JPH0548505U - 配電盤の固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 配電盤の組立，試験，検査作業に支障を来し
たり、作業能率を低下させたりすることなく、配電盤の
工場出荷に先立って出荷し、据付現場に据付けることが
できる配電盤の固定装置の提供。 【構成】 配電盤の固定装置を、開放部を下に向けて配
電盤を取付けるコ字状断面の配電盤用ベース３と、該配
電盤用ベース３のコ字状断面内に収まり、床面に固定す
るための基礎ボルト用孔１０と、前記配電盤用ベースを
取付けるための取付用孔８を設けた基礎ベース１２とに
よって構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は配電盤の据付用固定装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の配電盤の据付用固定装置としては、所謂配電盤用ベース（以下では盤用 ベースと略記する）が用いられていた。一般には図３に示すように、床面２に基 礎ボルトで固定された盤用ベース３の上に配電盤１が取付けられている。従来の 配電盤は山形鋼や溝形鋼等の形鋼を溶接して盤枠を作り、正面には扉を取付け、 左右の側面，背面および天井面には、それぞれ側面板，背面板，天井板を前記盤 枠に小ねじで固定し、配電盤内に収納される機器はすべて前記盤枠に取付けられ ていた。しかるに最近は板金加工技術が進歩し、自動化が容易な板金枠が多く採 用され、形鋼を用いた盤枠は使われなくなってきたために、主回路用変圧器やリ アクトル等の重量部品を盤枠で支持することができなくなり、此等の重量部品は 盤用ベース上に直接取付けられるようになってきた。図４は此の種の盤用ベース の平面図で、３は盤用ベース、４は重量部品の取付枠、５は基礎ボルト用孔であ る。このように重量部品を盤用ベース３に直接取付けると、盤用ベースを含む配 電盤の重心が下がり安定性を増すという利点もある。配電盤の据付けに際しては 、基礎ボルトを寸法精度良く床面２に埋込むことが困難なために、予め大きく設 けた基礎ボルト用埋込孔に盤用ベースから基礎ボルトを吊下して配電盤の位置決 めをし水平調整をした後、前記埋込孔にモルタルを流し込んで基礎ボルトを固定 する。従って配電盤の据付作業は据付現場に配電盤が搬入されてから行なわれて いる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

配電盤の工場出荷に先立って盤用ベースを据付現場に届けることができ、盤用 ベースの据付工事を終って基礎部のモルタルが固まった後に、工場における試験 検査を終った配電盤が据付現場に届くようにすれば、工場における組立作業や試 験，検査作業と並行して盤用ベースの据付工事を進めることができて、配電盤の 製作から引渡しまでの工期の短縮をはかることができる。従って、配電盤に先立 って、配電盤用ベースのみを据付現場へ届けて欲しいという要求が出されること になるが、重量部品が盤用ベース上に直接取付けられている場合には、盤用ベー スを据付現場に送ってしまうと工場内での組立作業や試験，検査作業が困難とな り、仮ベースを作ったり、取付配線接続の繰返し回数が増加したり等して能率の 低下を招く等の問題を生ずる。

【０００４】 本考案は、以上の点に鑑みてなされたもので、配電盤の組立作業や試験，検査 作業に支障を生じたり、作業能率を低下させたりすることなく、配電盤の工場出 荷に先立って出荷し、据付現場に据付けすることができる配電盤の固定装置を提 供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための手段は、配電盤の固定装置を開放部を下に向けて配 電盤を取付けるコ字状断面の従来の盤用ベースと、該盤用ベースのコ字状断面内 に収まり、床面に固定するための基礎ボルト用孔と、前記盤用ベースを取付ける ための取付用孔を設けた基礎ベースとによって構成する。

【０００６】

【作用】

盤用ベース上に取付けられた配電盤の工場からの出荷に先立って基礎ベースを 据付現場に送り所定位置に据付ける。据付時に流し込んだモルタルが固まり、そ して配電盤が到着したら配電盤が取付けられている盤用ベースの開放部を下にし たコ字状断面の内側に前記基礎ベースを位置せしめて、前記盤用ベースを前記基 礎ベース上に取付けて配電盤を据付ける。

【０００７】

【実施例】

図１は本考案の一実施例を示す図で、図１（Ａ）は盤用ベースの開放部を下に したコ字状断面の内側に基礎ベースを位置せしめた状態を示す平面図、図１（Ｂ ）は図１（Ａ）におけるイ−イ断面矢視図を拡大して示したものである。

【０００８】 図１において、３は盤用ベース、４は盤用ベース３に溶着された重量部品の取 付枠、６は盤用ベース３を基礎ベースに取付けるための取付孔である。７は配電 盤の前面および背面側に相当する位置に設けた断面コ字状の開放側を上に向けた 主枠で、両端には盤用ベース３を取付けるための螺子孔８が設けられた取付板９ が溶着されており、また、床面に固定するための基礎ボルト用孔１０が穿設され ている、とともに、両主枠７は溶着した補助枠１１により連結されて、主枠７と 補助枠１１により基礎ベース１２が構成されている。

【０００９】 盤用ベース３の取付孔６と、基礎ベース１２の螺子孔８とは機械加工により位 置精度良く設けられるから、盤用ベース３を基礎ベース１２に取付ける際には、 床面に埋込まれた基礎ボルトに盤用ベース３を直接取付ける場合と異り基礎ボル トと取付孔の位置が合わない等ということは生じない。従って、配電盤の工場出 荷に先立って基礎ベース１２を据付現場に届け、基礎ベース１２に基礎ボルトを 吊下した状態で基礎ベース１２を所定位置に据付け、モルタルが固まった後、到 着した配電盤の盤用ベース３を基礎ベース１２に取付けることによって配電盤を 据付けることができる。そして基礎ベース１２は盤用ベース３の中に入ってしま うので外観は従来の配電盤と変らず同一となる。

【００１０】 図２は重量部品を収納した二面の配電盤が共通ベース上に取付けられる場合の 基礎ベースの例を示す図で、共通ベース３ａの外形を二点鎖線で示してある。図 １（Ａ）における主枠７が配電盤二面分となるために、７ａとして示すように長 くなり、二面の配電盤の連結部の取付板が９ａのように長くなっている以外は図 １（Ａ）に示したものと同じであり、同一効果を奏する。

【００１１】 なお、以上の記述においては、盤用ベース３上への配電盤や重量部品の取付孔 の図示や説明は省略してある。また主枠７は、コ字状断面として述べたが、Ｌ字 状や口字状の他の断面形状のものであっても良い。

【００１２】

【考案の効果】

本考案に係る配電盤の固定装置は、配電盤用ベースと、該ベースを取付ける基 礎ベースとからなり、配電盤用ベース上に取付けられている配電盤の工場出荷に 先立ち、基礎ベースを出荷して配電盤の据付現場に送り据付けることができる。 従って、配電盤の工場内における組立作業や試験，検査作業に支障を来したり、 能率の低下を招いたりすることなく工場内における作業と並行して基礎ベースの 据付作業をすることができ、工期の短縮をはかることができる。据付現場に到着 した配電盤は既に据付けられている基礎ベースに配電盤が取付けられている配電 盤用ベースを取付けることによって、基礎ボルトと配電盤用ベースの基礎ボルト 用孔とが合わないなどということなく、極めて容易に据付けることができる。ま た基礎ベースは配電盤用ベースの中に入ってしまうので外観の体裁は従来の配電 盤と同一となり、さらに共通ベースに対しても適用することができる等種々の実 用的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は本考案の一実施例を示す配電盤用ベー
スと基礎ベースの平面図、（Ｂ）は（Ａ）におけるイ−
イ断面矢視図。

【図２】本考案を共通ベースに適用した場合の例を示す
平面図。

【図３】従来の配電盤を示す一部切截正面図。

【図４】重量部品を取付ける従来の配電盤用ベース。

【符号の説明】

１…配電盤、２…床面、３…配電盤用ベース、７…主
枠、８…取付用孔、１０…基礎ボルト用孔、１１…補助
枠、１２…基礎ベース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 開放部を下に向けて配電盤を取付けるコ
   字状断面の配電盤用ベースと、該配電盤用ベースのコ字
   状断面内に収まり、床面に固定するための基礎ボルト用
   孔と前記配電盤用ベースを取付けるための取付用孔を設
   けた基礎ベースとからなることを特徴とする配電盤の固
   定装置。