用]
次に、骨髄由来マクロファージにおけるLPS依存的なTNF−α産生に対する血清中の抑制性ガングリオシドによる抑制作用について検討した。
C57/BL6マウスの大腿骨および脛骨より採取した骨髄由来細胞に対し、20ng/mLの組み換えマクロファージコロニー刺激因子(recombinant macrophage colony-stimulating factor(M−CSF))を用いて1週間分化誘導した。得られた骨髄由来マクロファージ(BMDM、bone marrow-derived macrophage)を、0.5%ウシ胎児血清含有DMEM中で一晩培養したのち、LPS(0.5ng/mL)と各スフィンゴ糖脂質(10μM)で共刺激を行い、18時間後の培養上清中のTNF−αをELISA法によって定量した。
結果を図6に示す。図6中、一番左のカラムはコントロール、左から2番目のカラムはLPSのみを培地に添加した結果を示す。
骨髄由来マクロファージにおけるLPS依存的なTNF−α産生(炎症促進)が、各ガングリオシド(GD1a、GD1b、GT1b及びGQ1b)を添加することにより抑制されることが分かった。
また、骨髄由来マクロファージにおけるLPSとGM3による協調的なTNF−α産生に対する血清中の抑制性ガングリオシドによる抑制作用を検討した。
C57/BL6マウスの大腿骨および脛骨より採取した骨髄由来細胞に対し、20ng/mLの組み換えマクロファージコロニー刺激因子(recombinant macrophage colony-stimulating factor(M−CSF))を用いて1週間分化誘導して得た骨髄由来マウロファージ(BMDM)を、0.5%ウシ胎児血清含有DMEM中で一晩培養したのち、LPS(0.5ng/mL)、GM3(10μM)、各スフィンゴ糖脂質(10μM)で共刺激を行い、18時間後の培養上清中のTNF−αをELISA法によって定量した。
結果を図7に示す。図7中、一番左のカラムはコントロールであり、LPSのみを培地に添加した結果を示し、左から2番目のカラムはLPSとGM3のみを培地に添加した結果を示す。
骨髄由来マクロファージにおける「LPS及びGM3による協調的なTNF−α産生(炎症促進)」が、各ガングリオシド(GD1a、GD1b、GT1b及びGQ1b)を添加することにより強力に抑制されることが分かった(図7)。
また、図6と図7を比較すると、各ガングリオシド(GD1a、GD1b、GT1b及びGQ1b)による炎症抑制効果は、肥満時等に発現上昇するGM3によって惹起されたマクロファージ活性化に対して、より強力に奏されることが示唆された。
実施例4
[GM3促進炎症抑制剤の製剤化]
<<錠剤>>
GD1b20.0mg、ラクトース40mg、デンプン20mg、及び、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース5mgを均一に混合した後、ヒドロキシプロピルメチルセルロース8質量%水溶液を結合剤として湿式造粒法で打錠用顆粒を製造した。該打錠用顆粒に滑沢性を与えるのに必要なステアリン酸マグネシウムを0.5mg〜1.5mg加えてから打錠機を用いて打錠し錠剤とした。
<<液剤>>
GT1b10.0mgを、2質量%の2−ヒドロキシプロピル−β−サイクロデキストリン水溶液10mLに溶解し注射用液剤とした。
実施例5
[ヒトにおける各種ガングリオシドの炎症亢進又は抑制作用]
ヒト末梢血由来単球(CD14陽性細胞)を、0.5%FCS及び25ng/mL顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子含有DMEM(Low Glucose)中、0.125ng/mL大腸菌由来リポ多糖(LPS、E.coliO111:B4)、及び、1.25、2.5、5.0μMのN−mix(中性スフィンゴ糖脂質混合物(Glc−Cer、Lac−Cer、Gb3、Gb4))又は各ガングリオシド分子種を用いて共刺激した。18時間後にELISA法を用いて、培養上清中に分泌された炎症性サイトカイン(IL−6、IL−1β、TNF−α)を定量した。結果を図8〜10に示す。
図8〜10中、一番左のカラムはコントロール、左から2番目のカラムはLPSのみを培地に添加した結果を示す。
各GM3種の構造について、例えば「GM3C16」の場合、GM3の脂肪酸が炭素数16の炭化水素基であることを示す。また、「GM3hC24」は、GM3の脂肪酸が炭素数24の炭化水素基であり、該脂肪酸に置換基としてOH基を有することを示す。また、「GM3C24:1」は、GM3の脂肪酸が炭素数24の炭化水素基であり、該炭化水素基中に1つの二重結合を有することを示す。
図8〜10の結果、驚くべきことに、GM3分子種のうち、「GM3C16」、「GM3C18」及び「GM3C24:1」が、LPSによるIL−6、IL−1β及びTNF−α産生を抑制する作用を示した。
一方、GM3分子種のうち、脂肪酸にOH基を有さず、炭化水素基中に二重結合を有さない、「GM3C22」、「GM3C24」、及び脂肪酸にOH基を有する「GM3hC24」は、LPSによるIL−6、IL−1β及びTNF−α産生を著しく増大させた。
実施例6
[ヒトにおける、GM3C16、GM3C18及びGM3C24:1の炎症抑制作用]
次に、GM3分子種のうち、脂肪酸にOH基を有さず、炭化水素基中に二重結合を有さない、「GM3C22」及び「GM3C24」によって生じるTLR4選択的な炎症性サイトカイン産生の促進に対して、「GM3C16」、「GM3C18」及び、炭化水素基中に二重結合を有する「GM3C24:1」が拮抗的に炎症抑制作用を示すかどうかを、ヒト単球において調べた。
実施例5と同様の培養条件下、炎症を促進する「GM3C22」又は「GM3C24」に対して、炎症を抑制する「GM3C16」、「GM3C18」又は「GM3C24:1」を組み合わせて単球に添加し、さらにTLR4活性化因子である0.06ng/mLのLPSで刺激した。18時間後にELISA法を用いて、培養上清中に分泌された炎症性サイトカインIL−6を定量した。結果を図11に示す。
図11の結果中、「GM3C16」、「GM3C18」及び「GM3C24:1」は、LPS刺激に対してだけでなく、「GM3C22」及び「GM3C24」の添加によって促進した刺激に対しても、IL−6の産生を強力に抑制した。興味深いことに、「GM3C16」、「GM3C18」及び「GM3C24:1」は、LPS単独によるTLR4活性化時と比べて、「GM3C22」および「GM3C24」の添加によって促進されたTLR4活性化時において、より強力にIL−6の産生を抑制した。
実施例7
[GM3によるToll様受容体選択的な炎症促進および炎症抑制効果]
ヒト単球の活性化に伴う炎症は、ヒト単球上のToll様受容体(TLR)の活性化によって生じることが知られており、TLR4に対する活性化因子であるLPS以外にも、その他のTLRに対する様々な活性化因子が存在する。
そこで、実施例5と同様の培養条件下、TLR4活性化因子である0.125ng/mLのLPS、TLR4及びTLR2活性化因子である5.0μg/mLのHigh Mobility Group Box 1(HMGB1)、TLR1及びTLR2活性化因子である20ng/mLのPam3Csk4、TLR2及びTLR6活性化因子である1.0ng/mLのMALP−2、TLR5活性化因子である50ng/mLのフラジェリン(Flagellin)、並びにTLR7及びTLR8活性化因子である250ng/mLのR−848のいずれかと、5μMのGM3分子種を用いて、ヒト単球を刺激した。18時間後にELISA法を用いて、培養上清中に分泌された炎症性サイトカインIL−6を定量した。結果を図12A及びBに示す。
図12A及びBの結果中、GM3分子種のうち、脂肪酸にOH基を有さず、炭化水素基中に二重結合を有さない、「GM3C22」、「GM3C24」、及び脂肪酸にOH基を有する「GM3hC24」は、TLR4を活性化する因子であるLPS及びHMGB1によるIL−6産生を選択的に増大させた。一方、その他のTLR活性化因子については、IL−6産生の増大は見られなかった。
さらに、GM3分子種のうち、「GM3C16」、「GM3C18」及び「GM3C24:1」が、TLR4を活性化する因子であるLPSおよびHMGB1によるIL−6産生を抑制する作用を示した(図12A)。この抑制作用は、TLR2を活性化する因子であるPam3Csk4によるIL−6産生に対しても見られたが、TLR4を活性化する因子であるLPS及びHMGB1によるIL−6産生に対する抑制作用の方が、より顕著であった。
[実施例のまとめ]
ヒト血清中のガングリオシド組成に注目すると、最も優勢なGM3(5μM)に対して、およそ0.5〜1.0μMのGD1a、GD1b、GT1bが含まれることが報告されている(表1)。このことから、GM3及び複合体ガングリオシドを含むヒト血液中では、LPSによる自然免疫細胞の活性化は、非常に強力な抑制を受けていると考えられる。
また、実施例で非常に強力にLPSによるTNF−α産生を抑制していた、GD1b、GT1b及びGQ1bは、哺乳動物において、GD3から生合成される点で共通している(図1)。
血中を循環する多くの自然免疫細胞は、感染組織や標的臓器に到達して初めて活性化され、免疫応答を起こす。一方、血中における不用意な自然免疫活性化は、敗血性ショックや慢性的炎症疾患等に代表される、全身性の免疫機能不全を引き起こす要因の一つと考えられる。血中のガングリオシドは、循環中の自然免疫細胞が活性化するのを未然に防ぐ役割を持つと考えられ、これらを人為的に投与することによっても、コントロール不良な慢性炎症疾患や、全身性の炎症状態に対して、より効果的に対処できる。
GM3のLPSによるマクロファージ活性化を、GD3、GD1a、GD1b、GT1b、GQ1b等の特定のガングリオシドが抑制することが確認されたが、LPS以外の、飽和脂肪酸(パルミチン酸)、病原体関連分子パターン(PAMPs、pathogen-associated molecular patterns)、損傷関連分子パターン(DAMPs、damage-associated molecular patterns)等によるGM3依存性マクロファージ活性化の抑制も可能である。
特に、ヒト単球においては、「GM3C16」、「GM3C18」及び「GM3C24:1」が炎症抑制効果を示し(図8〜10)、LPS単独によるTLR4活性化よりも、「GM3C22」及び「GM3C24」といったGM3分子種によって促進されたTLR4活性化をより強力に抑制することがわかった(図11)。さらに、GM3分子種はTLR4に対して選択的に作用することで、炎症促進と炎症抑制を生じることが明らかとなった(図12A及びB)。
これらの結果から、GM3及びGM3構造をもとにした炎症抑制剤は、敗血症、慢性炎症及びメタボリックシンドローム等で生じるTLR4活性化や、GM3によって促進されたTLR4活性化を選択的かつ強力に抑制できるという特性をもつ。さらに、その他のTLRの活性化を阻害しにくいことから、これまでに知られている免疫抑制剤で顕著に見られるような、免疫系全体に対する抑制に伴う免疫不全等の副作用を生じにくいという、画期的な特性を併せ持つ。
本実施例の結果から予想される、各ガングリオシド分子種のLPS依存的な炎症の亢進又は抑制メカニズムを図13に示す。
「GM3C24」や「GM3hC24」は、TLR4/MD2複合体と直接又は間接に作用することにより、TLR4/MD2複合体の結合によるNF−κB活性化を亢進し、炎症性サイトカイン(IL−6、IL−1β、TNF−α)の産生を促進していると考えられる。
一方、「GM3C16」、「GM3C18」及び「GM3C24:1」は、TLR4/MD2複合体又は他のTLR(Toll-like receptor)と直接又は間接に作用することにより、NF−κB活性化を抑制し、炎症性サイトカイン(IL−6、IL−1β、TNF−α)の産生を抑制していると考えられる。
また、シアル酸を2個以上有するガングリオシド(GD1a、GD1b、GT1b、GQ1b、GD3等)は、シアル酸結合グロブリン様レクチンであるシグレック(Siglecs, sialic acid-binding immunoglobulin-like lectin)と直接又は間接に作用することにより、NF−κB活性化を抑制し、炎症性サイトカイン(IL−6、IL−1β、TNF−α)の産生を抑制していると考えられる。
本発明のGM3促進炎症抑制剤は、GM3により促進された炎症を抑制し、安全であり、慢性炎症疾患、全身性炎症状態等に対して効果を奏することが期待されるので、医薬品分野、医療分野等で広く利用が可能である。
本願は、2015年11月30日に出願した日本の特許出願である特願2015−232564、及び2016年6月8日に出願した日本の特許出願である特願2016−114188に基づくものであり、それらの出願の全ての内容はここに引用し、本願発明の明細書の開示として取り込まれるものである。

Claims (6)

  1. 肥満時に発現上昇するGM3により促進された炎症性サイトカインの産生を抑制する物質を有効成分として含有する肥満時用炎症性サイトカイン産生抑制剤であって、該物質が、下記式(1)で表される構造を有することを特徴とする肥満時用炎症性サイトカイン産生抑制剤。
    Figure 0006782252
    [式(1)中、R がガングリオシドGM3を構成する糖鎖を示し、
    −C(=O)−が、炭素数16若しくは18の飽和脂肪酸残基、又は炭素数24であり、炭化水素基中に1つの二重結合を有する不飽和脂肪酸残基を示す。]
  2. 肥満時に発現上昇するGM3により促進された炎症性サイトカインの産生を抑制する物質を有効成分として含有する肥満時用炎症性サイトカイン産生抑制剤であって、該物質が、GD1a、GD1b、GT1b及びGQ1bよりなる群から選ばれる少なくとも1種のガングリオシドであることを特徴とする肥満時用炎症性サイトカイン産生抑制剤。
  3. 肥満時における慢性炎症を促進するGM3が、脂肪酸残基が炭素数20以上の飽和脂肪酸残基であるGM3、又は、置換基としてOH基を有していてもよい、脂肪酸残基が炭素数24の飽和脂肪酸残基であるGM3である、請求項1又は請求項2に記載の肥満時用炎症性サイトカイン産生抑制剤。
  4. 肥満時に発現上昇するGM3により促進された肥満時における慢性炎症を抑制する物質を有効成分として含有するGM3促進肥満時慢性炎症抑制剤であって、該物質が、下記式(1)で表される構造を有することを特徴とするGM3促進肥満時慢性炎症抑制剤。
    Figure 0006782252
    [式(1)中、R がガングリオシドGM3を構成する糖鎖を示し、
    −C(=O)−が、炭素数16若しくは18の飽和脂肪酸残基、又は炭素数24であり、炭化水素基中に1つの二重結合を有する不飽和脂肪酸残基を示す。]
  5. 肥満時に発現上昇するGM3により促進された肥満時における慢性炎症を抑制する物質を有効成分として含有するGM3促進肥満時慢性炎症抑制剤であって、該物質が、GD1a、GD1b、GT1b及びGQ1bよりなる群から選ばれる少なくとも1種のガングリオシドであることを特徴とするGM3促進肥満時慢性炎症抑制剤。
  6. 肥満時における慢性炎症を促進するGM3が、脂肪酸残基が炭素数20以上の飽和脂肪酸残基であるGM3、又は、置換基としてOH基を有していてもよい、脂肪酸残基が炭素数24の飽和脂肪酸残基であるGM3である、請求項1又は請求項2に記載のGM3促進肥満時慢性炎症抑制剤。
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