JPH0550087B2 - - Google Patents

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JPH0550087B2
JPH0550087B2 JP58124167A JP12416783A JPH0550087B2 JP H0550087 B2 JPH0550087 B2 JP H0550087B2 JP 58124167 A JP58124167 A JP 58124167A JP 12416783 A JP12416783 A JP 12416783A JP H0550087 B2 JPH0550087 B2 JP H0550087B2
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stainless steel
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ferritic stainless
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Yoshuki Kashiwagi
Taiji Noda
Kaoru Kitakizaki
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Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、真空インタラプタの電極材料とその
製造方法に関する。 一般に、真空インタラプタの電極は、 1 大電流をしや断する能力が高いこと、 2 絶縁強度が大きいこと、 3 耐溶着性が良好なこと、及び 4 小電流を良好にしや断できること(さい断電
流値が小さいこと) 等の電極条件を満足することが要求されている。 従来、上記の電極条件を満足すべく、種々の電
極材料が提案されている。が、いずれの電極材料
も、上記の電極条件を十分には満足しないのが現
状である。 例えば、銅に微量の高蒸気圧材料(低融点材
料)を含有せしめた種々の電極、例えば、特公昭
41−12131号公報(米国特許証第3246979号参照)
に示されている。銅に0.5重量%のビスマスを含
有せしめてなるもの(以下、Cu−0.5Bi電極とい
う)、または、特公昭48−36071号公報(米国特許
証第3596027号参照)に示されているもの等が知
られている。 これら高蒸気圧材料を含有してなる電極にあつ
ては、上記の電極条件から観て、大電流しや断能
力、耐溶着性及び導電率に優れているものの、絶
縁強度、特に大電流しや断後の絶縁強度が著しく
低下する欠点があり、しかも、さい断電流値が
10Aと高いために電流しや断時にさい断サージを
発生することがあるので、遅れ小電流を良好にし
や断し得ない欠点があり、したがつて、負荷側の
電気機器の絶縁破壊を引起す虞れがあつた。 また、例えば、上記高蒸気圧材料を含有する電
極の上述したような欠点を解消するのを企図した
電極として、銅と低蒸気圧材料(高融点材料)と
の合金属からなるもの、例えば、特公昭54−
36121号公報(米国特許証第3811939号参照)に示
されている。20重量%の銅と80重量%のタングス
テンとからなるもの、または、特開昭54−
1572843号公報(英国特許出願公開第2024257号公
報参照)に示されているもの等が知られている。
これら低蒸気圧材料を含有してなる電極にあつて
は、上記の電極条件から観て、絶縁強度が大きく
なる利点はあるものの、短絡電流のような大電流
をしや断することが困難となる欠点があつた。 本発明は、上述した技術水準に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、耐溶着性を不
都合とならない程度に良好に維持しつつ絶縁強度
を大きくし得るとともに、大電流および小電流の
いずれをも良好にしや断し得るようにした真空イ
ンタラプタの電極材料とその製造方法を提供する
ことである。 上記の目的を達成するために、本発明は、真空
インタラプタの電極材料の組成とその製造方法に
関するものである。 特定発明は、電極材料を、29〜70重量%のフエ
ライト系ステンレス鋼と、1〜10重量%のモリブ
デンもしくはタングステンと、残り銅との複合金
属で構成した。 また、電極材料に関する他の発明は、29〜70重
量%のフエライト系ステンレス鋼粉末と、1〜10
重量%のモリブデンもしくはタングステン粉末と
を相互に拡散結合した多孔質基材に残り重量%の
銅材を溶浸させた複合金属で構成した。 そして、特定発明にかかる電極材料の製造方法
に関する一の発明は、まず、非酸化性雰囲気中に
おいてフエライト系ステンレス鋼とモリブデンも
しくはタングステンとの混合粉末をフエライト系
ステンレス鋼の融点より低い温度で加熱して、上
記混合粉末の各金属を相互に拡散結合することに
より多孔質基材を形成し、ついで、非酸化性雰囲
気中において上記多孔質基材上に銅材を置くと共
に多孔質基材および銅材をフエライト系ステンレ
ス鋼の融点より低い温度で、かつ、銅の融点以上
の温度で加熱して、銅材を多孔質基材に溶浸させ
て複合金属を形成する方法である。 また、特定発明にかかる電極材料の製造方法に
関する他の発明は、まず、フエライト系ステンレ
ス鋼とモリブデンもしくはタングステンとの混合
粉末と銅材とを共に非酸化性雰囲気中に納置し、
ついで、これら混合粉末および銅材を銅の融点よ
り低い温度で加熱して上記混合粉末の各金属を相
互に拡散結合することにより多孔質基材を形成
し、ついで銅の融点以上で、かつ、フエライト系
ステンレス鋼の融点より低い温度で上記多孔質基
材および銅材を加熱することにより銅材を上記多
孔質基材に溶浸させて複合金属を形成する方法で
ある。 以下、図面および写真等の図を参照して、本発
明の実施例を詳細に説明する。 第1図は、本発明にかかる電極を備えた真空イ
ンタラプタの縦断面図である。真空インタラプタ
は、円筒状に成形したガラスまたは絶縁セラミク
ス等の絶縁物から成る複数(本実施例においては
2本)の絶縁筒1,1を、各絶縁筒1の両端に固
着したFe−Ni−Co合金等の金属から成る薄肉円
環状の封着金具2,2……の一方を介し、同軸的
に接合することにより一体の絶縁筒とするととも
に、この一体の絶縁筒の両開口部を、他方の封着
金具2,2を介し、ステンレス鋼等から成る円板
状の両金属端板3,3により閉塞し、かつ、一体
の絶縁筒と両金属端板3,3とから成る容器の内
部を高真空に排気して真空容器4を形成し、この
真空容器4内に、一対の円板状の電極5,5を、
各金属端板3の中央部から、真空容器4の気密性
を保持しつつ、相対的に接近離反自在に導入した
対をなす電極棒6,6を介し、接触離反(接離)
自在に設けて概略構成されている。 なお、第1図において、7は金属ベローズ、8
は各電極5等を同心状に囲繞する中間電位のシー
ルドである。 各電極5は、29〜70重量%のフエライト系ステ
ンレス鋼と、1〜10重量%のモリブデンもしくは
タングステンと、残り銅とからなる複合金属の材
料から成る。 上記フエライト系ステンレス鋼としては、例え
ば、JIS規格でSUS405,SUS429,SUS430,
SUS430F又はSUS434が好適である。列挙したフ
エライト系ステンレス鋼は、いずれも、鉄及びク
ロムを主成分とし、炭素、硅素、マンガン、リ
ン、硫黄、モリブデン及びアルミニウムのうち幾
つかを少量添加成分として含むものである。 上記電極材料は、−100メツシユのフエライト系ス
テンレス鋼粉末29〜70重 量%と、−100メツシユ
のモリブデンもしくはタングステン粉末1〜10重
量%とを相互に拡散結合することにより多孔質基
材を形成し、この多孔質基材に残り重量%の銅を
溶浸させた金属組織を有する。 以下、上述した電極材料を製造する方法につい
て説明する。 第1の製造方法 まず、フエライト系ステンレス鋼が29〜70重量
%、モリブデンもしくはタングステンが1〜10重
量%の組成比となるように調整され、かつ、粒径
を−100メツシユとした、フエライト系ステンレ
ス鋼粉末と、モリブデンもしくはタングステン粉
末とを所定量(例えば、加工しろを加味した電極
1個分相当)機械的に混合する。 ついで、得られた金属混合粉末を、フエライト
系ステンレス鋼、モリブデンもしくはタングステ
ン、および銅のいずれとも反応しない材料、例え
ば、アルミナから成る円形断面の容器に収納し、
この収納物を、非酸化性雰囲気中(例えば、5×
10-5Torr以下の圧力の真空中、水素ガス中、窒
素ガス中またはアルゴンガス中等)において、フ
エライト系ステンレス鋼の融点(約1500℃)より
低い温度で加熱保持(例えば、600〜1000℃で5
〜60分間程度)し、これにより、フエライト系ス
テンレス鋼粉末とモリブデンもしくはタングステ
ン粉末とを相互に拡散結合して、多孔質基材を製
造する。 次に、上記拡散結合工程と同一または異なる非
酸化性雰囲気中において、上記多孔質基材上に銅
ブロツクまたは銅粉末等の銅材を置き、かつ、多
孔質基材と銅材とを銅の融点(1083℃)以上で、
かつ、フエライト系ステンレス鋼の融点(約1500
℃)より低い温度で5〜20分間程度加熱保持し
て、溶融した銅材を多孔質基材に溶浸させる。こ
れにより、フエライト系ステンレス鋼、モリブデ
ンもしくはタングステン、および銅から成る複合
金属材料を製造する。 前述の第1の製造方法は、多孔質基材の形成
(拡散結合)工程と、この多孔質基材への銅材の
溶浸工程とが完全に分離していることに特徴があ
り、容器中で多孔質基材を拡散結合している時に
は、この容器中に銅材は納置されていない。した
がつて、第1の製造方法では、多孔質基材の形成
を水素ガス、窒素ガス又はアルゴンガス等のガス
中で行い、この多孔質基材への銅材の溶浸を真空
引き下で行うことでも良い。 また、各種非酸化性雰囲気中において電極多数
個分に相当する多孔質柱状基材を製造し、この多
孔質の柱状基材を所要厚さおよび形状に切断して
例えば1個の電極用の多孔質基材に加工した後
に、この多孔質基材への銅材の溶浸を真空引き下
で行うことでも良い。 第2の製造方法 第2の製造方法は、フエライト系ステンレス鋼
粉末とモリブデン粉末もしくはタングステン粉末
との混合粉末と、銅材とを同一容器内に納置し、
上記混合粉末の拡散結合工程および銅材の溶浸工
程を同一非酸化性雰囲気中での加熱温度の変更の
みで一貫して行う点に特徴がある。 すなわち、第2の製造方法にあつては、まず、
フエライト系ステンレス鋼が29〜70重量%、モリ
ブデンもしくはタングステンが1〜10重量%の組
成比となるように調整され、かつ、粒径を−100
メツシユとした、フエライト系ステンレス鋼粉末
と、モリブデンもしくはタングステン粉末とを所
定量機械的に混合する。 ついで、得られた金属混合粉末を、フエライト
系ステンレス鋼、モリブデンもしくはタングステ
ン、および銅のいずれとも反応しない材料、例え
ば、アルミナから成る円形断面の容器に収納する
とともに、金属混合粉末上に銅材を載置する。つ
いで、容器中の収納物を非酸化雰囲気中(例え
ば、5×10-5Torr以下の圧力の真空中)におい
て、まず、銅の融点(約1083℃)より低い温度で
加熱保持(例えば、600〜1000℃で5〜60分間程
度)し、これにより、フエライト系ステンレス鋼
粉末とモリブデンもしくはタングステン粉末とを
相互に拡散結合して、多孔質基材を製造する。 ついで、得られた多孔質基材と銅材とを銅の融
点(1083℃)以上で、かつ、フエライト系ステン
レス鋼の融点(約1500℃)より低い温度(例えば
1100℃)で、5〜20分間程度加熱保持し、溶融し
た銅材を多孔質基材に溶浸させる。これにより、
フエライト系ステンレス鋼、モリブデンもしくは
タングステンおよび銅から成る複合金属の材料を
製造する。 なお、第1、第2の方法いずれの場合にあつて
も、非酸化性雰囲気としては、真空の方が加熱保
持の際に脱ガスが同時に行なえる利点があつて好
適なものである。もちろん真空中以外のガス中に
て製造した場合にあつても真空インタラプタの電
極として実用上問題はないものである。また上記
各金属粉末における各金属粒子の径を−100メツ
シユとした理由は、各金属粒子が電極材料の金属
組織中で均一に分散し、且つ相互拡散結合が良好
となるようにするためである。 また、金属粉末の相互拡散結合に要する、加熱
温度と時間は、炉の条件、形成する多孔質基材の
形状、大きさ等の条件、及び作業性等を考慮し、
且つ所望の電極材料としての性質を満足するよう
に加熱保持されるものであり、例えば600℃で60
分間、または1000℃で5分間といつた加熱条件で
作業が行なわれるものである。 次に前述の第2の製造方法(ただし、非酸化性
雰囲気は、5×10-5Torrの真空中)により製造
した電極材料の実施例にかかる金属組織を第2図
A〜第2図E、第3図A〜第3図Eに示す。 第2図A〜第2図Fは、実施例−1にかかる電
極材料であつて、フエライト系ステンレス鋼の
SUS434が42重量%、モリブデンが8重量%、銅
が50重量%の組成比からなる電極材料のX線マイ
クロアナライザによる特性写真で、第2図Aは電
極材料の金属組織の二次電子像を示す特性写真で
ある。 またSUS434の主成分である鉄Fe、クロムCrの
分散状態は、第2図B,Cから明らかであり、第
2図Bの白い部分がFe、第2図Cの白い部分が
Crである。第2図Dは分散したモリブデンMoの
特性X線像で、点在する白い部分がMoである。
また第2図Eは、溶浸された銅Cuの特性X線像
で、白い部分がCuである。 この第2図から判るように、SUS434及びモリ
ブデンMoの各粉末(粉体)は、相互拡散結合し
て多孔質基材を形成しており、そしてこの多孔質
基材の孔(間隙)に銅Cuが溶浸されることによ
つて全体として強固な結合体の複合金属を形成し
ていることが判る。 次に第3図A〜第3図Eは、実施例−2にかか
る電極材料であつて、SUS434が42重量%、タン
グステンが8重量%、銅が50重量%の組成比から
なる電極材料のX線マイクロアナライザによる特
性写真である。 第3図Aは、二次電子像を示す特性写真であ
り、また第3図B,CおよびEは、第2図B,C
およびEの場合と同様に分散した白い部分が、鉄
Fe、クロムCr、および銅Cuを各々示すものであ
る。 しかして、第3図Dは、分散したタングステン
Wの特性X線像で、点在する白い部分がタングス
テンである。 この第3図から判るように、鉄Fe、クロムCr
タングステンWの各粉末(粉体)は、相互に拡散
結合して多孔質基材を形成している。そしてこの
多孔質基材の孔(間隙)に銅Cuが溶浸されるこ
とによつて全体として強固な結合体の複合金属を
形成していることが判る。 以上の通り図示し詳述した金属組織を有する実
施例−1及び実施例−2の電極材料を、直径50
mm、厚み6.5mmの円板に形成し、かつ、その周縁
にR=4mmの丸味を付けた電極とし、この電極を
一対第1図に示す構成の真空インタラプタに組込
んで、この真空インタラプタの諸性能を検証し
た。この検証結果は、以下の通りであつた。 なお、第3図に示す、タングステンを含む電極
材料から成る実施例−2の電極が、第2図に示す
実施例−1の、モリブデンを含む電極材料から成
る電極と異なる性能を有するときは、その都度特
記する。 1 電極材料の導電率(IACS) 実施例−1の場合は、3〜20% 実施例−2の場合は、3〜25% であつた。 2 耐溶着性 両電極5,5同士を130Kgfの力で加圧し、こ
れら電極5,5間に25kArmsの電流を3秒間通
電した(IEC短時間電流規格)後に、両電極5,
5は、200Kgfの静的な引外し力で問題なく引外
すことができ、その後の接触抵抗の増加は、2〜
8%に止まつた。 また、両電極5,5同士を1000Kgfの力で加圧
し、これら電極5,5間に50kArmsの電流を3
秒間通電した後に、両電極5,5を、200Kgfの
静的な引外し力で問題なく引外すことができ、そ
の後の接触抵抗の増加は2〜7%に止まつた。
したがつて、耐溶着性は、実用上不都合とならな
い程度に良好に維持された。 3 さい断電流値 試験電流として30Aを通電して行なつたところ
さい断電流値は、平均3.9A(標準偏差σo=1.3 標
本数n=100)であつた。 また、実施例−2のタングステンを含む電極材
料の場合のさい断電流値は、平均3.7A(σo=1.4
n=100)であつた。 4 大電流しや断能力 12kArmsの電流をしや断することができた。
なお、実施例−2の場合は11kArmsであつた。 5 絶縁強度 極間ギヤツプを3.0mmに維持し、インパルス耐
電圧試験を行なつたところ、実施例−1の場合は
±120kV(バラツキ±10kV)の耐電圧値を示し
た。また実施例−2の場合には+120/-110kV(バラ
ツキ±10kV)を示した。 6 しや断後の絶縁強度 12kAを通電して複数回しや断後に極間ギヤツ
プを3.0mmに維持し、インパルス耐電圧試験を行
つたところ、±110kV(バラツキ10kV)の耐電圧
値を示した。なお、実施例−2の場合は、11kA
を通電して同様な結果を示した。 7 小電流開閉後の絶縁強度 電流80Aで小電流連続開閉試験を10000回行な
つた。耐電圧値は、初期〜10000回の間において、
ほとんど変化しなかつた。 8 進み小電流しや断能力 電圧84×1.25/√3kV、電流80Aの進み小電流しや 断試験(JEC181)を10000回行なつた。両電極
5,5間に再点孤は発生しなかつた。 次に本発明に係る組成の電極材料において、フ
エライト系ステンレス鋼の種類および組成比と、
モリブデンおよび銅の各組成比とを変更した場
合、または、フエライト系ステンレス鋼の種類お
よび組成比と、タングステンおよび銅の各組成比
を変更した場合のさい断電流値およびインパルス
耐電圧値を、第1表及び第2表に示す。
【表】
【表】 なお、SUS434は少量のMoを含有するもので
あるが、本発明にあつては、SUS自体が含有す
るMoは微量であるので、これとは無関係にMo
を1重量%以上添加するものである。 上述の1)〜8)項から判るように、本発明の
電極材料から成る電極を有する真空インタラプタ
は、優れた諸性能を有するものであり、本発明に
かかる電極と同一形状のCu−0.5Bi電極を有する
真空インタラプタの諸性能と比較したところ、下
記の通りであつた。 a 大電流しや断能力 両者同一である。 b 絶縁強度 一対のCu−0.5Bi電極が極間ギヤツプ10mmにお
いて示すインパルス耐電圧値と、本発明にかかる
一対の電極が極間ギヤツプ3.0mmにおいて示すイ
ンパルス耐電圧値とは同一であつた。したがつ
て、本発明にかかる電極は、Cu−0.5Bi電極の3
倍強の絶縁強度を有する。 c 耐溶着性 本発明にかかる電極の耐溶着性は、Cu−0.5Bi
電極の耐溶着性の70%である。が、実用上ほとん
ど問題なく、必要ならば、電極開離瞬時の引外し
力を若干増加させればよい。 d 進み小電流しや断能力 本発明にかかる電極は、Cu−0.5Bi電極に比較
して2倍のキヤパシタンス容量の負荷をしや断す
ることができる。 e さい断電流値 本発明にかかる電極のさい断電流値は、Cu−
0.5Bi電極のさい断電流値の30%と小さくなつた。 また、第1表および第2表に示す図示以外の組
成の電極も、Cu−0.5Bi電極との比較において、
前述の実施例−1及び実施例−2の組成のものと
ほぼ同様の性能を示した。 しかして、フエライト系ステンレス鋼は、20重
量%未満の場合にさい断電流値が急激に大きくな
り、他方、79重量%を超える場合に大電流しや断
能力が急激に低下した。 また、モリブデンもしくはタングステンが1重
量%未満の場合には、絶縁強度が急激に低下し、
他方、10重量%を超える場合には、大電流しや断
能力が急激に低下した。 また、銅が20重量%未満の場合には、短時間電
流試験の結果から判るように通電後の接触抵抗が
急激に大きくなり、すなわち、電極の導電率が急
激に低下するので、定格電流通電時のジユール熱
が急激に大きくなり、銅20重量%未満の電極の実
用性が低下した。 他方、銅が70%を超える場合には、絶縁強度が
急激に低下するとともに、耐溶着性が急激に低下
した。 以上の如く、特定発明は、29〜70重量%のフエ
ライト系ステンレス鋼と、1〜10重量%のモリブ
デンもしくはタングステンと、および残り重量%
の銅との複合金属を材料とする真空インタラプタ
の電極であるから、この電極は、Cu−0.5Bi電極
のように高蒸気圧材料を含有して成る従来の電極
に比して、真空インタラプタの絶縁強度を飛躍的
に大きくし、かつ、さい断電流値を飛躍的に小さ
くすることができる。また従来の20Cu−80W等
の如き低蒸気圧材料を含有してなる電極に比べて
大電流しや断を良好に行なうことができる。した
がつて、特定発明にかかる電極材料は、大電流し
や断、進み小電流しや断および遅れ小電流しや断
を良好に行うことができる。 また、電極材料に関する他の発明は、29〜70重
量%のフエライト系ステンレス鋼粉末と、1〜10
重量%のモリブデンもしくはタングステン粉末と
を相互に拡散結合した多孔質基材に20〜70重量%
の銅材を溶浸させてなる、真空インタラプタの電
極材料であるから、上述した種々の効果に加え
て、電極の機械的強度の向上を図ることができ
る。 また、特定発明にかかる電極材料の製造方法に
関する一の発明は、フエライト系ステンレス鋼と
モリブデンもしくはタングステンとの混合粉末を
非酸化性雰囲気中で、かつ、所定温度で所定時間
保持し、相互に拡散結合させて多孔質基材とし、
この基材上に銅材を置き、多孔質基材および銅材
を非酸化性雰囲気中で銅の融点以上の温度で、か
つ、フエライト系ステンレス鋼の融点より低い温
度で加熱保持することにより、銅材を多孔質基材
に溶浸させて電極材料を製造するようにしている
ので、各金属間の結合が良好に行われ、その分散
状態を均一にでき、電極材料の電気的特性および
機械的特性を優れたものとすることができる。 また、特定発明にかかる電極材料の製造方法に
関する他の発明は、フエライト系ステンレス鋼と
モリブデンもしくはタングステンとの混合粉末と
銅材とを共に所定の容器中に納置し、その後に、
同一非酸化性雰囲気中で混合粉末の相互拡散結合
および銅材の溶浸を温度調節のみで一貫して行う
ようにしているので、上記製造方法に関する一の
発明に伴う効果に加えて、作業工程の一部を省略
できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明にかかる電極材料により成る
電極を有する真空インタラプタの縦断面図、第2
図A〜第2図Eは、フエライト系ステンレス鋼の
SUS434が42重量%、モリブデンが8重量%およ
び銅が50重量%の組成を有する複合金属から成る
電極材料のX線マイクロアナライザによる特性写
真であり、第2図Aは、電極材料の金属組織の二
次電子像を示し、第2図B〜第2図Eは、それぞ
れ分散状態にある、鉄、クロム、モリブデンおよ
び溶浸銅の特性X線像を示す。第3図A〜第3図
Eは、SUS434が42重量%、タングステンが8重
量%、および銅が50重量%の組成を有する複合金
属から成る電極材料のX線マイクロアナライザに
よる特性写真であり、第3図Aは電極材料の金属
組織の二次電子像を示し、第3図B〜第3図E
は、それぞれ分散状態にある鉄、クロム、タング
ステンおよび溶浸銅の特性X線像を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 29〜70重量%のフエライト系ステンレス鋼
    と、1〜10重量%のモリブデンもしくはタングス
    テンと、残重量%の銅との複合金属から成る真空
    インタラプタの電極材料。 2 29〜70重量%のフエライト系ステンレス鋼粉
    末と、1〜10重量%のモリブデンもしくはタング
    ステン粉末とを相互に拡散結合した多孔質基材に
    残り重量%の銅材を溶浸させた複合金属から成る
    真空インタラプタの電極材料。 3 まず、非酸化性雰囲気中においてフエライト
    系ステンレス鋼粉末と、モリブデンもしくはタン
    グステンとの混合粉末を、フエライト系ステンレ
    ス鋼の融点より低い温度で加熱して、上記混合粉
    末の各金属を相互に拡散結合することにより多孔
    質の基材を形成し、ついで、非酸化性雰囲気中に
    おいて上記多孔質基材上に銅材を置くと共に多孔
    質の基材および銅材をフエライト系ステンレス鋼
    の融点より低い温度で、かつ、銅の融点以上の温
    度で加熱して、銅材を多孔質基材に溶浸させて複
    合金属とした真空インタラプタの電極材料の製造
    方法。 4 まず、フエライト系ステンレス鋼とモリブデ
    ンもしくはタングステンとの混合粉末と銅材とを
    共に非酸化性雰囲気中に納置し、ついで、これら
    混合粉末および銅材を銅の融点より低い温度で加
    熱して上記混合粉末の各金属を相互に拡散結合す
    ることにより多孔質の基材を形成し、ついで銅の
    融点以上で、かつ、フエライト系ステンレス鋼の
    融点より低い温度で上記多孔質基材および銅材を
    加熱することにより銅材を上記多孔質基材に溶浸
    させて複合金属とした真空インタラプタの電極材
    料の製造方法。
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JPS5321777A (en) * 1976-08-13 1978-02-28 Hitachi Ltd Vacuum breaker electrode

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