JPH0546947Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、小管ペン先と該小管ペン先内に遊挿
された針体とによつて筆記部を構成した小管式筆
記具における小管ペン先の取付構造に関するもの
である。

（従来の技術とその問題点） 従来、小管式筆記具における小管ペン先は、合
成樹脂製ホルダー先端の取着孔に対して圧入によ
つて固着されているのがその殆どであるが、これ
によると、筆記時にその力によつて、小管ペン先
を圧入固着したホルダーが合成樹脂製であるが故
に変形を起こし易い為、小管ペン先先端が微妙に
偏心したり極端には抜出したりする恐れが有り、
結果として以後の筆記に支障を来たす等の問題を
含んでいる。また、この場合、一般にホルダーに
対する小管ペン先の圧入作業の効率化を図る為に
第３図に示す如くホルダーの小管ペン先取着孔開
口部に微小の摺り針状のガイド孔Ｈを凹設してい
るが、このガイド孔の存在と共に先の筆記時にお
ける合成樹脂製ホルダー故の変形によつて断続的
に生ずるペン先とホルダーとの間のミクロな隙
間、及び筆記時の小管ペン先の振動がこれらに複
雑に関係し合う結果不快音を発生し、手に振動が
伝わりこれによつて筆記作業を不愉快なものにす
るなどの不具合を有していた。

そこで、一般にはこれら不具合の解消策として
前記合成樹脂製ホルダーの先端外側に金属製の先
金を被せるようにして嵌着し、もつて合成樹脂の
持つ変形を極力小とならしめることが行なわれて
いるが、この場合、先金の設計寸法上精度向上が
十分に期待できず、またホルダー外径のバラツキ
も相俟つて、結局、所望の目的が達成し難くな
り、上記せる不具合が再発する恐れを有している
ものであつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記した事情に鑑みなされたもので、
合成樹脂製ホルダー先端のペン先取着孔に小管ペ
ン先を圧入固着し、該ホルダー先端外側に金属製
先金を嵌着してなる小管ペン先取付構造であつ
て、前記先金のペン先固着部に相当する箇所に内
方突出部を形成し、該突出部によつてペン先固着
部を締め付けるようなしたことを特徴とする小管
ペン先取付構造を要旨とすることにより上記した
種々の不具合を解消せんとするものである。

（作用） 即ち、本考案においては、金属製先金及びホル
ダーの両者に相当のバラツキがあつても、金属製
先金の小管ペン先固着部に相当する箇所に外方よ
りのかしめ等によつえ内方突出部を形成し、該突
出部によつてペン先固着部を締め付けるようなし
たため、前記バラツキ分を十分に吸収でき、合成
樹脂の持つ変形度を極力小とすることができるも
ので、従つて小管ペン先先端の偏心の問題や筆記
時における不快音の発生が極力防止できるわけで
ある。

（実施例） 以下、本考案を実施例に基づき詳述する。

第１図は本考案の実施例を示すもので、ポリア
セタール、ポリプロピレン等の合成樹脂よりなる
ホルダー１は、その先端にステンレス等の金属よ
りなる小管ペン先２が圧入固着される取着孔１ａ
を有し、またその後部には中孔１ｂを有してお
り、該中孔１ｂ内には、前記小管ペン先２内に先
端を僅か突出して遊挿された針体３を先部に有す
る錘り４が前後動自在に配置されている。

而して前記ホルダー１の先端外側にはステンレ
ス或は真鍮に各種めつきを施した金属よりなる先
金５が嵌着されており、且つ、該先金５の小管ペ
ン先２固着部２ａに相当する箇所には内方突出部
５ａがホルダー１に若干食い込んで形成されてい
る。この場合、内方突出部５ａは本実施例の如
く、先金５全周にわたつて面かしめにより形成さ
れたもの以外に、例えば第２図に示す様に、先金
５全周にわたる線かしめによつて１条もしくは複
数条の内方突出部５ｂを形成してもよく、更に
は、環状に点かしめを施すことによつて内方突出
部を形成する他、先金内壁面に外方よりの押圧変
形を行なうことなく予め内方突出部を凸設してお
き、これを強圧入するなど種々態様を採用し得る
が、特に好ましいのは、ホルダーにおける小管ペ
ン先の固着部を略全域にわたつて均等に締めつけ
包囲する結果、合成樹脂の持つ変形度を極力低減
できるという理由から、第１図に示す様な面かし
めによる内方突出部５ａを形成することである。

従つて上記第１図に示す実施例においては、仮
にホルダー１と先金５の両者に設計寸法上のバラ
ツキがあつても、金属製先金５の内方突出部５ａ
が、ホルダー１における小管ペン先２の固着部２
ａを全周にわたり均等に押え付けているため、ホ
ルダー１の変形に起因して生ずる小管ペン先２先
端の偏心の問題や筆記時における不快音の発生が
極力防止できるわけである。

尚、本考案における針体の摺動手段としては上
記説明における錘を利用するタイプのもの以外に
各種弾性体を利用したものも採用でき、更にはイ
ンキ誘導のための機構として断面櫛歯状の所謂ジ
ヤバラと称されるものや、繊維の集束物よりなる
もの等が採用し得るものである。

（効果） 以上詳細に述べた如く、本考案は、合成樹脂製
ホルダー先端のペン先取着孔に小管ペン先を圧入
固着し、該ホルダー先端外側に金属製先金を嵌着
してなる小管ペン先取付構造であつて、前記先金
のペン先固着部に相当する箇所に内方突出部を形
成し、該突出部によつてペン先固着部を締め付け
るようなしたので、筆記時の圧力による小管ペン
先偏心の問題やペン先抜出の問題、そして筆記中
の不快音の発生が極力防止でき、もつて実用上極
めて優れた小管式筆記具が提供できるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面中第１図及び第２図は本考案の実施例を示
す小管式筆記具の要部縦断面図であり、第３図は
従来例を示す要部拡大図である。 １……ホルダー、１ａ……ペン先取着孔、２…
…小管ペン先、２ａ……固着部、５……先金、５
ａ，５ｂ……内方突出部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製ホルダー先端のペン先取付孔に小管
   ペン先を圧入固着し、該ホルダー先端外側に金属
   製先金を嵌着してなる小管ペン先取付構造であつ
   て、前記先金のペン先固着部に相当する箇所に内
   方突出部を形成し、該突出部によつてペン先固着
   部を締め付けるようなしたことを特徴とする小管
   ペン先取付構造。