JPS6225392Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この更新は、座席が３列配置されるような自動
車の中間に配置される座席が前向き又は後向き姿
勢に転換されるようになされた自動車の転換シー
トにおけるバツクレストのねじれ防止装置に関す
るものである。

上記自動車に採用される転換シートは、座部と
なるシートが室内で車体の前後方向に移動し、か
つ、背もたれとなるバツクレストがシートの前後
端位置へ別に移動し得るように構成され、夫々の
位置でロツクされる。

即ち、第１図に示す様に、シート１の下面に取
付けたシートベースブラケツト２と床３上に取付
けた脚支持ブラケツト４との間に五辺形とされた
前脚５と後脚６とがピン７，８，９，１０で取付
けられる。

そして、バツクレスト１１は、支持金具１２に
固定され、この支持金具１２は支承ブラケツト１
３に枢軸１４を介して枢着され、この支承ブラケ
ツト１３とシート１に固設したシートブラケツト
１５との間に２本のリンク１６，１７がピン１
８，１９，２０，２１で略平行四辺形リンク構成
で取付けられている。

上記支承ブラケツト１３にはリクライニング機
構２２が配置され、支持金具１２に設けたハンド
ル２３を前方〔第１図で左方〕に回動させること
により、バツクレスト１１を、前記枢軸１４を中
心として前後に自由に起伏、即ち、リクライニン
グ操作できるようになされている。

シート１の前脚５と後脚６とは、ともに略五辺
形プレート状のリンクであつて、シート１の前後
の位置で下側の２辺５ａ，５ｂ，６ａ，６ｂのい
ずれか一方５ａ，６ａ又は５ｂ，６ｂが床３上の
脚支持ブラケツト４に当接し、かつ、上側の一辺
５ｃ，６ｃの一方５ｃ又は６ｃがシート１のベー
スブラケツト２に当接してシート１を安定的に支
持するようになつている。

即ち、シート１が後方位置にあるときは、前脚
５の辺５ａと後脚６の辺６ａが脚支持ブラケツト
４に当接しているため、シート１がそれ以上後方
へ移動することはなく、また、シート１が前方位
置にあるときは、前脚５の辺５ｂと後脚６の辺６
ｂが脚支持ブラケツト４に当接しているため、シ
ート１がそれ以上前方へ移動することはないが、
逆の方向へは移動でき、従つて、急ブレーキ時等
でシート１が不測に移動することを防止するた
め、ロツク装置が設けられている。

第１図において、２４がロツクレバーであつ
て、このロツクレバー２４はその上端をシートベ
ースブラケツト２に枢着され、これと対応して前
脚５と後脚６との所定位置にロツクピン２５，２
６が夫々取付けられている。

ロツクレバー２４は常時スプリング〔図示せ
ず〕を介してロツクピン２５又は２６に掛止する
方向に付勢されており、シート１の位置転換時、
バツクレスト１１をハンドル２３で前方へ倒すこ
とに関連してウオークインケーブル２７を介して
ロツクが外れるように構成されている。

即ち、ウオークインケーブル２７は、その一端
をバツクレスト１１の支持金具１２の一部２８に
掛止するとともにリクライニング機構２２の例え
ばうず巻きばねの外周に接して、その途中をシー
トブラケツト１５の窓孔２９を潜通させて他端を
ロツクレバー２４の一部に掛止してある。

シート１の位置転換操作は、第２図に示す様
に、先ず、ハンドル２３を操作してバツクレスト
１１を同図イの状態からロの状態に倒す。これに
より、ウオークインケーブル２７を介してロツク
レバー２４を後脚６のロツクピン２６から外す。
そして、シート１を床３に対して前方へバツクレ
スト１１と共に移動させ、バツクレスト１１を第
２図のハの状態からニの状態に起こしロツクレバ
ー２４を前脚５のロツクピン２５に係止し、その
後、バツクレスト１１をシート１に対し、第２図
ホの状態、即ち、シート１の前端へ移動させ、ハ
ンドル２３で所望の姿勢に調整する。シート１を
後方へ転換する場合は上記と逆の要領である。

バツクレスト１１を前後の位置で安定させるた
め、シートブラケツト１５の前後に平行リンク１
６，１７と対応してストツパー３０，３１が設け
てある。

ここで、問題となるのは、左右一対のリンク１
６，１７，１６，１７が夫々独立して左右のシー
トブラケツト１５，１５に枢着ピン１８，２０を
介して支持されるので、バツクレスト１１の転換
時に枢着ピン１８，２０を回動中心とする左右一
対のリンク１６，１７，１６，１７の揺動角度が
一致しないことがあり、このことによりバツクレ
スト１１にねじれが発生することがある。

これを防止するには、左右一対のリンク１６，
１７，１６，１７のいずれか一方のリンク１６，
１６又はリンク１７，１７の回動中心を連結軸で
もつて直接連結すればよい。ところが、シート１
の下部には前後脚５，６があり、且つ、シート１
と床３との間のスペースを利用してヒータやジヤ
ツキ等が配置され、これらが障害物となつて、左
右一対のリンク１６，１７，１６，１７のいずれ
か一方のリンクを連結軸でもつて直接連結するこ
とが困難となる。

そこで、この考案は第１図及び第３図に示す様
に、シート１の前後脚５，６の略中間上部の位置
で連結軸３２がシートベースブラケツト２，２に
穿設された穴３３，３３を介して左右方向に貫通
し、この連結軸３２の両端に、下端に長孔３７，
３７が形成されたレバー３４，３４の上端を固着
する。またバツクレスト１１の左右一対の平行リ
ンク１６，１７，１６，１７の一方のリンク１
７，１７のシートブラケツト１５，１５への枢着
ピン２０，２０の外端を、上記リンク１７，１７
と溶接等で一体化してシートブラケツト１５，１
５に回転自在に支承させ、該枢着ピン２０，２０
の内端にクランク３５，３５を溶接等で一体的に
固着する。そして、上記クランク３５，３５の遊
端を前記連結軸３２のレバー３４，３４の下端の
長孔３７，３７にピン３６，３６を介して連結す
る。

上記構成としておくことにより、バツクレスト
１１を移動させる際、リンク１７，１７とクラン
ク３５，３５とが一体となつて回動し、両側のレ
バー３４，３４が連結軸３２を支点として同一角
度同方向に揺動する。ここで連結軸３２とレバー
３４，３４とは一体化してあるため、バツクレス
ト１１の左右一対のリンク１６，１７，１６，１
７は同調して揺動し、バツクレスト１１のねじれ
が防止される。

上記実施例では、一方のリンク１７を利用した
が、他方のリンク１６を利用してもよい。

また、上記機構の組付性を考慮して連結軸３２
の一端又は両端とレバー３４の結合を第４図に示
すように構成するのが好ましい。

即ち、第４図に示す様に、別の短軸３２ａをシ
ートブラケツト１５に回動自在に支承させ、この
短軸３２ａとレバー３４と補助ブラケツト３８と
を溶接等で一体化し、一方、連結軸３２の端部に
溶接等で一体化した端板３９を設け、この端板３
９を短軸３２ａに回動自在に挿通支承させ、か
つ、端板３９の屈曲部３９’と前記補助ブラケツ
ト３８の屈曲部３８’とを重合し、これらをボル
ト４０とナツト４１とで結合することにより、連
結軸３２と短軸３２ａとを一体的に結合する。こ
の場合、連結軸３２はパイプ状とするのが好まし
い。

上記第４図の構造としておくことにより、連結
軸３２及びレバー３４等の組付性が容易となると
共に、結合部におけるガタ付きを防止することが
できる。

以上説明した様に、この考案は、床に対して前
後脚を介して前後の位置に移動可能に結合された
シートと、シートに対して左右一対のリンクでシ
ートの前端と後端との位置に揺動転換可能に連結
されたバツクレストとを備える自動車の転換シー
トにおいて、シートの前後脚の略中間上部の位置
でシートベースブラケツトを左右方向に貫通した
連結軸の両端に、下端に長孔が形成されたレバー
の上端を固着し、また、バツクレストに連結させ
た左右一対のリンクのシートブラケツトへの枢着
ピンの外端を該リンクと一体化してシートブラケ
ツトに回転自在に支承させ、該枢着ピンの内端に
一体にクランクを固着し、このクランクの遊端を
前記連結軸のレバーの下端の長孔にピンを介して
連結したから、左右一対のリンクの回動中心を直
接連結軸でもつて連結しなくても左右のリンクを
同調させることができ、従つて、シート下部の空
間に配置される前後脚更にはヒータ等の部材の配
置に制約されることなく連結軸を設けることがで
き、バツクレストの転換操作時のバツクレストの
ねじれを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を施こしてなる自動車の転
換シートの側面図、第２図は転換操作要領の説明
図、第３図は主要部の関係を示す斜視図、第４図
は連結軸の組付構造の他の実施例である。 １……シート、２……シートベースブラケツ
ト、３……床、４……脚支持ブラケツト、５……
前脚、６……後脚、１１……バツクレスト、１５
……シートブラケツト、１６，１７……平行リン
ク、３２……連結軸、３４……レバー、３５……
クランク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床に対して前後脚を介して前後の位置に移動可
   能に結合されたシートと、シートに対して左右一
   対のリンクでシートの前端と後端との位置に揺動
   転換可能に連結されたバツクレストとを備える自
   動車の転換シートにおいて、シートの前後脚の略
   中間上部の位置でシートベースブラケツトを左右
   方向に貫通した連結軸の両端に、下端に長孔が形
   成されたレバーの上端を固着し、また、バツクレ
   ストに連結させた左右一対のリンクのシートブラ
   ケツトへの枢着ピンの外端を該リンクと一体化し
   てシートブラケツトに回転自在に支承させ、該枢
   着ピンの内端に一体にクランクを固着し、このク
   ランクの遊端を前記連結軸のレバーの下端の長孔
   にピンを介して連結したことを特徴とする自動車
   の転換シートにおけるバツクレストのねじれ防止
   装置。