JPH04160180A - 塗装性、塗装後耐食性及びプレス成形性に優れた表面処理ａ１またはａ１合金材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は塗装性、塗装後耐食性及びプレス成形性に優れ
たＡＩまたはＡｌ合金材に関するものであり、自動車や
家庭電化製品、建材等の様に塗装を施して利用される分
野において幅広く利用することができる。

゛［従来の技術］ ＡＩまたはＡｌ合金材（以下Ａｌ合金材で代表する）は
優れた耐食性及び意匠性を有し、しかも軽量であること
から家電や建材等を含む幅広い分野で用いられている。

また最近では自動車分野においても上記Ａｌ合金材の優
れた特性、特に軽量である点が注目を集めている。即ち
公害防止や省資源等の観点から燃費向上を目的として車
体の軽量化が求められており、従来の鋼板に替えてＡｌ
合金材の使用が検討されている。

従来Ａｌ合金材は陽極酸化処理等を施しただけで、塗装
せずに用いられていたが、自動車等の分野では塗装して
用いられることが多い、しかしＡｌ合金材はその表面が
強固な酸化物皮膜で覆われている為、りん酸塩処理やク
ロメート処理等の塗装前処理が不十分となり、塗装して
も十分な塗膜密着性が得られず、従って十分な塗装後耐
食性も得られていない。

また上記分野においてはプレス成形等の加工が行なわれ
ることも多いが、Ａｌ合金材は従来の冷延鋼板を用いた
時よりもプレス成形性に劣るという問題がある。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明は上記の様な状況に鑑みてなされたものであって
、りん酸塩処理性を改善することによって、塗装性、塗
装後耐食性、更にはプレス成形性に優れた表面処理Ａｌ
合金材を提供しようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 上記ｖｉ題を解決することのできた本発明のＡｌ合金材
は基板表面にＦｅまたはＦｅ基合金めっき層が形成され
、該めっき層中にＦｅ水酸化物を１％以上含有するもの
であることに要旨がある。

［作用］ Ａｌ合金材にＦｅ或はＦｅ基合金めっきを施すと、りん
酸塩処理性がある程度改善され、それに件って塗装性及
び塗装後耐食性も向上するがまだ十分とは言えなかった
。そこで本発明者らは更に研究を重ねた結果、良好なり
ん酸塩皮膜結晶が得られた場合には塗膜と基材とがアン
カー効果により更に強く密着し、より優れた塗装性及び
塗装後耐食性が得られることがわかった。また良好なり
ん酸塩皮膜結晶を得るためにはめつぎ層中にＦｅ水酸化
物を含有させることが効果的であることを見い出し本発
明を完成させるに至った。

またプレス成形等の加工性を高める為には表面層の潤滑
性が大切であり、本発明においては優れた潤滑性を有す
るＦｅ系めっきを施すことにより上記特性を得ている。

特にＦｅ基合金めっきは高面圧下での加工においてその
特性を発揮する。

以下更に詳しく説明する。

Ｆｅ系めっき材にりん酸塩処理を行なった場合には、基
材表面にりん酸Ｚｎ−Ｆｅ或はりん酸Ｚｎ結晶が析出す
るが、強固な塗膜密着性を得る為には、該りん酸塩皮膜
結晶を細かく緻密に生成することが望まれる。この様な
りん酸塩皮膜を得るには、皮膜結晶の核を均一に細かく
生成させることが効果的であり、これまでの−船釣手段
としては、結晶生成の核となり得るＴｉＯ２等を分散さ
せた表面調整液に被処理材を浸漬した後にりん酸塩処理
が行なわれている。

これに対し本発明はめつき層中にＦｅ水酸化物を含有さ
せることによって、上記りん酸塩皮膜結晶核の生成を更
に促進し、より均一で緻密なりん酸塩皮膜を得ようとす
るものである。該Ｆｅ＊酸化物はめフき表面層に存在す
ることが望ましいが、りん酸塩皮膜形成はめっき層の溶
解を伴うものであるので、めっ籾層中に含有された状態
であっても、その効果は発揮される。

また、Ｆｅ水酸化物はプレス成形時において一種の潤滑
剤として作用し、加工特性の中では摺動特性を大幅に向
上させることにより優れた効果をあげている。更にこの
効果が前記Ｆｅ系めっきの有する潤滑性と相乗効果を発
揮し、優れた加工性を得るに至っている。

第１図にＦｅ水酸化物の含有量と塗装後耐食性（塗膜ふ
くれ幅）の関係を、また第２図にＦｅ水酸化物の含有量
とプレス成形性（めっき剥離量）の関係を示す。図に示
されるように十分な効果を得るためにはＦｅｉ酸化物の
含有量を１％以上、より望ましくは５％以上とする必要
がある。上限は特に制限されないが、りん酸塩皮膜形成
反応に要するめっき量、及び過剰に含有したことにより
めっぎ剥離が起こりやすくなること等を考虜すると５０
％以下とすることが好ましい、尚塗装後耐食性及びプレ
ス成形性は「実施例」において示される方法により測定
した。

めっき付着量は０．１〜５　ｇ／ｍ’、望ましくは０．
１〜２　ｇ／ｍ２とすることが好ましい。５　ｇ／ｖｎ
２を超えると、プレス成形等を行なう場合にパウダリン
グ、フレーキング等のめっき剥離現象が生じ易くなると
ともに、りん酸塩処理後もめっき層が残存し、該めっき
層の溶解に起因して塗膜ふくれを生じる場合がある。

上記めっき層の製造方法は特に限定されるものではなく
、例えば置換めっき法、化学めっき法、電気めっき法或
はこれらの組み合せ等により実施することができる。ま
た本発明に通用されるＡｌ合金材としては、銅、Ｍｎ、
珪素、マグネシウム、亜鉛、クロム、ニッケル等の１種
もしくは２種以上を合金成分として含む様々なＡｌ合金
が包含され、その形状も一切制限がなく、板材、線材、
棒材、管材等に幅広く通用することができる。

以下実施例によって本発明を更に詳述するが、下記実施
例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を
逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術
範囲に包含される。

［実施例コ Ａｌ−Ｍｇ系合金板に置換めっき法、化学めっき法、及
び電気めっき法によって第１表に示されるめっきを施し
、通常の条件にてりん酸塩処理を行なった後、エポキシ
系塗料（日本ペイント社製）を２０μｍ塗布し、塗装性
及び塗装後耐食性を下記の方法で調査した。

（塗装性）： 潜水に１時間浸漬後、ゴバン目テープ剥離試験にてｆｆ
１１１！密着性を評価した。

評価：○　優、　△　良、　Ｘ　劣 （塗装後耐食性）： クロスカット後、下記サイクルの腐食試験を８サイクル
実施し、クロスカット部からの塗膜のふくれ幅にて評価
した。

評価：○　優、　△　良、　×　劣 塩水’ＩＩｎ試験（３５℃Ｘ２４ｈ） ↓ 湿潤試験　　（８０％ＲＨ５０℃Ｘ　１２０ｈ）↓ 室内放置　　（ＲＴｘ２４ｈ） （プレス成形性）ニ ドロービード試験によるめっき剥離量にて評価した。

評価、○　優、　△　良、　Ｘ　劣 結果を第１表に示す。

第１表 （注）めっき方法−Ａ：置換めフき、Ｂ：化学めつきＣ
；電気めっき第１表より明らかなように、実施例である
Ｎｏ。

１〜７は塗装性、塗装後耐食性及びプレス成形性に優れ
ているが、比較例であるＮ０１８はＺｎめっきであるた
めプレス成形性が十分ではなく、Ｎｏ。

９〜１５はＦｅ水酸化物の含有量が１％未満であるため
塗装性、塗装後耐食性或はプレス成形性が劣っている。

［発明の効果］ 本発明は以上のように構成されており、Ｆｅ系めっき層
中にＦｅ水酸化物を含有させることにより、ｍ密で均一
なりん酸塩皮膜を形成することができ、良好な塗装性、
塗装後耐食性及びプレス成形性を有するＡｌ合金材を提
供することができるようになった。

【図面の簡単な説明】

第１図はめっき層中のＦｅ水酸化物含有量と塗膜ふくれ
幅の関係を示すグラフ、第２図はめっき層中のＦｅ水酸
化物含有量とめっき剥離量の関係を示すグラフである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 基板表面にＦｅまたはＦｅ基合金めっき層が形成され、
   該めっき層中にＦｅ水酸化物を１％以上含有するもので
   あることを特徴とする塗装性、塗装後耐食性及びプレス
   成形性に優れた表面処理ＡｌまたはＡｌ合金材。