JPH0547707Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、背ずりを座ぶとんの前後に転換して
座席の向きを反転させることができる背ずり転換
式車両用腰掛に係り、特に該腰掛の座ぶとん下空
間を有効に利用してヒータ装置その他の車両用機
器を吊下げ装置することができる転換式車両用腰
掛に関するものである。

〔従来の技術〕

従来から冬季暖房の為に座ぶとん下空間にヒー
タ装置その他の車両用機器（以下「機器類」とい
う。）を装置した車両用腰掛が多用されている。
特に該機器類は、これを背ずりが座ぶとんの前後
に転換して座席方向を反転させ得る構造の転換式
車両用腰掛に装置する場合には、該腰掛の脚部に
背ずりを前後方向に転換させる左右リンク機構を
連結する転換軸が配設されている為、これを避け
るべく床面上に配置固定し、その前後部には上記
機器類防護用の蹴込み板を取り付ける構造になつ
ている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

然し、このような構造によつては、腰掛の座ぶ
とん下の脚台前後部に常時蹴込み板が位置する
為、使用者の足の置き場所が前後腰掛の蹴込み板
間に規制される為、自由な姿勢での着座ができ
ず、座り勝手が悪くなるという欠点があつた。

本考案は、上記問題に鑑みて創案されたもので
あり、使用者の足下の邪魔になる蹴込み板の装着
を必要とせず、自由に着座姿勢をとることができ
る背ずり転換式車両用腰掛を提案することを目的
とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案に係る背ず
り転換式車両用腰掛は、リンク機構によつて左右
両側下部を支持された背ずりを前後に転換して座
席の向きを前後に反転させる構造に成る車両用腰
掛に於いて、受台に対して、上記リンク機構を構
成する各転動腕の下端部を支点軸を用いて回動自
在に枢着すると共に、該支点軸の上記受台内側へ
の突出端部に上方へ立ち上がる転動腕の下端部を
固定し、かつ、左右の受台の内側に配設された上
記転動腕の上端部間に転換軸を横架固定して左右
リンク機構間を一体的に連結し、上記転換軸の下
方に形成された座ぶとん下空間にヒータ装置その
他の車両関連機器を収容配置したことを要旨とす
るものである。

〔作用〕

上記構造によれば、転換軸はクランク形状を為
し、常に支点軸を回動中心として、それよりも上
方で半円弧状に回動動作をするようになり、該半
円弧状空間を含む座席下空間を広く形成すること
ができる。而して、ヒータ装置その他の車両用機
器類は、この半円弧状空間に吊下げることが可能
になり、機器類下の床面は、使用者の足下空間と
して残すことができるため、腰掛の使用者の足下
の自由を確保することができる。

〔実施例〕

以下、図面に従つて本考案に係る背ずり転換式
車両用腰掛の一実施例を説明する。

図面に於いて、１は脚台、２は座ぶとん、３は
背ずりであり、脚台１の上部には座ぶとん２を支
承する受台４，４を構成し、その外側に肘掛５，
５を取付けて成る。また背ずり３は、肘掛５，５
の内側に於いて左右それぞれ一対ずつの転動腕６
ａ，６ｂによつて構成したリンク機構６の下端部
を上記受台４，４に対し支点軸７ａ，７ｂを用い
て回動自在に枢着すると共に、上端部に同じく支
点軸８ａ，８ｂを用いて背ずり３を座席の前後に
於ける所定有角度の傾斜姿勢範囲内で回動自在に
支承して成る。受台４，４にはリンク機構６，６
を構成する上記転動腕６ａ，６ｂの回動方向側に
位置してその回動を所定位置で阻止するストツパ
９ａ，９ｂが構成されている。座席の前後方向反
転時に於ける背ずり３の固定位置は、上記の如く
転動腕６ａ，６ｂの端縁が当接する側のストツパ
９ａ又は９ｂによつて決定されるように成る。

１０ａ，１０ｂは、左右のリンク機構６，６を
連結連動するための転換軸であり、受台４，４に
対し転動腕６ａ，６ｂの下端部を枢着する支点軸
７ａ，７ｂの受台４，４内側への突出端部にそれ
ぞれ上方へ立上げて成る転動腕１１ａ，１１ｂの
下端部を固定し、且つ左右の受台４，４の内側に
構成された該転動腕１１ａ，１１ａ間及び該転動
腕１１ｂ，１１ｂ間に上記転換軸１０ａ，１０ｂ
をそれぞれ横架固定してクランク形状と為し、そ
れぞれ左右の転動腕１１ａ，１１ａ又は１１ｂ，
１１ｂと一体的に連結連動するように構成したも
のである。而して、転換軸１０ａ，１０ｂは、常
に支点軸７ａ，７ｂを回動中心として、それより
も上方で半円弧状に回動動作をするようになり、
該半円弧状空間Ａを含む座席下空間を広く形成す
ることができる。本考案に於いて、ヒータ装置そ
の他の車両用機器類Ｂは、この半円弧状空間Ａに
吊下げ装置するものであり、機器類Ｂ下の床面Ｃ
は、使用者の足下空間として残すことができるも
のである。

〔考案の効果〕

本考案に係る背ずり転換式車両用腰掛は、以上
のように構成したから、転換軸をクランク形状に
して常に支点軸を回動中心よりも上方で半円弧状
に回動動作をするようになり、該半円弧状空間を
含む座席下空間を広く形成することができるた
め、従来必要であつたヒーター等の機器類の防護
用の蹴込板の装着を省略することができ、使用者
の足下空間を広げ、自由な着座姿勢をとることが
可能に成る。

特に、転換軸が左右リンク機構を構成する転動
腕の上部間にそれぞれ横架固定され、該リンク機
構を相互に一体的に連結連動させることができる
ため、ガタを生じることもなく背ずりの転換を確
実に行うことができる等、本考案実施後の実用上
の効果に優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る背ずり転換式車両用腰掛
の正面図、第２図は同じく側面図、第３図はリン
ク機構部の拡大正面図、第４図は同じく拡大側面
図、第５図イは転換軸の拡大正面図、ロは同じく
拡大側面図である。 １……脚台、２……座ぶとん、３……背ずり、
６，６……リンク機構、１０ａ，１０ｂ……転換
軸、１１ａ，１１ｂ……転動腕。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 リンク機構によつて左右両側下部を支持された
   背ずりを前後に転換して座席の向きを前後に反転
   させる構造に成る車両用腰掛に於いて、 受台に対して、上記リンク機構を構成する各転
   動腕の下端部を支点軸を用いて回動自在に枢着す
   ると共に、該支点軸の上記受台内側への突出端部
   に上方へ立ち上がる転動腕の下端部を固定し、 かつ、左右の受台の内側に配設された上記転動
   腕の上端部間に転換軸を横架固定して左右リンク
   機構間を一体的に連結し、 上記転換軸の下方に形成された座ぶとん下空間
   にヒータ装置その他の車両関連機器を収容配置し
   たことを特徴とする 背ずり転換式車両用腰掛。