JPH0547530A - 希土類磁石の製造方法 - Google Patents
希土類磁石の製造方法Info
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- JPH0547530A JPH0547530A JP3223302A JP22330291A JPH0547530A JP H0547530 A JPH0547530 A JP H0547530A JP 3223302 A JP3223302 A JP 3223302A JP 22330291 A JP22330291 A JP 22330291A JP H0547530 A JPH0547530 A JP H0547530A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 有機溶媒を使用せず、水を溶媒に用いて湿式
微粉砕した際に永久磁石の磁石特性の劣化及び腐食させ
る不純物量を低減できる希土類磁石の製造方法の提供。 【構成】 溶媒としての水に錯形成剤を添加し、あるい
はさらに前記水中に不活性ガスを吹き込みバブリング
し、かつ水温を10℃以下とすることにより、溶媒中の
水に含まれるO2量の低減と共に、前記不溶性沈殿物を
溶液中に溶存させ、微粉砕後の濾過により微粉砕粉回収
の際に、不純物を濾過液として系外に除去し、濾過分離
した粉末中の不溶性不純物量を0.1ppm以下にし、
微粉砕粉の組成ずれを防止し、得られる永久磁石の磁石
特性の劣化及び腐食を防止する。
微粉砕した際に永久磁石の磁石特性の劣化及び腐食させ
る不純物量を低減できる希土類磁石の製造方法の提供。 【構成】 溶媒としての水に錯形成剤を添加し、あるい
はさらに前記水中に不活性ガスを吹き込みバブリング
し、かつ水温を10℃以下とすることにより、溶媒中の
水に含まれるO2量の低減と共に、前記不溶性沈殿物を
溶液中に溶存させ、微粉砕後の濾過により微粉砕粉回収
の際に、不純物を濾過液として系外に除去し、濾過分離
した粉末中の不溶性不純物量を0.1ppm以下にし、
微粉砕粉の組成ずれを防止し、得られる永久磁石の磁石
特性の劣化及び腐食を防止する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、R−Co系磁石ある
いはR−Fe−B系磁石等の希土類磁石粉末を、有毒の
有機溶媒を使用しない湿式微粉砕にて製造する希土類磁
石の製造方法に係り、水を溶媒として用いて湿式微粉砕
するに際して、特定水温となし、水に特定量の錯形成剤
を添加して微粉砕後の粉末中の不溶性不純物量を0.1
ppm以下にし、永久磁石の磁石特性の劣化及び腐食を
防止すると共に粉砕粉の組成ずれを防止した希土類磁石
の製造方法に関する。
いはR−Fe−B系磁石等の希土類磁石粉末を、有毒の
有機溶媒を使用しない湿式微粉砕にて製造する希土類磁
石の製造方法に係り、水を溶媒として用いて湿式微粉砕
するに際して、特定水温となし、水に特定量の錯形成剤
を添加して微粉砕後の粉末中の不溶性不純物量を0.1
ppm以下にし、永久磁石の磁石特性の劣化及び腐食を
防止すると共に粉砕粉の組成ずれを防止した希土類磁石
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、R−Co系磁石の製造に用いる磁
石粉末は、Ca還元法あるいは粉砕法にて原料粉末を得
ていた。また、R−Fe−B系磁石等の希土類磁石の製
造に用いる磁石粉末は、電解により還元された希土類原
料を用いて、溶解して鋳型に鋳造し所要磁石組成の合金
塊を作成し、これを粉砕して所要粒度の合金粉末とする
溶解・粉砕法(特開昭60−63304号公報、特開昭
60−1190701号公報)がある。この溶解・粉砕
法は、鋳塊の粗粉砕工程で容易に酸化防止が可能な粉砕
ができるため、比較的低含有酸素量の合金粉末が得られ
る。
石粉末は、Ca還元法あるいは粉砕法にて原料粉末を得
ていた。また、R−Fe−B系磁石等の希土類磁石の製
造に用いる磁石粉末は、電解により還元された希土類原
料を用いて、溶解して鋳型に鋳造し所要磁石組成の合金
塊を作成し、これを粉砕して所要粒度の合金粉末とする
溶解・粉砕法(特開昭60−63304号公報、特開昭
60−1190701号公報)がある。この溶解・粉砕
法は、鋳塊の粗粉砕工程で容易に酸化防止が可能な粉砕
ができるため、比較的低含有酸素量の合金粉末が得られ
る。
【0003】かかる希土類磁石用磁石粉末は、所要粒度
にするためいずれも機械粉砕により粗粉砕後、さらにト
ルエン、メタノール、ヘキサン等の有機溶媒を用いて、
アトライター等内にて湿式微粉砕することが一般的であ
る。
にするためいずれも機械粉砕により粗粉砕後、さらにト
ルエン、メタノール、ヘキサン等の有機溶媒を用いて、
アトライター等内にて湿式微粉砕することが一般的であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この湿式微粉砕に用い
る前記有機溶媒は有毒で危険性が高く、また公害上の問
題があるため、最近、水を溶媒とした湿式微粉砕法が提
案されており、水を溶媒として用いることは安全性及び
コストの点で有機溶媒に対してすぐれている
る前記有機溶媒は有毒で危険性が高く、また公害上の問
題があるため、最近、水を溶媒とした湿式微粉砕法が提
案されており、水を溶媒として用いることは安全性及び
コストの点で有機溶媒に対してすぐれている
【0005】しかし、水には一般にO2量10ppm〜
20ppmを含有するため、微粉砕時に溶媒に水を用い
て、希土類磁石、特にNd−Fe−B系磁石の製造に適
用する場合、溶媒の水中のO2により、生成された微粉
砕粉が腐食され、また、溶媒の水中にNd(OH)3、
FeOOH等の不溶性不純物が生成し、この微粉砕粉か
ら得られる永久磁石の磁石特性の劣化及び腐食を招来す
る問題があり、実用化が困難であった。
20ppmを含有するため、微粉砕時に溶媒に水を用い
て、希土類磁石、特にNd−Fe−B系磁石の製造に適
用する場合、溶媒の水中のO2により、生成された微粉
砕粉が腐食され、また、溶媒の水中にNd(OH)3、
FeOOH等の不溶性不純物が生成し、この微粉砕粉か
ら得られる永久磁石の磁石特性の劣化及び腐食を招来す
る問題があり、実用化が困難であった。
【0006】そこで発明者は、先に錯形成剤を添加した
水、あるいはさらに不活性ガスでバブリング処理した水
を溶媒に用いて湿式微粉砕して、微粉砕後に濾過分離し
た粉末中の不溶性不純物量を低減する製造方法を提案し
たが、溶媒の水温により微粉砕中に元素の溶出が起こ
り、得られる微粉砕粉の組成ずれが発生するため、事前
に原料粉末の組成を調整しておく必要があった。
水、あるいはさらに不活性ガスでバブリング処理した水
を溶媒に用いて湿式微粉砕して、微粉砕後に濾過分離し
た粉末中の不溶性不純物量を低減する製造方法を提案し
たが、溶媒の水温により微粉砕中に元素の溶出が起こ
り、得られる微粉砕粉の組成ずれが発生するため、事前
に原料粉末の組成を調整しておく必要があった。
【0007】この発明は、R−Co系磁石あるいはR−
Fe−B系磁石等の希土類磁石粉末を、有毒の有機溶媒
を使用しない湿式微粉砕にて製造する希土類磁石の製造
方法の提供を目的とし、水を溶媒に用いて湿式微粉砕し
た際に永久磁石の磁石特性の劣化及び腐食させる不純物
量を低減できると共に粉砕粉の組成ずれを防止した希土
類磁石の製造方法の提供を目的としている。
Fe−B系磁石等の希土類磁石粉末を、有毒の有機溶媒
を使用しない湿式微粉砕にて製造する希土類磁石の製造
方法の提供を目的とし、水を溶媒に用いて湿式微粉砕し
た際に永久磁石の磁石特性の劣化及び腐食させる不純物
量を低減できると共に粉砕粉の組成ずれを防止した希土
類磁石の製造方法の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、希土類磁石
の製造時、微粉砕工程において、溶媒として水を用いた
場合、水中に含まれるO2量の低減と共に溶液中の不溶
性不純物の生成沈殿を防止すると共に粉砕粉の組成ずれ
を防止するため、種々検討した結果、水中に含まれるO
2量の低減と共に溶液中に溶出するFe、R(特にN
d)の不溶性沈殿物の生成を防止する方法として、溶媒
としての水に錯形成剤を添加し、あるいはさらに前記水
中に不活性ガスを吹き込みバブリングすることにより、
溶媒中の水に含まれるO2量の低減と共に、前記不溶性
沈殿物を溶液中に溶存させ、微粉砕後の濾過により微粉
砕粉回収の際に、不純物を濾過液として系外に除去で
き、また溶媒の水の水温を調整して10℃以下にするこ
とにより、粉砕粉の組成ずれを防止できることを知見し
完成したものである。
の製造時、微粉砕工程において、溶媒として水を用いた
場合、水中に含まれるO2量の低減と共に溶液中の不溶
性不純物の生成沈殿を防止すると共に粉砕粉の組成ずれ
を防止するため、種々検討した結果、水中に含まれるO
2量の低減と共に溶液中に溶出するFe、R(特にN
d)の不溶性沈殿物の生成を防止する方法として、溶媒
としての水に錯形成剤を添加し、あるいはさらに前記水
中に不活性ガスを吹き込みバブリングすることにより、
溶媒中の水に含まれるO2量の低減と共に、前記不溶性
沈殿物を溶液中に溶存させ、微粉砕後の濾過により微粉
砕粉回収の際に、不純物を濾過液として系外に除去で
き、また溶媒の水の水温を調整して10℃以下にするこ
とにより、粉砕粉の組成ずれを防止できることを知見し
完成したものである。
【0009】すなわち、この発明は、湿式微粉砕にてR
−Co系磁石あるいはR−Fe−B系磁石等の希土類磁
石粉末を得る希土類磁石の製造方法において、錯形成剤
を0.001〜1mol/l添加し、あるいはさらに前
記水中に不活性ガスを噴射して水中のO2量を2ppm
以下に低減した水温10℃以下の水を溶媒に用いて湿式
微粉砕し、微粉砕後の濾過分離した粉末中の不溶性不純
物量を0.1ppm以下にすると共に粉砕粉の組成ずれ
を防止したことを特徴とする希土類磁石の製造方法であ
る。
−Co系磁石あるいはR−Fe−B系磁石等の希土類磁
石粉末を得る希土類磁石の製造方法において、錯形成剤
を0.001〜1mol/l添加し、あるいはさらに前
記水中に不活性ガスを噴射して水中のO2量を2ppm
以下に低減した水温10℃以下の水を溶媒に用いて湿式
微粉砕し、微粉砕後の濾過分離した粉末中の不溶性不純
物量を0.1ppm以下にすると共に粉砕粉の組成ずれ
を防止したことを特徴とする希土類磁石の製造方法であ
る。
【0010】
【作用】詳述するとこの発明は、希土類磁石の製造時の
湿式微粉砕工程前に、溶媒となる水に錯形成剤を0.0
01〜1mol/l添加して、あるいはさらにArガス
又はN2ガス等不活性ガスを吹き込んでバブリングし
て、溶媒の水中のO2量を2ppm以下に低減し、かつ
水温を10℃以下にした後、前記処理水を溶媒として湿
式微粉砕すると、溶液中の不溶性不純物量を0.1pp
m以下にでき、また組成元素の溶出が防止できることに
より、微粉砕後の濾過時に不純物を濾過液として系外に
除去し、濾過分離した粉末中の不溶性不純物量を0.1
ppm以下にすることができると共に粉砕粉の組成ずれ
を防止でき、得られる希土類磁石の磁石特性の劣化及び
腐食防止に多大な効果を発揮する。
湿式微粉砕工程前に、溶媒となる水に錯形成剤を0.0
01〜1mol/l添加して、あるいはさらにArガス
又はN2ガス等不活性ガスを吹き込んでバブリングし
て、溶媒の水中のO2量を2ppm以下に低減し、かつ
水温を10℃以下にした後、前記処理水を溶媒として湿
式微粉砕すると、溶液中の不溶性不純物量を0.1pp
m以下にでき、また組成元素の溶出が防止できることに
より、微粉砕後の濾過時に不純物を濾過液として系外に
除去し、濾過分離した粉末中の不溶性不純物量を0.1
ppm以下にすることができると共に粉砕粉の組成ずれ
を防止でき、得られる希土類磁石の磁石特性の劣化及び
腐食防止に多大な効果を発揮する。
【0011】この発明において、溶媒としての水には、
中性あるいはアルカリ性の水が好ましく、アルカリ性の
水としては、濃アンモニアを300ml/l以下、Na
OH、KOH、Ca(OH)2、KH2PO4、NaHP
O4、NaHCO3、NaCH3COO 100ml/l
以下等のうち少なくとも1種を添加して得られる。ま
た、溶媒としてアルカリ性の水を使用することにより、
酸性、中性溶液よりもNd、Fe等の溶出を低減でき、
原料粉末の腐食による磁石特性劣化の防止及び耐食性の
改善向上を図ることができる。
中性あるいはアルカリ性の水が好ましく、アルカリ性の
水としては、濃アンモニアを300ml/l以下、Na
OH、KOH、Ca(OH)2、KH2PO4、NaHP
O4、NaHCO3、NaCH3COO 100ml/l
以下等のうち少なくとも1種を添加して得られる。ま
た、溶媒としてアルカリ性の水を使用することにより、
酸性、中性溶液よりもNd、Fe等の溶出を低減でき、
原料粉末の腐食による磁石特性劣化の防止及び耐食性の
改善向上を図ることができる。
【0012】この発明の特徴である溶媒の水温を10℃
以下とする理由は、水温が10℃を超えると微粉砕時の
原料粉末中のR、Fe等が溶出しやすく、組成ずれを生
じて得られる磁石の磁石特性が劣化するためである。さ
らに好ましい水温は5℃以下である。
以下とする理由は、水温が10℃を超えると微粉砕時の
原料粉末中のR、Fe等が溶出しやすく、組成ずれを生
じて得られる磁石の磁石特性が劣化するためである。さ
らに好ましい水温は5℃以下である。
【0013】さらに、水道水等の使用が可能であり、水
道水としては電導率200μs/cm・25℃以下、不
純物はCl40ppm以下、Si15ppm以下、Ca
40ppm以下、Mg10ppm以下が好ましく、さら
にイオン交換、蒸留等の処理により電導率を1μs/c
m・25℃以下に低減した方がよい。
道水としては電導率200μs/cm・25℃以下、不
純物はCl40ppm以下、Si15ppm以下、Ca
40ppm以下、Mg10ppm以下が好ましく、さら
にイオン交換、蒸留等の処理により電導率を1μs/c
m・25℃以下に低減した方がよい。
【0014】この発明において、水に添加する錯形成剤
としては、原料粉末の構成元素と錯形成するカルボン酸
系配位子又はアミン系配位子何れでもよいが、カルボン
酸系配位子としてはコハク酸、マレイン酸等が好まし
く、またアミン系配位子としてはEDTA、DTPA等
が好ましい。錯形成剤の添加量は水1lに対して0.0
01〜1molが好ましく、錯形成剤量が0.001m
ol/l未満では錯形成が十分でなく、1mol/lを
超えると効果上は問題ないが経済上好ましくない。
としては、原料粉末の構成元素と錯形成するカルボン酸
系配位子又はアミン系配位子何れでもよいが、カルボン
酸系配位子としてはコハク酸、マレイン酸等が好まし
く、またアミン系配位子としてはEDTA、DTPA等
が好ましい。錯形成剤の添加量は水1lに対して0.0
01〜1molが好ましく、錯形成剤量が0.001m
ol/l未満では錯形成が十分でなく、1mol/lを
超えると効果上は問題ないが経済上好ましくない。
【0015】さらに、この発明において、湿式微粉砕す
る前に錯形成剤を含有する溶媒の水中にAr、N2ガス
等の不活性ガスを噴射、バブリングすることにより溶媒
の水中に含まれるO2量を低減し、得られる微粉砕粉の
腐食を低減することができる。
る前に錯形成剤を含有する溶媒の水中にAr、N2ガス
等の不活性ガスを噴射、バブリングすることにより溶媒
の水中に含まれるO2量を低減し、得られる微粉砕粉の
腐食を低減することができる。
【0016】この発明において、Arガス、N2ガス等
の不活性ガスによるバブリング条件としてはガス圧力
1.0〜3.0kg/cm2、吹き込み時間10分〜6
0分、ガス流量3〜20l/minが好ましい。ガス圧
力が1.0kg/cm2未満では十分なガス導入ができ
ず、3.0kg/cm2を超えると水の飛散があり好ま
しくない。また、吹き込み時間が10分未満ではO2除
去が十分でなく、60分を超えると経済的でない。ま
た、ガス流量として3l/min未満では十分なO2除
去ができず、20l/minを超えると経済的に好まし
くない。
の不活性ガスによるバブリング条件としてはガス圧力
1.0〜3.0kg/cm2、吹き込み時間10分〜6
0分、ガス流量3〜20l/minが好ましい。ガス圧
力が1.0kg/cm2未満では十分なガス導入ができ
ず、3.0kg/cm2を超えると水の飛散があり好ま
しくない。また、吹き込み時間が10分未満ではO2除
去が十分でなく、60分を超えると経済的でない。ま
た、ガス流量として3l/min未満では十分なO2除
去ができず、20l/minを超えると経済的に好まし
くない。
【0017】
実施例1 溶解・粉砕法により得られた30.9wt%Nd−6
8.0wt%Fe−1.1wt%B組成の磁石用原料粉
末を、内容積100lのアトライター内に9.5mm直
径の鋼製ボールと共に入れ、さらに錯形成剤として酒石
酸0.05ml/l、DTPA0.03ml/lを含有
した水(電導率1μs/cm・25℃、pH10.5)
の所要量を表1に示した水温に調整して溶媒として用
い、これを回転数80rpm、5時間回転させる微粉砕
を行い、粉砕完了後に濾過して表1に示す組成、平均粒
径の微粉砕粉末を得た。得られた微粉砕粉末中のR,F
e等の不溶性不純物量は、ICP測定法により測定して
表1に示す。
8.0wt%Fe−1.1wt%B組成の磁石用原料粉
末を、内容積100lのアトライター内に9.5mm直
径の鋼製ボールと共に入れ、さらに錯形成剤として酒石
酸0.05ml/l、DTPA0.03ml/lを含有
した水(電導率1μs/cm・25℃、pH10.5)
の所要量を表1に示した水温に調整して溶媒として用
い、これを回転数80rpm、5時間回転させる微粉砕
を行い、粉砕完了後に濾過して表1に示す組成、平均粒
径の微粉砕粉末を得た。得られた微粉砕粉末中のR,F
e等の不溶性不純物量は、ICP測定法により測定して
表1に示す。
【0018】また、この微粉砕粉末を金型に装入し、約
10kOeの磁界中で配向し、磁界に直角方向に約1.
5ton/cm2 の圧力で成型し、15mm×20m
m×8mmの成型体を作成した。この成型体を1100
℃×2時間のAr雰囲気中条件で焼結し、引き続いて6
00℃×2時間の時効処理を行った。得られた試験片磁
石の磁石特性を表2に示す。
10kOeの磁界中で配向し、磁界に直角方向に約1.
5ton/cm2 の圧力で成型し、15mm×20m
m×8mmの成型体を作成した。この成型体を1100
℃×2時間のAr雰囲気中条件で焼結し、引き続いて6
00℃×2時間の時効処理を行った。得られた試験片磁
石の磁石特性を表2に示す。
【0019】比較例1 微粉砕工程で溶媒の水に錯形成剤を添加しない以外は、
実施例1と同一の原料粉末を同一の製造工程で微粉砕粉
末化し、得られた微粉砕粉末の組成、平均粒径、粉末中
のR,Fe等の不溶性不純物量を表1に示す。なお、水
温は7℃(No.9)と20℃(No.10)であっ
た。さらに実施例1と同様方法で、成形、焼結、磁石化
して得た磁石の磁石特性を表2に示す。
実施例1と同一の原料粉末を同一の製造工程で微粉砕粉
末化し、得られた微粉砕粉末の組成、平均粒径、粉末中
のR,Fe等の不溶性不純物量を表1に示す。なお、水
温は7℃(No.9)と20℃(No.10)であっ
た。さらに実施例1と同様方法で、成形、焼結、磁石化
して得た磁石の磁石特性を表2に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】実施例2 錯形成剤として酒石酸0.05ml/l、DTPA0.
03ml/lを含有させ、さらに水中にArガスをガス
圧力2.0kg/cm2、ガス流量10l/min、吹
き込み時間30分の条件でバブリングして、O2含有量
を1.3ppmに低減した水(電導率1μs/cm・2
5℃、pH11.0)の所要量を表3に示した水温に調
整して溶媒として用い、実施例1と同条件の製造工程で
微粉砕粉末化し、得られた微粉砕粉末中のR,Fe等の
不溶性不純物量は、ICP測定法により測定した結果を
表3に示す。さらに実施例1と同様方法で、成形、焼
結、磁石化して得た磁石の磁石特性を表4に示す。
03ml/lを含有させ、さらに水中にArガスをガス
圧力2.0kg/cm2、ガス流量10l/min、吹
き込み時間30分の条件でバブリングして、O2含有量
を1.3ppmに低減した水(電導率1μs/cm・2
5℃、pH11.0)の所要量を表3に示した水温に調
整して溶媒として用い、実施例1と同条件の製造工程で
微粉砕粉末化し、得られた微粉砕粉末中のR,Fe等の
不溶性不純物量は、ICP測定法により測定した結果を
表3に示す。さらに実施例1と同様方法で、成形、焼
結、磁石化して得た磁石の磁石特性を表4に示す。
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【発明の効果】この発明は、特定量の錯形成剤を添加し
た水温10℃以下の水、あるいはさらに不活性ガスをバ
ブリングした水温10℃以下の水を溶媒にして湿式微粉
砕するため、粉砕粉の組成ずれがなく、従来の有機溶媒
を用いた微粉砕法に対し、安全性が高く、且つ低コスト
で磁石特性も従来の有機溶媒を用いた場合の磁石と同等
以上の磁石特性の希土類磁石が得られた。
た水温10℃以下の水、あるいはさらに不活性ガスをバ
ブリングした水温10℃以下の水を溶媒にして湿式微粉
砕するため、粉砕粉の組成ずれがなく、従来の有機溶媒
を用いた微粉砕法に対し、安全性が高く、且つ低コスト
で磁石特性も従来の有機溶媒を用いた場合の磁石と同等
以上の磁石特性の希土類磁石が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 1/053
Claims (2)
- 【請求項1】 湿式微粉砕にてR−Co系磁石あるいは
R−Fe−B系磁石等の希土類磁石粉末を得る希土類磁
石の製造方法において、錯形成剤を0.001〜1mo
l/l添加した水温10℃以下の水を溶媒に用いて湿式
微粉砕し、微粉砕後の濾過分離した粉末中の不溶性不純
物量を0.1ppm以下にすると共に粉砕粉の組成ずれ
を防止したことを特徴とする希土類磁石の製造方法。 - 【請求項2】 湿式微粉砕にてR−Co系磁石あるいは
R−Fe−B系磁石等の希土類磁石粉末を得る希土類磁
石の製造方法において、錯形成剤を0.001〜1mo
l/l添加し、かつ前記水中に不活性ガスを噴射して水
中のO2量を2ppm以下に低減した水温10℃以下の
水を溶媒に用いて湿式微粉砕し、微粉砕後の濾過分離し
た粉末中の不溶性不純物量を0.1ppm以下にすると
共に粉砕粉の組成ずれを防止したことを特徴とする希土
類磁石の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3223302A JPH0547530A (ja) | 1991-08-07 | 1991-08-07 | 希土類磁石の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3223302A JPH0547530A (ja) | 1991-08-07 | 1991-08-07 | 希土類磁石の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0547530A true JPH0547530A (ja) | 1993-02-26 |
Family
ID=16796021
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3223302A Pending JPH0547530A (ja) | 1991-08-07 | 1991-08-07 | 希土類磁石の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0547530A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104321838A (zh) * | 2012-02-23 | 2015-01-28 | 吉坤日矿日石金属株式会社 | 钕基稀土类永久磁铁及其制造方法 |
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1991
- 1991-08-07 JP JP3223302A patent/JPH0547530A/ja active Pending
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