JPH054577B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、空気の温度および湿度を調整し、
その空気を複数の室に送るようにした空気調和装
置に関するものである。

〔従来の技術〕

複数の室を有するマンシヨン、ホテル等におけ
る空気調和装置としては、熱源を有する空調機を
各室毎に設置したものがある。ところがこの空気
調和装置は、各室毎にベランダ等に空調設備を置
くことになるため、ベランダ等の有効利用ができ
なくなり、また、建物の外側に各室毎に使用する
空調設備を設置するスペースを有しない室に対し
ては設置が難しいという欠点があつた。

このような欠点を解消するものとして、１ケ所
の熱源で空気の温度および湿度を調整し、この調
整された空気をダクトを通して各室へ分配する空
気調和装置が用いられるようになつている。

従来、この種の空気調和装置としては、第２図
に示すようなセントラル空調システムＡが知られ
ている。この図において、符号１，２，３，４は
隣り合つた一連の室を示し、符号５は機械室を示
す。また、機械室５の外側にベランダ６が設けら
れている。ベランダ６には室外ユニツト７が設置
され、この室外ユニツト７にはコンプレツサ８、
室外コイル９、室外コイル９に風を送る室外送風
機１０が収められている。一方、機械室５の内部
には、室内ユニツト１１が設けられ、室内ユニツ
ト１１内には、フイルタ１２、室内コイル１３、
大型送風機１４がこの順に配設され、また室内コ
イル１３には、膨張弁１５が配管により接続され
ている。ここで、室内コイル１３、コンプレツサ
８、室内コイル９、膨張弁１５はこの順に接続さ
れ、ヒートポンプ１６を形成している。また、ヒ
ートポンプ１６、室外送風機１０、フイルタ１２
は空気調整装置１７を構成している。

一方、室内ユニツト１１の大型送風機１４の側
には吐出口１８が設けられ、この吐出口１８には
送気ダクト１９（流路）が接続されている。この
送気ダクト１９は、室内ユニツト１１に接続され
たメインダクト２０と、このメインダクト２０か
ら分岐して室１，２，３，４に向う分岐ダクト２
１，２２，２３，２４とから構成されている。分
岐ダクト２１，２２，２３，２４の室側の端部に
は、チヤンバ２５，２６，２７２８（流路）設け
られ、このチヤンバ２５，２６，２７，２８はそ
の下部を室１，２，３，４の天井にそれぞれ開口
している。チヤンバ２５，２６，２７，２８内に
はダンパ２９，３０，３１，３２が設けられてい
る。また、室１，２，３，４には通気孔３３，３
４，３５，３６が開口している。これらの通気孔
３３，３４，３５，３６には還気ダクト３７が接
続されており、この還気ダクト３７は、室内ユニ
ツト１１のフイルタ１２の側に開口している吸入
口３８に接続されている。

このような構成の空気調和装置Ａにおいてその
作用を説明する。まず、コンプレツサ８を作動さ
せることによりヒートポンプ１６内の冷媒を第２
図中矢印Ｂ方向に循環させ、また室外送風機１０
を作動させると、室内コイル１３は冷却される。
同時に、室内ユニツト１１内の大型送風機１４を
作動させると、室１，２，３，４内の空気は通気
孔３３，３４，３５，３６から還気ダクト３７を
通り吸入口３８から室内ユニツト１１内に吸入さ
れる。室内ユニツト１１内に吸入された空気はフ
イルタ１２で濾過され、室内コイル１３で冷却さ
れ、大型送風機１４を通つてメインダクト２０へ
送られる。メインダクト２０に送られた冷却空気
は各分岐ダクト２１，２２，２３，２４に分配さ
れ、各チヤンバ２５，２６，２７，２８を通つて
各室１，２，３，４に送風される。

以上のような空気循環のサイクルをくり返すこ
とによつて室１，２，３，４の冷房が行なわれ
る。

また、暖房の場合には、コンプレツサ８を逆に
作動させ、ヒートポンプ１６内の冷媒を第２図中
矢印ｃ方向に循環させることにより、室内コイル
１３を加熱させる。そして室内コイル１３を通り
加熱された空気を大型送風機１４により各室に送
風することにより暖房を行なう。

また、特定の室のみ空調をしたい場合には、そ
の室のダンパのみを開状態とし、他の室のダンパ
を閉状態にすることにより、その室のみの空調を
行なう。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記の従来の空気調和装置にあつては、複数の
室のうち一部の室のみの空調を行なう場合にも、
大型送風機１４を作動させておかねばならず、エ
ネルギーがムダになるという問題点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明は、上記の問題点を解決するための手
段として、各室毎に分岐した流路中にそれぞれ送
風機を設けている。

〔実施例〕

第１図はこの発明の一実施例である空気調和装
置Ｄを示す図である。この図において、従来例と
同一構成の部分には同一符号を付してその説明を
省略する。従来例との相違点を説明すると、この
空気調和装置Ｄには室内ユニツト１１内に大型送
風機がなく、そのかわりにチヤンバ２５，２６，
２７，２８内のダンパ２９，３０，３１，３２の
上方にそれぞれ小型の送風機３９，４０，４１，
４２が設けられている。

このような空気調和装置Ｄにより、各室の空調
を行なう場合には、空調を行いたい室のみ送風機
を作動させるとともにダンパを開状態とし、他の
室のダンパを閉状態とし送風機は停止させてお
く。この場合作動される送風機の数に従つて、ヒ
ートポンプ１６の移送する熱量を調整する。すな
わち、室内ユニツト１１を通過する空気は、流量
が作動されている全ての小型送風機の送風量の総
和であつて、送風ダクト１９を介して作用する小
型送風機の送風による調整空気の吸引力で流れが
形成されている。ヒートポンプ１６の移送する熱
量は、室内ユニツト１１を通過する空気流量にし
たがつて設定されている。したがつて、前記の結
果、空調すべき室数の変化に対して、空調室への
小型送風機の送風は、温度、風量、風速ともに安
定しているから、空調すべき室の空調を常に安定
して行うことができる。なおこの空気調和装置Ｄ
における上記以外の作用については、前述した従
来例と同様である。

〔発明の効果〕

この発明によれば、複数の室毎に分岐した流路
中にそれぞれ送風機を設けているから、各送風機
を小型化することができ、しかも、複数の室のう
ち一部の室のみの空調を行なう場合には、その空
調したい室の送風機のみを作動させ、他の室の送
風機は停止させておけばよく、したがつて無用な
エネルギー消費を低減できる。また、空調すべき
室数の変化に対して、空調室への送風の温度、風
量、風速を常に安定に保持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例である空気調和装置
Ｄを示す図、第２図は従来のセントラル空調シス
テムの一例である空気調和装置Ａを示す図であ
る。 １，２，３，４……室、１７……空気調整装
置、１９……送気ダクト（流路）、２５，２６，
２７，２８……チヤンバ（流路）、３９，４０，
４１，４２……送風機、Ｄ……空気調和装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 空気の温度および湿度を調整する空気調整装
   置から複数の室毎に空気の流路を分岐させて設
   け、この流路を通して各室に調整された空気を送
   るようにした空気調和装置において、各室毎に分
   岐した流路中にそれぞれ送風機を設け、前記空気
   調整装置の熱交換能力を、作動している送風機の
   数に連動して調整可能としたことを特徴とする空
   気調和装置。