JPH05159285A - 磁気記録媒体及び製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及び製造方法

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JPH05159285A
JPH05159285A JP32553691A JP32553691A JPH05159285A JP H05159285 A JPH05159285 A JP H05159285A JP 32553691 A JP32553691 A JP 32553691A JP 32553691 A JP32553691 A JP 32553691A JP H05159285 A JPH05159285 A JP H05159285A
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JP
Japan
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magnetic
substrate
magnetic disk
recording medium
protective film
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Application number
JP32553691A
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Inventor
Kenichi Gomi
憲一 五味
Hideaki Tanaka
秀明 田中
Yoichi Inoue
陽一 井上
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】長期にわたる摺動信頼性及びヘッドの浮上安定
性を確保し、高記録密度を達成できる磁気ディスク及び
その製造方法を得る。 【構成】基板1への磁性膜等の成膜工程,保護膜表面へ
の凹凸形成工程,イオン注入工程、および潤滑剤塗布工
程を連続的に行い、保護膜4の表面に、イオン注入によ
り強度の高く,配置及び大きさを規定された均一な高さ
の丘を形成した磁気ディスクを連続的に製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気ディスク装置に用い
られる磁気記録媒体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年コンピュータシステムの外部記憶装
置としての磁気ディスク装置の重要度は益々高まり、そ
の記録密度は年々著しい向上が図られている。このよう
な高記録密度化に対応する磁気ディスクとして、従来の
磁性粉とバインダを混練した磁性塗料を基板上に塗布し
た塗布型媒体に代り、磁性薄膜を用いた薄膜磁気ディス
クが急増している。
【0003】磁気記録装置は、磁気ディスクと記録再生
磁気ヘッド(以下、単にヘッドと称する)、磁気ディス
クの回転制御機構,ヘッドの位置決め機構及び記録再生
信号の処理回路を主構成要素としている。その一般的な
記録再生方法は、操作開始前にはヘッドと磁気ディスク
が接触状態であるが、磁気ディスクを回転させることに
よりヘッドと磁気ディスクの間に微少空間を作り、この
状態で記録再生を行なう。操作終了時には磁気ディスク
の回転が止まり、ヘッドと磁気ディスクは再び接触状態
となる。(コンタクト・スタート・ストップ方式、以下
CSS方式と称する)磁気記録装置の記録密度を向上さ
せるためには、記録再生時のヘッドの浮上量は小さいほ
ど良く、その際のヘッドの浮上安定性を確保するため
に、磁気ディスクの表面はできるだけ平坦であることが
要求される。
【0004】ところで、装置の起動時及び停止時にヘッ
ドと磁気ディスクの間に生ずる摩擦力は、両者の摩耗を
引き起こし、特性劣化の原因となる。さらに、磁気ディ
スクが静止している状態でヘッドと磁気ディスクの間に
水分等が介在すると、両者が強固に吸着し、この状態で
起動するとヘッドと磁気ディスクの間に大きな力が生
じ、ヘッドや磁気ディスクの損傷を招く恐れがある。こ
の様な摩擦力や吸着力は、磁気ディスクの表面が平坦で
あるほど大きくなる傾向があり、前述の記録密度の向上
に伴うヘッドの浮上安定性に対する要求と相反する。
【0005】このような摩擦力や吸着力を低減するため
に、保護膜表面に微小凹凸を形成する方法が従来より提
案されている。一例として、特開昭55−84045 号公報に
は、表面粗さ20−50nmの保護膜を形成した磁気デ
ィスクが示されている。特開昭56−22221 号公報には、
保護膜をスパッタ法で形成する際に、メッシュ状の遮蔽
板を介することにより、凹凸を持った保護膜を形成する
方法が示されている。特開昭57−20925 号公報には、保
護膜の表面に微小突起を形成した磁気ディスクが示され
ている。特開昭58−53026 号公報には、保護膜を形成し
た磁気ディスクの表面に、気体イオンを照射して保護膜
の表面に凹凸を形成する方法が示されている。特開昭62
−22241 号公報には、保護膜を形成した磁気ディスクの
表面に、研磨,ウェットエッチ又はドライエッチにより
保護膜の膜厚を超えない範囲の凹凸を形成する方法が示
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、い
ずれも磁気ディスクと磁気ヘッドとの間に生じる摩擦力
や吸着力の低減を目的としているが、ヘッドの浮上量が
小さく、ヘッドと磁気記録媒体がほとんど接触している
ような高記録密度の磁気ディスク装置において、長期に
わたる摺動信頼性を維持するには不十分である。
【0007】本発明の目的は、長期にわたる摺動信頼性
を持続できるようにした磁気ディスクの製造法、その方
法で製造した磁気ディスク、及びそれを用いて構成され
る磁気ディスク装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は次に示す構造の磁気ディスク及びその製造
法を提供する。基板上に少なくとも磁性膜と保護膜を有
する磁気記録媒体の製造方法において、少なくとも下記
の要素から構成される工程を用いることを特徴とする磁
気記録媒体の製造方法及びその方法で製造した磁気記録
媒体を提供する。 (イ)非磁性基板に少なくとも磁性層と保護層を積層さ
せる成膜工程、(ロ)(イ)で製造した基板面に微小凹
凸を形成させる工程、(ハ)前記基板面にイオン注入す
る工程 本発明は、この一連の工程により、磁気ディスクの保護
膜表面に多数の丘を形成することができ、さらに、保護
層表面及び保護層内部に、例えば、窒素原子をイオン注
入することにより、磁気ヘッドの浮上量が小さい高記録
密度磁気ディスク装置において、長期にわたる摺動信頼
性及びヘッドの浮上安定性を持続できる磁気ディスクが
連続的、かつ、経済的に製造可能であるという知見に基
づいている。
【0009】上記の(イ)では通常の成膜装置、例え
ば、スパッタリング装置を工業的に用いることができ
る。(ロ)では一例として、微小粒子として、例えば、
平均粒子径5〜10μmの粒子を用い、それを適当な溶
媒に分散させたスラリを、必要であれば適当なガス流に
より、ノズルを介して噴霧し、また必要であれば微小粒
子に静電気を付与させて磁気ディスク面に付着させるこ
とができる。微小粒子を付着させた磁気デイスクを連続
的にエッチング工程に搬送し、物理的及び/あるいは化
学的にエッチングする。エッチング工程では、例えば、
アルゴン、またはアルゴンと酸素の混合ガスのプラズマ
中で、微小粒子をマスクとして磁気ディスクの保護膜面
がエッチングされ、保護膜面に微小凹凸が形成される。
保護膜材料として、例えば、カーボン系保護膜(スパッ
タ法で形成したC膜,プラズマCVD法で形成したダイ
ヤモンドライクC膜等)を用いた場合、エッチング過程
で、C保護膜表面に非常に活性な面が形成されることを
見出した。
【0010】(ロ)の工程の他の形成方法は、(イ)の
工程を経た基板表面にレジストをスピンコートした後、
フォトマスクを介して所望のパターンを形成し、現像,
エッチング,レジスト剥離等の通常のフォトリソ法によ
り、保護層表面に所望のパターンの微小凹凸を形成する
ことができる。
【0011】次に、(ハ)の工程でイオンビームを上記
磁気記録媒体面に照射した後、必要であれば、磁気記録
媒体面に潤滑剤を塗布し、耐摺動信頼性の高い磁気記録
媒体を得ることができる。
【0012】
【作用】以上のように本発明によれば、基板への磁性
膜,保護膜等の成膜後、保護膜表面に多数の丘を形成
し、さらに保護層表面にイオン注入することにより、保
護層の高強度化,保護層表面の化学的安定化が図れ、さ
らに、潤滑剤の付着強度が増加する効果が得られる。す
なわち、本発明では磁気ディスク表面に形成した多数の
丘による粘着防止,ヘッドクリーニング効果と共に、保
護膜表面にイオン注入することによる保護膜の高強度
化,耐食性の向上,潤滑剤付着性の向上により、極めて
信頼性の高い磁気ディスクが得られる。そのため、磁気
ヘッドと記録媒体間のスペーシングを0.1μm以下、
さらに、0.05μmオーダにしても摺動信頼性が高
く、記録密度が300Mb/in2 以上の高記録密度の
磁気記録装置を工業的に製造することができる。
【0013】また、本発明によれば、磁気記録媒体表面
に強度の高い微小凹凸を形成しているため、磁気記録装
置内の不純物(不純物ガス,微小固体塵埃等)に対して
も摺動信頼性が高く、ヘッドの浮上量が0.1μm以
下、さらに0.05μmオーダで、記録密度が300M
b/in2 以上の信頼性の高い磁気記録装置を製造する
ことができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明する。
【0015】図1は本発明の一実施例の磁気ディスクの
製造方法の概略図を示す。次に、本発明の一実施例の磁
気ディスクの製造方法について説明する。磁気ディスク
の基板1は、アルミニウム合金円板上にNiP,アルマ
イト等の硬質下地膜を形成したもの、ガラス,セラミッ
クス及び硬質プラスチック円板等をそのまま又は表面に
下地膜2を形成したもの等が好ましい。この基板は適当
な前処理(必要であれば、洗浄,テクチャ形成等)工程
を経た後、磁性膜等の成膜工程で中間膜(図示せず)、
磁性膜3及び保護膜4が形成される。磁性膜3の材料と
しては、飽和磁束密度及び保磁力の高い材料が好まし
く、一例としてはCoNi合金,CoCr合金、及びこ
れらにZr,Ta,Pt等一種以上の他の金属元素を添
加したものが特に好ましい。中間膜の材料は磁性膜の結
晶配向性を促進しうるものが望ましく、例えば、磁性膜
3がCo系合金の場合には、CrおよびCrに少なくと
も一種以上の他の元素を添加したものが特に好ましい。
磁性膜3の表面には保護膜4が形成され、その表面には
この方法により多数の丘が形成される。ここで保護膜4
は、スパッタ法やCVD法で形成したC膜,SiO2
金属炭化物,金属窒化物,金属酸化物,金属硼化物等が
用いられる。生産性と摺動耐久性の観点からはC系の膜
が特に望ましい。ここで、C系の膜の種類は、スパッタ
法で形成した膜、これは、アルゴン中、あるいは、アル
ゴンに水素、またはメタンを添加したガス、または、窒
素中でスパッタして形成した膜等、プラズマCVD法で
形成した膜(いわゆる、ダイヤモンドライクC膜)、さ
らに、形成した膜表面をイオン注入等で改質した膜等、
いずれも本発明では同等の効果が期待できる。
【0016】保護膜4まで形成した基板は、保護膜表面
の凹凸形成工程2で、保護膜表面に微小凹凸を形成させ
る。ここで、保護膜4表面に微小凹凸を形成する方法と
して、固体微粒子をマスクとする方法について説明す
る。
【0017】本発明で、固体粒子を保護膜4表面に分散
付着させる方法は、固体粒子を適当な液体中に分散させ
た懸濁液を用い、スピン塗布法やスプレー塗布法あるい
はガス流と共に噴霧する方法により保護膜4表面に微粒
子を分散付着させることができる。ここで用いられる液
体は、蒸発残渣の生じないものが望ましく、例えば純水
や高純度のフッ素系溶剤,有機溶剤等を用いることがで
きる。本発明では固体粒子の付着方法において、懸濁液
中の固体粒子の密度や付着時の条件を適当に選択するこ
とにより、保護膜表面に付着させる固体粒子の密度を任
意に制御できる。また、その際に固体粒子に適当な荷電
を与えて、保護膜表面への付着効率を高めても良い。
【0018】本発明で用いられる固体粒子の材料は以下
の条件を満たす必要がある。
【0019】1)上記の懸濁液を用いて保護膜表面に分
散付着させる場合、固体粒子を液体中に分散させた場合
に、溶解あるいは溶出のないこと。
【0020】2)上記のエッチング工程によって分解,
変質しにくいこと。
【0021】3)エッチング後に保護膜表面から容易に
除去しうること。
【0022】1)の特性は、液体の蒸発後に不要な残渣
を生じさせないために必要である。2)の特性は、固体
粒子がエッチング時のマスク剤として作用するため、エ
ッチングによって固体粒子の分解あるいは変質生成物が
保護膜表面に不必要に付着するのを防止するのに必要で
ある。
【0023】発明者らはこのような条件を満たす材料を
種々探索した結果、少なくともフッ素と炭素を含有する
材料またはフッ素樹脂が特に望ましいことを見出した。
具体例をあげれば、ポリテトラフルオロエチレンやポリ
クロロトリフルオロエチレン,テトラフルオロエチレン
とパーフルオロビニルエーテルの共重合体,フッ化グラ
ファイト等及びそれらの誘導体等が特に好適である。こ
れらの材料は、化学的に極めて安定であり優れた耐薬品
性,耐プラズマ性をもつため、上記の1)及び2)の条件
に適合する。さらにこの材料は表面エネルギが極めて低
いために、他の固体表面への付着力が小さく、簡単な洗
浄等により容易に除去しうるため、上記の3)の条件に
も適合し、望ましい。ただし、本発明は固体粒子材料に
限定されるものではなく、上記以外の材料でも、懸濁液
を作製するために選択された液体及び丘を形成するため
に選択されたエッチング方法に対して、上記1)及び
2)の条件を満たし、かつ上記3)に条件を満たす有機
物及び無機物の中から選択しても良い。
【0024】本発明で用いられる固体粒子の大きさは、
保護膜の表面に形成される丘の大きさとエッチング方法
に応じて選択する必要がある。逆スパッタやイオンビー
ムエッチングのように方向性があるエッチング方法の場
合には、丘の大きさは固体粒子の大きさとほぼ同様にな
り、所望の丘の大きさの範囲とほぼ同じ大きさの範囲の
固体粒子を用いれば良いため、丘の大きさの制御がより
容易となりより望ましい。エッチング方法がプラズマエ
ッチングや湿式エッチングのように、固体粒子の裏側に
も周り込みやすい方向性のないエッチング方法を用いた
場合には、固体粒子の大きさはエッチングの周り込みを
考慮して丘の大きさより大きくする必要がある。ただし
発明者らの検討結果では、固体粒子の大きさが小さくな
ると粒子同士が凝集しやすくなり、保護膜表面に均一に
分散付着させにくくなり、また磁気デイスク面に付着後
に保護膜表面から除去しにくくなるため、望ましくはこ
こで用いられる固体粒子の最小粒径は0.1μm以上、
より望ましくは0.2μm以上、さらに望ましくは0.5
μm 以上の大きさであることが望ましい。用いられる
固体粒子の大きさの上限は、形成されるべき丘の大きさ
の上限で規定されるが、最大粒径は30μm以下が望ま
しい。より望ましくは最大粒径は25μm以下が好まし
い。粒径が大きすぎると保護膜表面に分散付着させた後
で、わずかの衝撃によって容易に脱落しやすくなるため
取扱いの容易さの面から望ましくない。このように用い
られる固体粒子の大きさ及び付着方法によって、保護膜
4の表面に形成される丘の大きさ及び間隔を制御でき
る。これにより、磁気ディスク表面の単位面積当りの丘
の個数及び総面積比率を、精度良く形成することができ
る。微小粒子を付着させた基板を、次にエッチング工程
で保護膜4表面をエッチングする。
【0025】ここで用いられるエッチング方法はイオン
ビームエッチングや逆スパッタ,プラズマエッチング等
のドライエッチングやエッチング液を用いた湿式エッチ
ング等の中から、保護膜の材料によって選択することが
できる。ここでエッチング方法は、形成される丘の高さ
をほぼ一定とするため、固体粒子が付着していない部分
での保護膜のエッチング速度が、磁気ディスクの面内で
ほぼ一定となるような均一なエッチング法を選択するこ
とが望ましい。これにより磁気ディスクの保護膜の表面
に前記した所望の範囲でほぼ一定の高さを有する多数の
丘を精度良く形成することができる。
【0026】本発明では保護膜4上に付着した固体粒子
をマスク剤としてエッチングすることによって丘を形成
するため、用いるエッチング方法が方向性をもつかどう
かは重要である。例えば、プラズマエッチングや湿式エ
ッチングのように、固体粒子の裏側にも周り込みやすい
方向性のないエッチング方法を用いた場合には、形成さ
れる丘の大きさは固体粒子の大きさより小さくなるた
め、形成される丘の大きさの制御が難しくなる。一方、
イオンビームエッチングや逆スパッタのような方向性を
もったエッチング方法を用いた場合には、丘の大きさは
固体粒子の大きさとほぼ同様になるため、形成される丘
の大きさを付着させる固体粒子の大きさにより制御でき
るためより望ましい。方向性を持ったエッチング方法を
用いた場合、エッチング方向を磁気ディスク面に対して
ほぼ垂直とすることが望ましい。方向性の厳密さに関し
てはイオンビームエッチングが最も望ましいが、ある程
度の方向性があれば実用上は問題ないため、量産性の観
点からは逆スパッタ法がより望ましい。保護膜4として
C保護膜を用いた場合には酸素を含有した雰囲気中での
逆スパッタがより望ましい。このようにして丘を形成し
た場合、酸素の作用によってC膜の極表層が改質され、
この上に潤滑膜を形成する際の付着強度が向上する効果
もある。
【0027】プラズマを利用するエッチング方法は、ア
ルゴンと酸素の混合ガスあるいは酸素を用いるのが好ま
しいが、上記のガスに少なくとも炭素とハロゲンを含む
分子のガスを混合しても良い。例えば、炭素とフッ素を
含むガス中でエッチングした場合には、保護膜表面にフ
ッ素基を導入することができ、表面を疎水性に改質させ
ることができる。
【0028】上記の工程の後、保護層4へのイオン注入
工程で、保護層4にイオンビーム5を照射することによ
り、イオンを注入する。このイオンは、工業的に実施す
るには、特に窒素が好ましい。窒素以外に、水素,酸
素,フッ素等、あるいは金属元素も保護層の強度向上、
表面のエネルギを改善しうる元素であれば、当然、本発
明に含まれる。
【0029】上記の装置は、例えば、高周波放電型,FR
EEMAN 型イオン源を備えた装置を用いることができる。
加速電圧は5−20kv、電流密度0.01−0.3mA
/in2 、イオン注入時間20−60秒が代表例であ
る。
【0030】次に、基板は粒子除去工程で基板面に付着
している微粒子が除去される。基板面に付着している微
粒子の除去方法として好ましい手法の例は、ガスあるい
は液体の高速流体で基板表面の微粒子を飛散除去させる
方法がある。より好ましくは、フッ素系溶剤、あるいは
純水等の液体の高速流体で基板表面の微粒子を飛散除去
させる方法が適用できる。
【0031】このイオン注入工程は基板面に粒子が付着
したままでも良く、また、粒子除去工程の後に行っても
良い。工業的に連続して磁気ディスクを量産する場合の
装置構成は、エッチング工程とイオン注入工程を連続的
に行うのが好ましい。
【0032】また、保護膜の表面には必要に応じて、潤
滑剤塗布工程で潤滑膜が形成されて磁気ディスクが形成
される。潤滑膜はフッ素系の潤滑剤が望ましく、パーフ
ルオロポリエーテル系の潤滑剤が特に好ましい。潤滑剤
の膜厚は保護膜表面に形成される丘の高さより小さいこ
とが望ましい。潤滑膜の膜厚が丘の高さより大きくなる
と、上記した丘による浮上面の汚れ除去の効果が現われ
にくくなる。
【0033】本発明では、ヘッドの浮上面に付着する汚
れを除去するための多数の丘を保護膜の表面に形成する
ため、基板表面は実質的に平坦とすることができる。こ
れにより上に形成される磁性膜も平坦となるため、記録
再生時に磁性膜の凹凸による再生出力の変動を防止する
ことができ、優れた記録再生特性を有する磁気ディスク
を得ることができる。ただし、必要に応じて基板表面
に、磁性膜の配向性を制御することを目的に、保護膜表
面に形成する丘の高さよりも小さい範囲で極微小な凹
凸、例えば、円周方向の微小な溝等を形成する工程を入
れたものも本発明に含まれる。
【0034】本発明で表面に丘を形成した保護膜につい
て、丘の部分とそれ以外の部分で材料は均質であること
がより望ましい。これは丘の部分で他の部分と異なる材
質が存在する場合、ヘッドとの摺動時にその界面で剥離
が生じやすく、摺動耐久性が低下するためである。ただ
し 密着性の特に優れた適当な二種の材料が選択された
場合には、保護膜中に異なる材料が存在しても良い。例
えば、保護膜を形成する際にある選択されたエッチング
方法によってエッチングされない材料を下層に形成し、
エッチングされる材料を上層に形成してもよい。このよ
うにすれば、保護膜表面に上記の丘を形成するときのエ
ッチング処理によって、上層の保護膜のみがエッチング
されるため、上層の保護膜厚に対応した高さの丘が均一
に精度良く形成されるため、丘の高さの制御が容易であ
るという利点がある。
【0035】本発明では、ここまでCSS方式による磁
気ディスク装置用の磁気ディスクを主たる対象として述
べてきたが、上記した本発明の磁気ディスクの保護膜表
面に形成した多数の丘によるヘッド浮上面の汚れ除去効
果は、装置の停止時にヘッドと磁気ディスクを引き離す
機構を設けたロード・アンロード方式の磁気ディスク装
置及び記録再生時にヘッドが実質的に浮上しないコンタ
クト方式の磁気ディスク装置用の磁気ディスクに対して
も極めて有効である。
【0036】ロード・アンロード方式の磁気ディスク装
置の場合にも、CSS方式の磁気ディスク装置と同様
に、ヘッドの浮上面への汚れの付着は、長期にわたる浮
上安定性及び耐久性を損なう原因となるため、前述のよ
うな多数の丘を保護膜面に形成した本発明の磁気ディス
クを用いることにより、長期にわたるヘッドの浮上安定
性及び耐久性に優れた磁気ディスク装置を得ることがで
きる。
【0037】浮上面をもったヘッドを用い、ヘッドの浮
上量が0.01μm以上0.15μm以下で記録再生を行
なう、CSS方式及びロード・アンロード方式の磁気デ
ィスク装置において、ヘッドの浮上安定性を確保するに
は、浮上面の総面積内で,磁気ディスクの保護膜表面に
形成された丘の個数が50個/mm2 以上2.5×105
/mm2 以下,より望ましくは100個/mm2 以上1×1
5個/mm2以下、さらに望ましくは200個/mm2 以上
5×104個/mm2以下あることが好ましい。また、浮上
面の総面積に対する、磁気ディスクの保護膜表面に形成
された丘の総面積比率は、0.1% 以上60%以下が望
ましい。より望ましくは1%以上50%以下が好まし
い。さらに望ましくは2%以上40%以下が好ましい。
また任意の丘と他の最近接の丘との間隔の平均値は、ヘ
ッド浮上面の幅の平均値より小さいことが望ましく、よ
り望ましくは浮上面の平均幅の1/2以下、さらに望ま
しくは浮上面の平均幅の1/3以下であることが好まし
い。丘の個数や面積比率が少なすぎる場合、及び、間隔
が広すぎる場合、浮上面に汚れが付着しない場合でもヘ
ッドの浮上量変動が起こりやすくなるため望ましくな
い。
【0038】コンタクト方式の磁気ディスク装置では、
接触摺動によるヘッドまたは磁気ディスクの損傷防止が
最も重要である。多数の丘を形成した本発明の磁気ディ
スクを用いれば、ヘッドの摺動面に付着する汚れを速や
かに除去できるため、ヘッドと磁気ディスクの間に汚れ
が介在することによって発生するヘッドまたは磁気ディ
スクの損傷を防止でき、長期にわたる摺動信頼性に優れ
た磁気ディスク装置を得ることができる。ただし、コン
タクト方式の磁気ディスク装置では、ヘッドの浮上安定
性は考えなくて良いため、保護膜表面に形成する丘の高
さは必要に応じて前記した範囲を越えても良く、例え
ば、丘の高さの上限を60nmとしても良い。丘の高さ
を大きくすることにより、摺動による摩耗によって磁気
ディスクが損傷するのを防止しやすくなり、また摺動面
からかき落された汚れを丘の周囲に排除しやすくなる。
摺動面をもったヘッドを用いる、コンタクト方式の磁気
ディスク装置において、ヘッドの走行安定性を確保する
ためには、摺動面の総面積内で、磁気ディスクの保護膜
表面に形成された丘の個数が50個/mm2以上2.5×1
5個/mm2 以下、より望ましくは100個/mm2 以上
1×105個/mm2 以下、さらに望ましくは200個/m
m2 以上5×104個/mm2以下あることが好ましい。ま
た、この摺動面の総面積に対する、磁気ディスクの保護
膜表面に形成された丘の総面積比率は、0.1% 以上6
0%以下が望ましい。より望ましくは1%以上50%以
下が好ましい。さらに望ましくは2%以上40%以下が
好ましい。また、任意の丘と他の最近接の丘との間隔の
平均値は、ヘッド摺動面の幅の平均値より小さいことが
望ましく、より望ましくは摺動面の平均幅の1/2以
下、さらに望ましくは摺動面の平均幅の1/3以下であ
ることが好ましい。丘の個数や面積比率が少なすぎる場
合及び間隔が広すぎる場合、摺動面に汚れが付着しない
場合でもヘッドの走行安定性が損なわれやすくなるため
望ましくない。
【0039】図2は本発明の磁気ディスク装置の概略構
成を示す。磁気ディスク9は回転手段であるスピンドル
モータ16に取り付けられる。磁気ヘッド13は磁気ヘ
ッド13の位置決め手段であるボイスコイルモータ15
及びキャリッジ14に取り付けられる。
【0040】なお、本発明の磁気ディスクの保護膜表面
に形成した多数の丘の高さ,大きさ,間隔及び配置は以
下の方法で測定することができる。丘の高さは二次元及
び三次元の触針式表面粗さ計、三次元の光学式表面粗さ
計,走査型トンネル顕微鏡,原子間力顕微鏡等高さ方向
でナノメータオーダの分解能を有する表面形状測定装置
を用いることにより測定される。丘の大きさ,間隔,単
位面積当りの個数及び面積比率は、この表面形状測定手
法のうち三次元の測定が可能なものを用いて測定され
る。ただし一般的に上記の手法は横方向の測定可能面積
が小さいため、特に単位面積当りの個数及び面積比率を
測定する際には、総測定面積が約1mm2 になるように、
同一個所付近で多数の測定を行ない、その平均値として
求めることが望ましい。ここで保護膜の材料がC膜等の
ように比較的濃い色を有する場合にはより簡便な方法
で、丘の大きさ,間隔,単位面積当りの個数及び面積比
率を測定することができる。すなわち、本発明では丘の
部分とそれ以外の部分で保護膜の膜厚が異なるため、有
色の保護膜材料の場合、丘の部分とそれ以外の部分で色
のコントラストが異なり、例えば、光学顕微鏡による観
察によっても丘の部分を正確に識別することができる。
この場合、光学顕微鏡観察結果を画像処理等によって解
析することにより、簡便に丘の大きさ,間隔,単位面積
当りの個数及び面積比率を測定することができる。
【0041】本発明ではここまで、保護膜の表面にヘッ
ドに付着する汚れを除去するための多数の丘を形成する
方法を示したが、例えば、上記の丘を本発明と同様な方
法で基板表面に形成し、その上に均一な膜厚の磁性膜,
保護膜等を形成する方法でも、磁気ディスク表面に現わ
れる形状はほぼ同じになるため、本発明のヘッドの汚れ
除去効果が発現する。
【0042】〈実施例1〉外径5.25 インチのアルミ
ニウム合金円板の表面に、無電解めっき法によりNiP
下地膜を15μm厚さに形成し、下地膜を10μmまで
研磨して、触針式表面粗さ計で測定した平均粗さ(R
a)2nm以下、最大粗さ(Rmax)5nm以下になる
ように鏡面加工した。この基板上に、スパッタ法により
Cr中間膜を100nm,CoNi磁性膜を50nm,
C保護膜を30nm形成した。
【0043】この基板を次に示すプロセスで処理した。
本実施例では保護膜表面に凹凸を形成する方法として、
微粒子をマスクとしてエッチングする方法を用いた。す
なわち、平均粒径5μmのポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)粒子を1wt%の割合でフッ素系溶剤に超
音波分散した懸濁液を調製し、C保護膜の表面に、懸濁
液をポンプとノズルにより噴霧塗布し、溶剤を蒸発させ
てPTFE粒子をC保護膜上に分散付着させた。PTF
E粒子の付着状態を光学顕微鏡により観察した結果、付
着粒子の大きさは、1−10μmのものが全数の90%
以上であり、粒子の間隔の平均値は約15μm、単位面
積あたりの粒子の密度は約2500個/mm2 であり、粒
子の被覆部の総面積比は約5%であった。
【0044】この円板をPTFE粒子のない部分のC保
護膜を15nmエッチングした後、イオン注入条件を変
えて円板を試作した。イオン源は、窒素のイオンビーム
を用いた。
【0045】イオン注入処理した円板は、次に、表面を
純水の高速流により洗浄し、PTFE粒子を除去した。エッ
チング前後での表面観察結果より、付着粒子とほぼ同じ
大きさの丘がC保護膜の表面に形成されていることを確
認した。エッチング後の丘の間隔の平均値は約15μ
m、単位面積あたりの丘の密度は約2500個/mm2
あり、丘の総面積比は約5%であった。また丘の高さを
触針式表面粗さ計で測定した結果、いずれも約15nm
となっていることを確認した。
【0046】こうして得られた円板の表面に、潤滑膜と
してパーフルオロポリエーテル系の潤滑膜を約5nm塗
布して磁気ディスクを作製した。
【0047】試作したディスクの耐摺動性を次の条件で
評価した。通常のピンオンデイスクタイプの評価試験機
で、Al23−TiC系スライダ材料の球面摺動子を用
い、押し付け加重20gf、周速20m/sで10min
間摺動させた後、保護膜表面の丘部分の減少量からC保
護膜の摩耗量を測定した。比較として、上記の実施例で
イオン注入の工程だけを除いてディスクを試作した。結
果を次に示す。
【0048】
【表1】
【0049】さらに、本実施例で作製した磁気ディスク
に対する、ヘッドの最低浮上保証高さは0.04μm以
下であり、ヘッドの浮上量0.08μmでも高信頼性の
磁気ディスク装置を得ることができた。さらに本実施例
で作製した磁気ディスクを、図2に示した装置によりC
SS試験を行ったが、五万回のCSS動作後にもディス
ク面に傷は観察されず、長期の摺動信頼性の高いもので
あった。またCSS試験後のヘッドの最低浮上保証高さ
はやはり0.04μm 以下であり、ヘッドの浮上面を観
察した結果、試験前に比べて大きな変化はなかった。こ
の結果から本実施例の磁気ディスクでは、ヘッドの汚れ
付着防止効果により、長期にわたる摺動信頼性とヘッド
の浮上安定性を確保することができた。
【0050】〈実施例2〉外径5.25 インチのアルミ
ニウム合金円板の表面に、無電解めっき法によりNiP
下地膜を15μm厚さに形成し、下地膜を10μmまで
研磨して、触針式表面粗さ計で測定した平均粗さ(R
a)2nm以下、最大粗さ(Rmax)5nm以下にな
るように鏡面加工した。この基板上に、スパッタ法によ
りCr中間膜を100nm,CoNi磁性膜を50n
m,C保護膜を30nm形成した。
【0051】基板表面にポジ型フォトレジスト(東京応
化工業、OFPR800)を約0.5μm厚さに塗布し、次に示
す形状のパターンを形成したフォトマスクを用いて密着
露光した。フォトマスクの形状は磁気ディスクに接触す
る部分の全面にわたり、直径2μmの光の非透過部を一
辺10μmの正方形の角に規則的に配置したものであ
る。この密着露光した円板を現像して、光の非透過部に
接していた部分にフォトレジストが残っているようなマ
スクパタ−ンをC保護膜上に形成した。この円板を酸素
プラズマアッシング装置を用いて約10nmエッチング
した後、レジストを剥離して、C保護膜表面に直径2μ
m、高さ10nmの多数の丘を形成した。次に、基板表
面に窒素イオンビ−ムを用いて、窒素原子をイオン注入
した。イオン注入条件:加速電圧 12kV,0.1mA
/in2,処理時間 40s。
【0052】この処理の後、円板表面に潤滑層としてパ
ーフロロアルキルエーテル系の潤滑剤を約6nm塗布し
て磁気ディスクを得た。
【0053】この磁気ディスクを実施例1と同様に評価
したが、耐摺動信頼性の高い磁気記録媒体であることが
判明した。この記録媒体を用いて、ヘッドの浮上量0.
1μm以下で、面記録密度300Mb/in2 以上の高
記録密度の磁気ディスク装置が得られた。
【0054】〈実施例3〉実施例1と同様のPTFE粒
子を0.2wt%の割合でフッ素系溶剤に超音波分散し
た懸濁液を用いたほかは実施例1と同様に磁気ディスク
を作製した。本実施例での磁気ディスクの丘の大きさは
実施例1と同様であり、丘の間隔の平均値は約20μ
m、単位面積あたりの丘の密度は約五百個/mm2 、丘の
総面積比は約1%であった。また丘の高さを触針式表面
粗さ計で測定した結果、いずれも約15nmとなってい
ることを確認した。
【0055】本実施例の磁気ディスクのCSS試験結
果、ヘッドの浮上特性測定結果及びヘッドの浮上面の汚
れ観察結果とも、実施例1と同様に優れており、長期に
わたる摺動信頼性とヘッドの浮上安定性を確保すること
ができた。
【0056】〈実施例4〉実施例1と同様のPTFE粒
子を4wt%の割合でフッ素系溶剤に超音波分散した懸
濁液を用いたほかは実施例1と同様に磁気ディスクを作
製した。本実施例での磁気ディスクの丘の大きさは実施
例1と同様であり、丘の間隔の平均値は約5μm、単位
面積あたりの丘の密度は約一万個/mm2 、丘の総面積比
はで約20%であった。また丘の高さを触針式表面粗さ
計で測定した結果、いずれも約15nmとなっているこ
とを確認した。
【0057】本実施例の磁気ディスクのCSS試験結
果、ヘッドの浮上特性測定結果及びヘッドの浮上面の汚
れ観察結果とも、実施例1と同様に優れており、長期に
わたる摺動信頼性とヘッドの浮上安定性を確保すること
ができた。
【0058】〈実施例5〉保護膜として、メタン−水素
混合ガスを原料としたプラズマCVD法で30nm形成
したC膜を用いたほかは、実施例1と同様な方法で磁気
ディスクを作製した。本実施例での磁気ディスクの丘の
大きさは実施例1と同様であり、丘の間隔の平均値は約
15μm、単位面積あたりの丘の密度は約2500個/
mm2 、丘の総面積比は約5%であった。また丘の高さを
触針式表面粗さ計で測定した結果、いずれも15nmと
なっていることを確認した。
【0059】本実施例の磁気ディスクのCSS試験結
果、ヘッドの浮上特性測定結果及びヘッドの浮上面の汚
れ観察結果とも、実施例1と同様に優れており、長期に
わたる摺動信頼性とヘッドの浮上安定性を確保すること
ができた。
【0060】〈実施例6〉基板として触針式表面粗さ計
で測定した平均粗さ(Ra)1.5nm 以下,最大粗さ
(Rmax)4nm以下になるように鏡面加工した外径
5.25 インチのガラス基板を用い、この基板上に実施
例1と同様にスパッタ法によりCr中間膜を100n
m,CoNi磁性膜を50nm,C保護膜を30nm形
成した。実施例1と同様にC保護膜の表面に丘を形成
し、その後、潤滑膜を形成して磁気ディスクを作製し
た。本実施例での磁気ディスクの丘の大きさは実施例1
と同様であり、丘の間隔の平均値は約15μm、単位面
積あたりの丘の密度は約2500個/mm2 、丘の総面積
比は約5%であった。また丘の高さを触針式表面粗さ計
で測定した結果、いずれも15nmとなっていることを
確認した。
【0061】本実施例の磁気ディスクのCSS試験結
果、ヘッドの浮上特性測定結果及びヘッドの浮上面の汚
れ観察結果とも、実施例1と同様に優れており、長期に
わたる摺動信頼性とヘッドの浮上安定性を確保すること
ができた。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、磁気ディスクの保護膜
表面にヘッドの浮上面に付着する汚れを効果的に除去し
うるような高強度の多数の丘を形成した磁気ディスク
を、効率的に製造できる。さらに、ヘッドの浮上量が小
さい場合でも、長期にわたる摺動信頼性及びヘッドの浮
上安定性を確保できる高信頼性,高記録密度磁気ディス
ク装置及びそれに用いられる磁気ディスクを量産規模で
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による磁気ディスクの製造方
法の説明図。
【図2】本発明の一実施例による磁気ディスク装置の構
成を示すブロック図。
【符号の説明】
1…基板、2…下地層、3…磁性層、4…保護層、5…
イオンビーム。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に少なくとも磁性膜と保護膜をもつ
    磁気記録媒体の製造方法において、下記の製造工程を含
    むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 (イ)非磁性基板上に少なくとも磁性層と保護層を積層
    させる工程、 (ロ)前記保護層上に微小凹凸を形成させる工程、 (ハ)前記保護層にイオン注入する工程
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法で製造した磁気記録
    媒体。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の前記保護膜層に微小凹凸
    を形成するため、前記保護層の表面にレジストを塗布し
    た後、フォトリソ法の手法を用いて所望のパターンを前
    記保護層の表面に形成する磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の前記保護膜層に微小凹凸
    を形成するため、微小粒子を溶媒に分散させたスラリ
    を、必要であれば、ガス流体により噴霧させた後、前記
    微小粒子に静電荷を付与した後、前記微小粒子を基板面
    に分散付着させ、前記微小粒子をマスクとして前記保護
    層の表面に微小凹凸を形成する磁気記録媒体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の前記保護層にイオンを注
    入する方法として、窒素を含むイオンビームを用いる磁
    気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項3において、前記非磁性基板面に少
    なくとも前記磁性層と前記保護層を成膜した基板面に、
    微小粒子を分散付着させ、次に前記基板をエッチングし
    た後、前記基板面に付着している微小粒子をガス及び/
    あるいは液体の高速流体中で除去する工程をもった磁気
    記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項3において、前記固体微粒子として
    フッ素系樹脂又は少なくともフッ素と炭素を含有する材
    料を用い、前記固体微粒子とフッ素系溶媒のスラリを、
    必要であれば、ガス流体により噴霧させた後、基板面に
    吸着させ、次に、溶媒を回収し、循環使用する工程をも
    つ磁気記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1において、前記保護膜材料が炭素
    を主とする材料よりなる磁気記録媒体製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1において、前記非磁性基板として
    Al合金,ガラス,セラミックス、及びプラスチックス
    のいずれか、あるいは、少なくとも上記のいずれかを含
    む材料からなる基板を用いる磁気記録媒体製造方法。
  10. 【請求項10】請求項3において、前記固体微粒子がポ
    リテトラフルオロエチレン(PTFE)またはその誘導体
    よりなる磁気記録媒体の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項1に記載の方法で製造した磁気記
    録媒体を用いて構成される面記録密度300Mb/in
    2 以上の磁気ディスク装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2010102771A (ja) * 2008-10-23 2010-05-06 Fuji Electric Device Technology Co Ltd 磁気記録媒体及びその製造方法
JPWO2014175432A1 (ja) * 2013-04-26 2017-02-23 株式会社長町サイエンスラボ Dlc層を有する構造体及びdlc層の生成方法

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