JPH0544060A - 耐パウダリング性に優れた表面処理AlまたはAl合金材 - Google Patents

耐パウダリング性に優れた表面処理AlまたはAl合金材

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JPH0544060A
JPH0544060A JP22877691A JP22877691A JPH0544060A JP H0544060 A JPH0544060 A JP H0544060A JP 22877691 A JP22877691 A JP 22877691A JP 22877691 A JP22877691 A JP 22877691A JP H0544060 A JPH0544060 A JP H0544060A
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JP
Japan
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plating layer
plating
alloy
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alloy material
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Withdrawn
Application number
JP22877691A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Sato
廣士 佐藤
Tsugumoto Ikeda
貢基 池田
Nagisa Takee
なぎさ 武江
Toshiki Ueda
利樹 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 AlまたはAl合金基材の表面に、プレス成
形加工を行なった場合でもパウダリングを起こすことの
ない、耐パウダリング性の優れた表面処理AlまたはA
l合金材を提供すること。 【構成】 AlまたはAl合金基材の表面に、Fe族元
素とZnを含む金属めっき層が形成されてなり、該めっ
き層の基材側におけるFe族元素の含有量は20%以上
にすると共に、めっき表面側へ行くにつれてFe族元素
の含有量を連続的もしくは段階的に減少させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の各種車輛の
パネル材や家庭用電気製品等の外板材あるいは建築材料
の様に、プレス成形等の加工を施して用いられる金属材
料として有用な、耐パウダリング性の優れた表面処理A
lまたはAl合金材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】AlまたはAl合金材(以下、Al合金
材で代表する)は、軽量でしかも優れた耐食性及び意匠
性を有しており、且つ比強度が大きいといった特長を有
しているので、家庭用電気製品の外板材や建築材等の分
野で広く利用されている。
【0003】また最近では、排ガス量の低減及び燃費向
上のための車体軽量化手段として、鋼材に代えて軽量の
Al合金材を利用しようとする動きが急速に高まってき
ている。ところでAl合金材を上記の様な用途に適用し
ていく場合、外観を良くするため有機質塗料を塗布する
ことが多いが、Al合金材の表面は安定な酸化皮膜(不
動態皮膜)で覆われているため、塗装前処理として行な
われるりん酸塩処理性が非常に悪く、その結果満足のい
く塗膜密着性が得られない。
【0004】そこでりん酸塩処理性を高める為の手段と
して、Al合金基材表面にZn置換めっき層等を形成
し、これによりりん酸塩処理性を高め、ひいては塗装性
や塗装後耐食性を改善する方法も提案されている。とこ
ろが従来のZn置換めっき材では、めっき処理の後りん
酸塩処理前にプレス成形等の加工をおこなったときにZ
n置換めっき層がパウダリングを起こし易く、その結
果、その後に行なわれるりん酸塩処理が均一に行なえな
くなり、ひいては塗装性や塗装後耐食性も十分に改善で
きなくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、プレ
ス成形等の加工を施した場合でもZn系めっき層がパウ
ダリングを起こすことのない、優れた耐パウダリング性
の表面処理AlまたはAl合金材を提供しようとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る表面処理AlまたはAl合金材の
構成は、AlまたはAl合金基材の表面に、Fe,N
i,Coよりなる群から選択されるFe族元素の1種以
上を含有し、残部が実質的にZnからなる金属めっき層
が形成され、AlまたはAl合金基材とめっき層の界面
側における上記Fe族元素の濃度は20重量%以上であ
り、且つめっき層表面にいくに従ってFe族元素濃度が
順次減少しているところに要旨を有するものである。
【0007】
【作用】前述の如くZn置換めっきの施されたAl合金
材が加工時にパウダリングを起こす理由の1つとして
は、Al合金材の表面に存在するAl酸化物がZnめっ
き層の密着性を阻害していることが考えられる。そこで
本発明者等は、Al合金基材の表面にAl酸化物が存在
する場合でも特別の前処理なしでZn系めっき層を強固
に密着させることのできる技術を開発しようとして研究
を進めた。
【0008】その結果、前述の如くめっき材としてF
e,Ni,Coよりなる群から選択されるFe族元素を
含有し且つ残部が実質的にZnからなる合金材料を使用
し、且つAl合金基材との界面側におけるめっき組成を
上記Fe族元素含有量が20%以上とし、しかもめっき
層の表面側へ行くにつれて上記Fe族元素濃度が連続的
もしくは段階的に低くなる様にめっき層の組成を調整す
れば、加工時におけるめっき層の耐パウダリング性が著
しく改善されることを知った。
【0009】本発明において上記の様な効果が得られる
理由は、次の様に考えることができる。即ち、Al合金
基材に対してFe族元素を含むめっき層を形成する場
合、そのめっき工程で電位的に貴なFe族元素がAl合
金基材の表面に存在する酸化物皮膜の溶解を促し、Al
合金生地に対して該金属めっき層が強固に密着するため
と思われる。そしてこうした密着性改善効果を得るに
は、Al合金基材とめっき層の界面における前記Fe族
元素の濃度を20%以上にしなければならず、Fe族元
素濃度が不足する場合は満足の行くめっき密着性改善効
果が得られない。密着性を高める上でより好ましいFe
族元素の含有量は40%以上、より好ましくは60%以
上である。
【0010】他方、Zn系めっき層内にFe族元素を含
有させるとめっき層が硬質化し、曲げ加工等の外力が加
わった時にめっき層が割れを起こし、これが著しくなる
とパウダリング現象となって現われる。ところが、当該
めっき層におけるFe族元素の含有量が、Al合金材の
界面側からめっき表面側に行くにつれて連続的もしくは
段階的に少なくなる様な濃度勾配をつけておけば、当該
めっき層の表面方向へ行くほどZnリッチとなってめっ
き層が軟質化されるばかりでなく、プレス成形等の外力
を受けた時にめっき層内に生ずる内部応力がめっき層内
で連続的もしくは段階的に吸収されることになり、これ
らが相まってめっき層の耐パウダリング性は著しく改善
される。
【0011】かくして本発明によれば、Al系合金基材
表面に形成されるZn系めっき層における基材側のFe
族元素含有量を20%以上とし、めっき表面側に行くに
つれてFe族元素含有量が順次減少するような勾配をつ
けたところに特徴を有するものである。基本的なめっき
組成は前述の如くFe族元素とZnからなるものである
が、このめっき層には、上記の特徴を阻害しない範囲で
更に他の成分を少量配合することも可能であり、その様
な成分としてはCu,Mg,Mn,Cr,Ti,Si,
P,B等の元素あるいはSiO2,Al23,Al(O
H)3 等のセラミックス微粉末を例示することができ、
これらは必要により2種以上を併用することができる。
【0012】尚、めっき層に前述の様なFe族元素の含
有量勾配をつけるための手段は特に限定されないが、一
般的な方法としては、複数のめっき浴槽を通してAl合
金材を浸漬走行させながら電気めっきや置換めっき等を
行なうこととし、めっき浴槽のFe族元素濃度を上流側
のものから下流側のものに行くにつれて順次低下させる
方法、或はめっき電流密度を順次低下させることにより
高電位のFe族元素の付着量を順次少なくする方法等で
ある。
【0013】本発明が適用されるAl合金材の種類は特
に限定されず、Alと共にMg,Mn,Si,Cu,Z
n,Cr,Ni等の金属の1種以上を合金成分として含
む様々のAl合金材が包含されるが、これらの中でも一
般的なのはAl−Mg系合金及びAl−Mg−Si系合
金である。基材として純Alを使用することも勿論可能
である。またその形状としては、最も汎用性の高い板状
物(薄板、厚板)のほか、棒状物、線状物、管状物等が
用途、目的に応じて選択使用できる。
【0014】次に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではない。
【0015】
【実施例】純Al板及びAl−Mg系、Al−Si系合
金板を基材とし、これに電気めっき法によって、表1に
示す組成及びFe族元素濃度勾配を有するZn系めっき
層(めっき付着量はいずれも約5g/m2)を形成した後、
夫々についてめっき密着性及び耐パウダリング性を評価
した。尚めっき条件及び性能評価法は次の通りとした。
【0016】(基板組成)純Al板、Al−4.5 %Mg
合金、Al−1.0 %Si合金 (めっき密着性)めっき面をテープ剥離し、めっき剥離
の程度を目視観察する。 ○:優 △:良 ×:不良 (耐パウダリング性)ドロービード試験の後、めっき面
をテープ剥離した時のめっき剥離量で評価する。 ○:0.2g/m2 以下 △:0.2〜0.5g/m2 ×:0.5m2 以上
【0017】結果は表1に一括して示す通りであり、N
o.1〜7は本発明の規定要件をすべて満足するため、
めっき密着性および耐パウダリング性のいずれも良好な
結果が得られている。これに対し、No.8,9は、A
l合金基材側のFe族元素濃度が低いためめっき密着性
及び耐パウダリング性がいずれも悪く、No.10は、
めっき表面方向にFe族元素濃度が逆に高くなっている
ため耐パウダリング性が悪い。またNo.11はZn単
独めっき層を形成したものであり、めっき密着性及び耐
パウダリング性のいずれも劣悪である。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、A
lまたはAl合金基材の表面に、Fe族元素の1種以上
を含有し、且つ残部が実質的にZnからなる金属めっき
層を形成すると共に、AlまたはAl合金基材とめっき
層の界面側における上記Fe族元素の濃度を高めに設定
し、且つめっき層表面側にいくに従ってFe族元素濃度
が順次低くなる様なめっき組成とすることによって、耐
パウダリング性の非常に良好な表面処理Al又はAl合
金材を提供し得ることになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植田 利樹 神戸市西区美賀多台1−4−1

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 AlまたはAl合金材の表面に、Fe,
    Ni,Coよりなる群から選択されるFe族元素の1種
    以上を含有し、残部が実質的にZnからなる金属めっき
    層が形成され、AlまたはAl合金基材とめっき層の界
    面側におけるめっき層中の上記Fe族元素の濃度は20
    重量%以上であり、且つめっき層表面にいくに従ってF
    e族元素濃度が順次減少していることを特長とする耐パ
    ウダリング性に優れた表面処理AlまたはAl合金材。
JP22877691A 1991-08-13 1991-08-13 耐パウダリング性に優れた表面処理AlまたはAl合金材 Withdrawn JPH0544060A (ja)

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Effective date: 19981112