JPH0550682A - 通帳における転写防止印字方式 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は通帳における転写防止印字方式に関
し、印字を行う通帳のページに対応して印字位置をわず
かに変更することによって、印字ドットを重ならないよ
うにし、通帳における印字の転写を防止することを目的
とする。 【構成】 ワイヤドットマトリックス方式による印字部
と、前記印字部まで通帳を搬送するための搬送部と、前
記印字部と搬送部とを制御する制御部とを有する印字装
置の通帳における転写防止印字方式において、前記印字
部により通帳へ印字を行う際、前記制御部により通帳の
ページ管理を行い（Ｓ２〜Ｓ５）、各ページごとに印字
位置をずらし（Ｓ６〜Ｓ８）、転写を防止するように構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、通帳への記帳処理を行
う通帳プリンタにおいて、ワイヤドットマトリックス方
式により印字を行う方式に関する。通帳のような冊子状
の媒体に印字を行う場合、媒体の厚さの変化が大きいた
め、ワイヤドットマトリックス方式による印字が一般的
であるが、媒体が冊子状になっているため印字した面の
裏側にも印字を行うことになり、前に印字した文字が転
写されてしまうという問題がある。

【０００２】

【従来の技術】このため、従来、ワイヤドットマトリッ
クス方式の印字装置においては、転写を防止するため
に、インクリボンの濃度を抑えるか、または速乾性のイ
ンクを使用する等が考えられてきたが、いずれも、イン
クリボンの寿命が短くなるという欠点があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、インクリボンの寿命を短縮せず、通帳における文字
の転写を防止することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明においては、ワイ
ヤドットマトリックス方式による印字部と、前記印字部
まで通帳を搬送するための搬送部と、前記印字部と搬送
部とを制御する制御部とを有する印字装置の通帳におけ
る転写防止印字方式において、例えば図１に例示される
ように、前記印字部により通帳へ印字を行う際、前記制
御部により通帳のページ管理を行い（Ｓ２〜Ｓ５）、各
ページごとに印字位置をずらし（Ｓ６〜Ｓ８）、転写を
防止することを特徴とする通帳における転写防止印字方
式が提供される。

【０００５】

【作用】上述の方式を用いれば、通帳のページ数に着目
し、各ページごとに印字位置を少しずつずらしながら印
字を行うことにより、前の印字と重ならないよう印字を
行うことができる。

【０００６】

【実施例】まず、印字されたドットが全く重なる場合
と、１ドットずらしたことにより重なるドットが減少す
る場合を、数字２の印字の場合を例にとって、図２
（ａ）および図２（ｂ）を用いて説明する。

【０００７】１ページ目の１行目に数字の２を印字し、
印字が進み１ページ捲（めく）って、２ページ目の１行
目にまた数字の２を印字すると、前に印字した文字と全
く重なり（図２（ａ））、２ページの１行目の裏に２が
転写されてしまうことになる。それで、もし、第２ペー
ジ目の印字を行う際に、横に１ドット分ずらして印字を
行うと重なる部分は図２（ｂ）の縦線を付されたドット
部分だけとなり、第１ページの印字のドット部分（斜線
および縦線）と第２ページの印字のドット部分（白丸と
縦線）が完全に重なることが防止できる。

【０００８】図３には本発明の一実施例の方式を行う装
置の構成図が示される。図示のように、この装置は、通
帳を入れる挿入口１、通帳の磁気ストライプを読み取る
磁気ストライプ読み取り部２、通帳のページを捲るター
ンページ機構部３、通帳のページマークを読み取るため
のページマーク読み取り部４、通帳に印字するための印
字部５、通帳を搬送するための搬送部６、媒体を検出す
るためのセンサ７から９、および前記の要素を制御する
ための制御部１０を具備する。

【０００９】図４には、制御部１０のブロック図が示さ
れる。制御部１０はマイクロプロセッサユニット（ＭＰ
Ｕ）１１、メモリ１２、機構部を駆動するための機構駆
動回路１３、センサ情報を読み取るためのセンサ読み取
り回路１４、ホストコンピュータと通信するための回線
制御回路１５を具備する。そして、これらの各要素はバ
スで接続されている。

【００１０】図３、図４、および図１を用いて、実施例
の装置の動作を説明する。まず、オペレータにより通帳
が挿入口１に挿入されると、センサ７がオンとなる。こ
れをＭＰＵ１１が検出し、機構駆動回路１３を駆動し、
搬送部６により通帳を磁気ストライプ読み取り部２に搬
送する。磁気ストライプ読み取り部２で読み取ったデー
タを回線制御部１５を通じホストコンピュータに送り、
印字データと印字を行うページ数をホストコンピュータ
より受け取る。

【００１１】ＭＰＵ１１は、この方式を行う処理過程の
流れ図である図１に示されるように、ホストコンピュー
タからのページ数データから、ページ数が１，５，９で
あったなら（Ｓ２）、そのまま印字を行い、ページ数が
２，６であったなら（Ｓ３）、印字データを１ドット右
にずらして印字を行い（Ｓ６）、ページ数が３，７であ
ったなら（Ｓ４）、印字データを１ドット上にずらして
印字を行い（Ｓ７）、ページ数が４，８であったなら
（Ｓ５）、印字データを１ドット左にずらして印字を行
う（Ｓ８）ことを決定する。その後、搬送部６により通
帳をターンページ部３に搬送し、所定のページ数捲り、
ページマーク読み取り部４によりページ数を確認し、印
字部５に通帳を搬送し、前記決定したモードによる印字
データの修正を行った後、印字を行い挿入口へ通帳を返
却する。

【００１２】横方向および縦方向の印字ドット制御につ
いて説明する。まず横方向に関しては図５に表示される
ような移動機構が一例として示される。すなわち、印字
ヘット２１はモータ２３によりスクリューシャフトを回
転させることにより左右に移動する。この時スクリュー
シャフトに固着された放射状にスリットが設けられたス
リット板（円板）２５も同時に回るのでフォトインタラ
プタにより検出すると一定間隔でパルス信号が発生され
る。この信号を制御部が計数し、基準位置（左または右
端）からのカウント値が、ある設定値になった位置から
印字を始める。このパルス信号を、印字の横ドット間隔
で発生するように設定しておくことにより、横方向の１
ドット調整は、印字開始カウンタのカウント値を＋１ま
たは−１させることによって行うことができる。

【００１３】次に縦方向の印字ドット制御について説明
する。縦方向の制御はパルスモータを使用して行われ
る。通帳の印字は行により管理されるので、１行の印字
が終了した後、次の行へ通帳を搬送するのにはパルスモ
ータのステップ数によって制御される。

【００１４】ここで、横方向と同じ考え方により、パル
スモータの１ステップが印字縦方向の１ドットに対応す
るように設定すれば、ステップ数を＋１または−１させ
ることで縦方向の印字位置の調整ができる。ただし縦方
向の調整を行うのはページの始めに印字を行う時だけに
限る。始めにずらしておけば、そのページでの行管理
は、その位置を基準に全ての行に対してずれることにな
る。

【００１５】

【発明の効果】本発明によれば、印字を行う通帳のペー
ジに対応して印字位置をわずかに変更することによっ
て、印字ドットを重ならないようにし、通帳における印
字の転写を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の通帳における転写防止印字
方式を行う処理過程の流れ図である。

【図２】印字された文字のドットの重なりを説明する図
であって、（ａ）は印字位置をずらさない場合であり、
（ｂ）は１ドットずらした場合を示す図である。

【図３】実施例の方式を行う装置の構成を示すブロック
図である。

【図４】図３における制御部のブロック図である。

【図５】実施例の方式を行う装置の印字ヘッドの移動を
説明する図である。

【符号の説明】

１…通帳挿入口 ２…磁気ストライプ読み取り部 ３…ターンページ機構部 ４…ページマーク読み取り部 ５…印字部 ６…通帳搬送部 ７〜９…媒体検出センサ １０…制御部 １１…ＭＰＵ １２…メモリ １３…機構駆動回路 １４…センサ読み取り回路 １５…回線制御回路 ２１…印字ヘッド ２２…スクリューシャフト ２３…モータ ２４…フォトインタラプタ ２５…スリット板

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坪井 秀夫 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワイヤドットマトリックス方式による印
   字部と、前記印字部まで通帳を搬送するための搬送部
   と、前記印字部と搬送部とを制御する制御部とを有する
   印字装置の通帳における転写防止印字方式において、 前記印字部により通帳へ印字を行う際、前記制御部によ
   り通帳のページ管理を行い（Ｓ２〜Ｓ５）、各ページご
   とに印字位置をずらし（Ｓ６〜Ｓ８）、転写を防止する
   ことを特徴とする通帳における転写防止印字方式。