JPH0548187Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、撮影レンズを取り付けた包装容器本
体に、フイルムを予め内蔵させたフイルム包装容
器（以下、「レンズ付きフイルムユニツト」と称
す）に関し、特にそのカウンタの表示に関するも
のである。

〔従来の技術〕

カメラを所持しなくとも気軽に写真撮影が楽し
めるように、ユニツト本体内に予め未露光フイル
ムとパトローネを内蔵させ、かつこのユニツト本
体を紙箱に入れたレンズ付きフイルムユニツトが
「写るんですHi（商品名）」として本出願人より提
供されている。このレンズ付きフイルムユニツト
のユニツト本体内には、簡易型のシヤツタ及びフ
イルム巻き上げ機構の内蔵されており、ユーザー
はこれを購入し、紙箱に入れたままで撮影を楽し
むことができ、撮影完了後はユニツト本体を紙箱
に入れたまま現像取扱店に提出すればよく、面倒
な操作は一切不要である。

また、上記レンズ付きフイルムユニツトにはパ
トローネが内蔵されており、撮影ごとに露光済み
のフイルムをパトローネに巻き込むようにしてい
る。そして現像所では、回収されたレンズ付きフ
イルムユニツトからパトローネを取り出す際に、
レンズ付きフイルムユニツトの底面の一部を破断
し、パトローネを軸方向から取り出すようにして
いる。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、この種の簡便な商品では、ユーザーは
フイルムの全駒（例えば24枚撮りフイルム）の撮
影をせず途中まで撮影して残りのフイルムを巻き
上げずにフイルム現像を依頼することが多々あつ
た。このため、現像所でフイルムユニツトを壊し
てパトローネを軸方向から取り出す際に、未露光
のフイルムが引つ掛かつてスムーズに取り出すこ
とができず、結果的に作業効率の低下，現像不良
等の不都合が生じた。また、フイルム供給側に残
つたフイルムの抵抗が強く、パトローネ内に巻き
込まれたフイルムが再び引き出されてしまうとい
う問題点もあつた。

一方、最近では上述したような便利で且つコス
トパフオーマンスに優れたレンズ付きフイルムユ
ニツトであつても、需要者に新たな興味を与え商
品価値を高めるような何らかの付加的要素が要求
されてきている。

〔考案の目的〕

本考案は、かかる点に鑑みてなされたものであ
り、需要者にフイルムを最後まで巻き上げさせる
ことにより現像段階における不都合を解消すると
ともに、上述したレンズ付きフイルムユニツトの
特徴を充分に生かし、需要者に当該ユニツトに対
する新たな興味を与えて商品価値を向上させるこ
とを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案においては、フイルムカウンタのカウン
タ窓より一部のみが見れ、撮影，巻き上げ動作に
よつて表示部分が変化するカウンタ表示盤の撮影
終了表示位置に、フイルムの撮影枚数とは無関係
な意味を有するマークを表示するとともに、その
意味を当該レンズ付きフイルムユニツトの外装体
の所定位置に表示したことにより上記課題を解決
したものである。

〔作用〕

本考案は上述したように、フイルムカウンタの
カウンタ窓より一部のみが見られ、撮影，巻き上
げ動作によつて表示部分が変化するカウンタ表示
盤の撮影終了表示位置に、フイルムの撮影枚数と
は無関係な意味を有するマークを表示するととも
に、その意味を当該レンズ付きフイルムユニツト
の外装体の所定位置に表示しているため、ユーザ
ーにフイルムの撮影終了位置に表示されたマーク
を見ることに対する期待感を与え、最後までフイ
ルムを巻き上げる確率が著しく向上することとな
る。

また、これと同時にレンズ付きフイルムユニツ
ト自体に対する新たな興味を与え、商品価値が向
上することにもなる。

更に、本考案においては包装用紙等ではなく、
フイルムカウンタにフイルムの撮影枚数とは無関
係な意味を有するマークを表示しているため、フ
イルムを使い終わるまで当該マークを見ることが
できず、益々需要者の興味を引くこととなる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を添付図面を参照しつ
つ詳細に説明する。

まず、第２図を参照しつつレンズ付きフイルム
ユニツトの全体的な構成について説明する。

第２図にはレンズ付きフイルムユニツトの外観
が示されている。図において、ユニツト本体１０
は箱状をしたプラスチツク製に成形されており、
前面には撮影レンズ１２及びフアインダ窓１４が
設けられ、上面にはシヤツタボタン１６及びフイ
ルムの残り枚数を確認するためのカウンタ窓１８
が設けられ、更に後部にはフイルムの巻き上げを
行うフイルム巻き上げノブ２０が設けられてい
る。

第３図にはユニツト本体１０の水平断面が示さ
れており、ユニツト本体１０には露光窓２２を挟
むようにフイルムロールを収容したフイルム供給
室２６と、フイルムを巻き取るパトローネ２８を
収容したパトローネ収容室３０とが設けられてい
る。パトローネ２８内には前述した巻き上げノブ
２０に連動して回転するパトローネ軸２８ａが挿
通しており、実際にはこのパトローネ軸２８ａに
フイルム３６が巻き取られこととなる。３７はパ
トローネ取出蓋であり、撮影終了後現像する際に
パトローネ２８を取り出す際にユニツト本体１０
の底面から破断により除去される。

前記露光窓２２が形成されたフイルム支持面３
２は、図示のようにユニツト本体１０の後方に隆
起しており、これに対応してユニツト本体１０の
背面内側には曲面状をしたフイルム規制面３４が
形成されている。このフイルム支持面３２とフイ
ルム規制面３４は、露光窓２２の周辺でフイルム
３６を押さえ付けているため、フイルム３６の巻
きぐせを利用して、フイルム支持面３２にフイル
ム３６を圧接させることができる。これにより、
露光窓２２の背後に位置するフイルム３６は浮き
上がつたり、波打つたりすることなく所定の露光
位置に正確に位置決めされる。

また、前記撮影レンズ１２は、ユニツト本体１
０に形成されたレンズ窓３８の奥に取り付けられ
ており、更にその背後にシヤツタ４０が配置され
ている。

次に、本考案の特徴部分であるフイルムカウン
タ周辺の構成について説明する。

第１図には本考案に係るレンズ付きフイルムユ
ニツトのフイルムカウンタ４２の周辺部を上方よ
り見た様子が示されている。図において、４４は
フイルムカウンタ４２の文字盤であり、前述した
フイルム巻き上げノブ２０を回転させることによ
りスプロケツト４３に掛かつたフイルム３６がパ
トローネ軸２８ａに巻かれ、これと同時にスプロ
ケツト４３と同軸のカウンタ送り爪４６が回転し
て文字盤４４はフイルム１枚分ずつ回転するよう
になつている。また、このフイルム１コマ送りに
よつてシヤツタチヤージが行われる。

文字盤４４の表面にはフイルムの残り枚数を表
示する数字が描かれており、本実施例においては
24枚撮のユニツトを例にとり、スタートを〔Ｓ〕
として順次残り枚数を表示するように数字が配列
されている。そして、最終表示位置には例えば図
のような星印４８を表示し、くじの「当たり」と
するように構成されている。一方、星印が表示さ
れなかつた場合には「はずれ」ということにな
る。

あるいは、くじの代わりに「占い」のマークを
表示する。この場合には、外箱にその記号が何を
表すのかを表示する。例えば、「Ｋ……金運良好」
等である。

次に、上記実施例の動作及び作用について説明
する。

本考案のレンズ付きフイルムユニツトは、フイ
ルム供給室２６内に予めロール状にまとめたフイ
ルムが装填され、フイルム供給室２６から引き出
されたフイルム３６のリーダ部がパトローネ軸２
８ａに巻き付けられており、かつユニツト本体１
０を紙箱（図示せず）に収納した状態で市販され
る。

このレンズ付きフイルムユニツトの使用に際し
ては、まずフイルム巻き上げノブ２０を回してフ
イルム巻き上げ操作を行う。このフイルム巻き上
げ操作では、フイルム巻き上げノブ２０に連動し
てパトローネ軸２８ａが回転するため、未露光フ
イルム３６がスプロケツト４３により１コマ分引
き出され、露光窓２２の背後に位置決めされる。

この時、フイルムカウンタ４２の文字盤４４に
はスタートの〔Ｓ〕を表示する。

次に、ユニツト本体１０を被写体に向けてから
シヤツタボタン１６を押下すれば、シヤツタ４０
が作動して撮影レンズ１２を通つた光でフイルム
３６が露光される。

このようにフイルムカウンタ４２によつてフイ
ルムの残り枚数を確認しつつ、フイルム巻き上げ
ノブ２０とシヤツタボタン１６とを操作すること
により、所定のコマ数だけ順次撮影を行うことが
できる。そして、最終コマに撮影をした後にフイ
ルム巻き上げノブ２０を操作してもシヤツタチヤ
ージは行われず、フイルムだけがパトローネ２８
内に巻き込まれてゆく。この間のフイルム巻き上
げによつて文字盤４４も一定量回転し、最終表示
位置がカウンタ窓１８の真下にくるが、フイルム
をパトローネ２８に改善に巻き込んだ後は、スプ
ロケツト４３が回転しなくなるため、文字盤４４
は停止したままとなる。

そして、前述した星印４８が文字盤４４に記さ
れている時には、この星印４８をカウンタ窓１８
を通して観察されるようになり、「当たり」であ
ることが表示される。この「当たり」表示が出た
時には、写真プリントのためにそのまま現像取扱
店に出した時に、例えば新たなレンズ付きフイル
ムユニツト１個、あるいはプリントサービス券が
もらえる等の特典を受けることができるようにす
ることが考えられる。もちろん、星印４８が記さ
れていない文字盤４４を組み込んだレンズ付きフ
イルムユニツトでは、「ハズレ」になり、上述し
た特典は受けられない。

一方、くじの代わりに「占い」のマークを表示
した場合には、このマークによつて自分の運勢等
を占うことになる。

以上のように本実施例においては、レンズ付き
フイルムユニツトのフイルムカウンタ４２の表示
盤４４の撮影終了位置にくじの「当たり」マーク
としての星印４８あるいは「占い」のマークを表
示したため、需要者の興味をそそり最後までフイ
ルムを巻き上げる確率が著しく向上するととも
に、購買意欲を喚起できるという効果がある。

また、くじの「当たり」マーク４８あるいは
「占い」のマークを包装容器等に表示するのでは
なく、撮影終了時まで見ることの出来ないフイル
ムカウンター４２の表示盤４４に表示したため需
要者の興味はなおさら大きなものとなる。なお、
くじの「当たり」マークは星印でなくともよく、
また「はずれ」マークを無印ではなく何らかのマ
ークを表示すれば更に効果的である。

更に、フイルムカウンタ４２の表示盤４４の撮
影終了位置に表示するマークは、くじの「当た
り」マーク，「占い」のマークに限定されるもの
ではなく同様の効果を奏するものであればその他
のマークであつても何ら差し支えない。

また、レンズ付きフイルムユニツトに２つのパ
トローネを内蔵させ、一方のパトローネからフイ
ルムを引き出して撮影したあと、他方のパトロー
ネに巻き込んでゆくようにしてもよい。

〔考案の効果〕

本考案においては、フイルムカウンタのカウン
タ窓より一部のみが見られ、撮影，巻き上げ動作
によつて表示部分が変化するカウンタ表示盤の撮
影終了表示位置に、フイルムの撮影枚数とは無関
係な意味を有するマークを表示するとともに、そ
の意味を当該レンズ付きフイルムユニツトの外装
体の所定位置に表示しているため、撮影終了位置
に表示されたマークを見ることに対する期待感を
ユーザーに与えることにより最後までフイルムを
巻き上げる確率を著しく向上させることができ、
現像段階における不都合が解消される。

また、これと同時にレンズ付きフイルムユニツ
ト自体に対する新たな興味を与えることができ、
商品価値の向上に伴い、需要者の購買意欲を喚起
し、究極的には需要増大に大きく貢献できるとい
う効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す平面図、第２
図は実施例に係るレンズ付きフイルムユニツトの
外観斜視図、第３図は第２図の水平断面図であ
る。 １０……ユニツト本体、１２……撮影レンズ、
１６……シヤツタボタン、４２……フイルムカウ
ンタ、４４……文字盤、４８……「当たり」表示
マーク。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 撮影レンズを備えたユニツト本体にフイルム
   が予め内蔵され、撮影後に該ユニツトを壊して
   フイルムを取り出すようにしたレンズ付きフイ
   ルムユニツトにおいて、 フイルムカウンタのカウンタ窓より一部のみ
   が見られ、撮影，巻き上げ動作によつて表示部
   分が変化するカウンタ表示盤の撮影終了表示位
   置に、フイルムの撮影枚数とは無関係な意味を
   有するマークを表示したことを特徴とするレン
   ズ付きフイルムユニツト。 (2) 前記レンズ付きフイルムユニツトは、撮影レ
   ンズ，カウンタ窓等の撮影操作時に必要な個所
   に対応して開口が形成された外装体で被覆さ
   れ、この外装体に前記マークの表す意味を表示
   したことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載のレンズ付きフイルムユニツト。