JPS598343Y2 - 高電圧ｌｃ複合部品 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高周波大電力装置、たとえば電子レンジ等に使
用されるマグネトロン管とラインフィルタとして使用さ
れる高電圧ＬＣ複合部品に関する。

最近、放送機器等の産業用機器のみならず、電子レンジ
等の民生用機器にもＵＨＦ，ＶＨＦ帯の大電力の電磁波
が利用されるようになり、その利用度が高まるにつれて
、これら機器から漏洩する電磁波による雑音公害が大き
な社会問題としてクローズアップされるようになってき
た。

このような雑音公害を防止するため、従来より各種のラ
インフィルタが提案されている。

第１図はマグネトロン管の雑音防止用として構或された
高電圧ＬＣ複合部品の従来例を示している。

この従来例は、２つの貫通孔１ａ，ｌｂを設けた平板状
の誘電体磁器１の両面の前記貫通孔１ａ，１ｂのまわり
に、互に独立する電極２ａ，２ｂおよび共通電極３をそ
れぞれ設けると共に、該誘電体磁器１の共通電極３を、
接地金具４上に電極５ａの一方を半田付け固定した高電
圧用磁器コンデンサ５の他方の電極５ｂ上に半田付け固
定し、さらにフエライト等より或る棒状の磁性体６上に
巻回したコイル７，８の一端７ａ，ｇａを、前記貫通孔
１ａ，ｌｂ内を貫通させて導出したうえで、前記電極２
ａ，２ｂにそれぞれ半田付けまたは導電接着剤で導通接
続し、全体を絶縁物９でモールドした構造となっている
。

絶縁物９はフイラーとしてＳｉＯ２、ＡＩ２０３、Ｆｅ
２０ａ等を均質に分散させた合戒樹脂または合威ゴムを
、接地金具４、絶縁ケース１０および絶縁プッシュ１１
ａ，１ｌ ｂ内に注形することによって形威される。

上記高電圧ＬＣ複合部品を、たとえば電子レンジ等のマ
グネトロン管のラインフィルタとして使用するには、イ
ンダクタンスコイル７，８のコイル端末７ｂ，８ｂを、
アノード１２ａ接地したマグネトロン管１２のヒータ１
２ｂにそれぞれ直列に接続する。

第２図はその場合の等価回路図であり、Ｌ１，Ｌ２はコ
イル７，８によるインダクタンスＣ１，Ｃ２は誘電体磁
器１上に設けた電極２ａ，２ｂと共通電極３との間に形
或された貫通コンデンサの容量、Ｃ３は磁器コンデンサ
５による容量である。

通常、マグネトロン管１２のヒータ１２ ｂには数■の
電圧が加わるだけであるが、アノード１２ ａとヒータ
１２ｂとの間には５００■〜３ＫＶ程度の高電圧が加わ
る。

この高電圧は、容量Ｃ３と容量Ｃ１またはＣ２によって
分担される。

この場合、容量Ｃ１，Ｃ２と容量Ｃ３の１関係を、Ｃ１
＝０２〉〉Ｃ３となるように選定すると、コンテ゛ンサ
の電圧分担が容量値に反比例することから、使用電圧５
００■〜３ＫＶの殆んどが、容量Ｃ３を構威する磁器コ
ンデンサ５に加わり、容量Ｃエ，Ｃ２を構或する貫通コ
ンデンサの電圧分担が著るしく軽減される。

第１図の具体的な構造から明らかなように、貫通コンテ
゛ンサの耐電圧を高めることは構造的に非常な困難を伴
うが、磁器コンデンサ５の耐電圧の増大はその厚み増大
により比較的簡単に達或できる。

したがって、容量ＣＩ，Ｃ２，Ｃ３の・関係をＣＩ＝Ｃ
２＞＞Ｃ３の関係に選定することは、構造的にもマツチ
している。

しかも容量Ｃ．，Ｃ２を大きい値に選定することにより
、誘電体磁器１の厚みを薄くし、コストダウンを達或す
ると同時に、フィルタとしての機能を向上させることも
できる。

すなわち、第１図に示した従来の高電圧ＬＣ複合部品は
、貫通コンデンサに接地コンデンサを接続してあるため
、フィルタ効果を高めながら、同時に絶縁耐力を向上さ
せることができるという優れた効果を得ることができる
。

また接地コンデンサ５を接地金具４に直接固着してある
ため、コンテ゛ンサ５の自己インダクタンスが小さく、
自己共振周波数の高いものが得られるという利点もある
。

さらに、コイル７，８とコンデンサ１，５を一体化しつ
つ、絶縁物９内にモールドしてあるため、小形で信頼性
が高く、シかもマグネトロン管などに取付ける際の取付
け作業、取扱いが容易であること等々の特長がある。

本考案は上述する従来の長所を失うことなく、ノイズ低
減効果を一層向上させるようにした高性能の高電圧ＬＣ
複合部品を提供することを目的とする。

上記目的を達戒するため、本考案に係る高電圧ＬＣ複合
部品は、インダクタンスコイルと、該インダクタンスコ
イルから導かれたリード線を電極の一方に固着しつつ貫
通させた貫通コンデンサと、該貫通コンデンサの電極の
他方を電極の一方に導通接続しかつ電極の他方を接地金
具に固着した接地コンテ゛ンサと、前記貫通コンデンサ
を貫通した後の前記リード線を貫通させるべく前記接地
金具によって支持したフエライト混入樹脂とを備えるこ
とを特徴とする。

以下実施例たる添付図面を参照し、本考案の内容を具体
的に詳説する。

第３図は本考案に係る高電圧ＬＣ複合部品の断面図であ
る。

図において、第１図と同一の参照符号は同一の構戒部分
を示している。

１３．１４は、絶縁力バー１５．１６内に収納したフエ
ライト混入樹脂である。

絶縁カバー１５．１６は、隔板部１５ ａ ，１６ ａ
によって区画された筒状嵌合部１５ ｂ ，１６ ｂお
よびフエライト混入樹脂収納部１５ Ｃ ，１６ Ｃと
を有していて、前記嵌合部１５ｂ，１６ｂを、接地金具
４に予め形或した筒部４ ａ ，４ ｂ内に嵌合圧着し
てある。

このフエライト混入樹脂１３．１４および絶縁カバ−１
５．１６のほぼ軸心上には、貫通コンデンサを構或する
誘電体磁器１を貫通した後のリード線７ａ，８ａを貫通
させてある。

この場合、リード線７ａ，８ａと接地金具４との間には
５００Ｖ〜３ＫＶ程度の高電圧が加わることとなるが、
フエライト混入樹脂１３．１４の絶縁耐力は充分に高い
こと、このフエライト混入樹脂１３．１４を絶縁カバー
１５．１６によって包囲してあること、更に嵌合部１５
ａ ，１６ ａを接地金具４の上方に突出させてある
こと等がら、十分な絶縁耐力を確保することができる。

接地金具４、絶縁カバー１５．１６および絶縁ケース１
０によって囲まれた領域内には、貫通コンデ゛ンサ、接
地コンデンサ５の周囲を埋める如く、絶縁物９を充填し
てある。

該絶縁物９は、フエライトとしてＳｉＯ２、ＡＩ２０２
、Ｆｅ２０３等を均質に分散させた合吠樹脂または合或
ゴムによって構或してある。

なお、この実施例では、インダクタンスコイル７，８は
、絶縁物９の外部空間内に配置してあるが、絶縁物９に
よってモールドするような構造とすることもできる。

また第４図に示すように、貫通コンデンサを、互に独立
する誘電体磁器Ｉ Ｃ，Ｉ Ｄに２分することもできる
。

さらに誘電体磁器の代りに半導体磁器を用いて半導体磁
器貫通コンデンサとすることもできる。

半導体磁器貫通コンデンサとした場合には、誘電体磁器
コンデンサの１０倍以上の容量を取り出すことができる
から、それだけノイズ低減効果の優れたものを得ること
ができる。

また、第５図に示すように、貫通コンデンサを、大容量
化の容易な筒状の貫通コンデンサ１Ｅ，１Ｆによって構
或し、該貫通コンデンサＩＥ，ＩＦを導体１７によって
接地コンデンサ５に導通接続するような構造とすること
もできる。

第６図は本考案に係る高電圧ＬＣ複合部品の等価回路図
である。

図から明らかなように、本考案に係る高電圧ＬＣ複合部
品は、第１図、第２図に示した高電圧ＬＣ複合部品に対
し、フエライト混入樹脂１３．１４によるインダクタン
スＬ３， Ｌ４をそれぞれ直列に付加した構造となって
おり、フィルタ素子が増加している。

したがって、第１図、第２図に示した従来の高電圧ＬＣ
複合部品より優れたノイズ低減効果を得ることができる
ことは明らかである。

しかも、フエライト混入樹脂１３．１４自体が絶縁層と
なるから、絶縁層を別に設ける必要がなく、工程上も構
造上も簡素化される。

また従来デッドスペースとなっていた部分を有効に活用
しており、小形で効率の良いものが得られる。

また従来の高電圧ＬＣ複合部品の形状を殆んど変更する
ことがなく、そのまま取付使用し得る利点も存する。

さらに、従来の高電圧ＬＣ複合部品の長所が毫も損われ
ることがない等々の効果がある。

以上詳説したように、本考案に係る高電圧ＬＣ複合部品
は、インダクタンスコイルと、該インダクタンスコイル
から導かれたリード線を電極の一方に固着しかつ貫通コ
ンデンサと、該貫通コンデンサの電極の他方を電極の一
方に導通接続しかつ電極の他方を接地金具に固着した接
地コンデンサと、前記貫通コンデンサを貫通した後の前
記リード線を貫通させるべく前記接地金具によって支持
した磁性体混入樹脂とを備えることを特徴とするから、
従来のこの種高電圧ＬＣ複合部品の長所を損うことなく
、ノイズ低減効果を向上させた高電圧ＬＣ複合部品を提
供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高電圧ＬＣ複合部品の断面図、第２図は
第１図に示した高電圧ＬＣ複合部品をマグネトロン管の
フィルタとして使用した場合の等価回路図、第３図は本
考案に係る高電圧ＬＣ複合部品の断面図、第４図、第５
図は同じく他の実施例における断面図 第６図は同じく
その等価回路図を示している。 １・・・・・・貫通コンテ゛ンサ、４・・・・・・接地
金具、５・・・・・・接地コンデンサ、７，８・・・・
・・インダクタンスコイル、１３，１４・・・・・・磁
性体混入樹脂。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）インダクタンスコイルと、該インダクタンスコイ
   ルから導かれたリード線を電極の一方に固着しかつ貫通
   させた貫通コンデンサと、該貫通コンデンサの電極の他
   方に電極の一方を導通接続しかつ電極の他方を接地金具
   に固着した接地コンテ゛ンサと、前記貫通コンデンサを
   貫通した後の前記リード線を貫通させるべく前記接地金
   具によって支持した磁性体混入樹脂とを備えることを特
   徴とする高電圧ＬＣ複合部品。
2. （２）前記磁性体混入樹脂はフエライト混入樹脂である
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載
   の高電圧ＬＣ複合部品。
3. （３）前記磁性体混入樹脂は前記接地金具に取付けられ
   た筒状の絶縁カバー内に充填されることを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項または第２項に記載の高電
   圧Ｌｑ夏合部品。
4. （４）前記インダクタンスコイル、前記貫通コンデンサ
   および前記磁性体混入樹脂は一対づつ設けられ、前記一
   対の貫通コンデンサは一個の前記接地コンデンサに共通
   に導通接続されることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項、第２項または第３項に記載の高電圧ＬＣ複
   合部品。
5. （５）少なくとも、前記貫通コンデンサおよび前記接地
   コンテ゛ンサは、絶縁物内に埋設されることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項、第２項、第３項また
   は第４項に記載の高電圧ＬＣ複合部口目０