JPH0474811B2 - - Google Patents
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- JPH0474811B2 JPH0474811B2 JP12416683A JP12416683A JPH0474811B2 JP H0474811 B2 JPH0474811 B2 JP H0474811B2 JP 12416683 A JP12416683 A JP 12416683A JP 12416683 A JP12416683 A JP 12416683A JP H0474811 B2 JPH0474811 B2 JP H0474811B2
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- High-Tension Arc-Extinguishing Switches Without Spraying Means (AREA)
Description
本発明は、真空インタラプタの電極材料とその
製造方法に関する。 一般に、真空インタラプタの電極は、 1 大電流をしや断する能力が高いこと、 2 絶縁強度が大きいこと、 3 耐溶着性が良好なこと、及び 4 小電流を良好にしや断できること(さい断電
流値が小さいこと) 等の電極条件を満足することが要求されている。 従来、上記の電極条件を満足すべく、種々の電
極材料が提案されている。が、いずれの電極材料
も、上記の電極条件を十分には満足しないのが現
状である。 例えば、銅に微量の高蒸気圧材料(低融点材
料)を含有せしめた種々の電極、例えば、特公昭
41−12131号公報(米国特許証第3246979号参照)
に示されている、銅に0.5重量%のビスマスを含
有せしめてなるもの(以下、Cu−0.5Bi電極とい
う)、または、特公昭48−36071号公報(米国特許
証第3596027号参照)に示されているもの等が知
られている。 これら高蒸気圧材料を含有してなる電極にあつ
ては、上記の電極条件から観て、大電流しや断能
力、耐溶着性及び導電率に優れているものの、絶
縁強度、特に大電流しや断後の絶縁強度が著しく
低下する欠点があり、しかも、さい断電流値が
10Aと高いために電流しや断時にさい断サージを
発生することがあるので、遅れ小電流を良好にし
や断し得ない欠点があり、したがつて、負荷側の
電気機器の絶縁破壊を引起す虞れがあつた。 また、例えば、上記高蒸気圧材料を含有する電
極の上述したような欠点を解消するのを企図した
電極として、銅と低蒸気圧材料(高融点材料)と
の合金からなるもの、例えば、特公昭54−36121
号公報(米国特許証第3811939号参照)に示され
ている、20重量%の銅と80重量%のタングステン
とからなるもの、または、特開昭54−1572843号
公報(英国特許出願公開第2024257号公報参照)
に示されているもの等が知られている。 これら低蒸気圧材料を含有してなる電極にあつ
ては、上記の電極条件から観て、絶縁強度が大き
くなる利点はあるものの、短絡電流のような大電
流をしや断することが困難となる欠点があつた。 本発明は、上述した技術水準に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、耐溶着性を不
都合とならない程度に良好に維持しつつ、絶縁強
度を大きくし得るとともに大電流および小電流の
いずれをも良好にしや断し得るようにした、真空
インタラプタの電極材料とその製造方向を提供す
ることである。 上記の目的を達成するために、本発明は、真空
インタラプタの電極材料の組成とその製造方法に
関するものである。 特定発明は、真空インタラプタの電極材料を5
〜40重量%の鉄と、5〜40重量%のクロムと、合
計で1〜10重量%に達し、かつ、一方が少なくと
も0.5重量%含まれるモリブデンおよびタングス
テンと、残り重量%の銅との複合金属で構成し
た。 また、上記電極材料に関する他の発明は、5〜
40重量%の鉄粉末と、5〜40重量%のクロム粉末
と、合計で1〜10重量%に達し、かつ、一方が少
なくとも0.5重量%含まれる、モリブデンおよび
タングステン粉末とを相互に拡散結合した多孔質
基材に残り重量%の銅を溶浸させた複合金属で構
成した。 そして上記特定発明にかかる電極材料の製造方
法に関する一の発明は、まず、非酸化性雰囲気中
において、鉄とクロムとモリブデンとタングステ
ンとの混合粉末を鉄の融点より低い温度で加熱し
て、これらの金属を相互に拡散結合することによ
り多孔質基材を形成し、ついで、非酸化性雰囲気
中において、上記多孔質基材上に銅材を置くと共
に、かつ多孔質基材および銅材を鉄の融点より低
い温度で、かつ、銅の融点以上の温度で加熱し
て、銅材を多孔質基材に溶浸させて複合金属を形
成する方法である。 また、特定発明にかかる電極材料の製造方法に
関する他の発明は、鉄とクロムとモリブデンとタ
ングステンとの混合粉末と銅材とを共に非酸化性
雰囲気中に納置し、まず、銅の融点より低い温度
で加熱して上記混合粉末の各金属を相互に拡散結
合することにより多孔質基材を形成し、ついで、
銅の融点以上で、かつ、鉄の融点より低い温度で
上記基材及び銅材を加熱することにより銅材を基
材に溶浸させて複合金属を形成する方法である。 以下、図面及び写真等の図を参照して、本発明
の実施例を詳細に説明する。 第1図は、本発明にかかる電極を備えた真空イ
ンタラプタの縦断面図である。真空インタラプタ
は、円筒状に成形したガラスまたは絶縁セラミツ
クス等の絶縁物からなる複数(本実施例において
は2本)の絶縁筒1,1を、各絶縁筒1の両端に
固着したFe−Ni−Co合金等の金属からなる薄肉
円環状の封着金具2,2,…の一方を介し、同軸
的に接合することにより一体の絶縁筒とするとと
もに、この一体の絶縁筒の両開口部を、他方の封
着金具2,2を介し、ステンレス鋼等からなる円
板状の金属端板3,3により閉塞し、かつ、一体
の絶縁筒と金属端板3,3とから成る容器の内部
を高真空に排気して真空容器4を形成し、この真
空容器4内に、一対の円板状の電極5,5を、各
金属端板3の中央部から、真空容器4の気密性を
保持しつつ、相対的に接近離反自在に導入した対
をなす電極棒6,6を介し、接触離反(接離)自
在に設けて概略構成されている。 なお、第1図において、7は金属ベローズ、8
は各電極5等を同心状に囲繞する中間電位のシー
ルドである。 各電極は、5〜40重量%の鉄と、5〜40重量%
のクロムと、合計で1〜10重量%に達し、かつ、
一方が少なくとも0.5重量%含まれる、モリブデ
ンおよびタングステンと、残り銅とからなる複合
金属の材料から成る。 この電極材料は、−100メツシユの鉄粉末5〜40
重量%と、−100メツシユのクロム粉末5〜40重量
%と、合計で1〜10重量%に達し、かつ、一方が
少なくとも0.5重量%含まれる、モリブデンおよ
びタングステン粉末とを相互に拡散結合すること
により多孔質基材を形成し、この基材に残り重量
%の銅を溶浸させた金属組織を有する。 次に、上述した電極材料を製造する方法につい
て説明する。 第1の製造方法 まず、鉄が5〜40重量%、クロムが5〜40重量
%、モリブデンおよびタングステンが合計で1〜
10重量%に達し、かつ、一方が少なくとも0.5重
量%の組成比となるように調整され、かつ、粉径
を−100メツシユとした、鉄粉末と、クロム粉末
と、モリブデン粉末と、タングステン粉末とを所
定量(例えば、後加工の切削しろを加味した電極
1個分相当)機械的に混合する。 ついで、得られた金属混合粉末を、鉄、クロ
ム、モリブデン、タングステン、および銅のいず
れとも反応しない材料、例えば、アルミナから成
る円形断面の容器に収納し、この収納物を、非酸
化性雰囲気中(例えば、5×10-5Torr以下の圧
力の真空中、水素ガス中、窒素ガス中またはアル
ゴンガス中等)において、鉄の融点(1535℃)よ
り低い温度で加熱保持(例えば、600〜1000℃で
5〜60分間程度)し、これにより、鉄粉末とクロ
ム粉末とモリブデン粉末とタングステン粉末とを
相互に拡散結合して、多孔質基材を製造する。 次に、上記拡散結合工程と同一または異なる非
酸化性雰囲気中において、上記多孔質基材上に銅
ブロツクまたは銅粉末等の銅材を置き、かつ、多
孔質基材と銅材とを銅の融点(1083℃)以上で、
かつ、鉄の融点(1535℃)より低い温度で5〜20
分間程度加熱保持して、溶融した銅材を多孔質基
材に溶浸させる。これにより、鉄、クロム、モリ
ブデン、タングステン、および銅から成る複合金
属材料を製造する。 前述の第1の製造方法は、多孔質基材の形成
(拡散結合)工程と、この多孔質基材への銅材の
溶浸工程とが完全に分離していることに特徴があ
り、容器中で多孔質基材を拡散結合形成している
時には、この容器中に銅材は納置されていない。 したがつて、第1の製造方法では、多孔質基材
の形成を水素ガス、窒素ガス又はアルゴンガス等
のガス中で行い、この多孔質基材への銅材の溶浸
を真空引き下で行うことでもよい。 また、各種非酸化性雰囲気中において電極多数
個分に相当する多孔質の柱状基材を製造し、この
多孔質の柱状基材を所要厚さおよび形状に切断し
て例えば1個の電極用の多孔質基材に加工した後
に、この多孔質の基材への銅材の溶浸を真空引き
下で行うことでもよい。 第2の製造方法 第2の製造方法は、鉄粉末とクロム粉末とモリ
ブデン粉末とタングステン粉末との混合粉末と、
銅材とを同一容器内に納置し、上記混合粉末の拡
散結合工程および銅材の溶浸工程を同一非酸化性
雰囲気中での加熱温度の変更のみで一貫して行う
点に特徴がある。 すなわち、第2の製造方法にあつては、まず、
鉄が5〜40重量%、クロムが5〜40重量%、モリ
ブデンおよびタングステンが合計で1〜10重量%
に達し、かつ、一方が少なくとも0.5重量%の組
成比となるように調整され、かつ、粒径を−100
メツシユとした、鉄粉末と、クロム粉末と、モリ
ブデン粉末と、およびタングステン粉末とを所定
量機械的に混合する。 ついで、得られた金属混合粉末を、鉄、クロ
ム、モリブデン、タングステンおよび銅のいずれ
とも反応しない材料、例えば、アルミナから成る
円形断面の容器に収納するとともに、金属混合粉
末上に銅材を載置する。 ついで、容器中の収納物を非酸化雰囲気中(例
えば、5×10-5Torr以下の圧力の真空中)にお
いて、まず、銅の融点より低い温度で加熱保持
(例えば、600〜1000℃で5〜60分間程度)し、こ
れにより、鉄粉末とクロム粉末とモリブデン粉末
とタングステン粉末とを相互に拡散結合して、多
孔質基材を製造する。 ついで、得られた多孔質基材と銅材とを銅の融
点(1083℃)以上で、かつ、鉄の融点(1535℃)
より低い温度(例えば1100℃)で、5〜20分間程
度加熱保持し、溶融した銅材を多孔質基材に溶浸
させる。これにより、鉄、クロム、モリブデン、
タングステンおよび銅から成る複合金属の材料を
製造する。 なお、第1、第2の方法いずれの場合にあつて
も、非酸化性雰囲気としては、真空の方が加熱保
持の際に脱ガスが同時に行なえる利点があつて好
適なものである。もちろん真空中以外のガス中に
て製造した場合にあつても真空インタラプタの電
極として実用上問題はないものである。また上記
各金属粉末における各金属粒子の径を−100メツ
シユとした理由は、各金属粒子が電極材料の金属
組織中で均一に分散し且つ相互拡散結合が良好と
なるようにするためである。 また、金属粉末の相互拡散結合に要する、加熱
温度と時間は、炉の条件、形成する多孔質基材の
形状、大きさ等の条件、及び作業性等を考慮し、
且つ所望の電極材料としての性質を満足するよう
に加熱保持されるものであり、例えば600℃で60
分間、または1000℃で5分間といつた加熱条件で
作業が行なわれるものである。 次に、前述の第2の製造方法(ただし、非酸化
性雰囲気は、5×10-5Torrの真空中)により製
造した電極材料の実施例にかかる金属組織を第2
図A,B,C,D,EおよびFに示す。 第2図A,B,C,D,EおよびFは、鉄が21
重量%、クロムが21重量%、モリブデンが4重量
%、タングステンが4重量%および銅が50重量%
の組成比とした電極材料のX線マイクロアナライ
ザによる特性写真である。第2図Aは、金属組織
の二次電子像を示す特性写真であり、また第2図
Bは、分散した鉄の特性X線像で、島状に白く存
在する部分が鉄Feである。第2図Cは、分散し
たクロムの特性X線像で、点在する白い部分がク
ロムCrである。第2図Dは分散したモリブデン
の特性X線像で、点在する白い部分がモリブデン
Moである。第2図Eは、分散したタングステン
の特性X線像で点在する白い部分がタングステン
Wである。また第2図Fは、溶浸された銅の特性
X線像で、白い部分が銅Cuである。 この第2図から判るように、鉄Fe、クロムCr、
モリブデンMoおよびタングステンWの各粉末
(粉体)は、相互拡散結合して多孔質基材を形成
している。 そしてこの多孔質基材の孔(間隙)に銅Cuが
溶浸されることによつて全体として強固な結合体
の複合金属を形成していることが判る。 なお、第2図Bないし第2図Fにおいて、白い
部分は各々元素を示すものであるが、白い部分
(白点)が多い部分は、その元素の濃度が高いこ
とを示している。 以上の通り図示し詳述した金属組織を有する電
極材料を、直径50mm、厚み6.5mmの円板に形成し、
かつ、その周縁にR=4mmの丸味を付けた電極と
し、この電極を一対第1図に示す構成の真空イン
タラプタに組込んで、この真空インタラプタの諸
性能を検証した。この検証結果は、以下の通りで
あつた。 1 電極材料の導電率(IACS) 3〜30%であつた。 2 耐容着性 両電極5,5同士を130Kgfの力で加圧し、こ
れら電極5,5間に25kArmsの電流を3秒間通
電した(IEC短時間電流規格)後に、両電極5,
5は、200Kgfの静的な引外し力で問題なく引外
すことができ、その後の接触抵抗の増加は、2〜
8%に止まつた。 また、両電極5,5同士を1000Kgfの力で加圧
し、これら電極5,5間に50kArmsの電流を3
秒間通電した後に、両電極5,5を、200Kgfの
静的な引外し力で問題なく引外すことができ、そ
の後の接触抵抗の増加は、2〜7%に止まつた。 したがつて、耐溶着性は、実用上不都合となら
ない程度に良好に維持された。 3 さい断電流値 試験電流として30Aを通電して行なつたところ
さい断電流値は平均3.9A(標準偏差σn=1.3、標本
数n=100) 4 大電流しや断能力 12kArmsの電流をしや断することができた。 5 絶縁強度 極間ギヤツプを3.0mmに維持し、インパルス耐
電圧試験を行なつたところ、±120kV(バラツキ±
10kV)の耐電圧値を示した。 6 しや断後の絶縁強度 12kA通電して復数回しや断後に極間ギヤツプ
を3.0mmに維持し、インパルス耐電圧試験を行つ
たところ、±110kV(バラツキ10kV)の耐電圧値
を示した。 7 小電流開閉後の絶縁強度 電流80Aで小電流連続開閉試験を10000回行な
つた。耐電圧値は、初期〜10000回の間において、
ほとんど変化しなかつた。 8 進み小電流しや断能力 電圧84×1.25/√3kV、電流80Aの進み小電流しや 断試験(JEC181)を10000回行なつた。両電極
5,5間に再点弧は発生しなかつた。 上記電極材料において、鉄、クロム、モリブデ
ン、タングステンおよび銅の各組成比を変更した
場合のさい断電流値(30A通電時における平均
値)およびインパルス耐電圧値を表に示す。 Fe,Cr,Mo,WおよびCuの各組成
製造方法に関する。 一般に、真空インタラプタの電極は、 1 大電流をしや断する能力が高いこと、 2 絶縁強度が大きいこと、 3 耐溶着性が良好なこと、及び 4 小電流を良好にしや断できること(さい断電
流値が小さいこと) 等の電極条件を満足することが要求されている。 従来、上記の電極条件を満足すべく、種々の電
極材料が提案されている。が、いずれの電極材料
も、上記の電極条件を十分には満足しないのが現
状である。 例えば、銅に微量の高蒸気圧材料(低融点材
料)を含有せしめた種々の電極、例えば、特公昭
41−12131号公報(米国特許証第3246979号参照)
に示されている、銅に0.5重量%のビスマスを含
有せしめてなるもの(以下、Cu−0.5Bi電極とい
う)、または、特公昭48−36071号公報(米国特許
証第3596027号参照)に示されているもの等が知
られている。 これら高蒸気圧材料を含有してなる電極にあつ
ては、上記の電極条件から観て、大電流しや断能
力、耐溶着性及び導電率に優れているものの、絶
縁強度、特に大電流しや断後の絶縁強度が著しく
低下する欠点があり、しかも、さい断電流値が
10Aと高いために電流しや断時にさい断サージを
発生することがあるので、遅れ小電流を良好にし
や断し得ない欠点があり、したがつて、負荷側の
電気機器の絶縁破壊を引起す虞れがあつた。 また、例えば、上記高蒸気圧材料を含有する電
極の上述したような欠点を解消するのを企図した
電極として、銅と低蒸気圧材料(高融点材料)と
の合金からなるもの、例えば、特公昭54−36121
号公報(米国特許証第3811939号参照)に示され
ている、20重量%の銅と80重量%のタングステン
とからなるもの、または、特開昭54−1572843号
公報(英国特許出願公開第2024257号公報参照)
に示されているもの等が知られている。 これら低蒸気圧材料を含有してなる電極にあつ
ては、上記の電極条件から観て、絶縁強度が大き
くなる利点はあるものの、短絡電流のような大電
流をしや断することが困難となる欠点があつた。 本発明は、上述した技術水準に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、耐溶着性を不
都合とならない程度に良好に維持しつつ、絶縁強
度を大きくし得るとともに大電流および小電流の
いずれをも良好にしや断し得るようにした、真空
インタラプタの電極材料とその製造方向を提供す
ることである。 上記の目的を達成するために、本発明は、真空
インタラプタの電極材料の組成とその製造方法に
関するものである。 特定発明は、真空インタラプタの電極材料を5
〜40重量%の鉄と、5〜40重量%のクロムと、合
計で1〜10重量%に達し、かつ、一方が少なくと
も0.5重量%含まれるモリブデンおよびタングス
テンと、残り重量%の銅との複合金属で構成し
た。 また、上記電極材料に関する他の発明は、5〜
40重量%の鉄粉末と、5〜40重量%のクロム粉末
と、合計で1〜10重量%に達し、かつ、一方が少
なくとも0.5重量%含まれる、モリブデンおよび
タングステン粉末とを相互に拡散結合した多孔質
基材に残り重量%の銅を溶浸させた複合金属で構
成した。 そして上記特定発明にかかる電極材料の製造方
法に関する一の発明は、まず、非酸化性雰囲気中
において、鉄とクロムとモリブデンとタングステ
ンとの混合粉末を鉄の融点より低い温度で加熱し
て、これらの金属を相互に拡散結合することによ
り多孔質基材を形成し、ついで、非酸化性雰囲気
中において、上記多孔質基材上に銅材を置くと共
に、かつ多孔質基材および銅材を鉄の融点より低
い温度で、かつ、銅の融点以上の温度で加熱し
て、銅材を多孔質基材に溶浸させて複合金属を形
成する方法である。 また、特定発明にかかる電極材料の製造方法に
関する他の発明は、鉄とクロムとモリブデンとタ
ングステンとの混合粉末と銅材とを共に非酸化性
雰囲気中に納置し、まず、銅の融点より低い温度
で加熱して上記混合粉末の各金属を相互に拡散結
合することにより多孔質基材を形成し、ついで、
銅の融点以上で、かつ、鉄の融点より低い温度で
上記基材及び銅材を加熱することにより銅材を基
材に溶浸させて複合金属を形成する方法である。 以下、図面及び写真等の図を参照して、本発明
の実施例を詳細に説明する。 第1図は、本発明にかかる電極を備えた真空イ
ンタラプタの縦断面図である。真空インタラプタ
は、円筒状に成形したガラスまたは絶縁セラミツ
クス等の絶縁物からなる複数(本実施例において
は2本)の絶縁筒1,1を、各絶縁筒1の両端に
固着したFe−Ni−Co合金等の金属からなる薄肉
円環状の封着金具2,2,…の一方を介し、同軸
的に接合することにより一体の絶縁筒とするとと
もに、この一体の絶縁筒の両開口部を、他方の封
着金具2,2を介し、ステンレス鋼等からなる円
板状の金属端板3,3により閉塞し、かつ、一体
の絶縁筒と金属端板3,3とから成る容器の内部
を高真空に排気して真空容器4を形成し、この真
空容器4内に、一対の円板状の電極5,5を、各
金属端板3の中央部から、真空容器4の気密性を
保持しつつ、相対的に接近離反自在に導入した対
をなす電極棒6,6を介し、接触離反(接離)自
在に設けて概略構成されている。 なお、第1図において、7は金属ベローズ、8
は各電極5等を同心状に囲繞する中間電位のシー
ルドである。 各電極は、5〜40重量%の鉄と、5〜40重量%
のクロムと、合計で1〜10重量%に達し、かつ、
一方が少なくとも0.5重量%含まれる、モリブデ
ンおよびタングステンと、残り銅とからなる複合
金属の材料から成る。 この電極材料は、−100メツシユの鉄粉末5〜40
重量%と、−100メツシユのクロム粉末5〜40重量
%と、合計で1〜10重量%に達し、かつ、一方が
少なくとも0.5重量%含まれる、モリブデンおよ
びタングステン粉末とを相互に拡散結合すること
により多孔質基材を形成し、この基材に残り重量
%の銅を溶浸させた金属組織を有する。 次に、上述した電極材料を製造する方法につい
て説明する。 第1の製造方法 まず、鉄が5〜40重量%、クロムが5〜40重量
%、モリブデンおよびタングステンが合計で1〜
10重量%に達し、かつ、一方が少なくとも0.5重
量%の組成比となるように調整され、かつ、粉径
を−100メツシユとした、鉄粉末と、クロム粉末
と、モリブデン粉末と、タングステン粉末とを所
定量(例えば、後加工の切削しろを加味した電極
1個分相当)機械的に混合する。 ついで、得られた金属混合粉末を、鉄、クロ
ム、モリブデン、タングステン、および銅のいず
れとも反応しない材料、例えば、アルミナから成
る円形断面の容器に収納し、この収納物を、非酸
化性雰囲気中(例えば、5×10-5Torr以下の圧
力の真空中、水素ガス中、窒素ガス中またはアル
ゴンガス中等)において、鉄の融点(1535℃)よ
り低い温度で加熱保持(例えば、600〜1000℃で
5〜60分間程度)し、これにより、鉄粉末とクロ
ム粉末とモリブデン粉末とタングステン粉末とを
相互に拡散結合して、多孔質基材を製造する。 次に、上記拡散結合工程と同一または異なる非
酸化性雰囲気中において、上記多孔質基材上に銅
ブロツクまたは銅粉末等の銅材を置き、かつ、多
孔質基材と銅材とを銅の融点(1083℃)以上で、
かつ、鉄の融点(1535℃)より低い温度で5〜20
分間程度加熱保持して、溶融した銅材を多孔質基
材に溶浸させる。これにより、鉄、クロム、モリ
ブデン、タングステン、および銅から成る複合金
属材料を製造する。 前述の第1の製造方法は、多孔質基材の形成
(拡散結合)工程と、この多孔質基材への銅材の
溶浸工程とが完全に分離していることに特徴があ
り、容器中で多孔質基材を拡散結合形成している
時には、この容器中に銅材は納置されていない。 したがつて、第1の製造方法では、多孔質基材
の形成を水素ガス、窒素ガス又はアルゴンガス等
のガス中で行い、この多孔質基材への銅材の溶浸
を真空引き下で行うことでもよい。 また、各種非酸化性雰囲気中において電極多数
個分に相当する多孔質の柱状基材を製造し、この
多孔質の柱状基材を所要厚さおよび形状に切断し
て例えば1個の電極用の多孔質基材に加工した後
に、この多孔質の基材への銅材の溶浸を真空引き
下で行うことでもよい。 第2の製造方法 第2の製造方法は、鉄粉末とクロム粉末とモリ
ブデン粉末とタングステン粉末との混合粉末と、
銅材とを同一容器内に納置し、上記混合粉末の拡
散結合工程および銅材の溶浸工程を同一非酸化性
雰囲気中での加熱温度の変更のみで一貫して行う
点に特徴がある。 すなわち、第2の製造方法にあつては、まず、
鉄が5〜40重量%、クロムが5〜40重量%、モリ
ブデンおよびタングステンが合計で1〜10重量%
に達し、かつ、一方が少なくとも0.5重量%の組
成比となるように調整され、かつ、粒径を−100
メツシユとした、鉄粉末と、クロム粉末と、モリ
ブデン粉末と、およびタングステン粉末とを所定
量機械的に混合する。 ついで、得られた金属混合粉末を、鉄、クロ
ム、モリブデン、タングステンおよび銅のいずれ
とも反応しない材料、例えば、アルミナから成る
円形断面の容器に収納するとともに、金属混合粉
末上に銅材を載置する。 ついで、容器中の収納物を非酸化雰囲気中(例
えば、5×10-5Torr以下の圧力の真空中)にお
いて、まず、銅の融点より低い温度で加熱保持
(例えば、600〜1000℃で5〜60分間程度)し、こ
れにより、鉄粉末とクロム粉末とモリブデン粉末
とタングステン粉末とを相互に拡散結合して、多
孔質基材を製造する。 ついで、得られた多孔質基材と銅材とを銅の融
点(1083℃)以上で、かつ、鉄の融点(1535℃)
より低い温度(例えば1100℃)で、5〜20分間程
度加熱保持し、溶融した銅材を多孔質基材に溶浸
させる。これにより、鉄、クロム、モリブデン、
タングステンおよび銅から成る複合金属の材料を
製造する。 なお、第1、第2の方法いずれの場合にあつて
も、非酸化性雰囲気としては、真空の方が加熱保
持の際に脱ガスが同時に行なえる利点があつて好
適なものである。もちろん真空中以外のガス中に
て製造した場合にあつても真空インタラプタの電
極として実用上問題はないものである。また上記
各金属粉末における各金属粒子の径を−100メツ
シユとした理由は、各金属粒子が電極材料の金属
組織中で均一に分散し且つ相互拡散結合が良好と
なるようにするためである。 また、金属粉末の相互拡散結合に要する、加熱
温度と時間は、炉の条件、形成する多孔質基材の
形状、大きさ等の条件、及び作業性等を考慮し、
且つ所望の電極材料としての性質を満足するよう
に加熱保持されるものであり、例えば600℃で60
分間、または1000℃で5分間といつた加熱条件で
作業が行なわれるものである。 次に、前述の第2の製造方法(ただし、非酸化
性雰囲気は、5×10-5Torrの真空中)により製
造した電極材料の実施例にかかる金属組織を第2
図A,B,C,D,EおよびFに示す。 第2図A,B,C,D,EおよびFは、鉄が21
重量%、クロムが21重量%、モリブデンが4重量
%、タングステンが4重量%および銅が50重量%
の組成比とした電極材料のX線マイクロアナライ
ザによる特性写真である。第2図Aは、金属組織
の二次電子像を示す特性写真であり、また第2図
Bは、分散した鉄の特性X線像で、島状に白く存
在する部分が鉄Feである。第2図Cは、分散し
たクロムの特性X線像で、点在する白い部分がク
ロムCrである。第2図Dは分散したモリブデン
の特性X線像で、点在する白い部分がモリブデン
Moである。第2図Eは、分散したタングステン
の特性X線像で点在する白い部分がタングステン
Wである。また第2図Fは、溶浸された銅の特性
X線像で、白い部分が銅Cuである。 この第2図から判るように、鉄Fe、クロムCr、
モリブデンMoおよびタングステンWの各粉末
(粉体)は、相互拡散結合して多孔質基材を形成
している。 そしてこの多孔質基材の孔(間隙)に銅Cuが
溶浸されることによつて全体として強固な結合体
の複合金属を形成していることが判る。 なお、第2図Bないし第2図Fにおいて、白い
部分は各々元素を示すものであるが、白い部分
(白点)が多い部分は、その元素の濃度が高いこ
とを示している。 以上の通り図示し詳述した金属組織を有する電
極材料を、直径50mm、厚み6.5mmの円板に形成し、
かつ、その周縁にR=4mmの丸味を付けた電極と
し、この電極を一対第1図に示す構成の真空イン
タラプタに組込んで、この真空インタラプタの諸
性能を検証した。この検証結果は、以下の通りで
あつた。 1 電極材料の導電率(IACS) 3〜30%であつた。 2 耐容着性 両電極5,5同士を130Kgfの力で加圧し、こ
れら電極5,5間に25kArmsの電流を3秒間通
電した(IEC短時間電流規格)後に、両電極5,
5は、200Kgfの静的な引外し力で問題なく引外
すことができ、その後の接触抵抗の増加は、2〜
8%に止まつた。 また、両電極5,5同士を1000Kgfの力で加圧
し、これら電極5,5間に50kArmsの電流を3
秒間通電した後に、両電極5,5を、200Kgfの
静的な引外し力で問題なく引外すことができ、そ
の後の接触抵抗の増加は、2〜7%に止まつた。 したがつて、耐溶着性は、実用上不都合となら
ない程度に良好に維持された。 3 さい断電流値 試験電流として30Aを通電して行なつたところ
さい断電流値は平均3.9A(標準偏差σn=1.3、標本
数n=100) 4 大電流しや断能力 12kArmsの電流をしや断することができた。 5 絶縁強度 極間ギヤツプを3.0mmに維持し、インパルス耐
電圧試験を行なつたところ、±120kV(バラツキ±
10kV)の耐電圧値を示した。 6 しや断後の絶縁強度 12kA通電して復数回しや断後に極間ギヤツプ
を3.0mmに維持し、インパルス耐電圧試験を行つ
たところ、±110kV(バラツキ10kV)の耐電圧値
を示した。 7 小電流開閉後の絶縁強度 電流80Aで小電流連続開閉試験を10000回行な
つた。耐電圧値は、初期〜10000回の間において、
ほとんど変化しなかつた。 8 進み小電流しや断能力 電圧84×1.25/√3kV、電流80Aの進み小電流しや 断試験(JEC181)を10000回行なつた。両電極
5,5間に再点弧は発生しなかつた。 上記電極材料において、鉄、クロム、モリブデ
ン、タングステンおよび銅の各組成比を変更した
場合のさい断電流値(30A通電時における平均
値)およびインパルス耐電圧値を表に示す。 Fe,Cr,Mo,WおよびCuの各組成
【表】
上述の1)〜8)項から判るように、本発明の
電極材料から成る電極を有する真空インタラプタ
は、優れた諸性能を有するものであり、本発明に
かかる電極と同一形状のCu−0.5Bi電極を有する
真空インタラプタの諸性能と比較したところ、下
記の通りであつた。 a 大電流しや断能力 両者同一である。 b 絶縁強度 一対のCu−0.5Bi電極が極間ギヤツプ10mmにお
いて示すインパルス耐電圧値と、本発明にかかる
一対の電極が極間ギヤツプ3.0mmにおいて示すイ
ンパルス耐電圧値とは同一であつた。したがつ
て、本発明にかかる電極は、Cu−0.5Bi電極の3
倍強の絶縁強度を有する。 c 耐溶着性 本発明にかかる電極の耐溶着性は、Cu−0.5Bi
電極の耐溶着性の70%である。が、実用上ほとん
ど問題なく、必要ならば、電極開離瞬時の引外し
力を若干増加させればよい。 d 進み小電流しや断能力 本発明にかかる電極は、Cu−0.5Bi電極に比較
して2倍のキヤパシタンス容量の負荷をしや断す
ることができる。 e さい断電流値 本発明にかかる電極のさい断電流値は、Cu−
0.5Bi電極のさい断電流値の30%と小さくなつた。 また、表に示す図示以外の組成の電極も、Cu
−0.5Bi電極との比較において、第2図A〜Fに
示す組成のものとほぼ同様の性能を示した。 しかして、鉄が5重量%未満の場合には、さい
断電流値が急激に大きくなり、他方、40重量%を
超える場合には、大電流しや断能力が急激に低下
した。 また、クロムが5重量%未満の場合には、さい
断電流値が急激に大きくなり、他方、40重量%を
超える場合には、大電流しや断能力が急激に低下
した。 また、モリブデンおよびタングステンが合計で
1重量%未満の場合には、絶縁強度が急激に低下
し、他方、10重量%を超える場合には、大電流し
や断能力が急激に低下した。 しかして、モリブデンが0.5重量%未満の場合
及びタングステンが0.5重量%未満の場合には、
ともにさい断電流値が大きくなると共に機械的強
度が低下した。 また、銅が10重量%未満の場合には、短時間電
流試験の結果から判るように通電後の接触抵抗が
急に大きくなり、すなわち、電極の導電率が急に
低下するので、定格電流通電時のジユール熱が急
激に大きくなり、銅10重量%未満の電極の実用性
が低下した。 他方、銅が89%を超える場合には、絶縁強度が
急に低下するとともに、耐溶着性が急に低下し
た。 以上の如く、特定発明は、5〜40重量%の鉄
と、5〜40重量%のクロムと、合計で1〜10重量
%に達し、かつ、一方が少なくとも0.5重量%含
まれるモリブデンおよびタングステンと、10〜89
重量%の銅との複合金属を材料とする真空インタ
ラプタの電極であるから、この電極は、Cu−
0.5Bi電極のように高蒸気圧材料を含有して成る
従来の電極に比して、真空インタラプタの絶縁強
度を飛躍的に大きくし、かつ、さい断電流値を飛
躍的に小さくすることができる。また従来の
20Cu−80W等の如き低蒸気圧材料を含有してな
る電極に比べて大電流しや断を良好に行なうこと
ができる。したがつて、特定発明にかかる電極材
料は、大電流しや断、進み小電流しや断および遅
れ小電流しや断を良好に行うことができる。 また、電極材料に関する5〜40重量%の鉄粉末
と、5〜40重量%のクロム粉末と、合計で1〜10
重量%に達し、かつ、一方が少なくとも0.5重量
%のモリブデンおよびタングステン粉末とを相互
に拡散結合した多孔質基材に10〜89重量%の銅材
を溶浸させてなる、真空インタラプタの電極材料
であるから、上述した種々の効果に加えて、電極
の機械的強度の向上を図ることができる。 また、電極材料の製造方法に関する一の発明
は、鉄とクロムとモリブデンとタングステンとの
混合粉末を非酸化性雰囲気中で、かつ、所定温度
で所定時間保持し、相互に拡散結合させて多孔質
基材とし、この基材上に銅材を置き、この銅材を
非酸化性雰囲気中で多孔質基材に溶浸させて電極
材料を製造するようにしているので、各金属間の
結合が良好に行われ、その分散状態を均一にで
き、電極材料の電気的特性および機械的特性を優
れたものとすることができる。 また、電極材料の製造方法に関する他の発明
は、鉄とクロムとモリブデンとタングステンとの
混合粉末と銅材とを共に所定の容器中に納置し、
その後に、同一非酸化性雰囲気中で混合粉末の相
互拡散結合および銅材の溶浸を温度調節のみで一
貫して行うようにしているので、上記一の発明に
伴う効果に加えて、作業工程の一部を省略できる
効果を奏する。
電極材料から成る電極を有する真空インタラプタ
は、優れた諸性能を有するものであり、本発明に
かかる電極と同一形状のCu−0.5Bi電極を有する
真空インタラプタの諸性能と比較したところ、下
記の通りであつた。 a 大電流しや断能力 両者同一である。 b 絶縁強度 一対のCu−0.5Bi電極が極間ギヤツプ10mmにお
いて示すインパルス耐電圧値と、本発明にかかる
一対の電極が極間ギヤツプ3.0mmにおいて示すイ
ンパルス耐電圧値とは同一であつた。したがつ
て、本発明にかかる電極は、Cu−0.5Bi電極の3
倍強の絶縁強度を有する。 c 耐溶着性 本発明にかかる電極の耐溶着性は、Cu−0.5Bi
電極の耐溶着性の70%である。が、実用上ほとん
ど問題なく、必要ならば、電極開離瞬時の引外し
力を若干増加させればよい。 d 進み小電流しや断能力 本発明にかかる電極は、Cu−0.5Bi電極に比較
して2倍のキヤパシタンス容量の負荷をしや断す
ることができる。 e さい断電流値 本発明にかかる電極のさい断電流値は、Cu−
0.5Bi電極のさい断電流値の30%と小さくなつた。 また、表に示す図示以外の組成の電極も、Cu
−0.5Bi電極との比較において、第2図A〜Fに
示す組成のものとほぼ同様の性能を示した。 しかして、鉄が5重量%未満の場合には、さい
断電流値が急激に大きくなり、他方、40重量%を
超える場合には、大電流しや断能力が急激に低下
した。 また、クロムが5重量%未満の場合には、さい
断電流値が急激に大きくなり、他方、40重量%を
超える場合には、大電流しや断能力が急激に低下
した。 また、モリブデンおよびタングステンが合計で
1重量%未満の場合には、絶縁強度が急激に低下
し、他方、10重量%を超える場合には、大電流し
や断能力が急激に低下した。 しかして、モリブデンが0.5重量%未満の場合
及びタングステンが0.5重量%未満の場合には、
ともにさい断電流値が大きくなると共に機械的強
度が低下した。 また、銅が10重量%未満の場合には、短時間電
流試験の結果から判るように通電後の接触抵抗が
急に大きくなり、すなわち、電極の導電率が急に
低下するので、定格電流通電時のジユール熱が急
激に大きくなり、銅10重量%未満の電極の実用性
が低下した。 他方、銅が89%を超える場合には、絶縁強度が
急に低下するとともに、耐溶着性が急に低下し
た。 以上の如く、特定発明は、5〜40重量%の鉄
と、5〜40重量%のクロムと、合計で1〜10重量
%に達し、かつ、一方が少なくとも0.5重量%含
まれるモリブデンおよびタングステンと、10〜89
重量%の銅との複合金属を材料とする真空インタ
ラプタの電極であるから、この電極は、Cu−
0.5Bi電極のように高蒸気圧材料を含有して成る
従来の電極に比して、真空インタラプタの絶縁強
度を飛躍的に大きくし、かつ、さい断電流値を飛
躍的に小さくすることができる。また従来の
20Cu−80W等の如き低蒸気圧材料を含有してな
る電極に比べて大電流しや断を良好に行なうこと
ができる。したがつて、特定発明にかかる電極材
料は、大電流しや断、進み小電流しや断および遅
れ小電流しや断を良好に行うことができる。 また、電極材料に関する5〜40重量%の鉄粉末
と、5〜40重量%のクロム粉末と、合計で1〜10
重量%に達し、かつ、一方が少なくとも0.5重量
%のモリブデンおよびタングステン粉末とを相互
に拡散結合した多孔質基材に10〜89重量%の銅材
を溶浸させてなる、真空インタラプタの電極材料
であるから、上述した種々の効果に加えて、電極
の機械的強度の向上を図ることができる。 また、電極材料の製造方法に関する一の発明
は、鉄とクロムとモリブデンとタングステンとの
混合粉末を非酸化性雰囲気中で、かつ、所定温度
で所定時間保持し、相互に拡散結合させて多孔質
基材とし、この基材上に銅材を置き、この銅材を
非酸化性雰囲気中で多孔質基材に溶浸させて電極
材料を製造するようにしているので、各金属間の
結合が良好に行われ、その分散状態を均一にで
き、電極材料の電気的特性および機械的特性を優
れたものとすることができる。 また、電極材料の製造方法に関する他の発明
は、鉄とクロムとモリブデンとタングステンとの
混合粉末と銅材とを共に所定の容器中に納置し、
その後に、同一非酸化性雰囲気中で混合粉末の相
互拡散結合および銅材の溶浸を温度調節のみで一
貫して行うようにしているので、上記一の発明に
伴う効果に加えて、作業工程の一部を省略できる
効果を奏する。
第1図は、本発明にかかる電極材料により成る
電極を有する真空インタラプタの縦断面図、第2
図A,B,C,D,EおよびFは、鉄が21重量
%、クロムが21重量%、モリブデンが4重量%、
タングステンが4重量%および銅が50重量%の組
成を有する複合金属から成る電極材料のX線マイ
クロアナライザによる特性写真で、第2図Aは、
電極材料の二次電子像を示し、第2図B,C,
D,EおよびFは、それぞれ分散状態にある、
鉄、クロム、モリブデン、タングステンおよび溶
浸銅の特性X線像を示す。
電極を有する真空インタラプタの縦断面図、第2
図A,B,C,D,EおよびFは、鉄が21重量
%、クロムが21重量%、モリブデンが4重量%、
タングステンが4重量%および銅が50重量%の組
成を有する複合金属から成る電極材料のX線マイ
クロアナライザによる特性写真で、第2図Aは、
電極材料の二次電子像を示し、第2図B,C,
D,EおよびFは、それぞれ分散状態にある、
鉄、クロム、モリブデン、タングステンおよび溶
浸銅の特性X線像を示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 5〜40重量%の鉄と、5〜40重量%のクロム
と、合計で1〜10重量%に達し、かつ、一方が少
なくとも0.5重量%含まれる、モリブデンおよび
タングステンと、残り銅との複合金属から成る真
空インタラプタの電極材料。 2 5〜40重量%の鉄粉末と、5〜40重量%のク
ロム粉末と、合計で1〜10重量%に達し、かつ、
一方が少なくとも0.5重量%含まれる、モリブデ
ンおよびタングステン粉末とを相互に拡散結合し
た多孔質基材に残り重量%の銅を溶浸させた複合
金属から成る真空インタラプタの電極材料。 3 まず、非酸化性雰囲気中において鉄とクロム
とモリブデンとタングステンとの混合粉末を鉄の
融点より低い温度で加熱して、これらの金属を相
互に拡散結合することにより多孔質基材を形成
し、ついで、非酸化性雰囲気中において、上記多
孔質基材上に銅材を置くと共に、多孔質基材およ
び銅材を鉄の融点より低い温度で、かつ、銅の融
点以上の温度で加熱して、銅材を多孔質基材に溶
浸させて複合金属とした真空インタラプタの電極
材料の製造方法。 4 まず、鉄とクロムとモリブデンとタングステ
ンとの混合粉末と銅材とを共に非酸化性雰囲気中
に納置し、ついで、銅の融点より低い温度で加熱
して上記混合粉末の各金属を相互に拡散結合する
ことにより多孔質基材を形成し、ついで銅の融点
以上で、かつ、鉄の融点より低い温度で上記基材
及び銅材を加熱することにより銅材を基材に溶浸
させて複合金属とした真空インタラプタの電極材
料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12416683A JPS6017823A (ja) | 1983-07-08 | 1983-07-08 | 真空インタラプタの電極材料とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12416683A JPS6017823A (ja) | 1983-07-08 | 1983-07-08 | 真空インタラプタの電極材料とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6017823A JPS6017823A (ja) | 1985-01-29 |
JPH0474811B2 true JPH0474811B2 (ja) | 1992-11-27 |
Family
ID=14878576
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12416683A Granted JPS6017823A (ja) | 1983-07-08 | 1983-07-08 | 真空インタラプタの電極材料とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6017823A (ja) |
-
1983
- 1983-07-08 JP JP12416683A patent/JPS6017823A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6017823A (ja) | 1985-01-29 |
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