JPH0548163Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、光−電変換もしくは電−光変換素子
に対して光フアイバの端部を接続させる光コネク
タに関する。

（従来の技術） この種の光コネクタは従来、次の如き構造のも
のがある。

第３図に示す従来の光コネクタは、リセプタク
ルハウジング１の前面側に光フアイバ挿入孔２が
形成されており、背面側に該光フアイバ挿入孔２
に連通する変換素子収容室３が形成されている。
この変換素子収容室３はハウジング１の底面に開
口され、その開口部４より変換素子チツプ５が挿
入されている。この変換素子チツプ５は透光性合
成樹脂材に光−電変換もしくは電−光変換素子か
らなる変換素子６を埋設し、その一端よりリード
端子７を突出させたものであり、これを開口４よ
り挿入し接着剤により変換素子収容室３内に固定
している。

また第４図及び第５図に示す従来の光コネクタ
は、リセプタクルハウジング１の背面に開口した
変換素子収容室３が設けられ、その内部に前述と
同じ変換素子チツプ５を挿入し、その背面を裏蓋
８により閉鎖している。そして変換素子チツプ５
を固定するために、裏蓋８の内面にスポンジから
なる弾性材９を貼着し、これによつて変換素子チ
ツプ５の背面を弾性的に押圧させている。

（考案が解決しようとする課題） 第３図に示す如き従来の光コネクタは、接着剤
による変換素子チツプ固定作業の作業性が悪いと
いう問題があり、また第４図及び第５図に示す光
コネクタは、弾性材を使用するため部品点数が多
くなり製造組立に多工程を要しコスト高となると
ともに弾性材の老化により変換素子チツプの保持
力が低下するという問題があつた。

本考案はこれらの欠点をなくし、組立作業性が
良く、低コストで経済性に優れ、しかも高精度の
光コネクタの提供を目的としたものである。

（問題点を解決するための手段） 上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を
達成するための本考案の光コネクタは、不透光性
合成樹脂材料からなるリセプタクルハウジングの
前面側に光フアイバ挿入孔を設けるとともに該ハ
ウジングの背面側に前記光フアイバ挿入孔に連通
して変換素子収容室を設け、該変換素子収容室内
に透光性合成樹脂材料内に光−電変換もしくは電
−光変換素子を埋設した変換素子チツプを収容す
るとともに該変換素子収容室の背面を不透光性合
成樹脂材料からなる裏蓋で閉鎖してなる光コネク
タにおいて、前記変換素子収容室の光フアイバ挿
入孔開口部周辺に背面側に向けて環状突起を設け
るとともに前記変換素子チツプの前面に前記環状
突起が嵌り合う凹陥部を備え、かつ前記裏蓋には
ハウジング外面に延びる係止片を設け、該係止片
をハウジングの係止部に係合させ、かつ該裏蓋の
弾性により前記変換素子チツプを前面側に押圧さ
せたことを特徴としている。

（作用） この光コネクタは、変換素子チツプをハウジン
グの背面から挿入することにより凹陥部内に環状
突起が嵌り込んで所定の向き及び配置に位置決め
され裏蓋を嵌め付けることにより、その裏蓋の弾
性によつて変換素子チツプの背面が押圧されて固
定される。

（実施例） 次に本考案の実施の一例を第１図及び第２図に
ついて説明する。

この光コネクタは不透光性合成樹脂材料により
モールド形成されたリセプタクルハウジング10を
有している。ハウジング10はその前面側にソケツ
ト部11があり、その中心に前後方向に向けて光フ
アイバ挿入孔12が貫通開口されている。ハウジン
グ10の背面には、変換素子収容室１３が形成され
ている。そしてこの変換素子収容室１３の略中央
に光フアイバ挿入孔１２の後端側が開口されてい
る。光フアイバ挿入孔１２の後端側周縁部には背
面側に向けて環状突起１４が形成され、その環状
突起１４の外側円周面１５がテーパ状になつてい
る。

変換素子収容室１３内には変換素子チツプ１６
が収容されている。この変換素子チツプ１６は光
−電変換素子もしくは電−光変換素子のいずれか
の素子１７を透光性合成樹脂１８内に埋め込んで
チツプ化したものであり、周縁部からリード端子
１９が突出されている。この変換素子チツプ１６
の前面には、前述した環状突起１４が嵌り合う凹
陥部２０が形成されている。この凹陥部20はその
周縁の円周面２１が前述した環状突起１４の円周
面１５に密に嵌り合うテーパ状になつている。

なお図中２２は集光レンズ部である。

変換素子収容室１３はその背面が裏蓋２３によ
つて閉鎖されている。裏蓋２３は不透光性合成樹
脂材料をもつてモールド成形され、その表面側の
中央には変換素子チツプ１６を押圧するための突
起２４が一体形成されている。

裏蓋２３の両側縁には前面側に延びる一対の係
止片２５，２５が一体形成されている。係止片２
５，２５の先端部内側には係止爪２６，２６が一
体形成され、この係止爪２６，２６がハウジング
１０の両側面に形成された段状の係止部２７，２
７に係止されている。そしてこの裏蓋２３は突起
２４を変換素子チツプ１６の背面に当接させ、更
に両縁部を前面側に押して湾曲させることによつ
て係止爪２６，２６が係止部２７，２７に係止さ
れ、その湾曲された状態で施蓋されるようにして
いる。

このように施蓋されることによつて変換素子チ
ツプ１６は、裏蓋２３の弾性により常時前面側に
押圧された状態となる。

（考案の効果） 上述の如く本考案の光コネクタは、変換素子収
容室の光フアイバ挿入孔の開口部周辺に環状突起
を設け、この環状突起に変換素子チツプの前面の
凹陥部を嵌め合わせることによつて変換素子チツ
プを位置決めさせるようにしているため、合成樹
脂のモールド成形に際し、局部的に高精度となす
ことは全体を高精度に製造することに比べて容易
であることから、変換素子チツプの位置決めを高
精度ならしめることが容易にできるという利点が
ある。また本考案では裏蓋の弾力によつて変換素
子チツプを押圧するため、変換素子チツプをハウ
ジング内に挿入し裏蓋を嵌め合わせるのみで高精
度の位置決めと固定ができ、接着剤等を使用しな
いため組立の作業性が良く、しかも部品点数が少
く製造コストも低いという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施の一例の縦断面図、第２
図は第１図中のＡ−Ａ線断面図、第３図は従来例
の縦断面図、第４図は他の従来例の縦断面図、第
５図は第４図中のＢ−Ｂ線断面図である。 １０……リセプタルクハウジング、１１……ソ
ケツト部、１２……光フアイバー挿入孔、１３…
…変換素子収容室、１４……環状突起、１６……
変換素子チツプ、１７……素子、１９……リード
端子、２０……凹陥部、２３……裏蓋、２４……
突起、２５……係止片、２６……係止爪、２７…
…係止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 不透光性合成樹脂材料からなるリセプタクルハ
   ウジングの前面側に光フアイバ挿入孔を設けると
   ともに該ハウジングの背面側に前記光フアイバ挿
   入孔に連通して変換素子収容室を設け、該変換素
   子収容室内に透光性合成樹脂材料内に光−電変換
   もしくは電−光変換素子を埋設した変換素子チッ
   プを収容するとともに該変換素子収容室の背面を
   不透光性合成樹脂材料からなる裏蓋で閉鎖してな
   る光コネクタにおいて、前記変換素子収容室の光
   フアイバ挿入孔開口部周辺に背面側に向けて環状
   突起を設けるとともに前記変換素子チツプの前面
   に前記環状突起が嵌り合う凹陥部を備え、かつ前
   記裏蓋にはハウジング外面に延びる係止片を設
   け、該係止片をハウジングの係止部に係合させ、
   かつ該裏蓋の弾性により前記変換素子チツプを前
   面側に押圧させたことを特徴としてなる光コネク
   タ。