JPH05481Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、主な部材にアルミ押出し型材を使
用した支持脚の無い軽金属製のバルコニーに関す
るものである。

［従来の技術及び考案が解決しようとする課題］ 従来の軽金属製のバルコニーは、前端部を支持
脚で支えなければ強度的な安定性を維持できない
ため、コスト高いとなることは勿論、設置場所が
時には制限され、例えば下の地面が美観を損ねた
くない庭である場合は、設置し難いという問題が
あつた。

この考案は、上記の課題を解決するめになされ
たもので、躯体に強力に取り付けることにより支
持脚を省略することができ、またその取付け作業
を簡単に行なうことの出来るバルコニーを得るこ
とを目的としたものである。

［課題を解決すための手段］ この考案に係るバルコニーは、一端が腕金具を
介して基部柱に連結される梁を桁と同一形状の主
部材と副部材とによつて構成し、また、前記腕金
具は、基端部を直角に折曲げて取付片が形成され
た鋼材製の帯状板の基端部近傍と先端部近傍に腕
金具の主部材と副部材とによつて形成される中空
部に整合する大きさでほぼＣ字状の中子を止着し
てなり、腕金具の取付片を基部柱にビス止めして
固定し、梁の主部材と副部材を腕金具の帯状板及
び中子を囲んで中子にビス止めしたものである。

［作 用］ このバルコニーは前端部が支持脚で支持されて
いないので、基部柱に横笠木及び梁の取付け部に
大きな荷重が加わり、これらを連結しているビス
は垂直荷重と引張り荷重を受けるが、腕金具は鋼
材製であり、またビスは鋼材からなる基部柱の心
材に螺入されているので、これらの荷重に充分耐
え、長期に亘つて安定性を保持することができ
る。

［実施例］ 第１図はこの考案の実施例の平面図、第２図は
正面図、第３図は側面図、第４図は第１図のＡ−
Ａ拡大断面図、第５図は第２図のＢ−Ｂ拡大断面
図、第６図は同じくＣ−Ｃ拡大断面図、第７図は
要部の分解斜視図である。

図において、１，１は建物躯体に固定される左
右の基部柱で、第８図に示すように、矩形断面に
形成されて両側に止着片１５，１５が突出された
アルミ押出し形材からなる外皮材１３の中空部内
に、上下方向に適宜間隔でボルト１６の通し穴１
７が設けられた溝形鋼かなる心材１４を、外皮材
１３の左右側壁及び前面壁に密着させ嵌入したも
のである。

２は基部柱１，１の下部間に連結された根太掛
け、３ａ，３ａは基部柱１，１の上端部に連結さ
れた横笠木、３ｂは横笠木３ａ，３ａの前端部間
に設けられた前笠木、４ａは基部柱１，１の下部
に連結された梁、４ｂは梁４ａ，４ａの前端部間
に設けられた桁で、横笠木３ａ，３ａと梁４ａと
の間には前後に各一対ずつ支柱５ａ，５ｂが立設
され、前笠木３ｂと桁４ｂとの間には中支柱５ｃ
が立設されている。

また、各支柱５ａ，５ｂ，５ｃの中間部より
やゝ上には中桟６ａが、下端部には下桟６ｂがそ
れぞれ架設され、支柱５ａ，５ｂ，５ｃと中桟６
ａ、下桟６ｂに囲まれた枠内には、それぞれ鏡板
８が嵌め込まれている。また、根太掛け２と桁４
ｂとの間には根太９を掛けてその上にデツキボー
ト１０を載置し、梁４ａと桁４ｂの下には補助部
材１１を連結し、この補助部材１１と根太掛け２
に囲まれた内側には底板１２を張り付け、下面を
封じている。

次に、上記のような各部材の連結例につき、第
７図を参照して説明する。先ず、根太掛け２は基
部柱１の下端部にビス止めしたコ字状の連結金具
４６にその中空部を嵌入して、上下片にビス止め
する。また、横笠木３ａと基部柱１，１及び支柱
５ａとの連結には、第９図に示すような連結金具
１８が用いられる。この連結金具１８は、長穴２
３を有する水平基板１９と、長穴２２を有する起
立片２０とからなるＬ字状の金属板の水平基板１
９の裏面に、これより小さく垂下片２１にねじ穴
２４が設けられたＬ字状の金属板を溶接により固
着したものである。このような連結金具１８は、
その起立片２０を基部柱１，１の上部に当接して
長穴２２に挿通したビス２５を基部柱１，１のね
じ穴４５に螺入して固定する。次に、支柱５ａの
中空部を連結金具１８の垂下片２１に挿入し、ね
じ穴２４にビス２７を螺入して固定する。また、
横笠木３ａを連結金具１８の水平基板１９上に載
置し、長穴２３に挿通したビス２６によりビス止
めする。このとき、基部柱１，１と横笠木３ａ及
び支柱５ａの関係位置は、長穴２２，２３により
適宜調節することができる。

また、梁４ａは桁４ｂと同形状の主部材２９に
副部材３０を組合せたもので、両者で形成する中
空部３１が内側上部に開口し、その開口部３２に
デツキボード１０が差込まれるようになつてい
る。そして、この梁４ａは、鋼製の腕金具２８に
より基部柱１に連結される。なお、３９，４０は
ビス３６，３７の通し穴である。

腕金具２８は梁４ａの中空部３１に差込まれる
もので、基端部に直角に折曲げた取付片３３を有
し、梁４ａの中空部３１に差込まれて外側壁の内
面に接合する帯状板からなり、基端部近傍と先端
部近傍の一方の面に梁４ａの中空部３１に嵌合す
るほぼＣ字状の中子３４を溶接したものである。
なお、３８はビス３５の通し穴、４１，４２，４
３はねじ穴である。

上記のような腕金具２８は取付片３３を基部柱
１にビス止めし、梁４ａを腕金具２８に嵌入して
それぞれ中子３４にビス止めして連結する。な
お、取付片３３を基部柱１にビス止めしたのち、
主部材２９を帯状板に当接して中子３４にビス止
めし、ついで反対側から副部材３０を中子３４に
当接してビス止めしてもよい。

また、中桟６ａには支柱５ａに嵌入する貫通穴
５０が設けられており、これを後部支柱５ａに嵌
入してビス止めし、さらに、下桟６ｂは後部支柱
５ａに設けた金具にビス止めして連結する。

上記のようなバルコニーを家屋に据付けるに
は、建物躯体の柱５１に取付ボルト１６の螺入穴
５２を設け、基部柱１に設けた通し穴１７に取付
ボルト１６を挿入し、螺入穴５２に螺入して締付
ける。基部柱１，１は外観はアルミの光沢を有し
ているが、内部に鋼製の心材１４が収められてい
るので、取付ボルト１６で強力に締付けて柱５１
に固定することができ、かつ、主として心材１４
の強度によつて締付けが保持される。

また、このバルコニーは前端部が支持脚で支持
されていないので、基部柱１，１に対する横笠木
３ａ及び梁４ａの取付け部には大きな荷重が加わ
り、連結金具１８や腕金具２８を連結しているビ
ス２５，３５は、垂直荷重のほかに前方への引張
り荷重を受ける。しかし、ビス２５，３５が螺入
するねじ穴４５，４１は、アルミの外皮材１３ば
かりでなく、心材１４にも形成されているので、
ビス２５，３５は主として心材１４との螺着によ
る強い力で結合されており、安定性を保持してい
る。

［考案の効果］ 以上の説明から明らかなように、この考案は前
端部を支持する支持脚のない軽金属製のバルコニ
ーにおいて、建物躯体に固定する基部柱に鋼製の
心材を嵌入すると共に、一端が基部柱に連結され
て強度を保持する梁を、アルミ材からなる主部材
と副部材と鋼製の腕金具とによつて構成し、腕金
具を心材まで螺入したビスにより基部柱に固定
し、この腕金具に固定された中子に主部材と副部
材とをビス止めするようにしたので、取付強度が
大で支持脚がなくても大きな荷重に充分耐えるこ
とができ、信頼性の高いバルコニーを得ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の平面図、第２図は
正面図、第３図は側面図、第４図は第１図のＡ−
Ａ拡大断面図、第５図は第２図のＢ−Ｂ拡大断面
図、第６図は同じくＣ−Ｃ拡大断面図、第７図は
要部の分解斜視図、第８図は基部柱の拡大横断面
図、第９図は連結金具の斜視図である。 １……基部柱、３ａ……横笠木、４ａ……梁、
４ｂ……桁、５ａ，５ｂ，５ｃ……支柱、６ａ…
…中桟、６ｂ……下桟、１４……心材、１８……
連結金具、２８……腕金具、２９……主部材、３
０……副部材、３３……取付片、３４……中子。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 鋼製の心材が嵌入され建物躯体に固定された一
   対の基部柱と、一端が腕金具を介して前記基部柱
   の下部に連結された梁及び該梁の他端間に設けら
   れた桁と、一端が前記基部柱の上端部に連結され
   た横笠木及び該横笠木の他端間に設けられた前笠
   木と、前記横笠木及び前笠木と前記梁及び桁との
   間に取付けられた複数本の支柱などからなる軽合
   金製のバルコニーにおいて、 前記梁は中空部を形成して組み合わされアルミ
   材からなる主部材と副部材とによつて構成され、
   前記腕金具は、基端部を直角に折曲げて取付片が
   形成された鋼材製の帯状板からなり、この腕金具
   の基端部近傍と先端部近傍に前記主部材と副部材
   とによつて形成される中空部に整合する大きさで
   ほぼＣ字状の中子を止着してなり、 前記腕金具の取付片を、前記基部柱の心材にま
   で達するようにビスを螺入して前記基部柱にビス
   止めし、前記梁の中空部に前記腕金具の帯状板を
   嵌合して、前記主部材の内面を前記腕金具の帯状
   板に当接させ前記主部材及び副部材を前記中子を
   囲んで該中子に各々ビス止めしたことを特徴とす
   るバルコニー。