JPH0546246Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は各種の電子回路に用いる高電圧電子
部品に関するものである。

〈従来の技術〉 第４図乃至第６図は従来の高電圧電子部品を示
すものである。この第４図において、１は電気絶
縁材料からなるケースで、このケース１内に高圧
コンデンサ２及び高圧抵抗器３を配置し、このコ
ンデンサ２の一方の端子と高圧抵抗器３の一方の
端子は高圧線４により外部端子６に接続してあ
る。

コンデンサ２の他方の端子は外部端子５に接続
し、高圧抵抗器３の他方の端子は外部端子７に接
続する。そして、ケース１の内底面を形成する底
板８から一体に立ち上げた絶縁材料からなる円柱
状のガイドボス９の上端のスリツト１０に前記高
圧線４を係合させる。その後ケース１内にエポキ
シ樹脂等の樹脂１１を充填する。尚、１２はケー
ス１に設けた放熱用穴である。

〈考案が解決しようとする課題〉 上記のような従来の高電圧電子部品において、
ガイドボス９は第５図、第６図のようにストレー
トの外周を有する円柱状であるため、ケース１の
底板８をアースされた導電板１３上に載せた場
合、第５図の矢印のように高圧線４と導電板１３
間に電界がガイドボス９の表面に沿つて直線に走
り、絶縁破壊が発生する。

この絶縁破壊を防止するためには、ガイドボス
９を高くして放電距離を長くすればよいが、その
ためにはケース１の高さを大きくする必要があり
電子部品が大型になるという問題がある。

この考案は、上記の問題点に鑑みてケースの大
きさはそのまま、または小型として、絶縁破壊の
おそれがない高電圧電子部品を提供することを課
題とするものである。

〈課題を解決するための手段〉 この考案は上記のような課題を解決する為にな
されたもので、絶縁ケース内に高圧コンデンサ、
高圧抵抗器等の高圧部品を収納し、該高圧部品か
ら導出された高圧線の途中をケース内周面に突設
したガイドボスに設けたスリツトに係合させ、ケ
ース内に樹脂を充填した高電圧電子部品におい
て、前記ガイドボスの外側面に段部を形成したも
のである。

〈実施例〉 第１図乃至第３図はこの考案の実施例を示すも
ので、第４図の従来例と同じ構成の部分は同一の
符号を付けて説明を省略する。

この第１図において、ガイドボス１５の外表面
が従来のものと異なつている。即ち、第２図、第
３図のように底板８から立ち上げたガイドボス１
５の外表面が下部の直径が大でそれより上になる
ほど小径となる多段状になつている。

そして、最も細い上端部にスリツト１６を設け
て、ここに高圧線４を係合させている。

また、ケース１内には従来と同じ樹脂１１を充
填してある。

なお、ガイドボス１５に形成される段部は、必
ずしも上部側が最小径のものに限らない。また、
高電圧電子部品は、高圧コンデンサや高圧抵抗器
に限定されるものではない。

〈考案の効果〉 この考案は上記のようにガイドボスの外表面に
段部を形成したものであるから、従来の高電圧電
子部品のガイドボスと同じ高さにした場合、上端
から下端までの外側面の長さ、即ち、沿面距離が
相当に長くなり、しかも電界の方向が段階状に変
わる。

従つて、絶縁破壊が発生する電圧のレベルを相
当上げることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の高電圧電子部品の一実施例
を示すもので、樹脂充填前の平面図、第２図は同
上要部の拡大縦断側面図、第３図は同上のガイド
ボスの斜視図、第４図は従来の高電圧電子部品の
樹脂充填前を示す平面図、第５図は同上要部の拡
大縦断側面図、第６図は同上のガイドボスの斜視
図である。 １……ケース、２……高圧コンデンサ、３……
高圧抵抗器、４……高圧線、８……底板、１５…
…ガイドボス、１６……スリツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絶縁ケース内に高圧コンデンサ、高圧抵抗器等
   の高圧部品を収納し、該高圧部品から導出された
   高圧線の途中をケース内周面に突設したガイドボ
   スに設けたスリツトに係合させ、ケース内に樹脂
   を充填した電子部品において、前記ガイドボスの
   外側面に段部を形成したことを特徴とする高電圧
   電子部品。