JPH0543333A - 高強度サイアロン基焼結体の製造方法 - Google Patents
高強度サイアロン基焼結体の製造方法Info
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- JPH0543333A JPH0543333A JP3216587A JP21658791A JPH0543333A JP H0543333 A JPH0543333 A JP H0543333A JP 3216587 A JP3216587 A JP 3216587A JP 21658791 A JP21658791 A JP 21658791A JP H0543333 A JPH0543333 A JP H0543333A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、従来のサイアロン基焼結体に比較
して組織の均一性が著しく向上しており、色むらの解消
や、耐蝕性の改善ばかりでなく、粒界ガラス相の均一化
により高温強度、破壊靱性等の機械的特性はもちろんの
こと、特に耐酸化性が著しく向上しているサイアロン基
焼結体の製造方法を提供する。 【構成】 REα−サイアロンの結晶及びβ−サイアロ
ンの結晶を含有するサイアロン基焼結体を製造するに際
し、出発原料であるRE含有粉末として、結晶子径が5
〜50nm、一次粒子径が0.01〜0.1μm、比表
面積が20〜100m2/g、二次粒子径が5μm以下であ
る微細粉末を用いることを特徴とする。
して組織の均一性が著しく向上しており、色むらの解消
や、耐蝕性の改善ばかりでなく、粒界ガラス相の均一化
により高温強度、破壊靱性等の機械的特性はもちろんの
こと、特に耐酸化性が著しく向上しているサイアロン基
焼結体の製造方法を提供する。 【構成】 REα−サイアロンの結晶及びβ−サイアロ
ンの結晶を含有するサイアロン基焼結体を製造するに際
し、出発原料であるRE含有粉末として、結晶子径が5
〜50nm、一次粒子径が0.01〜0.1μm、比表
面積が20〜100m2/g、二次粒子径が5μm以下であ
る微細粉末を用いることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温高強度、高硬度及
び高靱性を有する各種エンジニアリングセラミックスを
製造するために有用な高強度サイアロン基焼結体の製造
方法に関する。
び高靱性を有する各種エンジニアリングセラミックスを
製造するために有用な高強度サイアロン基焼結体の製造
方法に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】α−サイアロンは、α型窒
化珪素のSi位置にAlが、N位置にOが置換固溶する
と同時に、格子間位置に変性用カチオンMが侵入固溶し
た物質であり、 式 Mx (Si,Al)12(O,N)16 (式中、MはLi,Mg,Ca,Y及びランタニド元素
(但し、LaとCeを除く)を示し、xは0<x≦1を
満足する数である。)で表される。このMα−サイアロ
ンは、高硬度、低熱膨張率、優れた耐蝕性等のエンジニ
アリングセラミックスとしての特性を有している。しか
し、Mα−サイアロン結晶単相の焼結体は、結晶形状が
粒状であることが1つの原因と思われるが、エンジニア
リングセラミックスとしての強度、破壊靱性等の特性が
十分とは言えない。そこで、この欠点を改良するため
に、特開昭58−185484号公報、同58−204
875号公報、同63−233082号公報等には、M
α−サイアロン結晶相と、β型窒化珪素のSi位置にA
lが、N位置にOが置換固溶した 式 Si6-z Alz Oz N8-z (式中、zは0<z≦4.2を満足する数である。)で
表される針状のβ−サイアロン結晶相とを複合化させた
サイアロン基焼結体が提案されている。しかしながら、
このサイアロン基焼結体の機械的特性も、高温材料とし
て使用するには、実用上十分なものではない。また、変
性用カチオンMとしては、イットリウムYが一般的であ
るが、Yを含むサイアロン基焼結体は、高温における耐
酸化性が劣ると言われており、過酷な条件下で使用され
るガスタービン部品などへの利用は、困難であることが
予想される。
化珪素のSi位置にAlが、N位置にOが置換固溶する
と同時に、格子間位置に変性用カチオンMが侵入固溶し
た物質であり、 式 Mx (Si,Al)12(O,N)16 (式中、MはLi,Mg,Ca,Y及びランタニド元素
(但し、LaとCeを除く)を示し、xは0<x≦1を
満足する数である。)で表される。このMα−サイアロ
ンは、高硬度、低熱膨張率、優れた耐蝕性等のエンジニ
アリングセラミックスとしての特性を有している。しか
し、Mα−サイアロン結晶単相の焼結体は、結晶形状が
粒状であることが1つの原因と思われるが、エンジニア
リングセラミックスとしての強度、破壊靱性等の特性が
十分とは言えない。そこで、この欠点を改良するため
に、特開昭58−185484号公報、同58−204
875号公報、同63−233082号公報等には、M
α−サイアロン結晶相と、β型窒化珪素のSi位置にA
lが、N位置にOが置換固溶した 式 Si6-z Alz Oz N8-z (式中、zは0<z≦4.2を満足する数である。)で
表される針状のβ−サイアロン結晶相とを複合化させた
サイアロン基焼結体が提案されている。しかしながら、
このサイアロン基焼結体の機械的特性も、高温材料とし
て使用するには、実用上十分なものではない。また、変
性用カチオンMとしては、イットリウムYが一般的であ
るが、Yを含むサイアロン基焼結体は、高温における耐
酸化性が劣ると言われており、過酷な条件下で使用され
るガスタービン部品などへの利用は、困難であることが
予想される。
【0003】そこで、変性用カチオンMとして、イオン
半径がイットリウムYと同等か、あるいはYよりもイオ
ン半径が小さい希土類元素を用いることで耐酸化性を向
上させようという試みが行なわれている。しかしながら
焼結体の製造方法として一般に用いられる、希土類元素
の酸化物粉末を助剤として使用する方法には、助剤混合
時に希土類元素が均一に分散され難いことに起因する微
細組織の不均一が発生し、その結果、焼結体表面には色
むらが生成し、それは同時に耐蝕性のむらの起こる原因
となることがわかった。このような難点は、実用上の大
きな問題点であった。
半径がイットリウムYと同等か、あるいはYよりもイオ
ン半径が小さい希土類元素を用いることで耐酸化性を向
上させようという試みが行なわれている。しかしながら
焼結体の製造方法として一般に用いられる、希土類元素
の酸化物粉末を助剤として使用する方法には、助剤混合
時に希土類元素が均一に分散され難いことに起因する微
細組織の不均一が発生し、その結果、焼結体表面には色
むらが生成し、それは同時に耐蝕性のむらの起こる原因
となることがわかった。このような難点は、実用上の大
きな問題点であった。
【0004】
【発明の目的】本発明の目的は、前記問題点を解決し、
耐酸化性に優れ、かつ高温強度及び靱性の高いサイアロ
ン基焼結体を製造する場合において、その材料が有する
特性を最大限に引き出すための製造方法を提供すること
である。
耐酸化性に優れ、かつ高温強度及び靱性の高いサイアロ
ン基焼結体を製造する場合において、その材料が有する
特性を最大限に引き出すための製造方法を提供すること
である。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、 式 REx (Si,Al)12(O,N)16 〔I〕 (式中、REはHo,Er,Tm,Yb及びLuからな
る群から選ばれる一種以上の変性用希土類元素を示し、
xは0<x≦1を満足する数である。)で表されるRE
α−サイアロンの結晶、及び 式 Si6-z Alz Oz N8-z 〔II〕 (式中、zは0<z≦4.2を満足する数である。)で
表されるβ−サイアロンの結晶を含有するサイアロン基
焼結体(以下、REα/β−サイアロン基焼結体とい
う)を製造するに際し、特にREを含有する原料粉末と
して従来多く用いられてきた、一次粒子径が0.2〜
5.0μm、比表面積が10m2/g以下という性質を有す
る酸化物粉末を用いる代わりに、結晶子径が5〜50n
m、一次粒子径が0.01〜0.1μm、比表面積が2
0〜100m2/g、二次粒子径が5μm以下という微細粉
末を用いることで組織むらのない高強度、高靱性サイア
ロン基焼結体を得ることができる。なお、本発明におい
て、結晶子径、一次粒子径及び二次粒子径の値は、すべ
て平均値を表すものである。
る群から選ばれる一種以上の変性用希土類元素を示し、
xは0<x≦1を満足する数である。)で表されるRE
α−サイアロンの結晶、及び 式 Si6-z Alz Oz N8-z 〔II〕 (式中、zは0<z≦4.2を満足する数である。)で
表されるβ−サイアロンの結晶を含有するサイアロン基
焼結体(以下、REα/β−サイアロン基焼結体とい
う)を製造するに際し、特にREを含有する原料粉末と
して従来多く用いられてきた、一次粒子径が0.2〜
5.0μm、比表面積が10m2/g以下という性質を有す
る酸化物粉末を用いる代わりに、結晶子径が5〜50n
m、一次粒子径が0.01〜0.1μm、比表面積が2
0〜100m2/g、二次粒子径が5μm以下という微細粉
末を用いることで組織むらのない高強度、高靱性サイア
ロン基焼結体を得ることができる。なお、本発明におい
て、結晶子径、一次粒子径及び二次粒子径の値は、すべ
て平均値を表すものである。
【0006】前記REα/β−サイアロン基焼結体は以
下の方法で製造される。 (a)結晶質窒化珪素粉末、(b)金属アルミニウム又
は窒化アルミニウム粉末、 (c)REα−サイアロンの格子間に侵入固溶するRE
(REはHo,Er,Tm,Yb及びLuからなる群か
ら選ばれる一種以上の変性用希土類元素を示す。)の酸
化物又は熱分解により前記REの酸化物を生成する金属
塩類の粉末、及び必要に応じて、 (d)アルミニウム又は珪素の酸素含有化合物を、所望
のREα/β−サイアロン組成になるように混合し、混
合物を成形した後、窒素含有雰囲気下で1600〜21
00℃の範囲の温度で焼結する。
下の方法で製造される。 (a)結晶質窒化珪素粉末、(b)金属アルミニウム又
は窒化アルミニウム粉末、 (c)REα−サイアロンの格子間に侵入固溶するRE
(REはHo,Er,Tm,Yb及びLuからなる群か
ら選ばれる一種以上の変性用希土類元素を示す。)の酸
化物又は熱分解により前記REの酸化物を生成する金属
塩類の粉末、及び必要に応じて、 (d)アルミニウム又は珪素の酸素含有化合物を、所望
のREα/β−サイアロン組成になるように混合し、混
合物を成形した後、窒素含有雰囲気下で1600〜21
00℃の範囲の温度で焼結する。
【0007】本発明においては(c)REα−サイアロ
ンの格子間に侵入固溶するREを含む化合物の粉末とし
て、一次粒子径が0.01〜0.1μm、比表面積が2
0〜100m2/g、結晶子径が5〜50nm、二次粒子径
が5μm以下の微細粉末を使用することが特徴である。
前記REを含む化合物の微粉末を得る方法としては種々
の方法が考えられるがその例を以下に示す。 (例1)まずREの酸化物粉末を硝酸水溶液に溶解させ
た後、これを更に希釈して、低RE濃度の水溶液とす
る。これを冷却しつつ撹拌しながらこれにアンモニア水
を滴下して、中和沈殿を得る。 (例2)REのアルコキシドを溶解したアルコール溶液
に少量の水を滴下し、加水分解させゾルを得る。得られ
たゾルを更にゲル化させて沈殿物を得る。これらの沈殿
を乾燥すれば前記粉末が得られる。
ンの格子間に侵入固溶するREを含む化合物の粉末とし
て、一次粒子径が0.01〜0.1μm、比表面積が2
0〜100m2/g、結晶子径が5〜50nm、二次粒子径
が5μm以下の微細粉末を使用することが特徴である。
前記REを含む化合物の微粉末を得る方法としては種々
の方法が考えられるがその例を以下に示す。 (例1)まずREの酸化物粉末を硝酸水溶液に溶解させ
た後、これを更に希釈して、低RE濃度の水溶液とす
る。これを冷却しつつ撹拌しながらこれにアンモニア水
を滴下して、中和沈殿を得る。 (例2)REのアルコキシドを溶解したアルコール溶液
に少量の水を滴下し、加水分解させゾルを得る。得られ
たゾルを更にゲル化させて沈殿物を得る。これらの沈殿
を乾燥すれば前記粉末が得られる。
【0008】また、本発明において、(a)、(b)、
(d)の各粉末は一次粒子径が0.1〜0.5μmであ
ることが好ましい。 (d)のアルミニウムの酸素含有化合物の例としては、
アルミナ、アルミナ含有物、アルミナ前駆体、例えば、
水酸化アルミニウム、アルミニウムアルコキシドが挙げ
られ、中でもアルミナが好ましく使用され、特にγ−ア
ルミナのように1000℃以上の高温で熱処理されてい
ないアルミナが最も好適に使用される。また、珪素の酸
素含有化合物の例としては、シリカ、シリカ含有物、シ
リカ前駆体、例えばシリコンアルコキシドが挙げられ、
中でも非晶質シリカが好ましく使用される。 (a)、(b)、(c)及び(d)の各粉末の混合割合
は、通常、(a)80〜95重量%、(b)2〜7重量
%、(c)2.5〜10重量%、(d)0.5〜3重量
%である。
(d)の各粉末は一次粒子径が0.1〜0.5μmであ
ることが好ましい。 (d)のアルミニウムの酸素含有化合物の例としては、
アルミナ、アルミナ含有物、アルミナ前駆体、例えば、
水酸化アルミニウム、アルミニウムアルコキシドが挙げ
られ、中でもアルミナが好ましく使用され、特にγ−ア
ルミナのように1000℃以上の高温で熱処理されてい
ないアルミナが最も好適に使用される。また、珪素の酸
素含有化合物の例としては、シリカ、シリカ含有物、シ
リカ前駆体、例えばシリコンアルコキシドが挙げられ、
中でも非晶質シリカが好ましく使用される。 (a)、(b)、(c)及び(d)の各粉末の混合割合
は、通常、(a)80〜95重量%、(b)2〜7重量
%、(c)2.5〜10重量%、(d)0.5〜3重量
%である。
【0009】本発明において、前記出発原料粉末の混合
方法については特に制限はなく、それ自体公知の方法、
例えば、個々の原料粉末を乾式混合する方法、不活性液
体中で湿式混合した後、不活性液体を除去する方法等を
適宜採用することができる。混合装置としてはV型混合
機、ボ−ルミル、振動ミル等が便利に使用される。本発
明の特徴であるRE含有微粉末を更に効果的に窒化珪素
粉末と混合するためには、先に(例1)に示したRE水
溶液に規定量の窒化珪素粉末を分散した後に中和反応を
起こす方法や(例2)のアルコキシド溶液に窒化珪素粉
末を分散させてゲル化させる方法を採用することができ
る。
方法については特に制限はなく、それ自体公知の方法、
例えば、個々の原料粉末を乾式混合する方法、不活性液
体中で湿式混合した後、不活性液体を除去する方法等を
適宜採用することができる。混合装置としてはV型混合
機、ボ−ルミル、振動ミル等が便利に使用される。本発
明の特徴であるRE含有微粉末を更に効果的に窒化珪素
粉末と混合するためには、先に(例1)に示したRE水
溶液に規定量の窒化珪素粉末を分散した後に中和反応を
起こす方法や(例2)のアルコキシド溶液に窒化珪素粉
末を分散させてゲル化させる方法を採用することができ
る。
【0010】原料混合物の加熱焼結は、例えば、混合粉
末をそのまま乾式あるいは湿式で所定の形状に成形し、
湿式で成形した場合は乾燥処理を行った後に、常圧又は
加圧した窒素含有非酸化性ガス雰囲気下で焼結する方
法、原料粉末を所定の形状のダイスに充填し、ホットプ
レスする方法等を採用することができる。また、上記方
法で得られた焼結体をさらに熱間静水圧プレスすること
により、焼結体の物理的特性を一層高めることもでき
る。常圧又は雰囲気圧焼結に先立つ混合粉末の成形は、
公知の方法、例えばラバ−プレス法、一軸成形法、鋳込
成形法、射出成形法、爆発圧縮成形法等によって行うこ
とができる。焼結温度は通常1600〜2100℃であ
り、焼結時間は通常5〜10時間である。焼結温度が過
度に低いと焼結が進行せず、また焼結温度が過度に高い
と、焼結体に熱分解による組成変化が生じるようにな
る。
末をそのまま乾式あるいは湿式で所定の形状に成形し、
湿式で成形した場合は乾燥処理を行った後に、常圧又は
加圧した窒素含有非酸化性ガス雰囲気下で焼結する方
法、原料粉末を所定の形状のダイスに充填し、ホットプ
レスする方法等を採用することができる。また、上記方
法で得られた焼結体をさらに熱間静水圧プレスすること
により、焼結体の物理的特性を一層高めることもでき
る。常圧又は雰囲気圧焼結に先立つ混合粉末の成形は、
公知の方法、例えばラバ−プレス法、一軸成形法、鋳込
成形法、射出成形法、爆発圧縮成形法等によって行うこ
とができる。焼結温度は通常1600〜2100℃であ
り、焼結時間は通常5〜10時間である。焼結温度が過
度に低いと焼結が進行せず、また焼結温度が過度に高い
と、焼結体に熱分解による組成変化が生じるようにな
る。
【0011】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示す。 実施例1〜5 まずREの酸化物粉末を6規定の硝酸水溶液に60g/
lの濃度となるように溶解させた後、これを更に3倍に
希釈して20g/lの濃度の水溶液とした。これを水浴
中で冷却しつつ撹拌しながらこれにアンモニア水を滴下
して、中和沈殿を得た。得られた沈殿を真空乾燥器で乾
燥し微細なRE含有粉末を得た。このようにして得られ
た粉末の特性を以下に示す。 結晶子径 : 20nm 一次粒子径: 0.05μm 比表面積 : 40m2/g 二次粒子径: 2μm 粒子形状 : 等軸結晶 金属不純物: <500ppm このRE含有粉末とα−窒化珪素粉末(宇部興産製)、
窒化アルミニウム(徳山ソーダ製)、酸化アルミニウム
(住友化学製)を表1に示す配合割合で、媒体としてエ
タノ−ルを用い、48時間湿式ミリングした後、80℃
で真空乾燥した。得られた粉末混合物を、断面が50×
80mm角の金型を用いて、矩形状に予備成形した後、圧
力1.5ton/cm2 でラバープレスした。得られた成形体
を、電気炉を用いて、常圧の窒素雰囲気中で室温から1
750℃まで2℃/分で昇温し、同温度に4時間保持し
た。
lの濃度となるように溶解させた後、これを更に3倍に
希釈して20g/lの濃度の水溶液とした。これを水浴
中で冷却しつつ撹拌しながらこれにアンモニア水を滴下
して、中和沈殿を得た。得られた沈殿を真空乾燥器で乾
燥し微細なRE含有粉末を得た。このようにして得られ
た粉末の特性を以下に示す。 結晶子径 : 20nm 一次粒子径: 0.05μm 比表面積 : 40m2/g 二次粒子径: 2μm 粒子形状 : 等軸結晶 金属不純物: <500ppm このRE含有粉末とα−窒化珪素粉末(宇部興産製)、
窒化アルミニウム(徳山ソーダ製)、酸化アルミニウム
(住友化学製)を表1に示す配合割合で、媒体としてエ
タノ−ルを用い、48時間湿式ミリングした後、80℃
で真空乾燥した。得られた粉末混合物を、断面が50×
80mm角の金型を用いて、矩形状に予備成形した後、圧
力1.5ton/cm2 でラバープレスした。得られた成形体
を、電気炉を用いて、常圧の窒素雰囲気中で室温から1
750℃まで2℃/分で昇温し、同温度に4時間保持し
た。
【0012】得られたサイアロン基焼結体の嵩密度及び
生成相の割合を測定した結果を、表2に示す。尚、生成
相の割合は、X線回折ピーク強度より算出した。また、
作製した焼結体から3×4×40mmのテストピース10
0本を切り出し、これを外スパン30mm、内スパン10
mmの4点曲げ試験治具にセットして、室温及び1300
℃における曲げ強度を測定した。破壊靭性値K1Cは、S
EPB法により測定した。また、得られた焼結体の耐酸
化性試験として、テストピースを空気中1350℃にて
100時間加熱処理し、酸化による重量増加、及び酸化
後の室温における曲げ強度を測定した。これらの結果
を、表2に示す。
生成相の割合を測定した結果を、表2に示す。尚、生成
相の割合は、X線回折ピーク強度より算出した。また、
作製した焼結体から3×4×40mmのテストピース10
0本を切り出し、これを外スパン30mm、内スパン10
mmの4点曲げ試験治具にセットして、室温及び1300
℃における曲げ強度を測定した。破壊靭性値K1Cは、S
EPB法により測定した。また、得られた焼結体の耐酸
化性試験として、テストピースを空気中1350℃にて
100時間加熱処理し、酸化による重量増加、及び酸化
後の室温における曲げ強度を測定した。これらの結果
を、表2に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】実施例6〜10REのアルコキシドを溶解
したアルコール溶液に少量の水を滴下し、加水分解させ
ゾルを得た。得られたゾルを更に溶媒の沸点にて5〜6
時間煮沸することでゲル化させてRE含有微粉末沈殿物
を得た。この沈殿を真空乾燥器で乾燥し微細なRE含有
粉末を得た。 このようにして得られた粉末の特性を以下に示す。 結晶子径 : 15nm 一次粒子径: 0.03μm 比表面積 : 70m2/g 二次粒子径: 1μm 粒子形状 : 等軸結晶 金属不純物: <500ppm このRE含有粉末とα−窒化珪素粉末(宇部興産製)、
窒化アルミニウム(徳山ソーダ製)、酸化アルミニウム
(住友化学製)を表3に示す配合割合で、媒体としてエ
タノ−ルを用い、48時間湿式ミリングした後、80℃
で真空乾燥した。得られた粉末混合物を、断面が50×
80mm角の金型を用いて、矩形状に予備成形した後、圧
力1.5ton/cm2 でラバープレスした。得られた成形体
を、電気炉を用いて、常圧の窒素雰囲気中で室温から1
750℃まで2℃/分で昇温し、同温度に4時間保持し
た。得られたサイアロン基焼結体の嵩密度、生成相の割
合、曲げ強度、破壊靭性値K1C、耐酸化性試験を実施例
1と同様にして測定した結果を表4に示す。
したアルコール溶液に少量の水を滴下し、加水分解させ
ゾルを得た。得られたゾルを更に溶媒の沸点にて5〜6
時間煮沸することでゲル化させてRE含有微粉末沈殿物
を得た。この沈殿を真空乾燥器で乾燥し微細なRE含有
粉末を得た。 このようにして得られた粉末の特性を以下に示す。 結晶子径 : 15nm 一次粒子径: 0.03μm 比表面積 : 70m2/g 二次粒子径: 1μm 粒子形状 : 等軸結晶 金属不純物: <500ppm このRE含有粉末とα−窒化珪素粉末(宇部興産製)、
窒化アルミニウム(徳山ソーダ製)、酸化アルミニウム
(住友化学製)を表3に示す配合割合で、媒体としてエ
タノ−ルを用い、48時間湿式ミリングした後、80℃
で真空乾燥した。得られた粉末混合物を、断面が50×
80mm角の金型を用いて、矩形状に予備成形した後、圧
力1.5ton/cm2 でラバープレスした。得られた成形体
を、電気炉を用いて、常圧の窒素雰囲気中で室温から1
750℃まで2℃/分で昇温し、同温度に4時間保持し
た。得られたサイアロン基焼結体の嵩密度、生成相の割
合、曲げ強度、破壊靭性値K1C、耐酸化性試験を実施例
1と同様にして測定した結果を表4に示す。
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】比較例1〜5 結晶子径 : 200nm 一次粒子径: 0.4μm 比表面積 : 7m2/g 二次粒子径: 8μm 粒子形状 : 等軸結晶 金属不純物: <500ppm という特性を有するRE含有粉末とα−窒化珪素粉末
(宇部興産製)、窒化アルミニウム(徳山ソーダ製)、
酸化アルミニウム(住友化学製)を表5に示す配合割合
で、媒体としてエタノ−ルを用い、48時間湿式ミリン
グした後、80℃で真空乾燥した。得られた粉末混合物
を、断面が50×80mm角の金型を用いて、矩形状に予
備成形した後、圧力1.5ton/cm2 でラバープレスした。
得られた成形体を、電気炉を用いて、常圧の窒素雰囲気
中で室温から1750℃まで2℃/分で昇温し、同温度
に4時間保持した。得られたサイアロン基焼結体の嵩密
度、生成相の割合、曲げ強度、破壊靭性値K1C、耐酸化
性試験を実施例1と同様にして測定した結果を表6に示
す。
(宇部興産製)、窒化アルミニウム(徳山ソーダ製)、
酸化アルミニウム(住友化学製)を表5に示す配合割合
で、媒体としてエタノ−ルを用い、48時間湿式ミリン
グした後、80℃で真空乾燥した。得られた粉末混合物
を、断面が50×80mm角の金型を用いて、矩形状に予
備成形した後、圧力1.5ton/cm2 でラバープレスした。
得られた成形体を、電気炉を用いて、常圧の窒素雰囲気
中で室温から1750℃まで2℃/分で昇温し、同温度
に4時間保持した。得られたサイアロン基焼結体の嵩密
度、生成相の割合、曲げ強度、破壊靭性値K1C、耐酸化
性試験を実施例1と同様にして測定した結果を表6に示
す。
【0019】
【表5】
【0020】
【表6】
【0021】
【発明の効果】本発明で得られるサイアロン基焼結体
は、従来のサイアロン基焼結体に比較して組織の均一性
が著しく向上しており、色むらの解消や、耐蝕性の改善
ばかりでなく、粒界ガラス相の均一化により高温強度、
破壊靱性等の機械的特性はもちろんのこと、特に耐酸化
性が著しく向上しているので、信頼性の高い構造材料、
特にガスタービンエンジン用のローター、ステーター、
燃焼器などの耐熱部品として好適に使用することができ
る。
は、従来のサイアロン基焼結体に比較して組織の均一性
が著しく向上しており、色むらの解消や、耐蝕性の改善
ばかりでなく、粒界ガラス相の均一化により高温強度、
破壊靱性等の機械的特性はもちろんのこと、特に耐酸化
性が著しく向上しているので、信頼性の高い構造材料、
特にガスタービンエンジン用のローター、ステーター、
燃焼器などの耐熱部品として好適に使用することができ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 (a)結晶質窒化珪素粉末、 (b)金属アルミニウム又は窒化アルミニウム粉末、 (c)REα−サイアロンの格子間に侵入固溶するRE
(REはHo,Er,Tm,Yb及びLuからなる群か
ら選ばれる一種以上の変性用希土類元素を示す。)の酸
化物又は熱分解により前記REの酸化物を生成する金属
塩類の粉末、 及び必要に応じて、 (d)アルミニウム又は珪素の酸素含有化合物を混合
し、混合物を成形した後、窒素含有雰囲気下に1600
〜2100℃で焼結することにより、 式 REx (Si,Al)12(O,N)16 〔I〕 (式中、REはHo,Er,Tm,Yb及びLuからな
る群から選ばれる一種以上の変性用希土類元素を示し、
xは0<x≦1を満足する数である。)で表されるRE
α−サイアロンの結晶、及び 式 Si6-z Alz Oz N8-z 〔II〕 (式中、zは0<z≦4.2を満足する数である。)で
表されるβ−サイアロンの結晶を含有するサイアロン基
焼結体を製造するに際し、出発原料である(c)とし
て、結晶子径が5〜50nm、一次粒子径が0.01〜
0.1μm、比表面積が20〜100m2/g、二次粒子径
が5μm以下である微細粉末を用いることを特徴とする
高強度サイアロン基焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3216587A JPH0543333A (ja) | 1991-08-02 | 1991-08-02 | 高強度サイアロン基焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3216587A JPH0543333A (ja) | 1991-08-02 | 1991-08-02 | 高強度サイアロン基焼結体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0543333A true JPH0543333A (ja) | 1993-02-23 |
Family
ID=16690759
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3216587A Pending JPH0543333A (ja) | 1991-08-02 | 1991-08-02 | 高強度サイアロン基焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0543333A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6693054B1 (en) * | 2000-11-28 | 2004-02-17 | Kennametal Inc. | Method of making SiAlON containing ytterbium |
US7049256B2 (en) | 2000-11-28 | 2006-05-23 | Kennametal Inc. | SiAlON containing ytterbium and method of making |
JP2006152069A (ja) * | 2004-11-26 | 2006-06-15 | Fujikura Ltd | アルファサイアロン蛍光体とその製造方法、アルファサイアロン蛍光体中間生成物、アルファサイアロン蛍光体原料粉末及び発光ダイオードランプ |
US7094717B2 (en) | 2000-11-28 | 2006-08-22 | Kennametal Inc. | SiAlON containing ytterbium and method of making |
JP2007031201A (ja) * | 2005-07-27 | 2007-02-08 | Denki Kagaku Kogyo Kk | α型サイアロン粉末の製造方法及び蛍光体 |
US7223709B2 (en) | 2005-02-09 | 2007-05-29 | Kennametal Inc. | Method of making a SiAION ceramic |
-
1991
- 1991-08-02 JP JP3216587A patent/JPH0543333A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
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JP2004527434A (ja) * | 2000-11-28 | 2004-09-09 | ケンナメタル インコーポレイテッド | イッテルビウムを含有するSiAlON及びその生成方法 |
US6964933B2 (en) | 2000-11-28 | 2005-11-15 | Kennametal Inc. | SiAlON containing ytterbium and method of making |
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JP4649641B2 (ja) * | 2004-11-26 | 2011-03-16 | 株式会社フジクラ | アルファサイアロン蛍光体とその製造方法、アルファサイアロン蛍光体原料粉末及び発光ダイオードランプ |
US7223709B2 (en) | 2005-02-09 | 2007-05-29 | Kennametal Inc. | Method of making a SiAION ceramic |
US7309673B2 (en) | 2005-02-09 | 2007-12-18 | Kennametal Inc. | SiAlON ceramic and method of making the same |
EP2511248A2 (en) | 2005-02-09 | 2012-10-17 | Kennametal, Inc. | SiAion ceramic and method of making the same |
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JP4494306B2 (ja) * | 2005-07-27 | 2010-06-30 | 電気化学工業株式会社 | α型サイアロン粉末の製造方法 |
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