JPH0544641Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案はヒータ調理機能を有し、オーブン庫の
熱により作動してオーブン庫内への通気制御を行
うダンパー装置を具備した電子レンジに関し、更
に詳しくはオーブン庫の外側及びマグネトロン等
の電装部品を冷却する送風装置の駆動装置に関す
るものである。

〈従来の技術〉 ヒータ調理機能とマイクロ波調理機能とを有す
る多機能型電子レンジには、ヒータ調理時はオー
ブン庫内への通気を遮断して熱損失が少なくなる
ようにし、マイクロ波調理時はオーブン庫内への
通気を行つて被加熱物から発生した蒸気がオーブ
ン庫内に籠らないようにするダンパー装置を備え
ている。

そして近年、形状記憶合金の形状記憶効果を開
閉駆動に利用したダンパー装置が採用される傾向
にあり、最近では形状記憶効果を発揮する温度に
形状記憶合金を加熱する熱源としてオーブン庫の
熱を利用することが考えられている。オーブン庫
の熱を利用してダンパーを開閉させれば、ダンパ
ーを駆動させる手段が全く不要となりコストダウ
ンが計れるからである。

しかしながら形状記憶合金を用いた従来のダン
パー装置は、形状記憶合金の熱源として通電によ
る自己発熱を利用したものや近傍にヒータを配設
したものしか商品化されておらず、この種のもの
にあつてはダンパーを駆動させるための電気的加
熱装置を必要としやはりコスト的にデメリツトが
あつた。

一方、オーブン庫の熱を利用しようとするもの
にあつてはダンパーの応答性が悪く、ヒータ調理
開始後しばらくはダンパーが閉成しないのでヒー
タ調理開始と同時に、オーブン庫の外側及びマグ
ネトロン、高圧トランス等の電装部品を冷却する
送風装置を駆動させると、ダンパーが閉成するま
での間オーブン庫内に送風が行われてオーブン庫
内の熱が排出され、オーブン庫の温度上昇速度が
遅くなつてダンパーの閉成が遅くなるという悪循
環現象がある。

〈考案が解決しようとする問題点〉 そこで、オーブン庫温度を検知してオーブン庫
温度が所定温度に達してから送風装置を駆動させ
るという考えもあるが、オーブン庫温度の温度上
昇がダンパー装置の温度上昇より早いため効果的
でなく、ヒータ調理開始後ダンパーが閉成するの
に要すると思われる所定時間遅らせて送風装置を
駆動させる方が効果的である。

ところが、このやり方の場合にはヒータ調理を
連続して行つた場合に各部の温度が異常に上昇し
すぎるという問題があり、そこでヒータ調理開始
時のオーブン庫温度が所定温度以下のときのみ上
記所定時間遅らせて送風装置を駆動させるという
方法が検討されたが、この方法においても、続け
てヒータ調理する際にオーブン庫のドア開閉等に
よる外気の影響でオーブン庫温度が一時的に所定
温度以下になつていた場合にはやはり同様の問題
が発生する。

本考案はこの問題解消を目的とする。

〈問題点を解決するための手段） ヒータ調理終了時のオーブン庫温度が所定温度
以上のときにヒータ調理終了に伴つて作動する計
時手段と、該計時手段が計時した時間が所定時間
に達したかどうかを判断する判断手段と、該判断
手段が”達していない”と判断しているときにヒ
ータ調理を開始した場合には直ちに送風装置を駆
動させ、”達した”と判断しているときにヒータ
調理を開始した場合には開始時のオーブン庫温度
を検知し、その検知温度が所定温度以上の場合に
は直ちに送風装置を駆動させ所定温度未満の場合
には送風装置を所定時間遅らせて駆動させる制御
手段とを設ける。

尚、上記計時手段はカウントダウン式、カウン
トアツプ式のどちらであつてもよいこと勿論であ
る。

〈作用〉 ヒータ調理を連続して行う際、前回のヒータ調
理終了から所定時間以内であれば、例えドアの開
閉によつてオーブン庫温度が一時的に所定温度以
下になつていてもヒータ通電と同時に送風装置を
駆動させるので、各部の温度が異常に上昇しすぎ
るのを防止できる。

〈実施例〉 以下、本考案の一実施例を図面に基づき説明す
る。

第１図は本考案の電子レンジの要部構成図、第
２図は本考案を説明するためのフローチヤートで
ある。

図中の１は実行しようとする調理の種別を設定
するキー、各種フアンクシヨンキー、調理温度と
か調理時間等を設定する置数キー、調理開始を指
示するスタートキー及び表示装置等を有するコン
トロールパネル、２は電子レンジの運転制御を司
るマイクロプロセツサ（MPU）、３はマイクロプ
ロセツサ２からの制御信号に基づいて電子レンジ
の加熱手段である高周波加熱装置４、ヒータ加熱
装置５及び送風装置６等への給電制御を行う電源
装置、７はオーブン庫温度を検出する温度検出装
置である。そして８は形状記憶合金の形状記憶効
果をダンパー開閉駆動に利用したダンパー装置で
あり、オーブン庫温度が上昇するとその熱によつ
て形状記憶合金が記憶形状に復帰し、送風装置６
からの風をオーブン庫内に供給する給気口を閉成
するように構成されている。

次に、上記マイクロプロセツサ（MPU）２の
本考案に係る機能を第２図のフローチヤートに基
づいて説明する。

コントロールパネル１にてグリル調理、熱風循
環調理等の電気ヒータを熱源とするヒータ調理を
設定し、更に調理時間（Ｔ）を設定してスタート
キーを押すと、マイクロプロセツサ（MPU）２
は設定された時間（Ｔ）ヒータ調理を実行すべ
く、まずヒータ加熱装置５を駆動させる信号を出
力する。

次に、後述の計時手段FANC（カウントダウン
式のフアンカウンター）が０になつているかどう
かを判断し、０になつていないと判断した場合に
は送風装置６を遅延駆動させるための計時手段
TIME（カウントダウン式のタイマー）に０を設
定する。

一方、０になつていると判断した場合にはオー
ブン庫温度（Ｋ）を検出し、その温度（Ｋ）が所
定温度（例えば100℃）以上の場合は上記計時手
段TIMEを０に設定し、その温度（Ｋ）が所定温
度未満の場合は上記計時手段TIMEにオーブン庫
が温度上昇してダンパー８が閉成するのに要する
と思われる所定時間（例えば２分）を設定する。

そして、その計時手段TIMEの設定が０かどう
かを判断して０であれば送風装置６を駆動させる
信号を出力し、０でなければ０が設定されるまで
カウントダウンを繰返して（２分が経過して）か
ら送風装置６を駆動させる信号を出力する。この
時には既にダンパー８が閉成しているはずであ
り、正規のヒータ調理運転を調理時間（Ｔ）が経
過するまで続行させる。

そして調理時間（Ｔ）が経過したならばヒータ
加熱装置５をOFFにすると共にオーブン庫温度
（Ｋ）を検出し、その温度（Ｋ）が所定温度（例
えば150℃）以上であるならば送風装置６を延長
運転させる時間を計時する計時手段FANCに、
オーブン庫温度が100℃以下に冷却されるのに要
する所定時間（例えば３分）を設定し、その温度
（Ｋ）が所定温度（150℃）未満であるならば上記
計時手段FANCに０を設定する。

そして、オーブン庫温度（Ｋ）が所定温度
（150℃）以上であるときには、計時手段FANC
（カウントダウン式のフアンカウンター）に所定
時間（例えば３分）を設定し計時を開始する。こ
の計時手段FANCの計時時間が所定時間（３分）
に達したかどうか（計時手段FANCのカウント
が０になつているかどうか）を判断し、所定時間
に達していると判断した場合（計時手段FANC
のカウントが０になつている場合）には、オーブ
ン庫温度（Ｋ）が所定温度（100℃）以下になつ
ているかどうかを判断し、所定温度（100℃）以
下になつていれば送風装置６を停止させる信号を
出力して送風装置６を停止させる。また、オーブ
ン庫温度（Ｋ）が所定温度（100℃）になつてい
なければオーブン庫温度（Ｋ）が所定温度（100
℃）になるまで送風装置６を駆動させる。

一方、計時手段FANCの計時時間が所定時間
（３分）に達していないと判断した場合（計時手
段FANCのカウントが０になつていない場合）
には、計時手段FANCの計時時間が所定時間
（３分）（計時手段FANCのカウントが０）にな
るまで計時を継続し（カウントダウンを繰返し）、
その後、計時手段FANCの計時時間が所定時間
（３分）に達してから（計時手段FANCのカウン
トが０になつてから）オーブン庫温度（Ｋ）を検
出し、オーブン庫温度（Ｋ）が所定温度（100℃）
以下になつていると判断した場合に送風装置６を
停止させる信号を出力し、この送風装置６を停止
させる。

上記本考案の制御であれば、ヒータ加熱装置５
がOFFになつて（ヒータ調理が終了して）オー
ブン庫温度（Ｋ）が150℃未満になつておらず計
時手段FANCのカウントが０になつていないう
ちに続けて次のヒータ調理を開始した場合に、ド
ア開閉によつて流入した外気の影響でオーブン庫
温度（Ｋ）が100℃未満であると判断されても直
ちに送風装置６が駆動するので、各部の温度が異
常に上昇しすぎることはない。

〈効果〉 本考案の電子レンジは上記のような構成によ
り、オーブン庫の熱により作動してオーブン庫内
への通気制御を行うダンパーをヒータ調理開始時
に迅速かつ確実に作動させることができ、オーブ
ン庫温度を短時間に効率良く上昇させることがで
きる。

また、ヒータ調理の終了後、時間を置かずに続
けてヒータ調理を行つた場合に、ドア開閉によつ
て流入した外気の影響でオーブン庫温度が一時的
に低下しても、誤つて送風装置が停止することな
く各部の温度が異常に上昇しすぎるという不具合
を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の電子レンジの要部構成図、第
２図は本考案を説明するためのフローチヤートで
ある。 符号、１……コントロールパネル、２……マイ
クロプロセツサ（MPU）、５……ヒータ加熱装
置、６……送風装置、７……温度検出装置、８…
…ダンパー装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ヒータ加熱装置と、オーブン庫の熱により作動
   してオーブン庫内への通気制御を行うダンパー
   と、オーブン庫の外側及びマグネトロン等の電装
   部品を冷却する送風装置と、オーブン庫の温度を
   検出する温度検出手段とを備えてなる電子レンジ
   において、 ヒータ調理終了時のオーブン庫温度が所定温度
   以上のときにヒータ調理終了に伴つて作動する計
   時手段と、該計時手段が計時した時間が所定時間
   に達したかどうかを判断する判断手段と、該判断
   手段が”達していない”と判断しているときにヒ
   ータ調理を開始した場合には直ちに前記送風装置
   を駆動させ、”達した”と判断しているときにヒ
   ータ調理を開始した場合には開始時のオーブン庫
   温度を検知し、その検知温度が所定温度以上の場
   合には直ちに前記送風装置を駆動させ所定温度未
   満の場合には前記送風装置を所定時間遅らせて駆
   動させる制御手段とを設けた電子レンジ。