JPH054360U - ヘツド移送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案はフロッピーディスクドライブ装置，
光ディスクドライブ装置等のヘッドをディスク上のトラ
ックに移動，位置決めするヘッド移送装置に関するもの
であり、特に高い信頼性を有するヘッド移送装置を提供
することを目的とするものである。 【構成】 本考案は光ヘッド１に装着されたピン６を送
りネジ４に噛み込ませることによって、モータ５によっ
て送りネジ４を回転させて光ヘッド１を駆動するととも
に、送りネジの両端に配置された先端部軸受７および規
制バネ９の間にボール１１，１２を介在させることによ
り、送りネジ４，先端部軸受７間、送りネジ４，規制バ
ネ９間の摩擦をボールを転動させることで減少させ、送
りネジ４の回転を円滑にし、光ヘッド１の位置決め精度
の向上、送りネジ４の回転寿命の向上を図るものであ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はフロッピーディスクドライブ装置あるいは、光ディスクドライブ装置 等のヘッドをディスク上のトラックに移動及び位置決めするヘッド移送装置に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のヘッド移送装置を図２，図３により、説明する。

【０００３】 同図によると、２１は光ヘッド、２２及び２３は光ヘッド２１を案内するガイ ド軸、２４はガイド軸２２，２３と平行に設けられた送りネジ、２５は送りネジ ２４を回転させ上記光ヘッド２１をガイドに沿って移動させるモータであり、２ ６は送りネジ２４の溝に噛み込むピン、２７は送りネジ２４の一端を支持するピ ボット軸受、２８はモータ２５に取付けられ送りネジ２４を支持する中間軸受、 ２９は送りネジ２４の軸方向の移動を規制する規制バネ、３０は送りネジ２４に 取付けられたマグネットである。なお、送りネジ２４がピボット軸受２７によっ て支持される一端部は円錐状に加工され、規制バネ２９によって軸方向の規制を 受ける一端は球面状に加工されている。また、規制バネ２９はモータ２５の内部 に組み込まれている。

【０００４】 以上のように構成されたヘッド移送装置の動作について説明すると、モータ２ ５に通電することにより、マグネット３０に回転力が発生し、送りネジ２４が回 転し、送りネジ２４の溝に噛み込むピン２６は、送りネジ２４の軸方向の駆動力 を受ける。このピン２６の駆動力により光ヘッド２１はガイド軸２２及び２３に 沿って移動する。なおピボット軸受２７と中間軸受２８は、送りネジ２４を回転 自在に支持するものであり、また規制バネ２９は光ヘッド２１の移動時の反作用 の力による送りネジ２４の軸方向の移動を規制し、位置決め時の停止位置精度を 向上させるものである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

以上のヘッド移送装置において、送りネジ２４はネジ加工を容易にするため快 削鋼あるいは快削ステンレス鋼等の比較的硬度の低い金属で作られており、摩擦 に対して弱い。特に規制バネ２９と接触する球面状に加工され部分は、一点で規 制バネ２９の荷重を受けることと、規制バネ２９がバネ用鋼材等の比較的硬度の 高い金属で作られていることから摩耗量が大きく、短時間において摩耗粉がマグ ネット３０とモータ２５の間につまってしまい、送りネジ２４の回転を阻害する という課題があった。

【０００６】 本考案は、上記課題を解決するもので、送りネジの摩耗量を少なくし、送りネ ジの回転を阻害することなく、ヘッドの移動を確実に行うことを目的とするもの である。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために本考案のヘッド移送装置は、ヘッドと、ヘッドを案 内するガイド軸と、ガイド軸と平行に設けられた送りネジと、この送りネジを回 転させるモータと、前記送りネジの溝に噛み込み送りネジの回転により送りネジ の軸方向の力を発生し前記ヘッドを駆動させるピンと、前記送りネジを回転自在 に支持する少なくとも１個の軸受と、前記送りネジの軸方向の移動を規制する規 制バネと前記送りネジの両端にそれぞれ配置された少なくとも１個以上のボール とで構成されるものである。

【０００８】

【作用】

以上のように構成した本考案のヘッド移送装置は、送りネジと、規制バネの間 に、ボールが転動可能に配置され、送りネジの摩擦がころがり摩擦となり、摩耗 量が少なく送りネジの回転が確実に行うことができ、ヘッドの移動を確実に行う ものである。

【０００９】

【実施例】

本考案のヘッド移送装置の一実施例を図１により説明する。

【００１０】 同図によると、１は光ヘッド、４は送りネジ、５は送りネジ４を回転させるモ ータであり、６は光ヘッド１１に装着されるとともに送りネジの溝に噛み込むピ ン、７は送りネジ４の一端を支持する先端部軸受であり、１１は、軸受内径より 小なる径のボール、８はモータ５に取付けられ送りネジ４を支持する中間軸受、 ９は送りネジ４の軸方向の移動を規制する規制バネ、１０は送りネジ４に取付け られたマグネットである。また送りネジ４の規制バネ９が、軸方向の動きを規制 する端面には中ぐり穴４ａが設けられ、この中ぐり穴４ａの内部には、穴径より 小なる直径のボール１２が配置されている。なお、中ぐり穴４ａの深さは、ボー ル１２の直径より浅く作られており、ボール１２は送りネジ４の端面より突出し 、規制バネ９に接触している。また、規制バネ９はモータ５の内部に組み込まれ ている。なお、図１には図示していないが、光ヘッド１はガイド軸（図示せず） によって案内されることは従来技術と同種である。

【００１１】 次に上記ヘッド移送装置の動作について説明すると、モータ５に通電すること によりマグネット１０に回転力が発生し、送りネジ４が回転し、送りネジ４の溝 に噛み込むピン６は送りネジ４の軸方向の駆動力を受ける。このピンの駆動力に より光ヘッド１はガイド軸に沿って移動する。先端部軸受７と中間軸受８は送り ネジ４を回転自在に支持するものであり、また規制バネ９は光ヘッド１の移動時 の反作用の力による送りネジ１４の軸方向の移動を規制し、位置決め時の停止位 置精度を向上させるものである。この時、先端部軸受７の中に配置されているボ ール１１は、軸受内径より直径が小さく、また送りネジ４の中ぐり穴４ａの中に 配置されているボールには中ぐり穴４ａの内径より直径が小さいため、それぞれ のボール１１，１２は送りネジ４の回転に伴い転動する。このため、規制バネ９ の荷動を受ける部分はころがり接触となり摩擦は極めて少なく、摩耗量も非常に 少なく、装置の寿命が伸びるという効果が得られるものである。

【００１２】 なお、上記実施例ではボール１１，１２の材料として軸受鋼を、送りネジ４の 材料として快削鋼を使用して良効な結果が得られた。

【００１３】

【考案の効果】

以上のように本考案のヘッド移送装置は、ヘッドの駆動を行う送りネジの両端 にそれぞれボールを配置したことにより、送りネジの回転時それぞれボールが転 動し、送りネジの端部がころがり接触となり摩擦は極めて少なく、摩耗量も非常 に少なく、装置の寿命が向上するとともに、更に、摩擦が少ないため、送りネジ の回転が円滑に行え、これによりヘッドの位置決め精度が向上し、従来技術のよ うな高価なピボット軸受２７を用いることなく高精度なヘッド移送装置が得られ るという効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のヘッド移送装置の一実施例の要部断面
図

【図２】従来のヘッド移送装置の斜視図

【図３】同要部断面図

【符号の説明】

１ 光ヘッド ４ 送りネジ ６ ピン ７ 先端部軸受 ９ 規制バネ １１，１２ ボール

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】ヘッドと、ヘッドを案内するガイド軸と、
   ガイド軸と平行に設けられた送りネジと、この送りネジ
   を回転させるモータと、前記送りネジの溝に噛み込み、
   送りネジの回転により送りネジの軸方向の力を発生し前
   記ヘッドを駆動する前記ヘッドに装着されたピンと、前
   記送りネジを回転自在に支持する一方の端部に設けられ
   た軸受と、前記送りネジの他端に位置し、送りネジに軸
   方向の力を加えることにより軸方向の移動を規制する規
   制バネと、前記送りネジの両端に配置されたボールとで
   構成されるヘッド移送装置。