JPS5936902Y2 - 高電圧ｌｃ複合部品 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高周波大電力装置、たとえば電子レンジ等に使
用されるマグネトロン管のラインフィルタとして使用さ
れる高電圧ＬＣ複合部品に関する。

最近、放送機器等の産業用機器のみならず、電子レンジ
等の民生用機器にもＵＨＦ、ＶＨＦ帯の大電力の電磁波
が利用されるようになり、その利用度が高まるにつれて
、これら機器から漏洩する電磁波による雑音公害が大き
な社会問題としてクローズアップされるようになってき
た。

このような雑音公害を防止するため、従来より各種のラ
インフィルタが提案されている。

第１図はマグネトロン管の雑音防止用として構成された
高電圧ＬＣ複合部品の従来例を示している。

この従来例は、２つの貫通孔１ａ、ｌｂを設けた平板状
の誘電体磁器１の両面の、前記貫通孔ｌａ、ｌｂのまわ
りに、互いに独立する電極２ａ。

２ｂおよび共通電極３をそれぞれ設けると共に、該誘電
体機器１の共通電極３を、接地金具４上に電極５ａの一
方を半田付は固定した高電圧用磁器コンテ゛ンサ５の他
方の電極５ｂ上に半田付は固定し、さらにフェライト等
より成る棒状の磁性体６上に巻回したコイル７．８の一
端７ａ、８ａを、前記貫通孔１ａ、ｌｂ内を貫通させて
導出したうえで、前記電極２ａ、２ｂにそれぞれ半田付
けまたは導電接着剤で導通接続し、全体を絶縁物９でモ
ールドした構造となっている。

絶縁物９はフィラーとしてＳｉＯ２，Ａ１□０３．Ｆｅ
２Ｏ３等を均質に分散させた合成樹脂または合成ゴムを
、接地金具１、絶縁ケース１０および絶縁ブツシュ１１
ａ、 １１ ｂ内に注形することによって形成される
。

上記高電圧ＬＣ複合部品を、たとえば電子レンジ等のマ
グネトロン管のラインフィルタとして使用するには、イ
ンダクタンスコイル７．８のコイル端末７ｂ、８ｂを、
アノード１２ ａを接地したマグネトロン管１２のヒー
タ１２ ｂにそれぞれ直列に接続する。

第２図はその場合の等価回路図であり、Ｌｌ、Ｌ２はコ
イル７．８によるインダクタンス、Ｃ１゜Ｃ２は誘電体
磁器１上に設けた電極２ａ、２ｂと共通電極３との間に
形成された貫通コンテ゛ンサの容量、Ｃ３は磁器コンデ
ンサ５による容量である。

通常、マグネトロン管１２のヒータ１２ｂには数■の電
圧が加わるだけであるが、アノード１２ ａとヒータ１
２ ｂとの間には５００ Ｖ〜３ＫＶ程度の高電圧が加
わる。

この高電圧は、容量Ｃ３と容量Ｃ１またはＣ２によって
分担される。

この場合容量Ｃ１，Ｃ。と容量Ｃ３の関係を、Ｃ１−０
２）、Ｃ３となるように選定すると、コンデンサの電圧
分担が容量値に反比例することから、使用電圧５００■
〜３ＫＶの殆どが、容量Ｃ３を構成する磁器コンテ゛ン
サ５に加わり、容量Ｃ１，Ｃ２を構成する貫通コンデン
サの電圧分担が著しく軽減される。

第１図の具体的な構成から明らかなように、貫通コンデ
ンサの耐電圧を高めることは構造的に非常な困難を伴な
うが、磁器コンデンサ５の耐電圧の増大はその厚み増大
により比較的簡単に達成できるにしたがって、容量Ｃ１
，Ｃ２，Ｃ３の関係をＣ１−Ｃ２）Ｃ３の関係に選定す
ることは、構造的にもマツチしている。

しかも容量Ｃ１，Ｃ２を大きい値に選定することにより
、誘電体磁器１の厚みを薄くし、コストダウンを達成す
ると同時に、フィルタとしての機能を向上させることも
で゛きる。

すなわち、第１図に示した従来の高電圧ＬＣ複合部品は
、貫通コンテ゛ンサに接地コンテ゛ンサを接続しである
ため、フィルタ効果を高めながら、同時に絶縁耐力を向
上させることができるという優れた効果を得ることがで
きる。

また接地コンテ゛ンサ５を接地金具４に直接固着しであ
るため、コンテ゛ンサ５の自己インダクタンスが小さく
、自己共振周波数の高いものが得られるという利点もあ
る。

さらに、コイル７．８とコンテ゛ンサ１，５を一体化し
つつ、絶縁物９内にモールドしであるため小形で信頼性
が高く、しかもマグネトロン管などに取付ける際の取付
は作業、取扱いが容易であること等々の特長がある。

本考案は上述する従来のこの種高電圧ＬＣ複合部品の長
所を少しも損なうことなく、ノイズ低減効果を向上させ
、耐電圧特性を向上させた高信頼度の高電圧ＬＣ複合部
品を提供することを目的とする。

上記目的を達成する・ため、本考案に係る高電圧ＬＣ複
合部品は、両側に間隔をおいて下向きに突出する筒部を
設けた接地金具と、該接地金具の前記筒部間にあって該
筒部の内径部を開口させた面上に電極の一方を固着して
取付けた接地コンテ゛ンサと、貫通孔が前記接地金具の
前記筒部の上方に位置するようにして、前記接地コンデ
ンサの電極の他方に電極の一方を固着して取付けた一対
の貫通コンデンサと、前記接地金具の前記筒部のそれぞ
れの内径部に配置された一対の筒状の磁性体と、コイル
端末たるリード線を、前記貫通コンデンサ内を通ってを
貫通させると同時に電極の他方に固着し、更に前記磁性
体へと順次連続して貫通させた一対のインダクタンスコ
イルと、前記接地金具の前記筒部よりは外側の部分で該
接地金具に装着され、前記接地コンデンサ、貫通コンデ
ンサ及び前記インダクタンスコイルを内蔵する絶縁ケー
スと、該絶縁ケース内において、少なくとも、前記貫通
コンデンサ、前記接地コンデンサ及び前記磁性体の回り
に充填された絶縁物とを有して戊ることを特徴とする。

以下実施例たる添付図面を参照し、本考案の内容を具体
的に詳説する。

第３図は本考案に係る高電圧ＬＣ複合部品の断面図、第
４図は同じくその分解拡散図である。

図において、第１図と同一の参照符号は、同一の構成部
分を示している。

図に示すように、本考案においては、誘電体磁器１の貫
通孔１ａ、ｌｂを貫通させた後のリード線７ａ、７ｂを
、フェライトビーズ等より戊る筒状の磁性体１３．１４
内を貫通させである。

該磁性体１３．１４は接地金具４に下向きに設けた筒部
４ａ、４ｂの下側からその内部に嵌着された絶縁カバー
１５１，１５ｂ内に位置させてあって、その周囲に絶縁
物９を充填して絶縁支持しである。

該絶縁物９は、前述した如く、フィラーとしてＳｉＯ２
，Ａｌ２Ｏ３，Ｆｅ２Ｏ３等を均質に分散させた合成樹
脂または合成ゴムによって構成され、これを前記接地金
具４、該接地金具４に取付けられた絶縁カバー１５３，
１５ｂ、絶縁ケース１６によつて囲まれた領域内に注入
し、前記貫通コンテ゛ンサ、接地コンデンサ５および磁
性体１３．１４の周囲を埋める如くモールドしである。

なおこの実施例では、インダクタンスコイル７゜８は、
絶縁物９の外部空間内に配置しであるが、絶縁物９によ
ってモールドするような構造とすることもできる。

また、第５図に示すように、貫通コンテ゛ンサを互いに
独立する２つの誘電体磁器１Ｃ，ＩＤに２分してもよい
。

さらに、貫通コンデンサは誘電体磁器の代わりに半導体
磁器を用いて半導体磁器コンデンサとすることもできる
。

半導体磁器コンテ゛ンサとした場合には、誘電体磁器コ
ンテ゛ンサの１０倍以上の容量を取り出すことができる
から、それだけ優れたノイズ低減効果を得ることができ
る。

第６図は本考案に係る高電圧ＬＣ複合部品の等価回路図
である。

図から明らかなように、本考案に係る高電圧ＬＣ複合部
品は、第１図、第２図に示した高電圧ＬＣ複合部品に対
し、磁性体１３，１４によるインダクタンスＬ３．Ｌ４
をそれぞれ直列にした付加した構造となっており、フィ
ルタ素子が増加している。

したがって、第１図、第２図に示した従来の高電圧ＬＣ
複合部品より優れたノイズ低減効果を得ることができる
ことは明らかである。

しかも、第３図〜第５図の具体的な構造から明らかなよ
うに、接地金具４の構造を、両側に筒部４ａ、４ｂを設
けた構造とし、その内部に磁性体１３、１４を配置した
構造となっているから、従来、デッドスペースとなって
いた筒部４ａ、４ｂが磁性体１３．１４を収納するため
の空間として有効に利用されることとなり、全体形状の
大型化を招くことなく、ノイズ低減性能を向上させるこ
とができる。

しかも、磁性体１３．１４を筒部４ａ、４ｂの内部に収
納する一方、筒部４ａ、４ｂ間にあって筒部４ａ、４ｂ
の内径部を開口させた面上に、接地コンテ゛ンサ５を取
付ける構造であるから、磁性体１３、１４と接地コンテ
゛ンサ５との間の距離が大きくなり、絶縁耐圧が向上す
る。

また、コア６に巻装されたインダクタンスコイル７．８
を絶縁ケース１６内に内蔵させであるから、高電圧の印
加されるインダクタンスコイル７゜８が絶縁ケース１６
によって保護され、インダクタンスコイル７．８のリー
ク防止、耐圧向上及び外部に対する電気的、機械的保護
等の効果が得られる。

しかもインダクタンスコイル７．８がら延長されたリー
ド線を、貫通コンテ゛ンサから磁性体１３、１４へと連
続して、即ち半田付は等による接続部分を有することな
くそのまま貫通させであるので、接続部分での半田溶融
による信頼性の低下等を招くことのない高信頼度の高電
圧ＬＣ複合部品が得られる。

更に、貫通コンデンサを構成する貫通孔ｌａ。

１ｂを、磁性体１３．１４の収納される筒部４ａ、４ｂ
の上方に位置させであるので、貫通孔１ａ、１ｂを貫通
させた後のリード線が磁性体１３．１４に対して直線的
に導かれ、リード線の配線作業性の向上、リード線と接
地金具４との間の沿面距離の一定化、それによる絶縁耐
圧の一定化等の効果が得られる。

しかも、従来の高電圧ＬＣ複合部品の長所が少しも損な
われることがない。

以上詳説したように本考案に係る高電圧ＬＣ複合部品は
、両側に間隔をおいて下向きに突出する筒部を設けた接
地金具と、該接地金具の前記筒部間にあって該筒部の内
径部を開口させた面上に、電極の一方を固着して取付け
た接地コンテ゛ンサと、貫通孔が前記接地金具の前記筒
部の上方に位置するようにして、前記接地コンテ゛ンサ
の電極の他方に、電極の一方を固着して取付けた一対の
貫通コンテ゛ンサと、前記接地金具の前記筒部のそれぞ
れの内部に配置された一対の筒状の磁性体と、コイル端
末たるリード線を、前記貫通コンデンサ内を通ってを貫
通させると同時に電極の他方に固着し、更に前記磁性体
へと順次連続して貫通させた一対のインダクタンスコイ
ルと、前記接地金具の前記筒部よりは外側の部分で該接
地金具に装着され、前記接地コンテ゛ンサ、貫通コンテ
゛ンサ及び前記インダクタンスコイルを内蔵する絶縁ケ
ースと、該絶縁ケース内において、少なくとも、前記貫
通コンテ゛ンサ、前記接地コンテ゛ンサ及び前記磁性体
の回りに充填された絶縁物とを有して戒ることを特徴と
するから、従来のこの種高電圧ＬＣ複合部品の長所を少
しも損なうことなく、ノイズ低減効果を向上させ、耐電
圧特性を向上させた高信頼度の高電圧ＬＣ複合部品を提
供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高電圧ＬＣ複合部品の断面図、第２図は
第１図に示した高電圧ＬＣ複合部品をマグネトロン管の
フィルタとして使用した場合の等価回路図、第３図は本
考案に係る高電圧ＬＣ複合部品の断面図、第４図は同じ
くその分解拡散図、第５図は同じく他の実施例における
断面図、第６図は同じくその等価回路図で゛ある。 １、ＩＣ，ＩＤ・・・・・・貫通コンデンサ、４・・・
・・・接地金具、５・・・・・・接地コンデンサ、６・
・・・・・コア、７゜８・・・・・・インダクタンスコ
イル、９・・・・・・絶縁物、１３゜１４・・・・・・
磁性体。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）両側に間隔をおいて下向きに突出する筒部を設け
   た接地金具と、該接地金具の前記筒部間にあって該筒部
   の内径部を開口させた面上に電極の一方を固着して取付
   けた接地コンデンサと、貫通孔が前記接地金具の前記筒
   部の上方に位置するようにして、前記接地コンデンサの
   電極の他方に電極の一方を固着して取付けた一対の貫通
   コンデンサと、前記接地金具の前記筒部のそれぞれの内
   部に配置された一対の筒状の磁性体と、コイル端末たる
   リード線を、前記貫通コンデンサ内を通ってを貫通させ
   ると同時に電極の他方に固着し、更に前記磁性体へと順
   次連続して貫通させた一対のインダクタンスコイルと、
   前記接地金具の前記筒部よりは外側の部分で該接地金具
   に装着され、前記接地コンデンサ、貫通コンテ゛ンサ及
   び前記インダクタンスコイルを内蔵する絶縁ケースと、
   該絶縁ケース内において、少なくとも、前記貫通コンデ
   ゛ンサ、前記接地コンデンサ及び前記磁性体の回りに充
   填された絶縁物とを有して戒ることを特徴とする高電圧
   ＬＣ複合部品。
2. （２）前記磁性体はフェライトビーズで戊ることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第（１）項に記載の高電
   圧ＬＣ複合部品。