JPH0546489U - シャープペンシルの先口固定構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】先口と軸筒の先端縁の間に隙間ができず、かつ
鉛筆芯の繰出量が正確に一定となるシャープペンシルの
先口固定構造を提供する。 【構成】チャック６を締めるチャックリング５を受ける
受け段 31 を有し、軸筒１先端内部に配置された固定ね
じ３と、ノック操作によって前進するチャックリングが
当接する前進規制段 21 を有し、この前進規制段 21 と
受け段 31 の距離が一定になるように固定ねじ３に螺着
される先口３を具備し、固定ねじ３と軸筒１の内段の間
に軟弾性体からなるＯリング９を配置し、Ｏリング９の
弾発力によって固定ねじ３を尾端側に付勢し、先口２の
外段 22 と軸筒１の先端縁 11 を密着させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ノック式シャープペンシルの軸筒の先端に先口を固定する構造に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ノック式シャープペンシルの軸筒先端に先口を固定する構造は、先口を軸筒に 直接螺着し、先口の外段を軸筒の先端縁に密着させるのが一般的である。ところ で、ノック式シャープペンシルは、軸筒内に配置された鉛筆芯ケースの尾端に嵌 着されたノック釦を押圧前進させると、チャックリングで締められたチャックが 鉛筆芯を咬持した状態で前進し、鉛筆芯の先端が先口より繰出する。そして、そ の過程でチャックリングが先口に形成された前進規制段に当接してチャックとの 係合が解除されて鉛筆芯を解放し、チャックが後退して再び鉛筆芯を咬持する。 従って、１回のノック操作による鉛筆芯の繰出量はチャックリングの移動可能距 離によって定まる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

すなわち、１回のノック操作による鉛筆芯の繰出量を一定にするためには、ノ ックばねで尾端側に弾発されて鉛筆芯を咬持するチャックを締めるチャックリン グを受ける受け段と先口に形成された前進規制段の距離を一定にする必要がある 。普及型のシャープペンシルの場合は、鉛筆芯の繰出量に少々バラツキがあって も支障はないが、高級なシャープペンシルの場合は、正確に一定になることが要 求される。

【０００４】 ところで、この受け段は、通常は継手部材などに設けられるが、継手部材と先 口はそれぞれ個別に軸筒に固定され、かつそれぞれの部材が寸法のバラツキを有 するので、前記の距離を正確に一定にするのは困難である。

【０００５】 このため、受け段を有する部材と先口を、両者の段を当接させて正確に位置決 めした状態で直接固定すれば、前記の距離のバラツキがきわめて小さくなり、鉛 筆芯の繰出量を一定にすることができる。しかしながら、先口の段を受け段を有 する部材に当接させて直接固定し、しかも同時に先口の外段を軸筒の先端縁に密 着させる、つまり先口の２ヵ所の段を受け段を有する部材および軸筒の先端縁に 同時に正確に当接させるのは困難である。従って、どうしても先口と軸筒の先端 縁の間に隙間ができたり、逆に受け段を有する部材と先口が正確な位置で固定さ れず、鉛筆芯の繰出量にバラツキが生じる不具合がある。ことに高級なシャープ ペンシルの場合は、先口と軸筒の先端縁の間に隙間が生じることは絶対に避けな ければならない。

【０００６】 そこで本考案は、先口と軸筒の先端縁の間に隙間ができず、かつ鉛筆芯の繰出 量が正確に一定となるシャープペンシルの先口固定構造を提供することを目的と する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するために、本考案のシャープペンシルの先口固定構造は、 ノックばねで尾端側に弾発されて鉛筆芯を咬持するチャックを締めるチャックリ ングを受ける受け段を有し、軸筒先端内部に回転不自由、かつ前後動自由に配置 された固定ねじと、ノック操作によって前進するチャックリングに当接してチャ ックとチャックリングの係合を解除する前進規制段を有し、この前進規制段と該 受け段の距離が一定になるように該固定ねじに螺着される先口を具備し、固定ね じと軸筒の内段の間に軟弾性体からなるＯリングを配置し、Ｏリングの弾発力に よって固定ねじを尾端側に付勢し、先口の外段と軸筒の先端縁を密着させる。

【０００８】

【作用】

すなわち、受け段を有する固定ねじと前進規制段を有する先口を直接固定する ので、チャックリングの移動可能距離が一定になって１回のノック操作による鉛 筆芯の繰出量が正確に一定となる。そして、軟弾性体からなるＯリングの弾発力 によって固定ねじを尾端側に付勢するので、先口の外段と軸筒の先端縁が密着し 、隙間が生じない。

【０００９】

【実施例】

以下に図面に示す実施例に基いて本考案を具体的に説明する。図１はノック式 シャープペンシルの先端部分を示すが、金属パイプからなる軸筒１は、その先端 縁 11 が内側に折り曲げられている。そして、軸筒１先端内部に筒状の固定子４ が圧入固着されているが、固定子４の尾端側がその内面形状が六角形である回転 規制部 41 である。軸筒１が合成樹脂製の場合は固定子４を軸筒１と一体に成形 できるが、本実施例では、軸筒１が金属パイプからなるので固定子４が別部品に なっている。

【００１０】 軸筒１内には、鉛筆芯ケース７が配置され、鉛筆芯ケース７の先端にチャック ６が連結されている。そして、チャックリング５がチャック６を締めて鉛筆芯Ｌ を咬持する。

【００１１】 次に、固定子４の内側には固定ねじ３が配置されている。固定子４も筒状であ るが、その内周面に受け段 31 が形成され、外周面に位置決め段 33 が形成され ている。そして、尾端側の外周面に六角部 32 が形成され、この六角部 32 が固 定子４の回転規制部 41 に嵌め込まれている。従って、固定ねじ３は、軸筒１に 対して回転不自由であり、かつ軸線方向に移動可能な状態で配置されている。ま た、固定ねじ３と固定子４の間には、軟弾性体からなるＯリング９が配置されて いる。固定ねじ３と鉛筆芯ケース７の間にノックばね８が配設されており、チャ ック６は尾端側に弾発されるが、チャックリング５が受け段 31 で受け止められ るので、チャックリング５がチャック６を締め付け、前記のとおり、鉛筆芯Ｌを 咬持する。

【００１２】 先口２は、その内面に、ノック操作により前進するチャックリング５が衝合し てチャック６との係合を解除させるための前進規制段 21 が成形されているが、 先口２の尾端縁 23 が固定ねじ３の位置決め段 33 に当接した状態で固定ねじ３ に螺着されている。従って、固定ねじ３の受け段 31 と先口２の前進規制段 21 の距離が正確に一定になっている。ここで、先口２を固定ねじ３に螺着する過程 で先口２の外段 22 が軸筒１の先端縁 11 に当接するが、更に螺進して尾端縁 2 3 を固定ねじ３の位置決め段 33 に当接させる。従って、Ｏリング９が弾性変形 し、その弾発力で固定ねじ３が尾端側に付勢され、先口２の外段 22 と軸筒１の 先端縁 11 が密着する。このように、固定ねじ３の受け段 31 と先口２の前進規 制段 21 の距離が正確に一定になって、１回のノック操作による鉛筆芯Ｌの繰出 量が一定になるとともに、先口２の外段 22 と軸筒１の先端縁 11 が密着して隙 間が生じない。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のシャープペンシルの先口固定構造は、受け段を 有する固定ねじと前進規制段を有する先口を直接固定するので、チャックリング の移動可能距離が一定になって１回のノック操作による鉛筆芯の繰出量が正確に 一定となり、かつ、軟弾性体からなるＯリングの弾発力によって固定ねじを尾端 側に付勢するので、先口の外段と軸筒の先端縁が密着し、隙間が生じることのな いシャープペンシルの先口固定構造とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の一部断面図である。

【符号の説明】

１ 軸筒 １１ 軸筒の先端縁 ２ 先口 ２１ 前進規制段 ２２ 外段 ３ 固定ねじ ３１ 受け段 ４ 固定子 ５ チャックリング ６ チャック ７ 鉛筆芯ケース ８ ノックばね ９ Ｏリング Ｌ 鉛筆芯

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ノックばねで尾端側に弾発されて鉛筆芯
   を咬持するチャックを締めるチャックリングを受ける受
   け段を有し、軸筒先端内部に回転不自由、かつ前後動自
   由に配置された固定ねじと、 ノック操作によって前進するチャックリングに当接して
   チャックとチャックリングの係合を解除する前進規制段
   を有し、この前進規制段と該受け段の距離が一定になる
   ように該固定ねじに螺着される先口を具備し、 前記固定ねじと軸筒の内段の間に軟弾性体からなるＯリ
   ングが配置され、該Ｏリングの弾発力によって固定ねじ
   が尾端側に付勢され、先口の外段と軸筒の先端縁が密着
   することを特徴とするシャープペンシルの先口固定構
   造。