JPH0543658A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JPH0543658A
JPH0543658A JP3228266A JP22826691A JPH0543658A JP H0543658 A JPH0543658 A JP H0543658A JP 3228266 A JP3228266 A JP 3228266A JP 22826691 A JP22826691 A JP 22826691A JP H0543658 A JPH0543658 A JP H0543658A
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resin
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久司 清水
Manabu Narumi
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)下記一般式〔I〕で示されるマレイミ
ド基を有するイミド化合物、 【化1】 (B)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する
樹脂、(C)1分子中にフェノール性水酸基を有する樹
脂を含有し、かつ前記(B)及び(C)成分の少なくと
も一方にアリル基をもつナフタレン環を有する化合物を
含有してなることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。 【効果】 本発明の熱硬化性樹脂組成物は、低応力性で
接着性が高く、加工性が良好であり、しかも高温での機
械的強度及び耐熱水性に優れ、耐熱性、低吸水性に優れ
た硬化物を与える。従って、本発明組成物は近年の熱硬
化性樹脂組成物の使用条件を十分満たすもので、各種電
気絶縁材料、構造材料、接着剤、粉体塗装用材料、半導
体封止用材料などとして有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加工性、耐熱性に優れ
た硬化物を与える熱硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】熱硬化
性樹脂組成物は、注型、含浸、積層、成形用材料として
各種電気絶縁材料、構造材料、接着剤などに使用されて
いる。近年、これらの各用途において材料の使用条件は
厳しくなる傾向にあり、特に材料の耐熱性は重要な要件
になっている。
【0003】しかしながら、熱硬化性樹脂組成物として
一般に使用されている熱硬化性のポリイミド樹脂は、良
好な耐熱性を有するが、加工時に高温で長時間の加熱が
必要であり、加工性に劣るものであった。また、耐熱性
に改良を加えたエポキシ樹脂は、加工性に優れているも
のの、高温時の機械的特性、電気的特性及び長期の耐熱
劣化性、高度耐熱機能が不充分であった。
【0004】そこで、これらに代わる材料として、例え
ばポリイミドとアルケニルフェノール又はアルケニルフ
ェノールエーテルとを含む熱硬化性樹脂混合物(特開昭
52−994号公報)、マレイミド系化合物、ポリアリ
ル化フェノール系化合物及びエポキシ樹脂を含む耐熱性
樹脂組成物(特開昭58−1184099号公報)など
が提案されている。
【0005】しかし、ここで使用されているポリアリル
化フェノール系化合物は、ポリアリルエーテル化合物を
クライゼン転移させたものか或いは加熱硬化時にクライ
ゼン転移によりフェノール性水酸基が生成する構造を有
しているため、核置換アリル基と水酸基又はエーテル基
が同一芳香環のオルソ位に位置しており、特にノボラッ
クタイプの樹脂組成物の場合、硬化後も未反応のまま残
存しやすく、高温時の硬化特性、耐熱劣化性等に問題が
あった。
【0006】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
加工性が良好で、かつ耐熱性、低熱膨張性、低吸水性に
優れた硬化物を与える熱硬化性樹脂組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、(A)下
記一般式〔I〕で示されるマレイミド基を有するイミド
化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基
を有する樹脂及び(C)1分子中にフェノール性水酸基
を有する樹脂を含有し、かつ、上記(B)及び(C)成
分の少なくとも一方にアリル基を有するナフタレン環を
有する化合物を含む熱硬化性樹脂組成物は、加工性が良
く、しかも高い接着性を有する上、高温での機械的強度
及び耐熱水性が良好で、低膨張性、低吸水性に優れた硬
化物を与えることを見い出した。
【0008】
【化3】
【0009】即ち、一般にマレイミド基を有する化合物
は耐熱性付与効果は大きいものの、これを配合した熱硬
化性樹脂組成物は長期耐熱性、接着性、吸水性、加工性
に問題があるものであるが、上記式〔I〕のマレイミド
基を有するイミド基含有化合物と共にアリル基を有する
ナフタレン環を含む化合物を併用すると、マレイミド基
含有化合物中のビニル基とアリル基を有するナフタレン
環を含む化合物中のビニル基とが反応して共重合体を形
成し、それ故、上述のような優れた特性を有する熱硬化
性樹脂組成物が得られることを知見した。
【0010】更に、上記成分に加えて芳香族重合体と下
記組成式〔II〕で示されるオルガノポリシロキサンと
を反応させることにより得られる共重合体を添加する
と、上記熱硬化性樹脂組成物の応力性を低下させること
ができることも知見し、本発明をなすに至った。
【0011】
【化4】 (但し、式中R1は水素原子あるいはアミノ基、エポキ
シ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基から選択されるい
ずれかの官能基を含有する有機基又はアルコキシ基を示
し、R2は置換もしくは非置換の一価炭化水素基を示
し、a,bは0.001≦a≦1、1≦b≦3、1≦a
+b≦3を満足する正数である。また、1分子中のけい
素原子の数は2〜1000の整数であり、1分子中のけ
い素原子に直結したR1の数は1以上の整数である。)
【0012】従って、本発明は上記(A)〜(C)成分
を含有し、かつ、上記(B)及び(C)成分の少なくと
も一方にアリル基を持つナフタレン環を有する化合物を
含有する熱硬化性樹脂組成物、及び、これら成分に加え
て芳香族重合体と上記式〔II〕のオルガノポリシロキ
サンとを反応させることにより得られる共重合体を添加
した熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【0013】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明の熱硬化性樹脂組成物に配合するイミド化合物は、下
記一般式〔I〕で示されるマレイミド基を1個以上有す
る化合物である。
【0014】
【化5】
【0015】本発明においては、上記式〔I〕のイミド
化合物の中でも特に下記式〔III〕で示されるN−置
換マレイミド基を有する化合物が好適に使用される。
【0016】
【化6】
【0017】ここで、置換基Rは、炭素数1〜20の2
価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜20の2価の芳香
族炭化水素基であり、例えば下記の基を挙げることかで
きる。
【0018】
【化7】
【0019】このようなN−置換マレイミド基を持つ化
合物として、具体的には、N,N’−ジフェニルメタン
ビスマレイミド、N,N’−フェニレンビスマレイミ
ド、N,N’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、
N,N’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,
N’−ジシクロヘキシルメタンビスマレイミド、N,
N’−キシレンビスマレイミド、N,N’−トリレンビ
スマレイミド、N,N’−キシリレンビスマレイミド、
N,N’−ジフェニルシクロヘキサンビスマレイミド、
N,N’−ジクロロ−ジフェニルビスマレイミド、N,
N’−ジフェニルメタンビスメチルマレイミド、N,
N’−ジフェニルエーテルビスメチルマレイミド、N,
N’−ジフェニルスルホンビスメチルマレイミド(それ
ぞれ異性体を含む)、N,N’−エチレンビスマレイミ
ド、N,N’−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,
N’−ヘキサメチレンビスメチルマレイミド等のN,
N’−ビスマレイミド化合物、これらN,N’−ビスマ
レイミド化合物とジアミン類を付加させて得られる末端
がN,N’−ビスマレイミド骨格を有するプレポリマ
ー、アニリン、ホルマリン縮合物のマレイミド化物、メ
チルマレイミド化物などが例示できる。
【0020】また、上記イミド化合物として、下記式で
示される化合物や、モノ置換マレイミド、トリ置換マレ
イミド、テトラ置換マレイミドと置換ビスマレイミドと
の混合物を使用することもできる。
【0021】
【化8】 (但し、R3は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜
4のアルキル基、nは1≦n≦20の整数である。)
【0022】更に、上記マレイミド化合物をシリコーン
変性した化合物を使用することも可能である。
【0023】なお、本発明では、これらイミド化合物の
1種を単独で又は2種以上を混合して使用することがで
きるが、中でもN−置換トリマレイミド、N−置換ビス
マレイミド、特にN,N’−ジフェニルメタンビスマレ
イミドが好適に使用される。
【0024】一方、本発明の(B)成分は1分子中にエ
ポキシ基を少なくとも2個有するエポキシ樹脂であり、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、アリルフェノールノボラック型エポ
キシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、トリ
フェノールアルカン型エポキシ樹脂及びその重合物、ナ
フタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールアラ
ルキル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ
樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、ハ
ロゲン化エポキシ樹脂、更にはエポキシ樹脂の一部もし
くは全部に1分子中に置換又は非置換のアリル基を有す
るナフタレン環を少なくとも1個以上有するエポキシ樹
脂などが挙げられる。また、これらの中では上述したア
リル基を持つナフタレン環を有するエポキシ樹脂を用い
ることが好ましく、これにより膨張係数が小さく低吸湿
性の硬化物を与える熱硬化性樹脂組成物を得ることがで
きる。
【0025】上記ナフタレン環含有エポキシ樹脂として
具体的には、下記の化合物を挙げることができる。
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】上記エポキシ樹脂は、その1種を単独で又
は2種以上を混合して使用できる。
【0029】次に、本発明の(C)成分の1分子中にフ
ェノール性水酸基を有する樹脂は硬化剤として作用する
ものであり、例えばノボラック型フェノール樹脂、レゾ
ール型フェノール樹脂、トリフェノールアルカン型樹
脂、ナフトール型樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂等
のフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、更には
1分子中に置換もしくは非置換の芳香族基に共役する二
重結合をもつナフタレン環を少なくとも1個以上有する
フェノール樹脂などが挙げられ、これらの1種を単独で
又は2種以上を併用して用いることができる。
【0030】また、硬化剤としては上記フェノール樹脂
の中で、特にアリル基を持つナフタレン環を有するフェ
ノール樹脂を用いることが好ましく、これにより膨張係
数が小さく、ガラス転移温度が高く、ガラス転移温度以
上の温度領域で低弾性率であり、かつ、低吸湿性の硬化
物を与える熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。こ
のナフタレン環含有フェノール樹脂としては、具体的に
下記化合物が例示される。
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】なお、これらアリル基を持つナフタレン環
を有するエポキシ樹脂又はフェノール樹脂は、通常の方
法で合成することができ、例えばフェノール樹脂をアリ
ルエーテル化した後、クライゼン転移反応させることに
より、上記のフェノール樹脂を容易に得ることができ
る。さらに、このフェノール樹脂を常法に従ってエピハ
ロゲン化ヒドリンと反応させることによって上記のエポ
キシ樹脂を得ることができる。
【0034】本発明の組成物において、上記(B)成分
と(C)成分の総配合量は、(A)成分のイミド化合物
100部(重量部、以下同様)に対して20〜400
部、特に50〜300部にすることが好ましい。(B)
成分と(C)成分の総配合量が20部より少ないと加工
性、耐熱性に優れた硬化物を得ることが難しい場合があ
り、400部より多いとガラス転移温度が低下し、長期
耐熱性が悪くなる場合がある。
【0035】なお、上記(B)成分に含まれるエポキシ
基の量(aモル)と(C)成分に含まれるフェノール性
水酸基の量(bモル)の比はa/b=0.5〜1.5の
範囲にあることが望ましく、a/bが上記範囲外にある
と硬化性、低応力性において不利になる場合がある。
【0036】而して、本発明組成物は前記(A)、
(B)及び(C)成分を配合してなるものであり、か
つ、(B)及び(C)成分の少なくとも一方にアリル基
を有するナフタレン環を有する化合物を含有する。
【0037】この場合、アリル基を持つナフタレン環を
有する化合物は、置換又は非置換のナフタレン環が
(B)成分と(C)成分の総重量100重量部に対して
少なくとも10重量%含有されるように配合することが
望ましく、ナフタレン環の含有量が10重量%未満であ
ると硬化物の低吸湿化、ガラス転移温度以上の温度領域
での低弾性率化効果が顕著でないため、耐クラック性が
充分改善なされないことがある。また、ナフタレン環の
含有量が80重量%を越えると、製造時の分散性、また
成形性などにおいて不利になる場合がある。
【0038】更に、本発明においては、(A)成分のイ
ミド化合物中のビニル基(A’)と(B)成分及び
(C)成分中に含まれるアリル基を有する化合物中の総
ビニル基(B’)との官能基比B’/A’を0.1〜
2、特に0.3〜1とすることが好ましい。官能基比が
2より大きく、アリル基のビニル基の割合が多い場合
は、未反応物が多くなり、硬化性に問題が生じ、硬化物
の長期耐熱性、信頼性が悪くなる場合があり、B’/
A’が0.1より小さく、アリル基のビニル基の割合が
少ない場合は、成形性、機械的強度に問題が生じる場合
がある。
【0039】本発明組成物には、低応力性を付与するた
めに必要に応じて(D)成分として芳香族重合体と特定
のオルガノポリシロキサンとを反応させることにより得
られる共重合体を配合することが好ましい。
【0040】ここで芳香族共重合体としては、種々の化
合物を使用し得、例えば下記構造のの化合物などが挙げ
られる。
【0041】
【化13】
【0042】
【化14】
【0043】更に、芳香族重合体として次式で示される
アルケニル基含有ナフタレン樹脂等を使用することもで
きる。
【0044】
【化15】
【0045】なお、これらのアルケニル基含有ナフタレ
ン樹脂は通常の合成方法で得ることができ、例えばナフ
タレン骨格含有フェノール樹脂をアリルグリシジルエー
テルと反応させて分子中にアルケニル基を導入したり、
種々のナフタレン骨格含有エポキシ樹脂に2−アリルフ
ェノール等を部分的に反応させるなどの方法で得ること
ができる。
【0046】他方、オルガノポリシロキサンは下記組成
式〔II〕で示されるものである。
【0047】
【化16】 (但し、式中R1は水素原子あるいはアミノ基、エポキ
シ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基から選択されるい
ずれかの官能基を含有する有機基又はアルコキシ基を示
し、R2は置換もしくは非置換の一価炭化水素基を示
し、a,bは0.001≦a≦1、1≦b≦3、1≦a
+b≦3を満足する正数である。また、1分子中のけい
素原子の数は2〜1000の整数であり、1分子中のけ
い素原子に直結したR1の数は1以上の整数である。)
【0048】この場合、置換基R1は例えば水素原子あ
るいはアミノ基、エポキシ基、ヒドロキシ基、−Cx
2XCOOH(xは0〜10の整数)等のカルボキシル基
から選択されるいずれかの官能基を含有する有機基、メ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、ブトキシ
基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基等のアル
コキシ基などである。また、R2は例えばメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、n−ブチル基等のアルキル
基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル
基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエ
チル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原
子の一部又は全部をハロゲン原子、アルコキシシリル基
等で置換した、クロロメチル基、3,3,3−トリフル
オロプロピル基、トリメトキシシリルエチル基、メチル
ジメトキシシリルエチル基等の炭素数1〜10の非置換
又は置換の一価炭化水素基である。
【0049】上記式〔II〕のオルガノポリシロキサン
として、具体的に次の化合物が挙げられる。
【0050】
【化17】
【0051】ここで、上記式〔II〕のオルガノポリシ
ロキサンの分子量は、必ずしも限定されないが、100
〜70000が好ましい。これは得られた共重合体を熱
硬化性樹脂組成物に配合した場合、マトリックス中に芳
香族重合体とオルガノポリシロキサンとの共重合体が相
溶せず、かつ微細な海島構造を形成するのにオルガノポ
リシロキサンの分子量が100〜70000であること
が適しているからである。分子量が100未満では、得
られた共重合体を熱硬化性樹脂組成物に配合した場合に
可撓性を付与することができなかったり、高いガラス転
移温度を得ることができない場合があり、70000を
超えるとオルガノポリシロキサン共重合体の分子量が大
きくなり、熱硬化性樹脂との相溶性がなくなり、共重合
体が分離し特に物性として曲げ強度が小さくなる場合が
ある。
【0052】上記芳香族重合体と式〔II〕のオルガノ
ポリシロキサンとの共重合体は、両化合物を通常の方法
で付加反応させることにより得ることができる。特に芳
香族重合体と式〔II〕のオルガノポリシロキサンとの
ヒドロシリル化による付加反応は設定通りの共重合体を
得るために最も優れた方法である。付加反応は従来公知
の付加触媒、例えば塩化白金酸等の白金系触媒を触媒量
で使用し、ベンゼン、トルエン、メチルイソブチルケト
ン等の不活性溶剤を用いることが好ましい。反応温度は
特に制限されないが、60〜120℃とすることが好ま
しく、反応時間は通常30分〜24時間である。また、
芳香族重合体とアミノポリシロキサン又はエポキシポリ
シロキサンとの共重合体は、それぞれの成分を常温又は
高温下で反応させることにより得ることができるが、両
者を均一もしくは均一に近い状態で混和させるために例
えばメチルイソブチルケトン、トルエン、ジオキサン、
メチルセルソルブ等の溶剤を用いることが望ましく、さ
らに反応を促進するために水やブタノール、イソプロピ
ルアルコール、エタノール等のアルコール類やフェノー
ル類を用いたり、反応触媒としてトリブチルアミン、
1,8−ジアザビシクロウンデセン−7のようなアミン
類、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、2
−フェニルイミダゾールのようなイミダゾール類を用い
ることが望ましい。
【0053】本発明組成物には、式〔I〕のマレイミド
基を持つイミド化合物とアリル基を有する樹脂との架橋
結合を完了させるため、硬化触媒を配合することが好ま
しい。
【0054】この場合、硬化触媒としては、例えばベン
ゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキ
サイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、
カプリルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、
アセチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキ
サイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ビス(1−
ヒドロキシシクロヘキシルパーオキサイド)、ヒドロキ
シヘプチルパーオキサイド、第三級ブチルハイドロパー
オキサイド、p−メタンハイドロパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイド、ジ−第三級ブチルパーオキ
サイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(第三級ブチルパーオキサイド)ヘキサン、
2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ジ(パーオキシベ
ンゾエート)、第三級ブチルパーベンゾエート、第三級
ブチルパーアセテート、第三級ブチルパーオクトエー
ト、第三級ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−第三
級ブチル−ジ−パーフタレート等の有機過酸化物を挙げ
ることができ、これらの1種を単独で又は2種以上を併
用して用いることができる。
【0055】更に、架橋反応を促進させる目的で各種硬
化促進剤を使用することが好ましい。硬化促進剤として
は、例えばトリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシ
ルホスフィン、トリブチルホスフィン、メチルジフェニ
ルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)
エタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタンなどの有
機ホスフィン化合物、1,8−ジアザビシクロ〔5.
4.0〕ウンデセン−7などの第三級アミン類、イミダ
ゾール類等が挙げられ、これらを本発明の目的を損なわ
ない範囲で1種又は2種以上併用して用いることができ
る。
【0056】また、硬化触媒及び硬化促進剤の総配合量
は、(A)、(B)、(C)及び(D)成分の総量10
0部に対し、0.01〜10部、特に0.1〜2部であ
ることが好ましい。上記触媒量が0.01部未満では硬
化性が不十分なため、良好な性能が得られない場合があ
り、また10部を超えると硬化性が早くなり、成形性が
悪くなる場合がある。
【0057】更に、本発明の組成物は必要に応じて無機
質充填剤を配合しても差し支えない。
【0058】この無機質充填剤としては、通常熱硬化性
樹脂組成物に配合されるものを使用し得、例えば溶融シ
リカ、結晶シリカ等のシリカ類、アルミナ、カーボンブ
ラック、マイカ、クレー、カオリン、ガラスビーズ、ガ
ラス繊維、窒化アルミ、炭化ケイ素、亜鉛華、三酸化ア
ンチモン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化
ベリリウム、ボロンナイトライド、酸化チタン、酸化鉄
等を挙げることができる。
【0059】これら無機質充填剤はその1種を単独で使
用でき、また2種以上を併用するようにしてもよく、そ
の配合量は特に制限されないが、(A)、(B)、
(C)及び(D)成分及び触媒量の合計量100部に対
して100〜1000部、特に、200〜700部の範
囲とすることが好ましい。
【0060】本発明の組成物には、更に必要に応じて各
種の添加剤を配合することができる。例えば熱可塑性樹
脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム、シリコーン
ゲル又はシリコーンゴムの硬化物の微粉末、カルナバワ
ックス等のワックス類、ステアリン酸などの脂肪酸及び
その金属塩等の離型剤、カーボンブラック、コバルトブ
ルー、ベンガラ等の顔料、酸化アンチモン、ハロゲン化
合物等の難燃化剤、表面処理剤(アミノプロピルトリメ
トキシシラン、メタクリロキシトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)、エポ
キシシラン、ビニルシラン、ほう素化合物、アルキルチ
タネート等のカップリング剤、老化防止剤、その他の添
加剤の1種又は2種以上を配合することができる。
【0061】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、その製造
に際し上述した成分の所定量を均一に撹拌、混合し、予
め70〜95℃に加熱してあるニーダ、ロール、エクス
トルーダー等により混練、冷却し、粉砕するなどの方法
で得ることができる。ここで、成分の配合順序に特に制
限はない。
【0062】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、成形材
料、粉体塗装用材料、接着剤などとして好適に使用し得
るほか、IC、LSI、トランジスタ、サイリスタ、ダ
イオード等の半導体装置の封止用、プリント回路坂の製
造などにも有効に使用できる。
【0063】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、低応力
性で接着性が高く、加工性が良好であり、しかも高温で
の機械的強度及び耐熱水性に優れ、耐熱性、低吸水性に
優れた硬化物を与える。従って、本発明組成物は近年の
熱硬化性樹脂組成物の使用条件を十分満たすもので、各
種電気絶縁材料、構造材料、接着剤、粉体塗装用材料、
半導体封止用材料などとして有用である。
【0064】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。なお、以下の例において部はいずれも重量
部である。
【0065】〔実施例1〜15、比較例1〜6〕N,
N’−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド30
部に対し、下記構造のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、
硬化触媒を表1に示す配合量で使用すると共に、これに
石英粉末260部、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン1.5部、ワックスE1.5部、カーボンブ
ラック1.0部を加え、得られた配合物を熱2本ロール
で均一に溶融混合し、種々の熱硬化性樹脂組成物(実施
例1〜15、比較例1〜6)を製造した。
【0066】これらの熱硬化性樹脂組成物につき、以下
の(イ)〜(ヘ)の諸試験を行なった。結果を表1〜3
に示す。 (イ)スパイラルフロー値 EMMI規格に準じた金型を使用して、175℃、70
kg/cm2の条件で測定した。 (ロ)機械的強度(曲げ強度及び曲げ弾性率) JIS−K6911に準じて180℃、70kg/cm
2、成形時間2分の条件で10×4×100mmの抗折
棒を成形し、180℃で4時間ポストキュアーしたもの
について215℃で測定した。 (ハ)膨張係数、ガラス転移温度 4mmφ×15mmの試験片を用いて、デラトメーター
により毎分5℃の速さで昇温した時の値を測定した。 (ニ)吸湿半田後の耐クラック性 2×6×0.3mmの大きさのシリコンチップを4×1
2×1.8mmのSOパッケージに接着し、これに熱硬
化性樹脂組成物を175℃×2分で成形し、180℃で
4時間ポストキュアーした。これを85℃/85%RH
の雰囲気中に24時間及び48時間放置した後、温度2
40℃の半田浴に10秒間浸漬し、パッケージクラック
数/総数を測定した。 (ホ)耐湿性 4MDRAMチップを20PINのSOJフレームに接
着し、これに熱硬化性樹脂組成物を成形条件180℃×
2分で成形し、180℃で4時間ポストキュアーした。
これを121℃/100%RH雰囲気中に24時間放置
して吸湿させた後、260℃の半田浴に10秒間浸漬
し、更に121℃/100%RH雰囲気中に300時間
放置した時のアルミニウム配線断線数/総数を測定し
た。 (ヘ)吸水率 180℃、70kg/cm2、成形時間2分の条件で5
0φ×3mmの円板を成形し、180℃で4時間ポスト
キュアーしたものを121℃/100%PCT中に24
時間放置し、吸水率を測定した。
【0067】
【化18】
【0068】
【化19】
【0069】
【化20】
【0070】
【化21】
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】表1〜3の結果より、本発明に係るマレイ
ミド基含有イミド化合物とアリル基を有するナフタレン
含有樹脂とを配合した熱硬化性樹脂組成物(実施例1〜
15)は、これら成分を配合していない熱硬化性樹脂組
成物(比較例1〜6)に比べ、高ガラス転移点で高温で
の曲げ強度が強く、耐クラック性、耐湿性、吸水性に優
れていることが確認された。
フロントページの続き (72)発明者 鳴海 学 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式〔I〕で示されるマレ
    イミド基を有するイミド化合物、 【化1】 (B)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する
    樹脂、(C)1分子中にフェノール性水酸基を有する樹
    脂を含有し、かつ前記(B)及び(C)成分の少なくと
    も一方にアリル基をもつナフタレン環を有する化合物を
    含有してなることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 芳香族重合体と下記組成式〔II〕で示
    されるオルガノポリシロキサンとを反応させることによ
    り得られる共重合体を添加した請求項1記載の熱硬化性
    樹脂組成物。 【化2】 (但し、式中R1は水素原子あるいはアミノ基、エポキ
    シ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基から選択されるい
    ずれかの官能基を含有する有機基又はアルコキシ基を示
    し、R2は置換もしくは非置換の一価炭化水素基を示
    し、a,bは0.001≦a≦1、1≦b≦3、1≦a
    +b≦3を満足する正数である。また、1分子中のけい
    素原子の数は2〜1000の整数であり、1分子中のけ
    い素原子に直結したR1の数は1以上の整数である。)
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