JPH06200307A - 稀土類磁石用原料合金粉末の製造方法 - Google Patents

稀土類磁石用原料合金粉末の製造方法

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JPH06200307A
JPH06200307A JP35893A JP35893A JPH06200307A JP H06200307 A JPH06200307 A JP H06200307A JP 35893 A JP35893 A JP 35893A JP 35893 A JP35893 A JP 35893A JP H06200307 A JPH06200307 A JP H06200307A
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JP
Japan
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rare earth
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jet mill
gas
material alloy
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JP35893A
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English (en)
Inventor
Kunihiro Goto
国宏 後藤
Yasutaka Fukuda
泰隆 福田
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 稀土類−遷移金属−ホー素系永久磁石をジェ
ットミルにより微粉砕する際、磁気特性を低下させるこ
となく粉砕効率を向上させる方法を提供する。 【構成】 粉砕ガス中に酸化窒素を5000ppm以
上、80,000ppm以下含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、永久磁石用材料として
用いられるR−T−B(Rは、Y、Scおよびランタノ
イドから選ばれた稀土類元素の少なくとも1種以上、T
は遷移金属元素の少なくとも1種以上、Bはボロンを表
す)系稀土類磁石用の原料合金粉末の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】現在、稀土類磁石材料としては、Nd−
Fe−B系、Sm−Co系などが用いられている。中で
もNd−Fe−B系稀土類磁石は、Sm−Co系磁石よ
り高い磁気特性を有すること、また原料となるNdが比
較的安価で、しかも安定して供給されるといった利点を
有することから、その生産量は飛躍的に増加している。
【0003】ところでこれらの合金を永久磁石製品とす
る上で、より高い磁気特性を付与するために、該合金を
あらかじめ粉砕し、これを磁場中で加圧成形することに
より粉末の配向を揃え、この成形体を焼結する、いわゆ
る粉末冶金のプロセスを経て最終製品に製造されるのが
一般的である。このとき、焼結磁石中のNd2 Fe14
1 相の粒径が微細であるほど高い保磁力が得られるた
め、できるだけ微細な粒度の粉末を原料として用いるこ
とが望ましい。また、磁粉の金型への良好な充填性を得
ること、および最終製品である焼結磁石の磁気特性のば
らつきを抑える、といった観点からは、粉末粒径がなる
べく均一であることが望まれる。
【0004】現在の稀土類磁石合金の微粉砕粉末製造工
程としては、不活性ガスを粉砕ガスとして用いるジェッ
トミル粉砕、あるいはエタノール、シクロヘキサンなど
の有機溶媒を用いるボールミル粉砕などが行われている
が、上記のような条件を満たす微粉砕粉末の製造方法と
しては、微細な粉末の製造が可能であり、さらに分級機
能を備えているため粒度分布幅の狭い粉末を製造するこ
とのできるジェットミル粉砕が最も有利である。
【0005】しかしながら、このジェットミル粉砕は、
他の粉砕方法と比較すると粉砕効率が低いことが欠点で
ある。しかも稀土類磁石合金のように活性で、凝集性の
高い粉末の場合、磁粉同士の凝集、あるいはジェットミ
ル内壁への付着が生じ、それによって粉砕効率、および
微粉砕粉の回収効率がさらに低下するといった難点を有
する。さらに、活性な微粉砕粉末を乾燥した状態で取り
扱うため、酸化による発火の恐れがあり、その作業は非
常に困難なものとなる。
【0006】上記課題に対する対策として、特開昭63
−33505号公報および特開昭63−33506号公
報においてジェットミル粉砕時の粉砕ガスに酸素を添加
することにより、磁粉表面の活性を抑制して、微粉末を
安定化させ、取扱の安全化を図る方法が提案されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、不活性
ガス中に酸素ガスを混合してジェットミル粉砕を行うと
いう上記の方法では、 (1) ネオジム系の稀土類磁石原料合金は活性が高く、酸
素ガスを用いて酸化させるという手段を取ると、酸化の
進行が早く、磁粉表面のみを酸化させるのが困難であ
る。
【0008】(2) 何らかの原因で、不活性ガスの供給が
停止した場合、ジェットミル粉砕室内に酸素ガスのみが
供給される状態となり、発火の危険性が著しく増大する
などの問題を有している。上記の課題を解決するため、
発明者らは鋭意研究の結果、ジェットミルを用いて粉砕
する際に不活性ガスにCO2 ガスを50ppm 以上、100,00
0 ppm以下含有させ、より緩慢な速度で磁粉表面を酸化
することにより、磁粉同士の凝集、あるいはジェットミ
ル内壁への付着を防止してジェットミルの粉砕能力を高
めかつ粉末歩留りの向上を達成し、同時に微粉砕後に適
正な平均粒径が得られ、また製造した微粉砕粉末をより
安全に取り扱えるような稀土類磁石用原料合金粉末の製
造方法を提供した( 特願平4-240686) 。しかしこの方法
では、最終製品である焼結磁石中の残炭量が、該不活性
ガス中にCO2 ガスを含有させない場合と比較して若干
上昇する傾向が見られる。磁気特性の観点からは、磁石
中の残炭量はできるだけ少ない方が好ましいため、上記
方法ではまだ改善の余地を残していた。
【0009】そこで本発明は、緩慢な速度で磁粉表面を
酸化して磁粉同士の凝集、あるいはジェットミル内壁へ
の付着を防止し、ジェットミルの粉砕能力、および微粉
砕後の適正な平均粒径と粉末歩留りの向上を達成し、か
つ最終製品中の残炭量が従来と変わらないような稀土類
磁石用原料合金粉末の製造方法を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、不活性ガスを
粉砕ガスとして用いるジェットミルによりR−T−B系
稀土類磁石用の原料合金を粉砕する際に、該不活性ガス
に酸化窒素ガスを50ppm以上、80,000ppm
以下含有させることを特徴とする稀土類磁石用原料合金
粉末の製造方法である。また、原料の被粉砕性を向上さ
せるため、稀土類磁石用原料合金をジェットミルにより
粉砕する前に該合金に予め水素を含有させ脆化させてお
く手段を取った。
【0011】すなわち本発明は、R−T−B(Rは、
Y、Scおよびランタノイドから選ばれた稀土類元素の
少なくとも1種以上、Tは遷移金属元素の少なくとも1
種以上、Bはボロンを表す)系稀土類磁石用の原料合金
を、不活性ガスを粉砕ガスとして用いるジェットミルに
より粉砕するさいに、該不活性ガスに酸化窒素ガスを、
50ppm以上、80,000ppm以下含有させるこ
とを特徴とする稀土類磁石用原料合金粉末の製造方法で
あり、また本発明は、稀土類磁石の原料合金をジェット
ミルにより粉砕する前に、該合金は予め水素を含有させ
ておくことを特徴とする上記の稀土類磁石用原料合金粉
末の製造方法である。
【0012】
【作用】R−T−B系稀土類磁石の原料合金をジェット
ミルにより粉砕する際に、本発明では酸素ガスより酸化
力の弱い酸化窒素ガスを不活性ガス中に添加することに
より、酸素を用いた場合と比較して緩慢な磁粉表面の酸
化を行い、磁粉表面の活性を低減させて、磁気特性を低
下させることなく、ジェットミル粉砕効率の向上を可能
とした。以下に本発明が適用される範囲について述べ
る。ここで、酸化窒素ガスとしては、NO、NO2 、N2O3
N2O 、N2O4、NO3 、N2O6 などおよびこれらのガスの混
合ガスが含まれる。
【0013】ジェットミル粉砕に用いる不活性ガスと
は、通常N2、Arなどに代表されものであるが、本発明の
効果は、不活性ガスの種類にはとくに限定されない。ま
た、稀土類磁石合金としては、Nd−Fe−Bに代表さ
れるR−T−B系合金であれば、原料合金のR、T、B
の存在比によって、本発明の効果が限定されるものでは
ない。また、磁気特性の向上、焼結性の向上ならびに耐
食性の改善などの目的で、種々の元素が原料合金中に添
加されるが、これら添加元素の種類ならびにその添加量
が本発明の効果を限定するものではない。しかしなが
ら、粉末状態で活性が高い、すなわち凝集性の高い原料
を粉砕する場合ほど、本発明の有効性が増大することは
言うまでもない。
【0014】また、稀土類磁石原料合金にあらかじめ水
素を含有させ、脆化させて被粉砕性を改善する、という
手段を採用することにより、本発明がさらに有効に作用
し、ジェットミル粉砕のさらなる効率向上を達成するこ
とができる。原料合金の水素脆化にはいくつかの方法が
提案されているが、本発明においては、どのような手段
で水素脆化された合金を原料として用いても差し支えな
い。
【0015】最後に、酸化窒素ガス添加量を限定した理
由を述べる。酸化窒素ガス添加量が50ppmに満たな
い場合は、磁粉の表面が十分酸化されず、目的とするジ
ェットミル粉砕効率の改善が達成されない。また、酸化
窒素ガス添加量が80,000ppmを越える場合、最
終的に製造された焼結磁石の磁気特性の低下を招くため
好ましくない。以上の理由から、不活性粉砕ガス中への
酸化窒素ガスの添加量を50ppm以上、80,00p
pm以下とした。また作業上の安全性を考慮すると、添
加量は50ppm以上、50,000ppm以下がより
好ましい。
【0016】次に実施例にもとづいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明の対象とする磁石は下記の実施例
に限定されるものではない。
【0017】
【実施例】表1に示すような組成A、B、Cのインゴッ
トを原料として用いた。原料合金は、純度99.9%の
鉄、コバルト、ニッケル金属、ホウ素の含有量が19.
7%のFe−B合金、ディスプロシウムの含有量が8
7.9%のDy−Fe合金、純度99%のネオジム金属
および純度99%以上のGa、Tiを用い、表1に示す
組成になるように秤量した後、250TorrのAr雰
囲気中で高周波溶解を行い、水冷銅鋳型に鋳込んでイン
ゴットを作製した。一部の試料については、5mm径程
度に粉砕した合金をMoボートにのせ、加熱炉内で、1
0%H2 −Ar気流中300℃、2時間脆化させ、さら
に450℃で2時間保持して脱水素を行った。インゴッ
トは粗粉砕され、篩いを通して粒径が500μm 以下に
なるように調整した。
【0018】
【表1】
【0019】こうして作製された粗粉砕粉末をジェット
ミルにより、N2 ガスを不活性ガスとして用い、ガス圧
力を7kgf/mm2 に設定し、表2に示すような酸化窒素ガ
ス添加量で微粉砕を行った。その結果、ジェットミル粉
砕室内における微粉砕粉末の堆積滞留が解消され、表2
の実施例に示すような90%以上の高い微粉砕歩留りが
達成された。
【0020】
【表2】
【0021】得られた微粉砕粉末を12kOeの垂直磁
場中で1.0ton/cm2 の加圧力により成形し、真空中1
020℃で2時間焼結したのち、アルゴンガスで急冷
し、焼結磁石を得た。このようにして作製された焼結磁
石の磁気特性はB−Hループトレーサーにより評価され
た。この測定結果を表2に示すが、本発明により作製さ
れた微粉砕粉末を用いても、酸化窒素ガスを添加せずに
微粉砕を行った場合と同程度のBrが10.4kG以
上、iHcが7.7kOe以上、BHmax が24.9M
GOe以上の良好な磁気特性を有する焼結磁石を作製で
きることが示された。
【0022】また、表2に示した比較例8、9は酸化窒
素ガスの代わりにO2 を50,000ppm添加した場
合の諸特性であり、比較例10、11は酸化窒素ガスの
代わりにCO2 を50,000ppm添加した場合の諸
特性である。
【0023】
【発明の効果】本発明により、磁粉表面の活性を低下さ
せて、磁気特性を劣化させることなくジェットミル粉砕
効率を向上させることが可能となった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R−T−B(Rは、Y、Scおよびラン
    タノイドから選ばれた稀土類元素の少なくとも1種以
    上、Tは遷移金属元素の少なくとも1種以上、Bはボロ
    ンを表す)系稀土類磁石用の原料合金を、不活性ガスを
    粉砕ガスとして用いるジェットミルにより粉砕する際
    に、該不活性ガスに酸化窒素ガスを、50ppm以上、
    80,000ppm以下含有させることを特徴とする稀
    土類磁石用原料合金粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 稀土類磁石の原料合金をジェットミルに
    より粉砕する前に、該合金は予め水素により脆化させて
    ておくことを特徴とする請求項1記載の稀土類磁石用原
    料合金粉末の製造方法。
JP35893A 1993-01-05 1993-01-05 稀土類磁石用原料合金粉末の製造方法 Pending JPH06200307A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002175931A (ja) * 2000-09-28 2002-06-21 Sumitomo Special Metals Co Ltd 希土類磁石およびその製造方法
CN103180071A (zh) * 2010-10-21 2013-06-26 田中贵金属工业株式会社 氧化物分散强化型铂合金的制造方法

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