JPH0546964A - 磁気デイスク装置用磁気ヘツド - Google Patents

磁気デイスク装置用磁気ヘツド

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JPH0546964A
JPH0546964A JP22654791A JP22654791A JPH0546964A JP H0546964 A JPH0546964 A JP H0546964A JP 22654791 A JP22654791 A JP 22654791A JP 22654791 A JP22654791 A JP 22654791A JP H0546964 A JPH0546964 A JP H0546964A
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magnetic head
magnetic
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Application number
JP22654791A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Onishi
良彦 大西
Motoharu Sato
元治 佐藤
Hiroshi Nishida
宏 西田
Masahito Otsu
雅人 大津
Takayuki Hirano
貴之 平野
Shinichi Manabe
伸一 真鍋
Kazuo Muramatsu
一生 村松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヘッド浮上特性が優れていると共に、従来に
比してより一層の高密度記録が可能な磁気ディスク装置
用磁気ヘッドを提供することを目的とする。 【構成】 磁気ヘッド1のスライダー2は見かけ密度が
1.70g/cm3 以上の非晶質炭素材料により形成されてお
り、エアーベアリング面の表面粗さRaが30乃至500 Å
に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータ等のOA
(オフィスオートメーション)機器の情報記憶端末装置
である磁気ディスク装置に使用される磁気ディスク装置
用磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ等のOA機器の情報記憶端
末装置としては、ハードディスクドライブ装置が広く使
用されている。このハードディスクドライブ装置に使用
される磁気ヘッドとしては、例えばコンポジット磁気ヘ
ッド及び薄膜磁気ヘッド等がある。
【0003】コンポジット磁気ヘッドは、少なくともそ
のスライダー部がフェライト、CaO、アルミナ及びア
ルチック(Al23 とTiCとの焼結体)等のセラミ
ックス材料からなる基板の前記スライダー部に溝を設
け、この溝にヘッドコアをモールドして形成されたもの
である。
【0004】また、薄膜磁気ヘッドは、少なくともその
スライダー部がアルチックからなる基板に、Ni−Fe
薄膜からなるコア及びCuからなる薄膜コイル等により
構成された磁気回路が設けられたものである。
【0005】なお、ガラス状カーボンをスライダー材料
とする薄膜磁気ヘッドも提案されている(特開昭59-144
019 号)。この薄膜磁気ヘッドは、密度が1.40g/cm3
以上のガラス状カーボン材料からなる成形体又は前記ガ
ラス状カーボン材料と熱硬化樹脂との複合材からなる成
形体を基板として、この基板の表面上にスパッタリング
又は蒸着等の方法によりコア及びコイルを形成したもの
である。
【0006】ところで、ハードディスクドライブ装置に
おいては、ディスク停止時に磁気ヘッドのスライダー面
がディスクに吸着され、再起動時に大きな静摩擦力が発
生する現象(スティクション)が発生することがある。
そして、この現象により、ヘッドクラッシュを招来する
ことがある。
【0007】スティクションを防止するために、従来は
ディスク表面をテクスチャー処理して粗面化し、ディス
ク表面に高さが数10Åの突起を設けている。これによ
り、磁気ヘッドとディスクとの接触面積を低減できるた
め、スティクションの発生を抑制することができる。ま
た、ディスク表面を粗面化する替わりに、磁気ヘッドの
スライダー面を研磨又はケミカルエッチングにより粗面
化することも提案されている。
【0008】なお、通常は、磁気ヘッドと記録媒体との
間の摩擦係数を低減するために、記録媒体の表面にフロ
ロカーボン系の潤滑剤が塗布されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
磁気ヘッドには以下に示す問題点がある。即ち、磁気ヘ
ッドが高速で回転する記録媒体に接触すると、ヘッドの
記録媒体に接触した部分は瞬間的に 500℃以上の高温に
なる。従来のコンポジット磁気ヘッドは、スライダー部
にフェライト、CaO、アルミナ及びアルチック等のセ
ラミックス材料が使用されているが、これらのセラミッ
クス材料は高温において脆いという性質があるため、記
録媒体との接触時にスライダー材料がヘッドから脱落
し、微小なダストとなってヘッドスライダー面及び記録
媒体表面に蓄積されることがある。そうすると、ヘッド
浮上特性の安定性が阻害され、ヘッドクラッシュの要因
になる。
【0010】また、記録密度を向上させるためには、記
録媒体と磁気ヘッドの磁界発生及び検出部分との間の距
離を可及的に低減することが好ましい。このため、磁気
ヘッドと記録媒体との間の距離は1000Å以下に設定され
ることも考えられる。この場合に、記録媒体表面に高さ
が数10乃至数100 Åの突起が設けられていると、磁気ヘ
ッドと記録媒体の磁性膜との間の距離が変動するため、
再生信号のノイズの原因になる。
【0011】一方、磁気ヘッドのスライダー面を研磨し
て粗面化しようとすると、コアのギャップ部分がスライ
ダー面と同様に粗面化されてしまうため、磁気ヘッドか
ら出力される記録磁界が不均一になる。従って、磁気ヘ
ッドのスライダー面を研磨により粗面化することは好ま
しくない。
【0012】また、磁気ヘッドのスライダー面にエッチ
ングにより凹凸を形成しようとすると、以下に示す問題
点がある。即ち、アルチック、フェライト及びCaO等
が物理化学的に安定な材料であるため、スライダーをエ
ッチングするためには、フッ素又は塩素を含んだエッチ
ング液又はエッチングガスを使用する必要がある。しか
し、これらのエッチング物質により、スライダー面に露
出したフェライトのコアがエッチングされてしまう。こ
れにより、磁気回路の磁気特性が劣化する。
【0013】なお、特開昭59-144019 号に開示された薄
膜磁気ヘッドは、ヘッド表面の平滑性を向上させると共
に、ヘッドと記録媒体との接触によって記録媒体表面に
疵が付くことを回避するものであり、ヘッドの浮上特性
を向上させるものではない。このため、カーボン材料の
密度が比較的低い(見かけ密度で 1.4乃至1.5 g/cm3
程度)必要があり、スライダー部の摩耗が激しく、ヘッ
ド浮上が不安定になりやすいと共に、摩耗粉によるヘッ
ドクラッシュの虞れもある。
【0014】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、ヘッド浮上特性が優れていると共に、その
製造工程において磁気回路の磁気特性を劣化させること
がなく、従来に比してより一層の高密度記録が可能な磁
気ディスク装置用磁気ヘッドを提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気ディス
ク装置用磁気ヘッドは、スライダーが設けられた磁気デ
ィスク装置用磁気ヘッドにおいて、前記スライダーは、
見かけ密度が1.70g/cm3 以上の非晶質炭素材料により
構成されており、記録媒体に対向する面の表面粗さRa
が30乃至500 Åに設定されていることを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明においては、見かけ密度が1.70g/cm3
以上である緻密な非晶質炭素材料によりスライダーが構
成されていると共に、このスライダーの記録媒体に対向
する面の表面粗さRaが30乃至500 Åに設定されてい
る。これにより、記録媒体に摺動する際の磁気ヘッドの
摩耗を低減することができる。また、磁気ヘッドが高速
で回転する記録媒体に接触してヘッドが部分的に高温に
なると、この高温部分は空気中の酸素と反応してCO2
ガスとなるため、磁気ヘッドのスライダー面及び記録媒
体表面にダストが蓄積されることを回避できる。更に、
磁気ヘッドの記録媒体に対する静摩擦係数を低減でき、
スティクションに起因するヘッドクラッシュを回避する
ことができる。更にまた、ヘッド側に凹凸が設けられて
いるため、記録媒体表面にテクスチャー処理を施さなく
ても良好なヘッド浮上特性を得ることができる。これに
より、ヘッド浮上時のヘッドと記録媒体との距離の変動
を抑制できて、再生ノイズを低減することができる。更
にまた、スライダーが非晶質炭素材料により構成されて
いるため、例えば、酸素又は水素を含有する雰囲気にお
いて熱処理を施すことにより、その表面を容易に粗面化
することができる。この場合に、磁気回路を構成するコ
ア、コイル及び絶縁膜等がエッチングされないため、凹
凸形成に起因するコアの先端形状及び磁気特性等の劣化
を回避できる。
【0017】なお、スライダーを構成する非晶質炭素材
料は、コア及びコイル等の薄膜堆積面の表面精度を得る
ためにも、見かけ密度が1.70g/cm3 以上であることが
必要である。
【0018】また、スライダーの記録媒体に対向する面
の表面粗さRaが30Å未満の場合は、十分なヘッド浮上
特性を得ることができない。一方、スライダーの記録媒
体に対向する面の表面粗さRaが500 Åを超えると、ヘ
ッド浮上特性が不安定になりやすい。従って、スライダ
ーの記録媒体に対向する面の表面粗さRaは30乃至500
Åであることが必要である。
【0019】更に、スライダーの記録媒体に対向する面
に親水性処理を施すことにより、記録媒体に塗布された
液体潤滑剤にスライダーが濡れにくくなる。これによ
り、ヘッドが記録媒体に摺動する際のヘッドの摩耗をよ
り一層低減することができる。
【0020】更にまた、スライダーの記録媒体に対向す
る面に疎水性処理を施すことにより、スライダー面に例
えばフロロカーボン系の液体潤滑剤を塗布することが可
能になる。これにより、記録媒体に液体潤滑剤を塗布す
る必要がなくなり、記録媒体への埃の付着を低減するこ
とができる。
【0021】
【実施例】次に、本発明の実施例について添付の図面を
参照して説明する。
【0022】図1は本発明を薄膜磁気ヘッドに適用した
第1の実施例を示す斜視図、図2は同じくその磁気ヘッ
ド部分を示す部分拡大図である。
【0023】このヘッド1は、非晶質炭素材料により成
形されており、記録媒体側の面の幅方向の両端部には、
スライダー2が設けられている。このスライダー2の記
録媒体に対向する面(以下、エアーベアリング面とい
う)の表面粗さRaは30乃至500 Åに設定されている。
そして、このスライダー2の端部にコイル3及びコア4
等がパターン形成されている。このコイル3には、引出
端子5を介して、電流が供給されるようになっている。
このヘッド1は、ジンバルスプリング(図示せず)によ
りディスク(記録媒体)に向けて付勢され、ディスク回
転による動圧とつり合ってディスク面から若干浮上す
る。
【0024】本実施例においては、見かけ密度が1.70g
/cm3 以上の非晶質炭素材料によりスライダーが構成さ
れているから、磁気ヘッドの記録媒体に対する静摩擦係
数が小さい。このため、スティクションに起因するヘッ
ドクラッシュを回避することができる。また、エアーベ
アリング面の表面粗さRaが30乃至500 Åであるから、
記録媒体表面にテクスチャー処理を施す必要がなくな
り、ヘッド浮上時のヘッドと記録媒体との間の距離変動
を抑制できて、再生ノイズを低減できる。この場合に、
このヘッドは非晶質炭素材料により構成されているた
め、例えば酸素雰囲気中で加熱処理を施すことによりエ
ッチングできて、凹凸を容易に形成することができる。
このエッチングにおいては、コア及びコイル等はエッチ
ングされないため、エッチングによるヘッドの磁気特性
の劣化を回避できる。
【0025】また、純酸素雰囲気中でRF(高周波)放
電プラズマに曝すことにより、スライダーをエッチング
してその表面に凹凸を形成できると共に、スライダー表
面が親水性を有するようになる。これにより、例えばフ
ロロカーボン系の液体潤滑剤が塗布された記録媒体に対
するヘッドの摩擦係数をより一層低減できる。
【0026】更に、水素雰囲気中でRF放電プラズマに
曝すことにより、スライダーをエッチングして凹凸を形
成できると共に、スライダー表面が疎水性を有するよう
になる。このスライダーに、例えば、フロロカーボン系
の液体潤滑剤を塗布することにより、記録媒体に潤滑剤
を塗布する必要がなくなり、記録媒体へのダストの付着
を抑制することができる。
【0027】次に、本実施例に係る薄膜磁気ヘッドを実
際に製造し、その特性を調べた結果について説明する。
【0028】実施例1 図1に示す構造の薄膜磁気ヘッドを製造した。即ち、先
ず、炭化焼成後にガラス質炭素となる熱硬化性樹脂のフ
ェノール・フォルムアルデヒド樹脂を角形板状にホット
プレス成形した後、これをN2 ガス雰囲気中で1500℃に
加熱して、予備焼成した。その後、熱間静水圧加圧(H
IP)装置を使用して、この予備焼成品を2600℃に加熱
しつつ、1800気圧の等方的圧力を印加して成形品を得
た。この成形品を端面加工及び表面鏡面研磨して、所定
の形状の薄膜磁気ヘッド用基板を得た。
【0029】この基板の表面上に、スパッタリングによ
る成膜と、イオンミリングによるパターニングを繰り返
して、パーマロイ製コア、層間絶縁膜(SiO2 )及び
銅製コイル等を形成した。
【0030】次に、基板上の薄膜磁気ヘッドパターンを
スライシングマシンにより切り出し、スライダー面及び
テーパー面を研磨して、テーパーフラット型のスライダ
ー形状に加工した。
【0031】次いで、ヘッドを酸素雰囲気中において 4
00℃の温度で1時間熱処理することにより、スライダー
面をエッチングした。このエッチング処理において、カ
ーボン表面の研磨時に歪みを生じた部分のエッチング速
度が速いことを利用して、表面粗さRaを 100Åに増大
させた。なお、本実施例に係る磁気ヘッドのスライダー
の見かけ比重は1.80g/cm3であった。
【0032】このようにして製造した薄膜磁気ヘッドの
仕様を下記表1に示す。この薄膜磁気ヘッドを、テクス
チャーを施していない薄膜ハードディスク上に配置し、
15gの荷重を印加しつつ24時間接触させた後、ディスク
を回転させて、静摩擦係数を測定した。その結果、静摩
擦係数は 0.3であった。なお、ディスクの仕様を下記表
2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】この磁気ヘッドのスライダーエッチング処
理前及びエッチング処理後のヘッドのコア及びギャップ
部分を走査電子顕微鏡で観察した。その結果、両者に差
異はみられなかった。
【0036】また、スライダーエッチング処理前及びエ
ッチング処理後の磁気ヘッドを使用し、この磁気ヘッド
と記録媒体との相対速度を10m/秒、ヘッド浮上高さを
0.1μmとして、記録再生試験を実施した。その結果、
両者の再生出力特性は実質的に同一であった。
【0037】比較例1 比較例として、カーボン及びアルチックにより基板を製
造し、スライダー表面の粗さが20Åの薄膜磁気ヘッドを
製造した。そして、これらの磁気ヘッドに対し、実施例
1と同様の試験を実施した。その結果、カーボンからな
る磁気ヘッドの静摩擦係数は0.8 、アルチックからなる
磁気ヘッドの静摩擦係数は0.7 と大きいものであった。
【0038】実施例2 スライダー研磨まで実施例1と同様にして加工したヘッ
ドを、純酸素雰囲気(圧力;1Torr)中でのRF放電プ
ラズマに室温で5分間曝して、その表面粗さRaを 100
Åとした。
【0039】実施例1と同様の方法でこのヘッドの静摩
擦係数を測定したところ、0.15乃至0.2 と極めて良好で
あった。
【0040】この磁気ヘッドのスライダー表面の純水に
対する接触角を測定した。その結果、スライダー表面の
接触角は45°以下であり、極めて強い親水性を示した。
なお、実施例1の磁気ヘッドのスライダー表面の接触角
を測定したところ、約60°であった。また、実施例1の
磁気ヘッドのエッチング処理前のスライダー表面の接触
角は90乃至 100°であった。このことから、本実施例に
係る磁気ヘッドは、スライダー面の親水性が強いため、
記録媒体表面に塗布されているフロロカーボン系液体潤
滑剤に濡れにくく、これにより静摩擦係数が低いことが
明らかである。
【0041】実施例3 スライダー研磨まで実施例1と同様にして加工したヘッ
ドを、純水素雰囲気(圧力;1Torr)中でのRF放電プ
ラズマに室温で20分間曝して、表面粗さRaを150Åと
した。この磁気ヘッドのスライダー表面の純水に対する
接触角は約 120°である。
【0042】このヘッドのスライダー面にフロロカーボ
ン系の液体潤滑剤を塗布し、記録媒体表面に潤滑剤を塗
布した記録媒体及び塗布しない記録媒体を用いて、実施
例1と同様の方法で静摩擦係数を測定した。その結果、
潤滑剤を塗布した記録媒体に対する摩擦係数は0.8 であ
り、潤滑材を塗布していない記録媒体に対する摩擦係数
は0.3 であった。
【0043】これにより、スライダー表面を疎水性にし
て潤滑剤を塗布することにより、記録媒体表面に潤滑剤
を塗布しなくてもよいことが明らかである。
【0044】図3は本発明をコンポジット磁気ヘッドに
適用した第2の実施例を示す斜視図である。
【0045】このヘッド11は、非晶質炭素材料により
成形されており、記録媒体側の面の幅方向の両端部に
は、スライダー12が設けられている。そして、一方の
スライダー12にはフェライトコア13が埋め込まれて
いる。このヘッド11は、ジンバルスプリング(図示せ
ず)によりディスクに向けて付勢され、ディスク回転に
よる動圧とつり合ってディスク面から若干浮上する。
【0046】本実施例においても、見かけ密度が1.70g
/cm3 以上の非晶質炭素材料によりスライダーが形成さ
れおり、このスライダーのエアーベアリング面の表面粗
さRaが30乃至500 Åに設定されているから、第1の実
施例と同様の効果を得ることができる。
【0047】次に、本実施例に係るコンポジット磁気ヘ
ッドを実際に製造し、その特性を調べた結果について説
明する。
【0048】実施例4 先ず、炭化焼成後にガラス質炭素となる熱硬化性樹脂で
あるフェノール・フォルムアルデヒド樹脂を角形板状に
ホットプレス整形成形したした後、これをN2ガス雰囲
気中で1500℃に加熱して予備焼成した。次いで、熱間静
水圧加圧装置を使用して、この予備焼成品を2600℃に加
熱しつつ、1800気圧の等方的圧力を印加して、成形品を
得た。その後、この成形品を端面加工及び表面研磨して
基板とし、この基板からスライシングマシンにより所定
の形状の部材を切り出し、スライダー面及びテーパー面
を研磨して、テーパーフラット型のスライダー形状のヘ
ッドを得た。このヘッドのスライダー部の見かけ比重は
1.80g/cm3 であり、エアーベアリング面の表面粗さR
aは15Åであった。
【0049】この磁気ヘッドにジンバルスプリングを取
り付け、液体潤滑剤を塗布した記録媒体との一定速度で
の摺動試験を行なった。図4は、横軸にヘッド走行距離
をとり、縦軸に動摩擦係数をとって、このときの動作摩
擦係数の変化を示すグラフ図である。なお、この図4に
は比較例としてCaOからなるスライダーを備えた磁気
ヘッドの動摩擦係数の変化も併せて示した。この図4か
ら明らかなように、カーボンをスライダーとすることに
より、動摩擦係数の低減を図ることができる。
【0050】また、同様の記録媒体を使用して、コンタ
クト・スタート・ストップ(CSS)テストを20000 サ
イクル実施した。その結果、ヘッドクラッシュは発生し
なかった。
【0051】実施例5 実施例4と同様にして製造したヘッドを、酸素雰囲気中
において、 400℃の温度で1時間熱処理することによ
り、スライダー表面をエッチングした。このエッチング
処理において、カーボン表面の研磨時に歪みを生じた部
分のエッチング速度が速いことを利用して、スライダー
表面の表面粗さRaを 100Åに増大した。
【0052】このようにして製造したコンポジット型磁
気ヘッドの仕様を下記表3に示す。そして、この磁気ヘ
ッドを、テクスチャーを施していない薄膜ハードディス
ク上に配置し、15gの荷重を印加しつつ24時間接触させ
た後、ディスクを回転させて静摩擦係数を測定した。そ
の結果、静摩擦係数は0.3 であった。なお、ディスクの
仕様を下記表4に示す。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】この磁気ヘッドのスライダーエッチング処
理前及びエッチング処理後のヘッドのコア及びギャップ
部分を走査電子顕微鏡で観察した。その結果、両者に差
異はみられなかった。
【0056】また、スライダーエッチング処理前及びエ
ッチング処理後の磁気ヘッドを使用し、この磁気ヘッド
と記録媒体との相対速度を10m/秒、ヘッド浮上高さを
0.1μmとして、記録再生試験を行なった。その結果、
両者の再生出力特性は実質的に同一であった。
【0057】比較例2 比較例として、カーボン及びアルチックにより基板を製
造し、スライダー表面の粗さが20Åのコンポジット磁気
ヘッドを製造した。そして、これらの磁気ヘッドに対
し、実施例4と同様の試験を実施した。その結果、カー
ボンからなる磁気ヘッドの静摩擦係数は0.8 、アルチッ
クからなる磁気ヘッドの静摩擦係数は0.7と大きいもの
であった。
【0058】実施例6 スライダー研磨まで実施例4と同様にして加工したヘッ
ドを、純酸素雰囲気(圧力;1Torr)中でのRF放電プ
ラズマに室温で5分間曝して、その表面粗さRaを 100
Åとした。
【0059】実施例4と同様の方法でこのヘッドの静摩
擦係数を測定ところ、0.15乃至0.2と極めて良好であっ
た。
【0060】この磁気ヘッドのスライダー表面の純水に
対する接触角を測定した。その結果、スライダー表面の
接触角は45°以下であり、極めて強い親水性を示した。
なお、実施例4の磁気ヘッドのスライダー表面の接触角
を測定したところ、約60°であった。また、実施例4の
磁気ヘッドのエッチング処理前のスライダー表面の接触
角は90乃至 100°であった。このことから、本実施例に
係る磁気ヘッドは、スライダー面の親水性が強いため、
記録媒体表面に塗布されているフロロカーボン系液体潤
滑剤に濡れにくく、これにより静摩擦係数が低いことが
明らかである。
【0061】実施例7 スライダー研磨まで実施例4と同様にして加工したヘッ
ドを、純水素雰囲気(圧力;1Torr)中でのRF放電プ
ラズマに室温で20分間曝して、表面粗さRaを150Åと
した。この磁気ヘッドのスライダー表面の純粋に対する
接触角は約 120°である。
【0062】このヘッドのスライダー面にフロロカーボ
ン系の液体潤滑剤を塗布し、記録媒体表面に潤滑剤を塗
布した記録媒体及び塗布しない記録媒体を使用して、実
施例4と同様の方法で静摩擦係数を測定した。その結
果、潤滑剤を塗布した記録媒体に対する摩擦係数は0.8
であり、潤滑剤を塗布していない記録媒体に対する摩擦
係数は0.3 であった。
【0063】これにより、スライダー表面を疎水性にし
て潤滑剤を塗布することにより、記録媒体表面に潤滑剤
を塗布しなくてもよいことが明らかである。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る磁気デ
ィスク装置用磁気ヘッドにおいては、見かけ密度が1.70
g/cm3 以上の非晶質炭素材料によりスライダーが構成
されており、このスライダーの記録媒体に対向する面の
表面粗さRaを30乃至500 Åとしたから、ヘッド浮上特
性が優れていると共に、ヘッドからダストが発生するこ
とを回避できる。また、媒体表面にテクスチャー処理を
施す必要がなくなり、従来に比してより一層の高密度記
録が可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を薄膜磁気ヘッドに適用した第1の実施
例を示す斜視図である。
【図2】同じくその磁気ヘッド部分を示す部分拡大図で
ある。
【図3】本発明をコンポジット磁気ヘッドに適用した第
2の実施例を示す斜視図である。
【図4】同じくその摺動試験における動摩擦係数の変化
を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1,11;磁気ヘッド 2,12;スライダー 3;コイル 4,13;コア 5;引出端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 貴之 兵庫県神戸市西区美賀多台1丁目4−1 (72)発明者 真鍋 伸一 兵庫県神戸市北区西山1−6−13 (72)発明者 村松 一生 兵庫県神戸市東灘区北青木2丁目10−6 W6911

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スライダーが設けられた磁気ディスク装
    置用磁気ヘッドにおいて、前記スライダーは、見かけ密
    度が1.70g/cm3 以上の非晶質炭素材料により構成され
    ており、記録媒体に対向する面の表面粗さRaが30乃至
    500 Åに設定されていることを特徴とする磁気ディスク
    装置用磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記スライダーの前記記録媒体に対向す
    る面には親水性処理が施されていることを特徴とする請
    求項1に記載の磁気ディスク装置用磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記スライダーの前記記録媒体に対向す
    る面には疎水性処理が施されていることを特徴とする請
    求項1に記載の磁気ディスク装置用磁気ヘッド。
JP22654791A 1991-08-12 1991-08-12 磁気デイスク装置用磁気ヘツド Pending JPH0546964A (ja)

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JP2007280560A (ja) * 2006-04-11 2007-10-25 Shinka Jitsugyo Kk スライダおよびスライダの製造方法

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