JPH09297908A - 磁気ヘッドスライダ及び磁気ヘッドスライダの製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドスライダ及び磁気ヘッドスライダの製造方法

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JPH09297908A
JPH09297908A JP13750996A JP13750996A JPH09297908A JP H09297908 A JPH09297908 A JP H09297908A JP 13750996 A JP13750996 A JP 13750996A JP 13750996 A JP13750996 A JP 13750996A JP H09297908 A JPH09297908 A JP H09297908A
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head slider
air bearing
tic
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JP13750996A
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Tatsuro Hishida
達朗 菱田
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Read Rite SMI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンタクト・スタート・ストップ特性及び耐
久性に優れた磁気ヘッドスライダを提供する。 【解決手段】 基材20は、Al2O3-TiC 系セラミックで
あり、基材20の空気ベアリング面6は、アッシング処
理されていてTiC 部分21が凸状となっている。基材2
0には、Si系密着層23を介してダイヤモンド状カーボ
ン25が被覆されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハード・ディスク
・ドライブ(HDD) 等の磁気記録装置に使用される磁
気ヘッドスライダ及びその製造方法に関するものであ
る。より具体的には、本発明は、浮上型の磁気ヘッドス
ライダに関するものであり、磁気ヘッドと磁気ディスク
間のコンタクト・スタート・ストップ( Contact Start
/Stop CSS) における耐久性を向上させた磁気ヘッ
ドスライダ及びその製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータや、ワードプロ
セッサの記録・再生装置としてハード・ディスク・ドラ
イブ装置が活用されている。ハード・ディスク・ドライ
ブ装置は、周知のように磁気ヘッドによって、磁気ディ
スクに記録・再生を行うものである。そしてハード・デ
ィスク・ドライブ装置では、磁気ヘッドと磁気ディスク
との接触による磨耗を防ぐために、コンタクト・スター
ト・ストップ形式の浮上型磁気ヘッドスライダが使用さ
れる場合が多い。
【0003】ここでコンタクト・スタート・ストップ形
式の浮上型磁気ヘッドスライダとは、起動及び停止時に
は磁気ヘッドスライダが磁気ディスクに接し、情報の記
録・再生時には空気流によって磁気ヘッドスライダが磁
気ディスク表面から僅かに浮上するものである。すなわ
ち浮上型磁気ヘッドスライダでは、空気ベアリング面
(Air Bcaring Surface ABS) と称される一面が磁
気ディスクと対峙し、起動及び停止時にはこの空気ベア
リング面が磁気ディスクと接し、記録・再生時には、空
気ベアリング面に空気が導入されて空気ベアリング面と
磁気ディスクは非接触状態となる。
【0004】そして従来技術においては、前記した空気
ベアリング面は、ラッピング加工が施され、極めて滑ら
かに仕上げられていた。すなわち従来技術の薄膜磁気ヘ
ッドの空気ベアリング面は、表面粗さが10Å以下であ
り、滑らかな面になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】コンタクト・スタート
・ストップ形式の浮上型磁気ヘッドスライダは、情報の
記録・再生時については、磁気ディスクと非接触である
ものの、起動停止時には磁気ディスクと接する。そのた
め、磁気ヘッドスライダの空気ベアリング面には磨耗が
生じる。従ってコンタクト・スタート・ストップ形式の
浮上型磁気ヘッドスライダでは、可能起動停止回数は有
限である。
【0006】ところで、近年ハード・ディスク・ドライ
ブ装置のより一層の高密度大容量化の要求が強く、これ
に伴って磁気ヘッドスライダの浮上量を低下させる必要
がある。そのため磁気ヘッドスライダは、より過酷な条
件でコンタクト・スタート・ストップを行わなければな
らない傾向にある。さらにハード・ディスク・ドライブ
装置をノートタイプのパーソナルコンピュータ等に搭載
させる必要から、磁気ヘッドスライダの可能起動停止回
数は、より増加させる要求が強い。そのため、磁気ヘッ
ドスライダには、従来にも増して耐吸着性、高潤滑性
(コンタクト・スタート・ストップ特性 略してCSS
特性と称される) や、耐久性が求められるようになっ
た。
【0007】そこで本発明は、昨今の技術動向に対応
し、よりコンタクト・スタート・ストップ特性及び耐久
性に優れた磁気ヘッドスライダを開発することを課題と
するものである。また併せて本発明は、コンタクト・ス
タート・ストップ特性等に優れる磁気ヘッドスライダの
製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】そして上記した課題を解
決するための請求項1記載の発明は、スライダ本体の一
部に磁気変換素子が設けられ、空気ベアリング面が磁気
記録媒体と対峙する磁気ヘッドスライダにおいて、スラ
イダ本体の空気ベアリング面は、基材の表面に微細な凹
凸が設けられ、さらにその表面はダイヤモンド状カーボ
ンによって被覆されていることを特徴とする磁気ヘッド
スライダである。
【0009】請求項1記載の磁気ヘッドスライダは、空
気ベアリング面が微細な凹凸形状であるため、空気ベア
リング面と磁気ディスクとの接触面積が少ない。加えて
請求項1記載の磁気ヘッドスライダでは、ダイヤモンド
状カーボン (DLC) によって被覆されている。そのた
め請求項1記載の磁気ヘッドスライダは、耐吸着性、高
潤滑性が高く、耐久性も高い。
【0010】また上記した発明をより具体化した請求項
2記載の発明は、基材がAl2O3-TiC系セラミックであ
り、基材の空気ベアリング面のAl2O3 部分又はTiC 部分
が凸部あるいは凹部となっていることを特徴とする請求
項1記載の磁気ヘッドスライダである。
【0011】請求項2記載の発明は、基材のAl2O3 部分
又はTiC 部分が凸状あるいは凹状となっていて、空気ベ
アリング面が凹凸化されている。そのため請求項2記載
の発明では、凹凸は細かく、且つ均等に分散している。
従って請求項2記載の磁気ヘッドスライダでは、空気ベ
アリング面の磁気ディスクとの接触状態が均等であり、
吸着性、潤滑性等の部分的相違は無い。
【0012】また上記した発明に改良を加えた、請求項
3記載の発明は、凹凸の高さは、10Åから1000Å
であることを特徴とする。
【0013】すなわち空気ベアリング面のTiC 部分とAl
2O3 部分の段差は、約10Åから約1000Åの範囲で
あることが望ましい。その理由は、この段差が10Å以
下であると、上述した磁気ヘッドスライダと磁気ディス
ク間の接触面積減少の効果がなくなる。またこの段差が
1000Å以上になると、ダイヤモンド状カーボンの被
覆率が低くなるためである。
【0014】さらに製造方法に着目した請求項4記載の
発明は、請求項2又は3記載の磁気ヘッドスライダを製
造する方法において、基材表面のAl2O3 部分又はTiC 部
分を選択的にエッチングして基材の表面に凹凸を設け、
その後基材の表面にダイヤモンド状カーボンを被覆する
ことを特徴とする磁気ヘッドスライダの製造方法であ
る。
【0015】請求項4記載の磁気ヘッドスライダの製造
方法は、基材表面のAl2O3 部分又はTiC 部分を選択的に
エッチングするものであり、空気ベアリング面への均等
且つ微細な凹凸形成を簡単に行うことができる。すなわ
ち請求項4記載の製造方法では、スライダ本体の空気ベ
アリング面のAl2O3 部分又はTiC 部分を選択的にエッチ
ングし、TiC 部分を凹状、あるいはAl2O3 部分を凹状と
することで、空気ベアリング面に凹凸を設けることがで
き、磁気ヘッドスライダと磁気ディスク間の接触面積が
減少し、両者の耐吸着性を向上させることができる。
【0016】また同様の目的を達成するための請求項5
記載の発明は、請求項2又は3記載の磁気ヘッドスライ
ダを製造する方法において、基材表面のTiC 部分を酸化
して基材の表面に凹凸を設け、その後基材の表面にダイ
ヤモンド状カーボンを被覆することを特徴とする磁気ヘ
ッドスライダの製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は、本発明の実施形態の磁気ヘッドス
ライダの斜視図である。図2は、図1の磁気ヘッドスラ
イダの空気ベアリング面の拡大断面図である。図3は、
図1の磁気ヘッドスライダの基材の空気ベアリング面を
拡大した斜視図である。
【0018】本実施形態の磁気ヘッドスライダ1は、公
知のそれと同様に、スライダ本体2と、二つの薄膜型磁
気変換素子3から構成される。磁気ヘッドスライダ1の
スライダ本体2は、いわゆるTPCスライダーと称され
る形状をしている。スライダ本体2の外観形状及び薄膜
型磁気変換素子3は、従来技術と同様であるので簡単に
説明する。
【0019】すなわちスライダ本体2は、Al2O3-TiC 系
セラミックを基材20とするものであり、高さの低い直
方体形状をしている。そしてスライダ本体2の表面に
は、スライダレールと称される凸条5が、長手方向に向
かって平行に二条設けられている。凸条5の表面6は、
巨視的に見て平滑であり、当該表面は、空気ベアリング
面6として機能する。凸条5の一方の端部側表面には、
傾斜部10が設けられている。
【0020】また凸条5どうしの間には、空気流入用溝
8が形成されている。本実施形態では、空気流入用溝8
は、断面形状が2段の凹状になっており、中心部は、凸
条5の近辺に比べてより深いものとなっている。
【0021】薄膜型磁気変換素子3は、薄膜磁気ヘッド
でありスライダ本体2の長手方向のそれぞれの端面であ
って、前記した傾斜部10の反対側の位置に形成されて
いる。薄膜型磁気変換素子3は、下層磁性コアと上層磁
性コア及び胴体コイル(いずれも図示せず)が真空薄膜
形成技術等によって積層されたものであり、磁気回路部
が構成されている。また記録・再生ギャップとして機能
する磁気ギャップを有し、当該磁気ギャップは、空気ベ
アリング面6に呈する様に構成されている。
【0022】本実施形態の磁気ヘッドスライダ1の特徴
的な構成は、スライダ本体2の空気ベアリング面6の微
視的構造にある。すなわち、スライダ本体2の基材20
は前記した様にAl2O3-TiC 系セラミックによって作られ
ているが、空気ベアリング面6に相当する部位には、図
2の様に微細な凹凸が形成されている。より具体的に
は、基材20空気ベアリング面6は、TiC 部分21がAl
2O3 部分22に対して突出し、当該部分が凸部となって
いる。図3は、基材20を拡大してスケッチした図面で
あり、TiC 部分が凸状となっていることが分かる。
【0023】そして基材20の表面には、上記したTiC
部分21とAl2O3 部分22の凹凸を覆う様にSi系密着層
23が設けられている。またさらにSi系密着層23の上
は、ダイヤモンド状カーボン25によって被覆されてい
る。上記したSi系密着層23の厚さは、10Åから50
Å程度が望ましい。またダイヤモンド状カーボン25被
覆の厚さは、50Åから200Å程度が望ましい。また
Si系密着層23とダイヤモンド状カーボン25の膜厚の
合計は、磁気ヘッドスライダ1とディスク間の空間損失
をできるかぎり抑えるため、200Å以下とすることが
望ましく、一方ダイヤモンド状カーボン25膜の被覆率
や耐摩耗性を考えるとその合計は、50Å以上であるこ
とが望ましい。
【0024】基材20のTiC 部分21とAl2O3 部分22
を、図2,図3の様に凹凸形状に加工する方法として
は、エッチングやミリングによって、所定の部分を削除
する方法が挙げられる。
【0025】具体的には、反応性イオンエッチング法(R
eactive Ion Etching RIE) や、反応性イオンビー
ムエッチング法(Reactive Ion Beam Etching RIB
E) 、あるいはイオンミリング法が有効である。中でも
基材20のTiC 部分21とAl2O3 部分22を選択的にエ
ッチングし、また加えて本発明のようにエッチング量が
微細な場合には、反応性イオンエッチング法又はイオン
ミリング法の活用が望ましい。例えば反応性イオンエッ
チング法を活用する場合には、反応性ガスとしてCF4
活用し、Al2O3 部分22を選択的にエッチングし、当該
部分を凹化させる。
【0026】エッチング量の調節、言い換えれば、基材
20表面の凹凸の高さ調節は、反応性イオンエッチング
法では基盤に印加されるバイアス電圧を調節すること等
によって行うことができる。また、イオンミリング法で
はビームの入射角等により、微量なエッチング量(10
〜数1000Å) の調節が可能である。
【0027】また通常アッシング処理(Ashing )と称さ
れる工程と同様の作業( 以下アッシング様処理) を施す
ことで、TiC 部分21を凸状にすることもできる。すな
わちアッシング処理とは、本来、レジスト等を灰化して
除去する作業であり、真空チャンバー内に処理物を入
れ、酸素を数mTorr から数百mTorr 流し、電力を投入し
てプラズマを発生させ、処理物の表面を酸化させる作業
である。アッシング様処理は酸素プラズマ処理の一形態
であるとも言える。アッシング様処理を施した場合に、
TiC 部分21が凸状となる理由は、酸素プラズマにより
TiC 部分の表面が酸化され、TiOxに変化し、当該部分の
肉厚がわずかに増加するためであると考えられる。この
場合のTiC 部分とAl2O3 部分の段差量は、アッシング様
処理の処理時間によって10〜100Åの範囲で制御可
能である。
【0028】なおAl2O3 部分22を凸状とするか、ある
いはTiC 部分21を凸状とするかは任意であるが、一般
的に当業者間で使用されているAl2O3-TiC 系セラミック
を基材20として採用する場合には、TiC 部分21を凸
状とする方が望ましい。すなわち耐吸着性を向上させる
と言う観点からは、磁気ヘッドスライダ1と磁気ディス
ク間の接触面積は小さいほうが良いため、凹部となる面
積は、より大きい方が望ましく、通常使用されるAl2O3-
TiC 系セラミックは、Al2O3 が70%、TiC が30%で
あり、Al2O3 部分の面積が大きいので、Al2O3 部分を凹
状とし、TiC 部分を凸状とする方が望ましいのである。
また、TiC 部分とAl2O3 部分の段差は10Åから100
0Åであることが望ましく、さらにプロセスの安定性を
考慮に入れると、いずれの方法でも50〜100Åであ
ることが最も望ましいと言える。
【0029】ダイヤモンド状カーボン25は、公知のス
パッタリング等の物理的蒸着法(Physical Vapour Depos
ition PVD) や、化学気相析出法(Chemical Vapour
Deposition CVD) 法等によって被覆されるが、膜
質や膜厚制御の点から、化学気相析出法の活用が望まし
い。例えばダイヤモンド状カーボン25の被覆は、水素
ガスを混入したブラズマCVD法によって行うことがで
きる。なお、ダイヤモンド状カーボン25の密着性を考
えると、本実施形態の様にダイヤモンド状カーボン25
の被覆前にSi系密着層23を約20Å程度積層すること
が望ましい。このSi系密着層23は、公知のスパッタリ
ングや真空蒸着法によって形成される。
【0030】本実施形態によれば、アッシング様処理
(酸素プラズマ処理)、あるいは反応性イオンエッチン
グ法やイオンミリング法により、空気ベアリング面6の
TiC 部分21を凸部とし、あるいはAl2O3 部分22を凸
部とし、且つその上にSi系密着層23を介してダイヤモ
ンド状カーボン25を被覆することで、磁気ディスクに
対する耐摩耗性、耐吸着性、高潤滑性を兼ね備えた空気
ベアリング面を有する磁気ヘッド1が得られ、ハード・
ディスク・ドライビング装置でのコンタクト・スタート
・ストップ特性を向上させることができる。
【0031】以上の実施形態では、スライダ本体2の外
観形状は、TPCスライダーと称される外観形状を例示
したが、本発明は、この形状にこだわるものではなく、
スライダ本体2は、例えばテーパフラットスライダーと
称される外観形状を有するものであっても良い。なお本
発明の磁気ヘッドスライダは、コンタクト・スタート・
ストップ形式のものとして開発されたものであるが、も
ちろん、ノンコンタクト・スタート・ストップ形式の磁
気ヘッドスライダにも応用することができる。
【0032】
【実施例】つぎに、本発明の具体的実施例及び、本発明
の効果を確認するために行った実験について説明する。
本実施例によって完成された磁気ヘッドスライダ1の構
造は、前記した図1,2,3のそれと同様である。本実
施例では、以下の手順で、基材20の空気ベアリング面
6に微細な凹凸を形成し、さらにその上にダイヤモンド
状カーボン25の被覆を行っている。
【0033】すなわち、公知の磁気ヘッドスライダの製
造方法と同様に、真空薄膜形成技術等によって、平板状
のAl2O3-TiC 系セラミック基板上に多数の薄膜型磁気変
換素子3を枡目状に形成させた。続いてこの基板を棒状
に切り出し、機械加工によって凸条5を形成した。そし
て基材20の空気ベアリング面6に相当する部位をアッ
シング様処理し、TiC 部分21が凸状となるように加工
した。アッシング様処理は、バレル型の装置を用い、Ti
C 部分21が凸状であって、TiC 部分21とAl2O3 部分
22の段差が50Åになるようを調節した。次に、基材
20の上にSi系密着層23を約20Åの厚さに被覆し
た。Si系密着層23の形成には、スパッタリング法を活
用した。そしてさらにSi系密着層23の上に化学気相析
出法によりダイヤモンド状カーボン25を約80Åの厚
さに被覆した。最後にこの棒状の中間材を、各ブロック
ごとに切り取り、本発明の磁気ヘッドスライダ1を完成
させた。
【0034】そして上記方法で作製した磁気ヘッド1を
用いてコンタクト・スタート・ストップ試験(CSS
試験)を行った。試験時のヘッド荷量は5.0gfとし
た。また磁気ディスクは3.5インチ径で、Glide Heig
htが0.04μmのものを使用した。コンタクト・スタ
ート・ストップ試験機は歪みゲージにより摩擦力を測定
する形式のものを用い、コンタクト・スタート・ストッ
プを20000回繰り返し行って、その後の動摩擦力と
静摩擦力を測定した。またさらに上記した20000回
の繰り返しの後、24時間放置し、その後の動摩擦力と
静摩擦力を測定した。また比較のため、基材の表面粗さ
が10Å以下であって、ダイヤモンド状カーボン25コ
ーティングのみを行った磁気ヘッドスライダを試作し、
これについても、同様にコンタクト・スタート・ストッ
プ試験を行った。実験の結果は、表1の通りであった。
【0035】
【表1】
【0036】表1で明らかなように、コンタクト・スタ
ート・ストップを20000回行った後の本実施例の磁
気ヘッドスライダ1の動摩擦力及び、静摩擦力は、比較
例のダイヤモンド状カーボン25コーテイングのみ(ア
ッシング様処理なし)の磁気ヘッドスライダより約10
%低いものであった。さらに24時間放置後の比較で
は、その差はより顕著であり、本実施例の磁気ヘッドス
ライダ1は、比較例のダイヤモンド状カーボン25コー
テイングのみ(アッシング様処理なし)の磁気ヘッドス
ライダより静摩擦力が約30%低い結果となった。これ
ら摩擦力の低減は、アッシング様処理で空気ベアリング
面6のTiC 部分21が凸状となったことによると考えら
れる。また実施例の効果は、特に、耐吸着性に対して大
きいといえる。なお本実施例では、棒状の中間材の段階
で、アッシング様処理を行ったが、もちろん、個々のブ
ロックごとに切り出した後にアッシング様処理行っても
よい。
【0037】
【発明の効果】本発明の磁気ヘッドスライダは、空気ベ
アリング面が微細な凹凸形状であるため、空気ベアリン
グ面と磁気ディスクとの接触面積が少ない。そのため本
発明の磁気ヘッドスライダは、コンタクト・スタート・
ストップ特性に優れ、且つ耐久性も高い。
【0038】特に請求項2記載の発明は、基材にAl2O3-
TiC 系セラミックを採用し、基材のAl2O3 部分又はTiC
部分が凸状あるいは凹状となっていて空気ベアリング面
が凹凸化されている。そのため請求項2記載の磁気ヘッ
ドスライダでは、空気ベアリング面の磁気ディスクとの
接触状態は均等であり、コンタクト・スタート・ストッ
プ特性に優れる。
【0039】また請求項4,5記載の空気ベアリング面
への均等且つ微細な凹凸形成を簡単に行うことができ、
磁気ヘッドスライダの量産に貢献する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の磁気ヘッドスライダの斜視
図である。
【図2】図1の磁気ヘッドスライダの空気ベアリング面
の拡大断面図である。
【図3】図1の磁気ヘッドスライダの基材の空気ベアリ
ング面を拡大した斜視図である。
【符号の説明】
1 磁気ヘッドスライダ 2 スライダ本体 3 薄膜型磁気変換素子 6 空気ベアリング面 20 基材 21 TiC 部分 22 Al2O3 部分 23 Si系の密着層 25 ダイヤモンド状カーボン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スライダ本体の一部に磁気変換素子が設
    けられ、空気ベアリング面が磁気記録媒体と対峙する磁
    気ヘッドスライダにおいて、スライダ本体の空気ベアリ
    ング面は、基材の表面に微細な凹凸が設けられ、さらに
    その表面はダイヤモンド状カーボンによって被覆されて
    いることを特徴とする磁気ヘッドスライダ。
  2. 【請求項2】 基材は、Al2O3-TiC 系セラミックであ
    り、基材の空気ベアリング面のAl2O3 部分又はTiC 部分
    が凸部あるいは凹部となっていることを特徴とする請求
    項1記載の磁気ヘッドスライダ。
  3. 【請求項3】 凹凸の高さは、10Åから1000Åで
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ヘッ
    ドスライダ。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の磁気ヘッドスライ
    ダを製造する方法において、基材表面のAl2O3 部分又は
    TiC 部分を選択的にエッチングして基材の表面に凹凸を
    設け、その後基材の表面にダイヤモンド状カーボンを被
    覆することを特徴とする磁気ヘッドスライダの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3記載の磁気ヘッドスライ
    ダを製造する方法において、基材表面のTiC 部分を酸化
    して基材の表面に凹凸を設け、その後基材の表面にダイ
    ヤモンド状カーボンを被覆することを特徴とする磁気ヘ
    ッドスライダの製造方法。
JP13750996A 1996-05-08 1996-05-08 磁気ヘッドスライダ及び磁気ヘッドスライダの製造方法 Withdrawn JPH09297908A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6445542B1 (en) 2000-03-06 2002-09-03 Read-Rite Corporation Air bearing slider
US7477486B1 (en) 2005-12-07 2009-01-13 Western Digital (Fremont), Llc Air bearing slider with a side pad having a shallow recess depth

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