JPH0536511A - 希土類磁石の製造方法 - Google Patents

希土類磁石の製造方法

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JPH0536511A
JPH0536511A JP3215831A JP21583191A JPH0536511A JP H0536511 A JPH0536511 A JP H0536511A JP 3215831 A JP3215831 A JP 3215831A JP 21583191 A JP21583191 A JP 21583191A JP H0536511 A JPH0536511 A JP H0536511A
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JP
Japan
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water
solvent
magnet
rare earth
amount
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JP3215831A
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English (en)
Inventor
Fumiaki Kikui
文秋 菊井
Minoru Uehara
稔 上原
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Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機溶媒を使用せず、水を溶媒に用いて湿式
微粉砕した際に永久磁石の磁石特性の劣化及び腐食させ
る不純物量を低減できる希土類磁石の製造方法の提供。 【構成】 溶媒としての水に錯形成剤を添加し、あるい
はさらに前記水中に不活性ガスを吹き込みバブリングす
ることにより、溶媒中の水に含まれるO2量の低減と共
に、前記不溶性沈殿物を溶液中に溶存させ、微粉砕後の
濾過により微粉砕粉回収の際に、不純物を濾過液として
系外に除去し、濾過分離した粉末中の不溶性不純物量を
0.1ppm以下にし、得られる永久磁石の磁石特性の
劣化及び腐食を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、R−Co系磁石ある
いはR−Fe−B系磁石等の希土類磁石粉末を、有毒の
有機溶媒を使用しない湿式微粉砕にて製造する希土類磁
石の製造方法に係り、水を溶媒として用いて湿式微粉砕
するに際して、水に特定量の錯形成剤を添加して微粉砕
後の粉末中の不溶性不純物量を0.1ppm以下にし、
永久磁石の磁石特性の劣化及び腐食を防止した希土類磁
石の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、R−Co系磁石の製造に用いる磁
石粉末は、Ca還元法あるいは粉砕法にて原料粉末を得
ていた。また、R−Fe−B系磁石等の希土類磁石の製
造に用いる磁石粉末は、電解により還元された希土類原
料を用いて、溶解して鋳型に鋳造し所要磁石組成の合金
塊を作成し、これを粉砕して所要粒度の合金粉末とする
溶解・粉砕法(特開昭60−63304号公報、特開昭
60−1190701号公報)がある。この溶解・粉砕
法は、鋳塊の粗粉砕工程で容易に酸化防止が可能な粉砕
ができるため、比較的低含有酸素量の合金粉末が得られ
る。
【0003】かかる希土類磁石用磁石粉末は、所要粒度
にするためいずれも機械粉砕により粗粉砕後、さらにト
ルエン、メタノール、ヘキサン等の有機溶媒を用いて、
アトライター等内にて湿式微粉砕することが一般的であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この湿式微粉砕に用い
る前記有機溶媒は有毒で危険性が高く、また公害上の問
題があるため、最近、水を溶媒とした湿式微粉砕法が提
案されており、水を溶媒として用いることは安全性及び
コストの点で有機溶媒に対してすぐれている
【0005】しかし、水には一般にO2量10ppm〜
20ppmを含有するため、微粉砕時に溶媒に水を用い
て、希土類磁石、特にNd−Fe−B系磁石の製造に適
用する場合、溶媒の水中のO2により、生成された微粉
砕粉が腐食され、また、溶媒の水中にNd(OH)3
FeOOH等の不溶性不純物が生成し、この微粉砕粉か
ら得られる永久磁石の磁石特性の劣化及び腐食を招来す
る問題があり、実用化が困難であった。
【0006】この発明は、R−Co系磁石あるいはR−
Fe−B系磁石等の希土類磁石粉末を、有毒の有機溶媒
を使用しない湿式微粉砕にて製造する希土類磁石の製造
方法の提供を目的とし、水を溶媒に用いて湿式微粉砕し
た際に永久磁石の磁石特性の劣化及び腐食させる不純物
量を低減できる希土類磁石の製造方法の提供を目的とし
ている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、希土類磁石
の製造時、微粉砕工程において、溶媒として水を用いた
場合、水中に含まれるO2量の低減と共に溶液中の不溶
性不純物の生成沈殿を防止するため、種々検討した結
果、水中に含まれるO2量の低減と共に溶液中に溶出す
るFe、R(特にNd)の不溶性沈殿物の生成を防止す
る方法として、溶媒としての水に錯形成剤を添加し、あ
るいはさらに前記水中に不活性ガスを吹き込みバブリン
グすることにより、溶媒中の水に含まれるO2量の低減
と共に、前記不溶性沈殿物を溶液中に溶存させ、微粉砕
後の濾過により微粉砕粉回収の際に、不純物を濾過液と
して系外に除去できることを知見し完成したものであ
る。
【0008】すなわち、この発明は、湿式微粉砕にてR
−Co系磁石あるいはR−Fe−B系磁石等の希土類磁
石粉末を得る希土類磁石の製造方法において、錯形成剤
を0.001〜1mol/l添加し、あるいはさらに前
記水中に不活性ガスを噴射して水中のO2量を2ppm
以下に低減した水を溶媒に用いて湿式微粉砕し、微粉砕
後の濾過分離した粉末中の不溶性不純物量を0.1pp
m以下にすることを特徴とする希土類磁石の製造方法で
ある。
【0009】
【作用】詳述するとこの発明は、希土類磁石の製造時の
湿式微粉砕工程前に、溶媒となる水に錯形成剤を0.0
01〜1mol/l添加して、あるいはさらにArガス
又はN2ガス等不活性ガスを吹き込んでバブリングし
て、溶媒の水中のO2量を2ppm以下に低減した後、
前記処理水を溶媒として湿式微粉砕した際の溶液中の不
溶性不純物量を0.1ppm以下にすることにより、微
粉砕後の濾過時に不純物を濾過液として系外に除去し、
濾過分離した粉末中の不溶性不純物量を0.1ppm以
下にすることができ、得られる希土類磁石の磁石特性の
劣化及び腐食防止に多大な効果を発揮する。
【0010】この発明において、溶媒としての水には、
中性あるいはアルカリ性の水が好ましく、アルカリ性の
水としては、濃アンモニアを300ml/l以下、Na
OH、KOH、Ca(OH)2、KH2PO4、NaHP
4、NaHCO3、NaCH3COO 100ml/l
以下等のうち少なくとも1種を添加して得られる。ま
た、溶媒としてアルカリ性の水を使用することにより、
酸性、中性溶液よりもNd、Fe等の溶出を低減でき、
原料粉末の腐食による磁石特性劣化の防止及び耐食性の
改善向上を図ることができる。
【0011】さらに、水道水等の使用が可能であり、水
道水としては電導率200μs/cm・25℃以下、不
純物はCl40ppm以下、Si15ppm以下、Ca
40ppm以下、Mg10ppm以下が好ましく、さら
にイオン交換、蒸留等の処理により電導率を1μs/c
m・25℃以下に低減した方がよい。
【0012】この発明の特徴である水に添加する錯形成
剤としては、原料粉末の構成元素と錯形成するカルボン
酸系配位子又はアミン系配位子何れでもよいが、カルボ
ン酸系配位子としてはコハク酸、マレイン酸等が好まし
く、またアミン系配位子としてはEDTA、DTPA等
が好ましい。錯形成剤の添加量は水1lに対して0.0
01〜1molが好ましく、錯形成剤量が0.001m
ol/l未満では錯形成が十分でなく、1mol/lを
超えると効果上は問題ないが経済上好ましくない。
【0013】さらに、この発明において、湿式微粉砕す
る前に錯形成剤を含有する溶媒の水中にAr、N2ガス
等の不活性ガスを噴射、バブリングすることにより溶媒
の水中に含まれるO2量を低減し、得られる微粉砕粉の
腐食を低減することができる。
【0014】この発明において、Arガス、N2ガス等
の不活性ガスによるバブリング条件としてはガス圧力
1.0〜3.0kg/cm2、吹き込み時間10分〜6
0分、ガス流量3〜20l/minが好ましい。ガス圧
力が1.0kg/cm2未満では十分なガス導入ができ
ず、3.0kg/cm2を超えると水の飛散があり好ま
しくない。また、吹き込み時間が10分未満ではO2
去が十分でなく、60分を超えると経済的でない。ま
た、ガス流量として3l/min未満では十分なO2
去ができず、20l/minを超えると経済的に好まし
くない。
【0015】
【実施例】
実施例1 溶解・粉砕法により得られた35wtwt%Nd−6
3.9wt%Fe−1.1wt%B組成の磁石用原料粉
末を、内容積100lのアトライター内に9.5mm直
径の鋼製ボールと共に入れ、さらに錯形成剤として酒石
酸0.02ml/l、EDTA0.02ml/lを含有
し、NaOHにてpHを11に調整した水(電導率1μ
s/cm・25℃)を所要量溶媒として用い、これを回
転数80rpm、5時間回転させる微粉砕を行い、粉砕
完了後に濾過して平均粒径2.9μmの微粉砕粉末を得
た。得られた微粉砕粉末中のR,Fe等の不溶性不純物
量は、ICP測定法により測定したところ0.06pp
mであった。
【0016】また、この微粉砕粉末を金型に装入し、約
10kOeの磁界中で配向し、磁界に直角方向に約1.
5ton/cm2 の圧力で成型し、15mm×20m
m×8mmの成型体を作成した。この成型体を1100
℃×2時間のAr雰囲気中条件で焼結し、引き続いて6
00℃×2時間の時効処理を行った。得られた試験片磁
石の磁石特性を表1に示す。
【0017】実施例2 溶解・粉砕法により得られた34.7wt%Nd−6
4.1wt%Fe−1.2wt%B組成の磁石用原料粉
末を、内容積100lのアトライター内に12mm直径
の鋼製ボールと共に入れ、さらに錯形成剤としてEDT
A0.02ml/lを含有した水を所要量溶媒として用
い、これを回転数80rpm、3.5時間回転させる微
粉砕を行い、粉砕完了後に濾過して平均粒径3.1μm
の微粉砕粉末を得た。なお、溶媒の水は、事前にEDT
A0.02ml/lを添加し、NaOHにてpHを11
に調整し、さらに水中にArガスをガス圧力2.0kg
/cm2、ガス流量10l/min、吹き込み時間30
分の条件でバブリングして、O2含有量を1.5ppm
に低減した。溶媒の水のO2含有量は未添加時に13p
pmであった。
【0018】得られた微粉砕粉末中のR,Fe等の不溶
性不純物量は、ICP測定法により測定したところ0.
05ppmであった。さらに実施例1と同様方法で、成
形、焼結、磁石化して得た磁石の磁石特性を表1に示
す。
【0019】実施例3 微粉砕工程で溶媒の錯形成剤を添加した水にバブリング
を施さない以外は、実施例2と同一の原料粉末を同一の
製造工程で微粉砕粉末化したところ、得られた微粉砕粉
末中のR,Fe等の不溶性不純物量は、ICP測定法に
より測定したところ0.08ppmであった。さらに実
施例1と同様方法で、成形、焼結、磁石化して得た磁石
の磁石特性を表1に示す。
【0020】比較例1 微粉砕工程で溶媒の水に錯形成剤を添加しない以外は、
実施例1と同一の原料粉末を同一の製造工程で微粉砕粉
末化したところ、得られた微粉砕粉末中のR,Fe等の
不溶性不純物量は、ICP測定法により5000ppm
であった。さらに実施例1と同様方法で、成形、焼結、
磁石化して得た磁石の磁石特性を表1に示す。
【0021】比較例2 微粉砕工程で溶媒の水に代えて有機溶媒としてシクロヘ
キサンを用いる以外は、実施例1と同一の原料粉末を同
一の製造工程で微粉砕粉末化したところ、得られた微粉
砕粉末中のR,Fe等の不溶性不純物量は、ICP測定
法により測定したところ2.0ppmであった。さらに
実施例1と同様方法で、成形、焼結、磁石化して得た磁
石の磁石特性を表1に示す。
【0022】比較例3 微粉砕工程で溶媒の水に代えて有機溶媒としてシクロヘ
キサンを用いる以外は、実施例2と同一の原料粉末を同
一の製造工程で微粉砕粉末化したところ、得られた微粉
砕粉末中のR,Fe等の不溶性不純物量は、ICP測定
法により測定したところ3.0ppmであった。さらに
実施例1と同様方法で、成形、焼結、磁石化して得た磁
石の磁石特性を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】この発明は、特定量の錯形成剤を添加し
た水、あるいはさらに不活性ガスをバブリングした水を
溶媒にして湿式微粉砕するため、従来の有機溶媒を用い
た微粉砕法に対し、安全性が高く、且つ低コストで磁石
特性も従来の有機溶媒を用いた場合の磁石と同等以上の
磁石特性の希土類磁石が得られた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿式微粉砕にてR−Co系磁石あるいは
    R−Fe−B系磁石等の希土類磁石粉末を得る希土類磁
    石の製造方法において、錯形成剤を0.001〜1mo
    l/l添加した水を溶媒に用いて湿式微粉砕し、微粉砕
    後の濾過分離した粉末中の不溶性不純物量を0.1pp
    m以下にすることを特徴とする希土類磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】 湿式微粉砕にてR−Co系磁石あるいは
    R−Fe−B系磁石等の希土類磁石粉末を得る希土類磁
    石の製造方法において、錯形成剤を0.001〜1mo
    l/l添加し、かつ前記水中に不活性ガスを噴射して水
    中のO2量を2ppm以下に低減した水を溶媒に用いて
    湿式微粉砕し、微粉砕後の濾過分離した粉末中の不溶性
    不純物量を0.1ppm以下にすることを特徴とする希
    土類磁石の製造方法。
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